ジープ グランドチェロキーL▲2022年2月に日本で販売開始となった新型ジープ グランドチェロキーL。今回は、「Limited」と「Summit Reserve」の2グレードに試乗する機会を得た。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏によるインプレッションをお届けする

日本に根付いた歴史ある5代目モデル

本稿は、新型ジープ グランドチェロキーLの試乗レポートであるが、その前に少し歴史をさかのぼってみたい。

読者の皆さんは、ジープ チェロキーという名はご存じだろうか。日本ではよく根付いた車名である。

ジープというモデルは日本に深く浸透しており、バブル期に日本に導入されたチェロキーは、一時期ホンダのディーラーで扱うほど人気があった。

だからこそ、ここまで根付いたモデルになったのだろう。

そして、今回試乗する新型「グランドチェロキーL」は、そもそもチェロキーの後継モデルとして1993年より作られ、今回試乗する最新モデルは5代目となる。

「Limited」と「Summit Reserve」、2つのグレードを乗り比べたので、その際のインプレッションをお伝えしていこう。

コンフォートなツーリングが似合うLimited

ジープ グランドチェロキーL
ジープ グランドチェロキーL

最初に試乗するのはLimitedである。

初めにエクステリアをチェックしていこう。

事前にカタログでチェックはしていたが、実車を目の前にすると、先代以上に堂々とした雰囲気と迫力を感じる。

逆スラントのフロントグリルは、ジープのアイデンティティであるセブンスロットグリルで構成されており、特に印象的だ。

そしてこのグリル、よく見ると状況に応じて開閉し、空力にも寄与するシャッター機構が装着されている。

ハイトがあるフロントノーズは力強さを表し、シンプルなフォルムも持続させながらリアへと流れるデザインで、小細工なしのマッスルさが伝わってくる。

フェンダーアーチの樹脂も、大げさな加飾を避けているようで本物感がある。

そして、このボディを支えるのが、 “FCAジョルジオプラットフォーム”と呼ばれる骨格だ。

アルファロメオ ジュリアやマセラティのSUVもこれを使用しており、コストをかけたプレミアム性の高いプラットフォームと言っていいだろう。

ジープ グランドチェロキーL

車内に乗り込むと、質の高いインテリアが迎え入れてくれ、所有する喜びを感じることができるはずだ。

シートへ座る。私のような小柄な体格の人には、もてあますようなシートの感触だ。非常にタフであり、簡単にはへたらないように思えるが、日本人には少々硬めかもしれない。

電子デバイスを多用したコックピットには、プレミアムモデルらしい装備がしっかりと装着される。

搭載されるエンジンは、3.6LのV型6気筒ユニットで、静粛性は申し分ない。

扱いやすさを身上としたユニットのようだが、秀でているというよりも、8速ATとのマッチングを優先したドライバビリティで、コンフォートなツーリングが得意そうだ。

ジープ グランドチェロキーL

一般道では優雅に流してみたが、インテリアの色がタンで明るく上品なことも相まって、落ち着いてドライブすることができる。

カーブでは思った以上にスタビリティが高く、大きさの割に安定している。

続けて高速道路に入り、一気に加速してみる。さすがに2トンを超えるボディのため、ゆったりとした加速であるのは否めない。

Limitedは少々ダンピングの抑えが足らない感じだが、高速道路でオートモードを使いゆったりと走るのが似合うだろう。

エアスプリングの効果が絶大なSummit Reserve

ジープ グランドチェロキーL

続いてもう1台試乗する。こちらは先に乗ったLimitedに比べ、およそ200万円ほど高価なSummit Reserveだ。

ホイールの大きさが、Limited は18インチだがSummit Reserveは21インチと大径なため、すぐに違いがわかる。

この手のモデルは、ホイールが大きいとプレミアム感が倍増する見栄えとなる。

ジープ グランドチェロキーL

車内に入ると、本木目とセンタークラスターのコントラストが目に入る。アメリカではなく、ヨーロッパの雰囲気を感じる装いだ。

インテリアにリアルマテリアルを使い、質の高さを向上させている。

特に「パレルモレザーシート」は、より優しい感触で、走る前から価格の違いを一瞬で感じられる。

ジープ グランドチェロキーL

エンジンはLimitedに搭載されるものと同様だ。しかし、始動させると幾分静かに感じ、走り出した瞬間、やはり気のせいではないことがわかった。

そして、このSummit Reserveは何といっても「エアスプリング」が搭載されている。

路面からの追従性がよく収まりも良いため、100mも走れば効果が絶大であることが十分理解できる。

Limitedの金属スプリング仕様と比較すると、より安定感があって包容力がある。高速道路でのハーシュネスも、しっかり収めていてすこぶる良い。

また、シートとエアスプリングのマッチングも良く、乗り心地のよさに貢献している。Limitedとの価格差も納得だ。

Mclntosh製プレミアムサウンドシステムは桁違いにクリアな音を奏で、とても心地よい。気持ちがファラウェイへと誘われる……。そんな気分を味わえるモデルであった。

ジープ グランドチェロキーL
文/松本英雄、写真/尾形和美

【試乗車 諸元・スペック表】
●リミテッド 4WD

型式 7BA-WL36L 最小回転半径 6.3m
駆動方式 4WD 全長×全幅×全高 5.2m×1.98m×1.82m
ドア数 5 ホイールベース 3.09m
