アウディ A3セダン(大谷達也)【ニューモデル試乗】
カテゴリー: アウディの試乗レポート
タグ: セダン
2014/02/24
繰り返しながら、乗り心地、ハンドリング、ドライバビリティ、静粛性のすべてに大満足。そんななかひとつだけ注文をつけるとすれば後席のヘッドルームがスポーツバックに及ばない点。それでも拳が横に入るから、天井に頭が触れる某競合車よりはずっと広い
ゴルフから生まれたプレミアム・スポーティセダン
優れたデザイン力はいまも健在
ご存じのとおりアウディ A3とVW ゴルフは兄弟モデル。「だったら値段の安いゴルフを買ったほうが得じゃない? 」という考え方も成り立つが、あれだけ評価の高いゴルフ7を出発点として、そこからさらに走りと内外装のクオリティを磨き上げたとなれば、A3への期待は否応なく膨らむというもの。実際、ハッチバックボディは「さすがアウディ」と思わせるだけの完成度を備えていた。では、その3ボックス版はどうだったのか?
この種の成り立ちを持つCセグメントセダンは、とってつけたような短めのトランクを持つのが通例で、これがスタイリング全体の“寸詰まり感”を生み出していた。A3セダンもトランクは短めだが、ドアハンドル、シングルフレームグリル、ドアミラー、ヘッドライト以外はA3セダンのために作り直したというだけあって、エクステリアデザインは流れるように伸びやかで、バランスもいい。それでいながらスポーティなエレガントさも表現できている。
アウディの優れたデザイン力はいまも健在のようだ。
ゴルフをベースにさらに進化
乗り心地とハンドリングのバランスでは、このクラスの新たな基準を打ち立てたといっていい。
ゴルフ譲りの快適性を備えつつ、ハンドリングは明らかにスポーティ。それでもロードノイズはゴルフと変わらないレベルを維持しているのだから恐れ入る。エンジンも同様で、トップエンドまで回してもちっともうるさいと感じない。この辺もゴルフ7をベースにし、さらに進化させたという印象だ。
エンジンはクワトロを優先すると自動的に1.8Lなるが、それさえ諦められるなら気筒休止機構付きの1.4Lがお勧め。ボトムエンドでもトルクは分厚く、ウエット路面では2速でもホイールスピンするほどの力強さ。しかも高速燃費は20km/Lを超えそう。DCTのSトロニックはスポーティな走りにぴったりだ。
SPECIFICATIONS
グレード | 1.8TFSI quattro | ||
駆動方式 | 4WD | ||
トランスミッション | 6DCT | ||
全長×全幅×全高(mm) | 4465×1795×1390 | ||
ホイールベース(mm) | 2635 | ||
車両重量(kg) | 1470 | ||
乗車定員(人) | 5 | ||
エンジン種類 | 直4DOHCターボ | ||
総排気量(cc) | 1798 | ||
最高出力[ps/rpm] | 180/4500-6200 | ||
最大トルク[N・m/rpm] | 280/1350-4500 | ||
車両本体価格(万円) | 410 |