VTM-4/Variable Torque Management 4WD System|自動車なんでも用語集

VTM-4/Variable Torque Management 4WD System(ばりあぶる・とるく・まねーじめんと・よん・だぶりゅー・でぃー・しすてむ)/[基本性能]

FF、フルタイム4WD、パートタイム4WDという3つの駆動システムの長所を併せ持つシステムとして、ホンダが開発した全天候対応駆動コントロールシステムが、VTM-4(Variable Torque Management 4WD System)だ。

その最大の特徴は、通常の4WD車に搭載されているセンターおよびリアデフ(デファレンシャルギア)の代わりに、電子制御可変トルク・ツインクラッチ機構を採用している点だ。このクラッチ機構は“ツイン”の文字通り、右後輪用、左後輪用にそれぞれ用意され、トルク伝達のオン・オフだけでなく、電子制御により、路面状況などに応じて算出された適切なトルクを左右後輪それぞれに伝達する。

また前述の通り、左右後輪へのトルク伝達をコントロールすることでタイヤの空転を防ぐLSDと同様の働きをし、優れたトラクション性能の実現が目指されている。

システムの基本は低燃費に貢献するFFだが、必要に応じ前後輪の駆動力配分を100:0から50:50の間で自動制御。例えば、発進時や加速時には後輪に大きな駆動力を配分することでスムーズな加速を実現。前後左輪が滑りやすい路面にある場合は、前後左輪の駆動力を抑えつつ前後右輪の駆動力を増すことで、優れた操縦安定性を確保する。

2003年にデビューしたMDXに初採用されたVTM-4だが、2009年3月現在、リアルタイム4WDや新リアルタイム4WDへと進化を遂げ、CR-Vやエリシオン、オデッセイなどに採用されている。