“フォルクスワーゲン▲【フォルクスワーゲン ゴルフGTI|写真=篠原晃一】

フォルクスワーゲンの唯一無二なアイコンモデル

2022年1月、8世代目となる新型ゴルフGTIが発売された。GTIは初代のワールドプレミアから45年を経てなお正常進化を続けており、7世代目の2019年末の時点で累計230万台以上が生産された、世界で最も成功したコンパクトスポーツカーだ。

初代ゴルフのデザインは、数々の名車はもとより、様々な工業製品のデザインを手がけてきたイタルデザインの創始者、ジョルジェット・ジウジアーロによるものだった。直線基調のスタイリングで、ブーメランを思わせる太いCピラーを備えるという点は、初代からこれまでずっと受け継がれてきた特徴だ。
 

フォルクスワーゲン ゴルフGTI▲フロントグリルからヘッドライトへとつながるレッドストライプ、X字型に配されたフォグランプのデザインがGTIの特徴

新型のエクステリアデザインは先代よりもシンプルな面構成で、シャープになった。ボディサイドのキャラクターラインは、先代ではドアハンドルの下に配されていたが、新型では位置を高め、ドアハンドルを経由してテールランプへと一直線に伸びている。

GTIの特徴であるラジエターグリルの赤いラインやGTIのバッジも初代からいまに受け継がれるものだ。また、専用の前後バンパーやディフューザー、サイドスカート、リアスポイラーを備えている。さらにフロントバンパーの下部にはブラックのハニカムエアインテークを採用し、その左右にX字型のLEDフォグランプを配した。

これら各ボディパーツはゼロから設計されたもので、風洞実験室を使ってエアロダイナミクスの改善に取り組んだという。その結果、Cd 値は先代の0.3から0.275にまで低減している。空気抵抗は速度の二乗に比例するため、操縦安定性や静粛性、燃費性能へも大きく影響する要素だ。背の低いスポーツカーのように前面投影面積を小さくすれば空気抵抗の低減は可能だが、ゴルフのように実用性が求められるモデルでは、容易なことではない。ドアミラーの形状やボディコーナーの処理、ルーフスポイラーやボディのアンダーパネルなど、細かな改善の積み重ねによってそれを実現している。
 

フォルクスワーゲン ゴルフGTI▲専用デザインの18インチアルミホイールを標準装備とし、オプションで19インチ(写真)を用意する
フォルクスワーゲン ゴルフGTI▲テールゲートやフロントフェンダーなどに、クローム/レッドのエンブレムを備える

インテリアは、デジタル化を主眼に物理スイッチをできるだけ廃してディスプレイを中心に構成されている。

ドライバー正面のメーター類は10.25インチの液晶ディスプレイに、その右側には灯火類&デフロスター用のタッチパネルが備わる。ダッシュボード中央に配置された10インチのタッチ式ディスプレイは、ドライバーオリエンテッドなデザインとなっている。そして専用のフラットボトムタイプのステアリングには、赤いアクセントとGTIエンブレムが備わる。デジタル液晶メーターの中央にはGTIのロゴが付いたタコメーターが設置されており、ビューの切り替えによってブースト圧や走行中のエンジン出力を表示することも可能だ。また、初代をほうふつとさせる赤いチェック柄のスポーツシートもGTIのアクセントになっている。
 

フォルクスワーゲン ゴルフGTI▲インテリアはレッドのアクセントで演出、ダッシュパネルとドアトリムにはハニカムパターンが採用された
フォルクスワーゲン ゴルフGTI▲伝統のタータンチェック柄を採用したヘッドレスト一体型のスポーツシートが備わる

パワートレインは、最高出力245ps/最大トルク370N・mを発揮する2L直列4気筒ターボで、7速DSGを組み合わせる。スペックの数値は先代の特別仕様車、ゴルフGTIパフォーマンスと同じものだが、エンジンはインジェクターの改良、フリクションやノイズの低減など、evo3からevo4へと1世代進化したものという。

