MX-30▲自動車テクノロジーライター松本英雄氏が、マツダ MX-30ロータリーEVに試乗した際のレポートをお届け

3つ目の選択肢として登場したPHEV

2020年に登場したマツダ MX-30は現在3つのバリエーションがある。1つ目はe-SKYACTIV G 2.0で、優しく操ることができるマイルドハイブリッドを加えた2Lガソリンレシプロモデル。

そして2つ目は、ピュアEVモデル。たくさんのバッテリーを搭載するために、ボディ剛性を向上させて走行性能を高める「G-ベクタリング」を発揮させてドライバビリティを向上させた。



そして今回3つ目のモデルとして今回試乗したのが、世界初のロータリーエンジンを搭載した、プラグインハイブリッドのロータリーEVだ。
 

MX-30
MX-30

デザインは好き嫌いがあるが、当初MX-30のデザインを見たときはフランス的エッセンスと堅牢なドイツな雰囲気もあったり、リアからの佇まいはイタリアンスポーツカーのエッセンスもある。いや、あるようでない。

正直言って個人的にはMX-30の魅力を感じることができなかった。

MX-30
MX-30

マイルドHV、BEV、と比べても走りの質が高いPHEV

そして今、お家芸のロータリーユニットのPHEVモデルを試乗をしてみる。

100kmをEV走行が可能なバッテリー容量と、バッテリーが少なくなってきたらエンジンで充電というレンジエクステンダー方式のPHEV(プラグインハイブリッド)だ。エンジンは、よほどの負荷でない限り始動することはない。

走り出しはとてもなめらかで軽快だ。パワーユニットのバッテリーの重量バランスが良好で、3つのモデルの中で一番良好である。

コーナリング時の路面とのコンタクトも上々だ。EVモデルよりも明らかに良い。

MX-30

長距離を試すために運転支援システムを使って時速90kmで100kmほど走ってみた。これは非常に快適だ。バランスが良いので乗り心地もいい。

そして最高の負荷になる前にエンジンが始動したが、静粛性も良好だ。

ロータリーエンジンの最大のポイントは、軽量でコンパクトという点だ。レシプロに比べると打点もないに等しいことから、低振動でエンジンノイズも最小限にとどめられる。
 

MX-30
MX-30
MX-30

サービスエリアで急速充電をしてエンジンへの負荷を少なくし、快適なドライブを繰り返した。

充電している際に遠くからバイトーンに塗られたMX-30ロータリーEVを見ながら、他のモデルの中に入っても埋没しない個性があって飽きのこないデザインだと気づかされた。

気取っていない。そして長く乗ると、見えないこだわりを感じさせるPHEVであることがスルメをかむように味わい深く感じてくる。

MX-30

ひとつ苦言を呈するなら、冷間時のロータリーエンジンの振動は大きい。そして音も大きいという点。

ワンローターというのは振動では不利だが、バッテリーとの電動率のコントロールによって最小限に抑えたのはロータリーエンジンに命を懸けて開発したエンジニア魂を感じられた。

とがっているだけに、大人気とはならないかもしれない。しかし、知る人ぞ知る良品なモデル。MX-30ロータリーEVだと言える。CX-8に迫る太鼓判を押せるモデルである。
 

MX-30
文/松本英雄、写真/篠原晃一

【試乗車 諸元・スペック表】
●MX-30ロータリーEV エディションR

型式 3LA-DR8V3P 最小回転半径 5.3m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 4.4m×1.8m×1.6m
ドア数 5 ホイールベース 2.66m
ミッション その他AT 前トレッド/後トレッド 1.57m/1.57m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 1.84m×1.5m×1.24m
4WS - 車両重量 1780kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 不明 最低地上高 0.13m
マニュアルモード -
標準色

-

オプション色

-

掲載コメント

※交流電力量消費率 WLTCモード 176Wh/km 市街地モードWLTC-L 165Wh/km 郊外モードWLTC-M 168Wh/km 高速道路モードWLTC-H 190Wh/km
※充電電力使用時走行距離(プラグインレンジ)107km
※一充電消費電力量 17.13kWh/回

型式 3LA-DR8V3P
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション その他AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 -
オプション色 -
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
不明
マニュアル
モード
-
最小回転半径 5.3m
全長×全幅×
全高
4.4m×1.8m×1.6m
ホイール
ベース
2.66m
前トレッド/
後トレッド
1.57m/1.57m
室内(全長×全幅×全高) 1.84m×1.5m×1.24m
車両重量 1780kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.13m
掲載用コメント ※交流電力量消費率 WLTCモード 176Wh/km 市街地モードWLTC-L 165Wh/km 郊外モードWLTC-M 168Wh/km 高速道路モードWLTC-H 190Wh/km
※充電電力使用時走行距離(プラグインレンジ)107km
※一充電消費電力量 17.13kWh/回
エンジン型式 8C-PH 環境対策エンジン -
種類 その他1気筒ロータリー 使用燃料 レギュラー
過給器 - 燃料タンク容量 50リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 830cc 燃費(WLTCモード) 15.4km/L
└市街地:11.1km/L
└郊外:18.5km/L
└高速:16.4km/L
燃費基準達成 -
最高出力 72ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
112(11.4)/4500
エンジン型式 8C-PH
種類 その他1気筒ロータリー
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 830cc
最高出力 72ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
112(11.4)/4500
環境対策エンジン -
使用燃料 レギュラー
燃料タンク容量 50リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) 15.4km/L
└市街地:11.1km/L
└郊外: 18.5km/L
└高速: 16.4km/L
燃費基準達成 -

▼検索条件

マツダ MX-30ロータリーEV(初代)
※流通状況により物件が表示されない場合があります。
※当記事で紹介しているグレードとは別グレードも含まれます。
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。