【試乗】新型 フォルクスワーゲン ティグアン| “ベストセラー”コンパクトSUVは全方位に進化しつつもリーズナブル!
カテゴリー: フォルクスワーゲンの試乗レポート
2025/02/03
▲フォルクスワーゲンのベストセラーモデルとなるミドルサイズSUV。ボディサイズの拡大により居住性が向上、アダプティブシャシーコントロール「DCC Pro」の採用などにより走行性能も進化を果たしている新たなブランドの“主役”となったベストセラーモデル
2024年11月、7年ぶりのフルモデルチェンジで3世代目となるミドルサイズSUV、新型ティグアンが発売された。ティグアンは2007年の初代モデル導入以来、全世界で760万台以上が販売されており、2019年以降はフォルクスワーゲングループ全体のモデルラインナップの中でも、ベストセラーモデルになっているという。
プラットフォームは、従来の「MQB」の進化版となる「MQB evo」アーキテクチャーを採用。ボディサイズは全長4540mm×全幅1860mm×全高1655mm、ホイールベース2680mmと先代モデル対して全長・全高が約25~30mm拡大し、後席は身長180cmの大人が座ってもゆとりあるスペースを確保。背もたれは40:20:40の分割可倒式で、荷室容量は先代比で+37Lとクラス最大級の652Lを実現している。
▲2種類のエンジンには、運転支援装備などを標準装備としたエントリーモデルのアクティブ、“IQ. LIGHT”HDや前席シートリラクゼーション機能を備えたエレガンス、20インチアルミホイールをはじめとした専用エクステリアなどでスポーティなスタイルのRラインをそれぞれラインナップ エクステリアデザインは、ボンネットの位置を従来モデルより高くすることで力強さを強調すると同時に、空力性能も追求しcd値は0.33から0.28へ向上。LEDマトリックスヘッドライトは、片側1万9200個の高精細なマルチピクセルLEDを搭載し、従来よりも細かい制御が可能になった“IQ. LIGHT”HDへと進化している(エレガンスとRラインに標準装備)。
インテリアは、デジタルメータークラスターに10.25インチのTFT液晶ディスプレイの採用にヘッドアップディスプレイを組み合わせている。インフォテインメンシステムは最新のMIB4システムを搭載する“Discover Pro Max”で、ダッシュパネル中央に15インチの大型タッチパネルを配置。エアコンや音量など頻繁に使う機能はディスプレイ下部のタッチスライダーバーで操作する。また、「ハロー・アイダ(IDA)」または「ハロー・フォルクスワーゲン」で起動する音声操作機能「IDAボイスアシスタント」も搭載している。
シフトセレクターがステアリングコラムに移設されたことで、センターコンソールにはダイヤル式のドライビング・エクスペリエンス・コントロールを配置。ダイヤルのセンターにある小型スクリーンをスワイプ、もしくは押すことで機能を切り替え、ダイヤルで音量調整や運転モードの選択などが可能となっている。また、センタコンソール奥には「Qi」に対応したスマートフォンワイヤレスチャージングを備えた。さらに、前席シートにはまるでラグジュアリーカーのような空気圧式リラクゼーション機能までも標準装備する(エレガンスとRライン)。
▲シフトセレクターをステアリングコラムに移設するなど操作系を一新し、すっきりしたインテリアデザインとした燃費も優秀! 1.5Lエンジンでも不満のない走り
パワートレインは、48Vマイルドハイブリッド仕様の1.5L 直4ガソリンターボエンジン×前輪駆動の「eTSI」、と2L 直4クリーンディーゼル×フルタイム4WD「TDI 4MOTION」をラインナップ。今回の試乗車は前者のスポーティ仕様である「eTSI Rライン」だった。
「eTSI」は、最高出力150ps(110kW)/最大トルク250N・mを発揮する1.5L 直4ターボエンジンに、ベルト統合型スタータージェネレーターを組み合わせる。モーターの出力は約18ps(13.5kW)/56N・m。トランスミッションは7速DSGの組み合わせだ。
▲モデル初の48Vマイルドハイブリッドを採用。1.5Lターボには4気筒のうち2気筒を停止させて走行するACTを備え効率を向上、コースティング機能も備わる ステアリングコラムの右側にあるシフトセレクターは、BEVの「ID.4」と同様の操作方法で奥にひねるとDレンジに、手前にひねるとRレンジに入る。SUVのボディに1.5Lではどうかなと思ったが、モーターのアシストもあって低回転域から軽快に動き出す。DSGも小気味よく変速してくれるので力不足を感じるシーンはなかった。また、走行状況に合わせて2気筒を停止するアクティブシリンダーマネージメントを搭載しており、燃費性能はカタログ値15.6km/L(WLTCモード)で、実際に高速道路を走行してみても状況次第では20km/Lオーバーも可能と、とても優秀だ。
新アーキテクチャーになって、大きく改善された点が最新のアダプティブシャシーコントロール「DCC Pro」。ダンパーの伸び側と縮み側に個別のオイル回路を備えたことで、減衰力の独立制御が可能となっている。「コンフォート」や「スポーツ」といったドライブモードに連動する他、「カスタム」モードを使えば、コンフォートよりもさらにソフトに、またはスポーツよりもさらにハードにと任意での調整が可能。Rラインでは255/40R20サイズのピレリ製スコーピオンを装着していたが、首都高速の目地段差を超える越えるようなシーンでもいやな上下動もなく、ピッチングやロールもうまく抑制されていた。
新型ティグアンは、デザインは洗練され、内装質感は高まっており、走行性能も安全性能も燃費性能も向上と、ベストセラーモデルにふさわしい全方位での進化を果たしていた。「eTSI Rライン」で588万9000円と600万円を切る価格設定は、軒並み値上がりしているいまの輸入車界隈においてリーズナブルといえるものだと思う。
▲シルバーのルーフレールを標準装備。Rラインはメッシュグリルなどを備える専用エクステリアが採用される
