レンジローバー スポーツ SVRはジャガー・ランドローバー社の象徴的なモデルである
カテゴリー: ランドローバーの試乗レポート
タグ: SUV
2015/08/05
ランドローバーの矜持を守ったスーパースポーツSUV
ノルドシュライフェで樹立された8分14秒というSUV最速ラップタイムは、7分59秒をマークしたポルシェ カイエン・ターボSによって塗り替えられたけれど、レンジローバー・スポーツSVRがいまもSUVとして世界最速の一台であることは紛れもない事実である。
でも、それ以上に大切なことは、この特別なレンジローバー・スポーツがランドローバーの本質であるオフロード性能をまったくといっていいほど犠牲にしていない点にある。なにしろ最低地上高はスタンダードモデルとまったく同じ。急坂を上り始めるときに重要となるアプローチアングルのみ、フロントバンパーを大型化した関係でいくぶん小さくなったものの、その差はほんのわずか。ちなみに、フロントバンパーが大きくなったのは、インタークーラーに冷却気を導くためのエアインテークが拡大されたためだという。
そうしたSVRのパフォーマンスは、ニューヨーク近郊のモンテシエロというサーキットで存分に堪能できた。この施設内のオフロードコース(ランドローバーの卓越したオフロード性能からいえばさほど険しいコースではないが、一般ユーザーだったら絶対に足を踏み入れないくらいの難関)をさらっと走りきった後、下回りをざっと水洗いしただけで、そのままサーキットにコースイン。なんの遠慮もなく全開走行を楽しめたのである。
街中での乗り心地はむろん硬めだが、それはむしろ「強靱なしなやかさ」というべきものであって、眉をひそめたくなる性格のものではない。いずれにせよ、オフロード性能とオンロード性能の高い次元での融合は、ジャガー・ランドローバーという会社だからこそ実現できたもの。その意味でSVRは同社にとって極めて象徴的なモデルといえるだろう。
【SPECIFICATIONS】
■グレード:SVR ■乗車定員:5名
■エンジン種類:V8DOHCスーパーチャージド ■総排気量:5000cc
■最高出力:550[ps]
■最大トルク:680[N・m]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:8AT
■全長×全幅×全高:4872×2018.5×1780(mm) ■ホイールベース:2923mm
■車両重量:2335kg