スズキ スイフト▲2023年12月に発売となった新型 スズキ スイフト。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏による、公道でのインプレッションをお届けする

高級感がアップした新型スイフト

スズキを代表するハッチバック、それが“スイフト”だ。2000年に登場した初代はどちらかというとSUVチックな佇まいで、日本以外では“イグニス”という車名であった。

そして、今回試乗した新型スイフトは日本では5代目ということになるが、欧州など様々な国で販売されているグローバルモデルの流れとしては4代目といった方がフォルム的にもすんなりいく。

スズキ スイフト▲こちらは初代スイフト。SUVチックな見た目だ

グローバル的にもスイフトの歴史が始まったと言える2代目が2004年に登場し、20年が経過した。3代目以降にも継承され続けているデザインは、いまだに古さを感じさせない。

スズキ スイフト▲続けて2代目(グローバルでは初代)スイフト。今見ても古さを感じないデザインは、最新型まで継承されている

先代のスイフトは2016年に登場したが、依然としてインターナショナルな雰囲気を醸し出している。

スズキ スイフト▲先代となる4代目スイフトは、スタイリッシュでインターナショナルな雰囲気があった

そして新型を目の前にして思うのは、Bセグメントのコンパクトカテゴリーであっても、デザインが継承され続けると必ず高級感が醸し出されるということだ。

スズキ スイフト
スズキ スイフト

ノーズを伸ばしたデザインはスポーツカーのエッセンスを強調し、リアのランプも厚みをもたせて付加価値を高めている。

また、歴代スイフトで初めて「クラムシェル」のエンジンフードを採用。レギュレーションへ対応しながらもスタイリッシュさを表現するといった、スズキの新たな生産の考え方も垣間見れる。

スズキ スイフト▲エンジンフードは歴代で初めてクラムシェル(二枚貝)デザインを採用

スタイリングはウエストラインをシャープにすることで、キャビン自体を重厚な感じに演出。ホイールベース下部に深いプレスを入れることで、先代に比べて大人の装いを感じる。

マルチレイヤードした内装は、樹脂の型や造形を工夫してソフトな印象だ。トーンを抑えたホワイトとブラックのコントラストが広さと明るさを際立たせており、チープな雰囲気を払拭しようとしている開発者の努力が感じられる。

プレーンなコックピットまわりは過度に主張せず堅実な印象だ。ステアリングホイールだけ妙に質の良さを感じられたが、これは歴代モデルから継承している部分と言える。

スズキ スイフト▲ホワイト&ブラックベースのインテリア。チープな雰囲気は感じない

同クラスのコンパクトカーでは最も滑らかなサス

スタートボタンを押し、Dレンジに入れて発進だ。

エンジンは1.2L NA 3気筒で、それにスズキのお家芸と言えるマイルドハイブリッドが搭載される。

スズキ スイフト▲1.2L NAエンジンは最高出力82ps、最大トルク108N・mを発生

負荷がかかると電子パーキングが自動解除されるのは当たり前かもしれないが、コンパクトモデルということもありつい左手がサイドブレーキレバーを探してしまう。

スズキ スイフト▲このクラスでは珍しく電子パーキングを採用

CVTとマイルドハイブリッドの制御は非常にスムーズで、トルク不足は全く感じない。

スズキはこのシステムのパイオニア的な存在であるから、ノウハウも人一倍あるということを改めて理解できる。

3人乗車での試乗だったが、急勾配の上り坂でも不満はない。エンジンがとてもタフなのに滑らかで、ノイズも気にならない。

スズキ スイフト

乗り心地はとてもよく、このクラスのコンパクトカーでは最も滑らかなサスペンションのセッティングに入ると思う。

軽くボディをロールさせながらスタビリティを発揮し、極力ドライバーや同乗者に不愉快な印象を与えないようにしている

コンパクトなハッチバックの場合、どうしても後席の快適さがおろそかになりがちだが、想像以上に良い。コンチネンタルの道で鍛えたサスペンションと言っていたが、偽りはない。

ステアリングのコラム剛性もしっかりとして、200万円ちょっとという価格からは想像がつかない走りの質の高さを感じる。

真面目に作ったモデルゆえ、誰からにも喜ばれるコンパクトハッチであり、価格と質で勝負したスズキらしい魂の1台と言える。

スズキ スイフト

▼検索条件

スズキ スイフト(5代目・現行型)×全国
文/松本英雄、写真/篠原晃一、尾形和美、スズキ

【試乗車 諸元・スペック表】
●1.2 ハイブリッド MZ

型式 5AA-ZCEDS 最小回転半径 4.8m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 3.86m×1.7m×1.5m
ドア数 5 ホイールベース 2.45m
ミッション CVT 前トレッド/後トレッド 1.48m/1.49m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 1.91m×1.43m×1.23m
4WS - 車両重量 950kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 0.12m
マニュアルモード
標準色

クールイエローメタリック、フレイムオレンジパールメタリック、キャラバンアイボリーパールメタリック、スターシルバーメタリック、スーパーブラックパール

オプション色

フロンティアブルーパール、バーニングレッドパールメタリック、ピュアホワイトパール、プレミアムシルバーメタリック、フロンティアブルー ブラック2トーンルーフ、バーニングレッドPM ブラック2トーンルーフ、クールイエロー ガンメタ2トーンルーフ、ピュアホワイトP ガンメタリック2トーン

掲載コメント

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型式 5AA-ZCEDS
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション CVT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 クールイエローメタリック、フレイムオレンジパールメタリック、キャラバンアイボリーパールメタリック、スターシルバーメタリック、スーパーブラックパール
オプション色 フロンティアブルーパール、バーニングレッドパールメタリック、ピュアホワイトパール、プレミアムシルバーメタリック、フロンティアブルー ブラック2トーンルーフ、バーニングレッドPM ブラック2トーンルーフ、クールイエロー ガンメタ2トーンルーフ、ピュアホワイトP ガンメタリック2トーン
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 4.8m
全長×全幅×
全高
3.86m×1.7m×1.5m
ホイール
ベース
2.45m
前トレッド/
後トレッド
1.48m/1.49m
室内(全長×全幅×全高) 1.91m×1.43m×1.23m
車両重量 950kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.12m
掲載用コメント -
エンジン型式 Z12E 環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
種類 直列3気筒DOHC 使用燃料 レギュラー
過給器 - 燃料タンク容量 37リットル
可変気筒装置 - 燃費(JC08モード) 28.9km/L
総排気量 1197cc 燃費(WLTCモード) 24.5km/L
└市街地:20.8km/L
└郊外:24.8km/L
└高速:26.3km/L
燃費基準達成 R12年度燃費基準
85%達成車
最高出力 82ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
108(11)/4500
エンジン型式 Z12E
種類 直列3気筒DOHC
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 1197cc
最高出力 82ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
108(11)/4500
環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
使用燃料 レギュラー
燃料タンク容量 37リットル
燃費(JC08モード) 28.9km/L
燃費(WLTCモード) 24.5km/L
└市街地:20.8km/L
└郊外: 24.8km/L
└高速: 26.3km/L
燃費基準達成 R12年度燃費基準 85%達成車
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。