パワー感はもちろん申し分ない。DSGも切れ味鋭くシフトチェンジしてくれる。また、電子制御式ディファレンシャルロックXDSと電子制御油圧式フロントディファレンシャルロック機能を統合制御することでダイナミクス性能に磨きをかけており、タイトコーナーでもアンダーステアを抑制し、俊敏かつ正確なハンドリングを実現している。試乗車の足回りにはオプションのアダプティブシャシーコントロール“DCC”が装着されていたが、これはぜひとも付けたい装備だ。コンフォートからスポーツまで段階的に減衰力の調整が可能で、街乗りからスポーツ走行まで様々なシーンに対応してくれる。
 

フォルクスワーゲン ゴルフGTI▲先代の特別仕様車であるゴルフGTI パフォーマンスと同等の出力を備えた、新世代ターボエンジンを搭載

いまやスポーツモデルであっても欠かせないADAS(先進運転支援システム)はさらに進化している。中でもステアリングホイールに静電容量式センサーを採用したことで使い勝手を向上。標準装備の「トラベルアシスト」(0~210km/h で作動する同一車線内全車速運転支援システム)を使用する際は、ステアリングを軽く握っているだけで、高度レベル2の自動運転が味わえる。長距離ドライブには欠かせないものだ。

本国ドイツでは電動化が推し進められ、電気自動車のID.シリーズのラインアップ拡充を図る一方で、ゴルフ、そしてGTIの開発もしっかりと継続されている。これらは特別なものだと、開発陣も述べている。ダイナミックでスポーティなキャラクターと、妥協を排した機能性を融合するという初代 の DNA を未来へと受け継ぐゴルフ GTIは、フォルクスワーゲンブランドにとって、唯一無二のアイコンモデルなのだ。
 

フォルクスワーゲン ゴルフGTI▲分割可倒式リアシートをはじめ、ラゲージの使い勝手はベーシックモデル同様となる
文/藤野太一、写真/篠原晃一、フォルクスワーゲン グループ ジャパン

▼検索条件

フォルクスワーゲン ゴルフ(2021年 6月~)× 全国

【試乗車 諸元・スペック表】
●フォルクスワーゲン ゴルフGTI

型式 3BA-CDDNP 最小回転半径 5.1m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 4.3m×1.79m×1.47m
ドア数 5 ホイールベース 2.62m
ミッション 7AT 前トレッド/後トレッド 1.54m/1.52m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 1430kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 -m
マニュアルモード
標準色

ドルフィングレーメタリック、アトランティックブルーメタリック、ピュアホワイト、ムーンストーングレー、ディープブラックパールエフェクト

オプション色

キングズレッドメタリック、オリックスホワイトパールエフェクト

掲載コメント

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型式 3BA-CDDNP
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション 7AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ドルフィングレーメタリック、アトランティックブルーメタリック、ピュアホワイト、ムーンストーングレー、ディープブラックパールエフェクト
オプション色 キングズレッドメタリック、オリックスホワイトパールエフェクト
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 5.1m
全長×全幅×
全高
4.3m×1.79m×1.47m
ホイール
ベース
2.62m
前トレッド/
後トレッド
1.54m/1.52m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 1430kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 -m
掲載用コメント -
エンジン型式 DNP 環境対策エンジン -
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 ハイオク
過給器 ターボ 燃料タンク容量 51リットル
可変気筒装置 燃費(JC08モード) 13.7km/L
総排気量 1984cc 燃費(WLTCモード) 12.8km/L
└市街地:8.9km/L
└郊外:13.2km/L
└高速:15.5km/L
燃費基準達成 -
最高出力 245ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
370(37.7)/4300
エンジン型式 DNP
種類 直列4気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置
総排気量 1984cc
最高出力 245ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
370(37.7)/4300
環境対策エンジン -
使用燃料 ハイオク
燃料タンク容量 51リットル
燃費(JC08モード) 13.7km/L
燃費(WLTCモード) 12.8km/L
└市街地:8.9km/L
└郊外: 13.2km/L
└高速: 15.5km/L
燃費基準達成 -