ボルボ C40▲2022年4月にマイナーチェンジとグレード追加を行ったボルボ C40。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏による公道試乗のインプレッションをお届けする

ボルボ初のEV専用モデル

2022年11月ボルボは、2025年までに販売するほぼ半数をBEV(Battery Electric Vehicle)にするリリースを発表している。ちなみに、これは2019年から明言されていることだ。

そして残りの50%をハイブリッドモデルで補うともアナウンスしている。母国スウェーデンでは電気料金が昨年の倍以上に高騰し、EVの普及率が60%以上の隣国ノルウェーでは電気料金が異常に高騰して充電するにもちゅうちょするほどだという。

いずれにしても昨今、欧州は電気料金の高騰に対して躍起になっている。そのような世界情勢の中で、果たしてボルボが発表したようにBEV化がそこまで進むのか疑問でならない。

CO2削減をうたっているが、実際にはノルウェーのように北海油田から油やガスを輸出して他国に販売して潤っている国もあるのが実情である。BEV=環境に配慮という図式を浸透させようとする一方で、このような現実がある。本当にこのままBEV化を推進していくのか、極端な移行は大丈夫なのか。昨今のエネルギー問題を考えながら港区のボルボ試乗会場に向かった。
 

C40 ▲ピュアEVのC40。航続可能距離はツインモーターが484km、シングルモーターが502km(いずれもWLTCモード)

加速感抜群のツインモーター

今回、試乗したモデルはC40のツインモーターとシングルモーターの2台である。

C40はボルボとして日本に導入された初のBEVであり、今回はそのマイナーチェンジモデルである。日本では2018年に導入されたXC40を街中でよく見かけるが、このモデルのリアのルーフを寝かせたフォルムが、どことなく往年のボルボの名車「PV444」に似た雰囲気がある。
 

ボルボ C40
ボルボ C40

最初に試乗したモデルは「リチャージ アルティメット ツインモーター」である。モデルの様相からは感じ取れないがネーミングは非常にすごみがある。その名のとおり前後に200馬力を超えるモーターが搭載されている。

このおとなしそうな北欧デザインに400馬力の出力はただものではない。

モーターは瞬時にマックスのトルクを発生する。だからこそ加速がすさまじいことが想像できる。3名乗車で国道を流れに沿って走るが非常にスムーズでしかもスイスイと加減速ができる。
 

ボルボ C40

乗り心地もすこぶる良好だ。シートと内装のコントラストも趣味がいい。そして質感も申し分ない。

芝公園から首都高速のステージに移る。芝公園の内回りの合流アプローチは短い。目視で流れを見ながら加速する。とてもスムーズに安心して合流できる。

浜崎橋の逆バンクが気になるカーブの路面とのコンタクトも文句のつけようがない。ボトムするときにもバッテリーの重みも強く感じさせず、サスペンションのストローク制御が良好だ。

そして何よりもスロットルの前後のモーター制御が細かく、安定感がある。大きなトルクを一気に放出できるだけにかえって不安定なステアリングになることもあるが、アルティメット ツインモーターは皆無である。

加速を少々味わってみたがすさまじい。「アルティメット」だけはある。装いとは違いいだてんな走りっぷりだ。

ハンドリングも常時安定していて、ツインモーターによる制御が滑りやすい路面で鍛えられたスタビリティ重視のハンドリングである。プライスは759万円也。
 

ボルボ C40
ボルボ C40

軽快さのあるシングルモーター

ボルボ C40

間髪をいれずに、今度はフロント駆動の「リチャージ プラス シングルモーター」の試乗だ。

内装の雰囲気は同様で、リサイクルマテリアルを使用したカーペットとシートの質感のハーモニーは落ち着いたデザインだ。
 

ボルボ C40

こちらは150kgほどツインモーターよりも軽量である。実際に走ってみると時速60km以下ではまぁ悪くはないが、若干リアの動きの収束が遅い印象だ。

ステアリングは軽めであるが、加速すると左右に振れるところもあり、敏感な一面を感じ取れる。100万円の差がとても理解できる。
 

ボルボ C40

高いスタビリティを選ぶのであれば別だが、普段は街乗りモデルと使用するのであれば申し分ない。少しでもファンな方向性が欲しいのならば、100万円を多く支払ってアルティメットモデルを購入した方が喜びが大きいはずだ。

