より安全性の高いスマートカー実現に向けた新しい車載用マイコンを発表
カテゴリー: パーツ関連ニュース
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2016/02/29
多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、車載用32bitマイクロコントローラ(マイコン)ファミリ SPC57の最初の製品を発表しました。この製品は、安全性とコスト・性能の業界最高のバランスを実現しており、車載用アプリケーションの可能性を広げます。32bit Power Architecture(TM)を搭載したSPC5マイクロプロセッサ・プラットフォームをベースとする新製品は、ISO26262で定められているASIL-Dへの対応といった最も厳格な安全要件への準拠と同時に、コスト低減が求められる車載システムを対象としています。
今回発表された製品ファミリは、エントリ・レベルの車載用セーフティ・クリティカル・アプリケーション用に設計されたシステム・オン・チップ(SoC)で、エアバッグ、四輪・二輪車向けのABS(アンチロック・ブレーキ・システム)、パワー・ステアリング、ハイブリッド・電気自動車のDC/DCコンバータやインバータなどが対象となります。
世界中でよりスマートな次世代自動車のニーズが高まる中、機器メーカーは、偶発故障(例えば、宇宙線などの外来放射線によるメモリ・セル内のビットの反転など)から主要機能を保護するという課題に直面しています。STのSPC57ファミリはこの課題を解決して高い安全性と低い開発コストを実現しており、ステアリングやブレーキといった用途に向けた競争力の高いソリューションです。
STのオートモーティブ & ディスクリート・グループ、戦略的ビジネス開発・マイクロコントローラ・ビジネス・ユニット ディレクターであるLuca Rodeschiniは、次の様にコメントしています。「安全性は自動車業界の開発における大切な要素で、安全かつ環境に優しい自動車の実現に貢献する半導体技術に関してもこれは同様です。SPC57は、拡張性が高く、将来の変更にも柔軟に対応できるソリューションです。コストと性能の最適なバランス、最も要求の厳しい安全規格への準拠、長期間の製品供給保証、および低コストの開発エコシステムを特徴としています。」
SPC57ファミリは、車載マイコン向けでは世界最先端の55nmフラッシュ混載プロセス技術を採用しています。また、同製品には、あらゆる機能を網羅した低コストの開発ツールが用意されています。この開発ツールは、Power Architecture搭載の現行世代品と互換性があり、コスト効率が高く安全性に優れた車載システムを迅速に開発することができます。さらに、この開発ツールには、無償の開発環境であるSPC5Studio、オープンソースのコンパイラ、および低価格な各種評価ボード(100ドルより)が含まれています。
SPC57ファミリの最初の製品は、スラグ付きQFPパッケージで提供されるSPC570S50E1(Flashメモリ:512K、パッケージ:QFP64)、SPC570S50E3(Flashメモリ:512K、パッケージ:QFP100)、SPC570S40E1(Flashメモリ:256K、パッケージ:QFP64)、およびSPC570S40E3(Flashメモリ:256K、パッケージ:QFP100)の4製品です。このQFPパッケージは、機能ピンの増加をもたらすと同時に放熱設計の難しいアプリケーションへの対応を容易にします。QFP64パッケージの2品種は現在入手可能で、QFP100パッケージの2品種は、2016年
第1四半期末に入手可能になる予定です。
価格およびサンプル提供については、STのセールス・オフィスまでお問い合わせください。
STは、私たちの暮らしに欠かすことのできないエレクトロニクス機器に、優れた性能と高い電力効率を特徴とした半導体を提供する世界的な総合半導体メーカーです。あらゆるシーンで活躍するSTの製品は、お客様が開発する次世代モバイルやIoT機器の他、よりスマートな自動車、工場、都市および住宅を可能にします。STは、生活をより豊かにする技術革新を通じ、「life.augmented」の実現に取り組んでいます。STは、10万社を超えるお客様に半導体を提供しており、2015年の売上は69.0億ドルでした。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト( http://www.st-japan.co.jp )をご覧ください。