ルノー アルカナ▲独自のフルハイブリッドによる優れた燃費性能が人気のクーペSUVがマイナーチェンジ。フロントマスクなどの変更に加え、スポーツカーブランドであるアルピーヌのエッセンスを取り入れた「エスプリ アルピーヌ」へと進化を果たした

アルピーヌの上質感を得た人気のクーペSUV

サッカーではファンタジスタが終わってハードワークの時代と言われて久しいが、ルノー アルカナは相変わらずファンタジスタな存在だと思う。

というのもまず欧州Bセグメント、つまりルーテシアと同じプラットフォームで、ライバルでいえばフォルクスワーゲン ポロやT-Cross、プジョー 208/2008らと同セグメントながら、全長4570×全幅1820×全高1580mmという大盛りっぷり。荷室や室内の広さといった、余裕を感じたい要素はさらっと揃えつつ、BセグどころかCセグでも少なめのSUVクーペという車型で勝負してきた。つまり気前のいい盛りでカッコもよろしい。

しかも、今回のマイナーチェンジでは「エスプリ アルピーヌ」という、ルノー・グループ内の上位ブランドの名をかたり始めている。エクステリアに貼りつけられたバッジ以外で、アルピーヌ感が感じられるのはシートぐらいだが、さすが本家本元、アニマルフリーのレザーとはいえステッチのパターンとか厚みや質感で、往年のA110に通じるスポーツシートの意匠や雰囲気がちゃんと醸し出されている。内装は全体的に、ダッシュボードの助手席眼前にある樹脂製の加飾パネル以外は、しっとりと落ち着いた空気感で、触感も上々だ。トリコロールのステッチも目につきやすいドアパネルの一部のみと、しつこすぎないさじ加減は、やはり巧い。ちなみにタッチスクリーンは従来の7インチから縦型9.3インチに拡大され、使いやすく見やすくなった。
 

ルノー アルカナ▲ブラックのエグゾーストフィニッシャーやクリアライトクラスターなどにより、よりスポーティな印象を高めた
ルノー アルカナ▲フロントシートにはアルピーヌのロゴとブルーステッチがあしらわれている

運転次第でカタログ値以上の燃費を実現

アルカナが売れている決め手は、マイルドハイブリッドに加えて輸入車SUVではナンバーワンの実燃費を誇るフルハイブリッドのパワートレイン「E-TECH」を擁すること。電動モーターで2相、ICE側で4相という実質的に14速のトランスミッションは独自開発だ。アクチュエーター制御でドグクラッチを用いることで、シャンシャンという素早くも滑らかな変速動作とダイレクトな駆動感を実現している。

それでいて、ドライバーが気持ちエコラン気味に走れば、あっさりと22.8km/Lというカタログ数値を超えて30km/L近くを叩き出すことも可能。意図をもって走らせることが素直に楽しいパワートレインだ。はっきり言って「燃費よくてラクで安ければ欲しくなるでしょ」的な、ユーザーをナメくさったコンパクトベーシックとはワケが違う。最終的なパフォーマンスというかゴールをキメるのはドライバーという、乗り手へのリスペクトが感じられるのだ。

とはいえ、アルカナの走りは燃費だけが目的の動的質感では全然ない。最低地上高200mmものハイライダーであるにもかかわらず、ロールのコントロールが利いたしなやかな乗り心地が低速域から高速域まで一貫しているし、ハンドリングに嫌なクセがなく狙ったラインをキチンとトレースできる。キビキビもゆったりも幅広くこなせる、当意即妙のリズム感がある。そこを突き詰めると同じくE-TECHでハッチバックであるルーテシアもオススメなのだがボリューム感、つまりポリバレントプレーヤー(複数のポジションをこなすプレーヤー)ぶりでアルカナに軍配が上がるのは仕方ない。
 

ルノー アルカナ▲新デザインのエンブレムと立体的なハーフダイヤモンドシェイプを用いたフロントグリルを組み合わせた
ルノー アルカナ▲専用デザインの19インチホイールを装着