▲片側1万9200個のマルチピクセルLEDを備えたマトリックスヘッドライト“IQ. LIGHT” HDを装備
▲Rラインには専用デザインのファブリックシートを標準装備、オプションでリラクゼーション機能を備えたレザーシート(写真)が用意される
▲Rラインとエレガンスには左右後席にもシートヒーターが備わるなど、居住性を向上させている
▲ラゲージ容量は通常652L、後席を倒せば最大1650Lまで拡大する先代となるフォルクスワーゲン ティグアンの中古車市場は?

2017年に登場した2代目は初めてMQBを採用、初代より全長と全幅を拡大しつつ全高を低くすることでスポーティなスタイルとなった。当初は1.4Lターボを搭載するFWDのみだったが、2028年には2Lディーゼルターボを搭載した4WDモデルが追加設定された。また、2021年のマイナーチェンジではガソリンエンジンを従来の1.4Lターボから1.5Lターボへと変更、2Lターボを搭載したハイパフォーマンスモデルのRがラインナップされている。
2025年1月下旬時点で、中古車市場には320台程度が流通。支払総額の価格帯は200万~680万円となる。ディーゼルモデル(TDI)は100台程度、ハイパフォーマンスモデルのRも15台程度が流通している。
▼検索条件
フォルクスワーゲン ティグアン(先代)× 全国【試乗車 諸元・スペック表】
●eTSI Rライン
| 型式 | 3AA-CT15 | 最小回転半径 | 5.4m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.54m×1.86m×1.66m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.68m |
| ミッション | 7AT | 前トレッド/後トレッド | 1.59m/1.59m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1610kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | コラム | 最低地上高 | -m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
シプレッシーグリーンメタリック、パーシモンレッドメタリック、オイスターシルバーメタリック、ナイトシェードブルーメタリック、ドルフィングレーメタリック、ディープブラックパールエフェクト、ピュアホワイト |
||
| オプション色 |
オリックスホワイトマザーオブパールE |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 3AA-CT15 |
|---|---|
| 駆動方式 | FF |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | 7AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | シプレッシーグリーンメタリック、パーシモンレッドメタリック、オイスターシルバーメタリック、ナイトシェードブルーメタリック、ドルフィングレーメタリック、ディープブラックパールエフェクト、ピュアホワイト |
| オプション色 | オリックスホワイトマザーオブパールE |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
コラム |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 5.4m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.54m×1.86m×1.66m |
| ホイール ベース |
2.68m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.59m/1.59m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 1610kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | -m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | DXD | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 60リットル |
| 可変気筒装置 | ◯ | 燃費(JC08モード) | 18.3km/L |
| 総排気量 | 1497cc | 燃費(WLTCモード) |
15.6km/L
└市街地:11.9km/L └郊外:15.9km/L └高速:17.7km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 150ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
250(25.5)/3500 |
| エンジン型式 | DXD |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | ◯ |
| 総排気量 | 1497cc |
| 最高出力 | 150ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
250(25.5)/3500 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | 60リットル |
| 燃費(JC08モード) | 18.3km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 15.6km/L
└市街地:11.9km/L └郊外: 15.9km/L └高速: 17.7km/L |
| 燃費基準達成 | - |