“ランドローバー▲【Land Rover Defender 90 HSE|写真=柳田由人】

新しさと懐かしさを両立させる、クラシカルなスタイル

ランドローバー ディフェンダーはオフロード4WD界のレジェンドだ。ディフェンダーは、1948年にその名もランドローバーとして誕生。1990年にはモデル名をディフェンダーに改めたものの、実質的なフルモデルチェンジを行なうことなく、およそ70年間にわたって生産が続けられた。

そんなディフェンダーが初のフルモデルチェンジを受けたのは2019年のこと。このときはロングホイール版のディフェンダー110がまずはお披露目されたが、先ごろショートホイールベース版のディフェンダー90が日本上陸を果たしたので、ここでご紹介することにしよう。
 

ランドローバー ディフェンダー 90 HSE▲新開発Dx7アーキテクチャを採用し、「ランドローバー史上最も頑丈なボディ構造」へと進化。6万2000項目以上のテストが行われ、「気温50度の砂漠から-40度の北極まで」あらゆる状況下で走行が可能なことを検証しているという
ランドローバー ディフェンダー 90 HSE▲車高調整機能付きエアサスペンションはディフェンダー110で標準、ディフェンダー90ではオプションとされた。乗り心地は向上するものの、最大渡河水深がコイルスプリングより50mm低い850mm(ディフェンダー90)となる
ランドローバー ディフェンダー 90 HSE▲最上位グレードのHSEに標準装備される20インチホイール。他にも無骨なデザインの18インチから、大径の22インチまで用意されている

ディフェンダーのデザインは極めてユニークだ。というのも、初代とよく似たシンプルな面構成を基本としながら、細部の処理を現代風にすることで、“懐かしさ”と“新しさ”の両方を表現しているからだ。

ランドローバーのチーフデザイナーだったジェリー・マクガバンは、ディフェンダーのデザインで留意した点について、私にこんなふうに教えてくれたことがある。「シンプルな形状で高いクオリティ感を表現するため、ボディ表面の仕上げには特別、長い時間を費やしました。細かく波打っていた初期型とはまったく質感が異なります」

一方で、シンプルなデザインなのにどこか温かさが伝わってくるのは、イギリスのデザインならでは。とりわけ特徴的なのがフロントマスクで、マクガバンもディフェンダーのフロントマスクを人の顔に例えながら、こんなふうに説明してみせた。「ちょっと強そうで、自信ありげな表情に見えますが、一方でとてもフレンドリーな印象を与える顔つきです。決して凶暴なタイプではありません」

インテリアはさらに独創的だ。シンプルな造形で、いかにもオフロード車らしいたくましさを備えているのに、デザイン的にはとてもモダンで質感も高い。これまでになかったSUVのインテリアデザインだ。
 

ランドローバー ディフェンダー 90 HSE▲5人乗車時のラゲージ容量は297L。オプションで、ボディ外側に取り付けるサイドマウントギアキャリアなども用意された
ランドローバー ディフェンダー 90 HSE▲後席を倒すことで、最大1263Lまでラゲージ容量を拡大することが可能
ランドローバー ディフェンダー 90 HSE▲本国ではディーゼルやV8も用意されるが、国内では直4のガソリンエンジンのみをラインナップ。ディフェンダー110は来年度のイヤーモデルから、日本でも3Lディーゼルモデルが選択可能

新たに登場したディフェンダー90は、2ドア+テールゲートのシンプルなボディ構成のおかげで、現代の基準で見れば実に簡素だった先代のディフェンダーとよく似た印象を与える。グレードによっては白くペイントされたスチールホイールが選べることも、クラシックな雰囲気を強調している。

ただし、一般道でディフェンダー90に乗ってみると、ロングホイールベース版のディフェンダー110と遜色のない快適性を備えていることに気づく。これは試乗車がエアサスペンションを装備していたこととも深く関係しているはずだが、路面からゴツゴツしたショックを伝えないしなやかな乗り心地をもたらす一方で、高速道路では見事なほどボディをフラットな姿勢に保ってみせた。

オフロード走行にも対応するオールテレインタイヤを装着していながら、高速直進性に不満を抱かなかったことも見事だ。

排気量2Lの4気筒エンジンは、低速域から力強いトルクを生み出してくれるので、もどかしさはまるで感じない。つまり、スタイリングはクラシカルなのに、走る性能は現代の基準に照らし合わせてもトップレベルという、なんとも魅力的な本格SUVがディフェンダー90なのである。
 

ランドローバー ディフェンダー 90 HSE▲インテリアは、ボルトをあえて見せることで無骨さを表現。水平基調のデザインとすることで、オフロード走行時に車両姿勢を把握しやすくなっている
ランドローバー ディフェンダー 90 HSE▲センターコンソールは、1列目から2列目への移動が容易となるキャビンウォークスルーへと変更可能。フロントシートにはオプションでシートベンチレーションが用意される
ランドローバー ディフェンダー 90 HSE▲シートとトリムのカラーは、写真のエイコーンに加えブラック、カーキの3色をラインナップ
ランドローバー ディフェンダー 90 HSE▲インフォテイメントシステムは最新のPivi Proを採用。写真は標準装備の10インチで、11.4インチも選択可能だ。スマートフォン連携も可能となっており、Apple CarPlayとAndroid Autoにも対応している
文/大谷達也、写真/柳田由人

▼検索条件

ランドローバー ディフェンダー 90(現行型) × 全国

【試乗車 諸元・スペック表】
●90 HSE 2.0L P300 4WD

型式 3BA-LE62XCA 最小回転半径 5.7m
駆動方式 4WD 全長×全幅×全高 4.58m×2.01m×1.97m
ドア数 3 ホイールベース 2.59m
ミッション 8AT 前トレッド/後トレッド 1.7m/1.7m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 2065kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 インパネ 最低地上高 0.23m
マニュアルモード    
標準色

フジ・ホワイト

オプション色

サントリーニ・ブラックメタリック、インダス・シルバーメタリック、アイガー・グレイメタリック、パンゲアグリーンメタリック、ゴンドワナストーンメタリック、タスマンブルーメタリック

掲載コメント

-

型式 3BA-LE62XCA
駆動方式 4WD
ドア数 3
ミッション 8AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 フジ・ホワイト
オプション色 サントリーニ・ブラックメタリック、インダス・シルバーメタリック、アイガー・グレイメタリック、パンゲアグリーンメタリック、ゴンドワナストーンメタリック、タスマンブルーメタリック
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
インパネ
マニュアル
モード
最小回転半径 5.7m
全長×全幅×
全高
4.58m×2.01m×1.97m
ホイール
ベース
2.59m
前トレッド/
後トレッド
1.7m/1.7m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 2065kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.23m
掲載用コメント -
エンジン型式 PT204 環境対策エンジン -
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 ハイオク
過給器 ターボ 燃料タンク容量 88リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 1997cc 燃費(WLTCモード) 8.3km/L
└市街地:6.6km/L
└郊外:8.3km/L
└高速:9.3km/L
燃費基準達成 -
最高出力 300ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
400(40.8)/4000
エンジン型式 PT204
種類 直列4気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 1997cc
最高出力 300ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
400(40.8)/4000
環境対策エンジン -
使用燃料 ハイオク
燃料タンク容量 88リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) 8.3km/L
└市街地:6.6km/L
└郊外: 8.3km/L
└高速: 9.3km/L
燃費基準達成 -