Gクラス:▲自動車テクノロジーライター松本英雄氏が、新型メルセデス・ベンツ Gクラス EQ テクノロジーに試乗した際のレポートをお届け

オフロードでの知見をEVに

今となってはメルセデスの高級SUVの筆頭格となったGクラス。

もともと軍用として開発され、現在はシビリアンモデル(民生仕様)の高級SUVとしてメルセデスでは象徴的なモデルとなった。
 

Gクラス:

Gクラスは2000年に近づくにつれ、乗用車の色が強い乗り心地や仕様が増えた。そして大きな変革を迎えたのが、2018年のW463Aと呼ばれるモデルだ。ラダーフレームの溶接方法や形状も変更してより剛性の高いフレームを作った。

リジッドアクスルであったフロントも独立懸架となり、ステアリング系もボール&ナットというタフな形式から乗用車仕様に多く用いられるラック&ピニオンとなった。

ボディも先代を十二分に踏襲したデザインだが曲面を多用して、平面であったグラスエリアも曲面を使い空力とデザインに寄与している。2018年に登場してから様々な改良と新たなモデルを追加しながら現在に至る。

そして、今回試乗したモデルはW465という2024年に形式も変更した最新モデルだ。目玉は何といってもメルセデスの電気自動車EQ テクノロジーを導入して作られた、4モーターを使って走行するG580であろう。
 

Gクラス:
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最大トルクは何と118.7kg・mというとてつもない力だ。馬力は587psという現在ではあってもおかしくない数字だが、このトルクが恐ろしい。モーターならではと言える数値である。

電動モーターの利点は瞬時に最大トルクを発生できる点であるが、これを制御することが非常に難しい。ましてや四輪個別にモーターを取り付けて当たり前のようなスタビリティを作り出すのは一日の長が必須なのだ。

その点ではGクラスは申し分ないノウハウをもっている。軍用のノウハウは、一般的なオフロードとは桁が違う耐久性が必要とされるからだ。
 

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そのあたりを加味して作り上げたモデルがG580 EQ テクノロジーだ。ドアハンドルに手をかけて開閉すると伝統的な金庫のような「カキン」という硬質な音が響き、堅牢な作りのクオリティを保証する安心感を与えてくれる。

モニターにはEQと刻まれているのだが、頭と心はまだEVとは感じていない。セレクターをチョイスして発進する。
 

3tを超える重量感は皆無

Gクラス:

アクセレーションのフィールは至って内燃機関と同様だ。非常になめらかで驚く。

一般道に向かうまで多少の凸凹をいなした際の印象は、「スポーティなGクラス」といったあんばいだ。大容量のバッテリーを搭載しているにもかかわらず、である。
 

Gクラス:

一般道に出て制限速度まで加速する。こりゃースゲェ!

箱型の巨体が驚くほど軽やかに加速する。巨人に押された加速という表現が的確かどうかわからないが、ツイスティーな路面も3tを超えた車体とは思えないほどスタビリティが高い。

新たな高級オフロードモデルはトルクによって路面とのコンタクトを確実にする。重さを感じないヘビー級のEVこそ新しいマストなのかもしれない。
 

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▼検索条件

メルセデス・ベンツ Gクラス:(2代目) × EQ テクノロジー × 全国
文/松本英雄、写真/篠原晃一

【試乗車 諸元・スペック表】
●G580 ウィズ EQ テクノロジー エディション1 4WD

型式 ZAA-465600C 最小回転半径 6.3m
駆動方式 4WD 全長×全幅×全高 4.73m×1.99m×1.99m
ドア数 5 ホイールベース 2.89m
ミッション その他AT 前トレッド/後トレッド 1.66m/1.66m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 3120kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 不明 最低地上高 0.25m
マニュアルモード -    
標準色

オブシディアンブラック、オパリスホワイト、クラシックグレー、サウスシーブルーマグノ(マット)、オパリスホワイトマグノ(マット)

オプション色

-

掲載コメント

※交流電力量消費率 WLTCモード 262Wh/km 市街地モードWLTC-L 223Wh/km 郊外モードWLTC-M 241Wh/km 高速道路モードWLTC-H 293Wh/km
※一充電走行距離 WLTCモード 530km

型式 ZAA-465600C
駆動方式 4WD
ドア数 5
ミッション その他AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 オブシディアンブラック、オパリスホワイト、クラシックグレー、サウスシーブルーマグノ(マット)、オパリスホワイトマグノ(マット)
オプション色 -
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
不明
マニュアル
モード
-
最小回転半径 6.3m
全長×全幅×
全高
4.73m×1.99m×1.99m
ホイール
ベース
2.89m
前トレッド/
後トレッド
1.66m/1.66m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 3120kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.25m
掲載用コメント ※交流電力量消費率 WLTCモード 262Wh/km 市街地モードWLTC-L 223Wh/km 郊外モードWLTC-M 241Wh/km 高速道路モードWLTC-H 293Wh/km
※一充電走行距離 WLTCモード 530km
エンジン型式 E0033 環境対策エンジン -
種類 電気モーター 使用燃料 電気
過給器 - 燃料タンク容量 -リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 -cc 燃費(WLTCモード) -
燃費基準達成 -
最高出力 587ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
1164(118.7)/-
エンジン型式 E0033
種類 電気モーター
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 -cc
最高出力 587ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
1164(118.7)/-
環境対策エンジン -
使用燃料 電気
燃料タンク容量 -リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) -km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は馬場馬術。