ミッション 8AT 前トレッド/後トレッド 1.67m/1.67m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 2170kg
シート列数 3 最大積載量 -kg
乗車定員 7名 車両総重量 2555kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 -m
マニュアルモード
標準色

ブライトホワイトクリアコート、バルティックグレーメタリッククリアコート

オプション色

ダイアモンドブラッククリスタルパールC、ヴェルヴェットレッドパールコート

掲載コメント

-

型式 7BA-WL36L
駆動方式 4WD
ドア数 5
ミッション 8AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ブライトホワイトクリアコート、バルティックグレーメタリッククリアコート
オプション色 ダイアモンドブラッククリスタルパールC、ヴェルヴェットレッドパールコート
シート列数 3
乗車定員 7名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 6.3m
全長×全幅×
全高
5.2m×1.98m×1.82m
ホイール
ベース
3.09m
前トレッド/
後トレッド
1.67m/1.67m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 2170kg
最大積載量 -kg
車両総重量 2555kg
最低地上高 -m
掲載用コメント -
エンジン型式 G 環境対策エンジン -
種類 V型6気筒DOHC 使用燃料 ハイオク
過給器 - 燃料タンク容量 87リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 3604cc 燃費(WLTCモード) -
燃費基準達成 -
最高出力 286ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
344(35.1)/4000
エンジン型式 G
種類 V型6気筒DOHC
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 3604cc
最高出力 286ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
344(35.1)/4000
環境対策エンジン -
使用燃料 ハイオク
燃料タンク容量 87リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) -km/L
燃費基準達成 -

●サミット リザーブ 4WD

型式 7BA-WL36LA 最小回転半径 6.3m
駆動方式 4WD 全長×全幅×全高 5.2m×1.98m×1.8m
ドア数 5 ホイールベース 3.09m
ミッション 8AT 前トレッド/後トレッド 1.67m/1.67m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 2250kg
シート列数 3 最大積載量 -kg
乗車定員 6名 車両総重量 2580kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 -m
マニュアルモード
標準色

ブライトホワイトクリアコート、バルティックグレーメタリッククリアコート

オプション色

ダイアモンドブラッククリスタルパールC、ヴェルヴェットレッドパールコート

掲載コメント

-

型式 7BA-WL36LA
駆動方式 4WD
ドア数 5
ミッション 8AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ブライトホワイトクリアコート、バルティックグレーメタリッククリアコート
オプション色 ダイアモンドブラッククリスタルパールC、ヴェルヴェットレッドパールコート
シート列数 3
乗車定員 6名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 6.3m
全長×全幅×
全高
5.2m×1.98m×1.8m
ホイール
ベース
3.09m
前トレッド/
後トレッド
1.67m/1.67m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 2250kg
最大積載量 -kg
車両総重量 2580kg
最低地上高 -m
掲載用コメント -
エンジン型式 G 環境対策エンジン -
種類 V型6気筒DOHC 使用燃料 ハイオク
過給器 - 燃料タンク容量 87リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 3604cc 燃費(WLTCモード) -
燃費基準達成 -
最高出力 286ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
344(35.1)/4000
エンジン型式 G
種類 V型6気筒DOHC
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 3604cc
最高出力 286ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
344(35.1)/4000
環境対策エンジン -
使用燃料 ハイオク
燃料タンク容量 87リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) -km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。