1.4Lエンジンとは絶対に思えない、驚きの走り
(Tester/西川淳 Photo/尾形和美)

VWゴルフ GT TSI 走り|ニューモデル試乗 VWゴルフ GT TSI フロント|ニューモデル試乗 VWゴルフ GT TSI リア|ニューモデル試乗
テスト車両:GT TSI
■車両価格:305万円
■主要諸元
●駆動方式:FF
●トランスミッション:6速DSG
●全長4225×全幅1760×全高1500㎜
●ホイールベース:2575㎜
●車両重量:1410㎏
●乗車定員:5人
●エンジン種類:直4DOHC+SC+ターボ
●総排気量:1389cc
●最高出力:125kW(170ps)/6000rpm
●最大トルク:240N・m(24.5㎏-m)/1500~4500rpm
●使用燃料:無鉛プレミアム
●燃料タンク容量:55L
●10・15モード燃費:14.0㎞/L
●タイヤサイズ(前/後):225/45R17


コンセプト
小排気量で十分なパワーを生む古くて新しいエンジン技術

VWゴルフ GT TSI エンブレム|ニューモデル試乗 VWゴルフ GT TSI アルミホイール|ニューモデル試乗
 ゴルフの中核グレード、GTのパワートレインが変更された。2L直噴+6ATが、1.4L直噴ツインチャージャー+6速DSGへチェンジされたわけだが、この新エンジン投入こそがニュースというわけである。よって、車そのもののコンセプトに変更はない。
 低回転域ではスパーチャージャーで補い、高回転域ではターボチャージャーのみで十分な力を得るというこの方式は、圧縮比を高く保てる直噴技術と、滑らかで効率的な変速が可能なDSG技術あってこそ。おかげで、自然吸気に置き換えると2.4Lエンジン相当という高性能を堪能できることはもちろん、燃費性能もゴルフ史上最良の数値を実現。過給器という考え方は、本来、効率的なものだ。

室内&荷室空間
最量販グレードでありながら内外装をスポーティな装いに

VWゴルフ GT TSI インパネ|ニューモデル試乗 VWゴルフ GT TSI フロントシート|ニューモデル試乗
 日本市場におけるゴルフGTは、ラインナップの中でも最量販ながら、スポーティグレードという位置づけ。それゆえ、排気量が減っても実質的な性能が大幅に向上した新GTでは、よりスポーティなルックスとインテリアを手に入れることと相成った。
 まず顔つきが逞しくなった。R32ばりの大型エアインテーク付きグリルバンパーとなり、グリルの横バーの間にGTバッジが入る。フィンタイプの17インチアルミホイールや2本出しマフラーもGTの特徴。スポーツサスでノーマルモデルよりも20㎜ローダウンされており、全体的に精悍な印象だ。
 内装も、専用生地を使った前席スポーツシート(本革は非設定)やパドル付きレザーハンドル、黒光沢パネルを採用するなど、硬派な雰囲気である。

ドライブフィール
経済的でワクワクできるガソリンエンジンの切り札だ

VWゴルフ GT TSI メーターパネル|ニューモデル試乗 VWゴルフ GT TSI エンジン|ニューモデル試乗 VWゴルフ GT TSI シフト|ニューモデル試乗
 結論から言うと、素晴らしいパワートレインだった。事前に教えられずに乗ると、プロでもまさか1.4Lエンジンだとは気づくまい。それほど2つの過給器がスムーズかつ違和感なく作動し、十二分なパワーを発揮しているということ。DSG搭載ということも手伝って、ちょっとしたスポーツカー気分で気持ちよく操ることだってできる。ひと言でいうと、適度にワクワクなゴルフ、だ。
 ゴルフは、もともとがよくできた車である。従来のGTよりもちょっと硬めの味つけになってはいるが、それが嫌だという人は、ひとつ下のGLiを選べばいい。
 小さいエンジンで十二分なパワーを得るというTSIのコンセプトは、ガソリンエンジン延命の切り札として今後広がって行くだろう。

こんな人にオススメ

 新しいエンジンコンセプトとはいえ、乗るには何の気構えも必要ないし、走りはより楽しく、自動車税も安くなるわけだから、ゴルフが欲しい方すべてにオススメ。GTIやR32は別格だけど。一つ言えるのは、TSIはディーゼルとガソリンが融合する一歩手前のエンジンだということ。新時代を先取りしたい方は、ぜひ。

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