ボッシュのナビゲーション3.0が3Dマップでドライバーをガイド
2016/02/29
・3Dマップエンジンが3D要素をディスプレイに重ねて表示
・高画質3Dディスプレイはオフラインでも機能
・ディスプレイの精細レベルはシステムの演算処理能力とメモリ容量に応じて調整可能
・将来的には危険が潜む場所や燃料価格など、ダイナミックデータの表示にも対応可能
この新しいナビゲーションがあると、高層ビルが立ち並ぶ中でも、ドライバーは自分の現在位置をより簡単に把握しやすくなります。これは、新たに設けられたナビゲーションデータ規格(NDS)に適合したデータを3Dレンダリングモジュールで処理し、非常に美しい映像マップを作り上げるボッシュの先進ナビゲーションソフトウェアにより可能になりました。他社の同等クラスのソリューションとは異なり、ボッシュのこのアプローチは、常時オンライン接続されていないナビゲーションシステムでも機能します。また、インターネット接続を利用できる環境下では、ダイナミックデータをマップ表示に活かすことができます。さらに将来的には、たとえば最新の気象情報や走行ルート沿いにあるガソリンスタンドの燃料価格などをナビゲーションのマップに表示できるようになる見込みです。
パワフルな3Dマップエンジンが連続ズームを可能
ボッシュのこの新しいナビゲーションソフトウェアの中核を担うのが、OpenSceneGraphをベースとした3Dマップエンジンです。このシステムでは、ビルなどの立体的要素をディスプレイに複数重ねる「スーパーインポーズ」を行います。3D要素を重ね合わせて生成された画像を半透明にすることができ、ドライバーは視界を遮る建物など障害物の向こう側に延びる道路もマップ上で視認できます。また、表示されたマップは、最大の詳細レベルからマップ全体の俯瞰まで、非常にスムーズに拡大/縮小表示することができます。さらに、このソフトウェアはNDSデータに含まれる地形情報を利用し、土地の高低を表示できるほか、マップの地平線側の部分を人工的に上方に曲げ、画面を最大限に活用し、ルートを表示することもできます。この新しいソフトウェアは3D artMap機能をサポートしているため、建物のエッジに丸みを付け、適度に着色し、周囲の風景を水彩画風に表示させることも可能です。
システムの操作方法は、音声入力、マルチタッチ、手書き認識の3種類から選択することができます。また、この3Dマップエンジンは、センターコンソールのディスプレイやインストルメントクラスターのディスプレイなど、複数のスクリーンに異なるエリアのマップを同時に表示することもできます。表示の精細度も、インフォテインメントシステムの演算処理能力とメモリ容量に合わせて調整できます。このように、このナビゲーションソフトウェアは、自動車メーカーが個々のニーズに合わせて設定を変更できるようになっており、アップデートもUSBメディアやスマートフォンを接続して簡単に行えます。
現在、交通渋滞はほぼリアルタイムでマップに表示可能ですが、将来、インフォテインメントシステムがインターネットに接続されている状況下では、それ以外の情報もマップに重ねて表示できるようになります。たとえばボッシュのコネクテッドホライズンを利用すると、クラウドに蓄積された道路状況のデータをリアルタイムで呼び出せます。それを3Dマップエンジンが視覚情報に変換し、たとえば降雨の激しい地域や、路面凍結の恐れのある地域を、色を変えて表示できます。このときに画面上で指先でなぞって円を描けば、システムはそのエリア内を通る代替ルートを計算してくれます。また、地域ごとの気温や嵐の予想進路も表示でき、米国の竜巻がよく起きる地域ではこの機能は非常に役立ちます。さらに、電気自動車にこのシステムを搭載すると、現在のバッテリー残量でどこまで走れるかという航続距離情報が、半透明で重複表示されるようになります。
*ナビゲーションデータ規格(NDS)は、自動車メーカー、自動車機器サプライヤーとマッププロバイダーが合同で開発した規格です。フォーマットを標準化することにより、製造元の異なるナビゲーションシステム間でも容易にマップデータを交換できるようになるほか、標準化によってバリエーション数が減少し、マップのアップデートも簡単に行えるようになります。NDSの詳細については、http://www.nds-association.org (英語)をご覧ください。