ちなみに今回のマイナーチェンジで、見た目に前期型と大きく異なるのは、ルノーの菱形ロゴがつるっとフラットな意匠になったこと。グリルパターンは逆に、立体的な「ロザンジュ(菱形=ルノーロゴ)」が採用され、ちょっとモノグラムめいた仕上がりだ。加えて、専用ホイールも従来メインだった18インチから19インチ仕様となっている。いわば、アルカナのエスプリ・アルピーヌは全体的にスポーツシック仕様といえる。

もうひとつ言えば、近頃の欧州車といえばインフォテインメントのスマホ接続がBluetoothかUSB-Cのみに整理されがちだが、AUXつまりアナログ入力がアルカナにはちゃんと残されている。車載オーディオのボーズも自然な中低音で心地よかった。カセットテープやレコードが再びエモい今の時代に、いわば逆行しているメーカーが多すぎる中で、ストリーミングサービスやエミュレーションを使わずとも、プライバシーの確保された状態でさらっと音楽が聴けることは、貴重ですらある。

マイナーチェンジとはいえ、表面的どころか本質的な進化とルノーイズムは止めない。そこがアルカナのファンタジスタたるところなのだ。
 

ルノー アルカナ▲従来は用意のなかった電動パノラミックルーフがオプションで設定されている
ルノー アルカナ▲ボディサイドにはアルピーヌのエンブレムが備わった
ルノー アルカナ▲ステアリングとドアパネルにはトリコロールのステッチが入る
ルノー アルカナ▲レザーフリーとなり、インテリアには人口皮革のTEPレザーが採用されている
文/南陽一浩 写真/井上誠

マイナーチェンジ前のルノー アルカナの中古車市場は?

ルノー アルカナ

2022年に登場したクーペSUV。独自のハイブリッドシステムである「E-TECH」搭載モデルから販売を開始、約半年後にはBSGと呼ばれるモーターと12Vリチウムイオンバッテリーを1.3Lエンジンに組み合わせたマイルドハイブリッドが追加設定されている。

2024年11月上旬時点で、中古車市場には40台程度が流通。支払総額の価格帯は300万~430万円となる。そのうち30台程度がE-TECH フルハイブリッドモデルが占めており、中古車市場でもこちらがメインとなっている。
 

▼検索条件

ルノー アルカナ × 全国
文/編集部、写真/柳田由人

【試乗車 諸元・スペック表】
●エスプリ アルピーヌ イーテック フルハイブリッド

型式 7AA-LJLH4MH 最小回転半径 5.5m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 4.57m×1.82m×1.58m
ドア数 5 ホイールベース 2.72m
ミッション 4AT 前トレッド/後トレッド 1.55m/1.56m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 1470kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 0.2m
マニュアルモード -    
標準色

ノワールメタルM

オプション色

ブランペルレM/ルーフ:ノワールメタルM、グリメタルM/ルーフ:ノワールメタルM、ブルーザンジバルM/ルーフ:ノワールメタルM、ルージュフラムM/ルーフ:ノワールメタルM

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型式 7AA-LJLH4MH
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション 4AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ノワールメタルM
オプション色 ブランペルレM/ルーフ:ノワールメタルM、グリメタルM/ルーフ:ノワールメタルM、ブルーザンジバルM/ルーフ:ノワールメタルM、ルージュフラムM/ルーフ:ノワールメタルM
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
-
最小回転半径 5.5m
全長×全幅×
全高
4.57m×1.82m×1.58m
ホイール
ベース
2.72m
前トレッド/
後トレッド
1.55m/1.56m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 1470kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.2m
掲載用コメント -
エンジン型式 H4M 環境対策エンジン -
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 ハイオク
過給器 - 燃料タンク容量 50リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 1597cc 燃費(WLTCモード) 22.8km/L
└市街地:19.6km/L
└郊外:24.1km/L
└高速:23.5km/L
燃費基準達成 -
最高出力 94ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
148(15.1)/3600
エンジン型式 H4M
種類 直列4気筒DOHC
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 1597cc
最高出力 94ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
148(15.1)/3600
環境対策エンジン -
使用燃料 ハイオク
燃料タンク容量 50リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) 22.8km/L
└市街地:19.6km/L
└郊外: 24.1km/L
└高速: 23.5km/L
燃費基準達成 -