2030年までにボルボの新車モデルはすべてBEVと明言しているが、それは情勢などが安定していることが条件だといえる。現在のままでは疑問を持つ。BEVでなくても折衷案もあると思うのだが、一気にかじをきるボルボの姿勢は現時点では変わらない。

ドイツはBEVから燃料を吟味したハイブリッドの構想も出始めている。何事も極端な展開は危険も感じるが、試乗して思うことは性能と走りにはまったく迷いはないということだ。
 

ボルボ C40

▼検索条件

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文/松本英雄、写真/尾形和美

【試乗車 諸元・スペック表①】
●リチャージ アルティメット ツインモーター

型式 - 最小回転半径 5.7m
駆動方式 4WD 全長×全幅×全高 4.44m×1.88m×1.6m
ドア数 5 ホイールベース 2.7m
ミッション その他AT 前トレッド/後トレッド 1.6m/1.61m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 -kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 不明 最低地上高 0.18m
マニュアルモード -    
標準色

ブラック

オプション色

オニキスブラックメタリック、フュージョンレッドメタリック、サンダーグレーメタリック、セージグリーン、シルバードーンメタリック、クリスタルホワイトパール、フィヨルドブルーメタリック、ルミナスサンドメタリック、メープルブラウンメタリック、デニムブルーメタリック、パイングレーメタリック

掲載コメント

-

型式 -
駆動方式 4WD
ドア数 5
ミッション その他AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ブラック
オプション色 オニキスブラックメタリック、フュージョンレッドメタリック、サンダーグレーメタリック、セージグリーン、シルバードーンメタリック、クリスタルホワイトパール、フィヨルドブルーメタリック、ルミナスサンドメタリック、メープルブラウンメタリック、デニムブルーメタリック、パイングレーメタリック
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
不明
マニュアル
モード
-
最小回転半径 5.7m
全長×全幅×
全高
4.44m×1.88m×1.6m
ホイール
ベース
2.7m
前トレッド/
後トレッド
1.6m/1.61m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 -kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.18m
掲載用コメント -
エンジン型式 EAD3 環境対策エンジン -
種類 電気モーター 使用燃料 電気
過給器 - 燃料タンク容量 -リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 -cc 燃費(WLTCモード) -
燃費基準達成 -
最高出力 408ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
660(67.3)/4350
エンジン型式 EAD3
種類 電気モーター
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 -cc
最高出力 408ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
660(67.3)/4350
環境対策エンジン -
使用燃料 電気
燃料タンク容量 -リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) -km/L
燃費基準達成 -

【試乗車 諸元・スペック表②】
●リチャージ プラス シングルモーター

型式 - 最小回転半径 5.7m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 4.44m×1.88m×1.6m
ドア数 5 ホイールベース 2.7m
ミッション その他AT 前トレッド/後トレッド 1.6m/1.61m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 -kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 不明 最低地上高 0.18m
マニュアルモード -    
標準色

ブラック

オプション色

オニキスブラックメタリック、フュージョンレッドメタリック、サンダーグレーメタリック、セージグリーン、シルバードーンメタリック、クリスタルホワイトパール、フィヨルドブルーメタリック、ルミナスサンドメタリック、メープルブラウンメタリック、デニムブルーメタリック、パイングレーメタリック

掲載コメント

-

型式 -
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション その他AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ブラック
オプション色 オニキスブラックメタリック、フュージョンレッドメタリック、サンダーグレーメタリック、セージグリーン、シルバードーンメタリック、クリスタルホワイトパール、フィヨルドブルーメタリック、ルミナスサンドメタリック、メープルブラウンメタリック、デニムブルーメタリック、パイングレーメタリック
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
不明
マニュアル
モード
-
最小回転半径 5.7m
全長×全幅×
全高
4.44m×1.88m×1.6m
ホイール
ベース
2.7m
前トレッド/
後トレッド
1.6m/1.61m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 -kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.18m
掲載用コメント -
エンジン型式 EAD3 環境対策エンジン -
種類 電気モーター 使用燃料 電気
過給器 - 燃料タンク容量 -リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 -cc 燃費(WLTCモード) -
燃費基準達成 -
最高出力 231ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
330(33.6)/4919
エンジン型式 EAD3
種類 電気モーター
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 -cc
最高出力 231ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
330(33.6)/4919
環境対策エンジン -
使用燃料 電気
燃料タンク容量 -リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) -km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。