プジョー 308&308SWが9年ぶりにフルモデルチェンジ
2022/05/13
新しいプジョーマークや音声認識機能を採用
ステランティス・ジャパンが新型プジョー 308および308SWを発表し、受注を開始した。308は、全世界で累計700万台以上が販売されてきたプジョーの中核を担うモデルで、今回のモデルチェンジは9年ぶり。
設定グレードと税込み価格は下記のとおり。
【308】
・アリュール(1.2L直3ターボ&8速AT) 305.3万円
・アリュール・ブルーHDi(1.5L直4ディーゼルターボ&8速AT) 327.7万円
・GTブルーHDi(1.5L直4ディーゼルターボ&8速AT) 396.9万円
・GTハイブリッド(1.6L直4ターボ&電気モーター&8速AT) 490.6万円
【308SW】
・アリュール(1.2L直3ターボ&8速AT) 325.3万円
・アリュール・ブルーHDi(1.5L直4ディーゼルターボ&8速AT) 347.7万円
・GTブルーHDi(1.5L直4ディーゼルターボ&8速AT) 436.9万円
・GTハイブリッド(1.6L直4ターボ&電気モーター&8速AT) 530.6万円
ボディサイズは、ハッチバックが全長4420mm×全幅1850mm×全高1475mm、ホイールベース2680mm。スポーツワゴンのSWが全長4655mm×全幅1850mm×全高1485mm、ホイールベース2730mm。
外観デザインは、面とラインが高次元に融合しており、Cセグメントの中でも一際ダイナミック。フロントグリルにプジョーの新しいマークが初めて配された記念すべきモデルである。そのフロントグリルは、奥行きを感じさせるデザインで、プジョーマークの背後には運転支援デバイス用のレーダーが配置されている。
ヘッドランプには、プジョー初の超薄型マトリックスLEDライトが採用され、彫りの深いデザインに仕上がっている。高さ約7cmの超薄型マトリックスLEDライトは4つのLEDが並ぶロービームと20個のマトリックスモジュールによるハイビームで構成されており、対向車や先行車を眩惑することなく最適な明るさに調整。
サイドビューでは、ホイールベースが60mm延長されて伸びやかさが増した。フロントノーズは長く見えるよう設計され、ルーフやボディ側面は細部の作り込みによって空力特性が高められている。そして、大きく張り出した前後フェンダーが躍動的で力強いキャラクターを表現している。
リアビューは、水平に設計されたラインとルーフスポイラーで特徴づけられ、ライオンの爪をイメージした3本ラインのテールライトがプジョーブランドをアピール。
SWでは、ルーフラインとは別に設計されたサイドウインドウがダイナミックな印象をもたらしている。中でも特徴的なリアビューには立体的な造形が与えられ、安定感と高級感が表現されている。308ハッチバックと比べて全長は235mm、ホイールベースは50mm長く、後席居住性とラゲージスペースが拡大されている。また、空力性能はハッチバックを上回る。
後席シートバックは4:2:4の3分割タイプで、ラゲージ床面は上下2ポジションに高さを変えられる。ラゲージ容量は5名乗車時が608L、リアシート前倒しの2名乗車時が1634Lで、同じプジョーの3008や508SWを上回る。
水平基調のインパネは、ドライバー中心にレイアウトされており、適度な包まれ感を得られる。また、high vent(ハイベント)と呼ばれる空調ダクトは乗員の頭上正面に配されている。
インパネ中央に設けられた10インチのタッチスクリーンは、手を伸ばせば自然に届く位置にある。タブレットのようにスクロールやスワイプで操作でき、ドライバーの好みに合わせて表示を最大8名分まで保存できる。その下にはエアコン、電話、オーディオ、アプリなどにショートカットできるスイッチが並んでいる。
シフトセレクターは、指先でスムーズに操作できる未来的なデザインで、センターコンソールまわりをスッキリさせる効果も発揮している。
iコックピットの特徴でもあるコンパクトなステアリングホイールは、改良によりこれまでコラムに配されていたクルーズコントロールなどのスイッチがホーンパッド左横に移された。右側にはオーディオスイッチが配置され、GTにはステアリングヒーターも装備されている。
メーターパネルには、10インチのデジタルタイプを採用。表示は複数のモードから選んでカスタマイズでき、GTではナビの地図画面を映し出すこともできる。
インフォテイメント・システムであるiコネクトおよびiコネクト・アドバンスドは、プジョー初採用のアイテム。iコネクト・アドバンスドではプローブ交通情報を活用したリアルタイムの情報を得ることができる。また、「OK、プジョー」と呼びかければ音声認識機能が起動し、ナビやエアコン、オーディオ、電話などの操作が声で行える。OTAにも対応しており、ソフトウエアの改善やバグ対応は通信で自動的にアップデートされる。
全車に装備されたハイ・エフィシェンシー・フィルターは、CO、NOx、NH3の濃度を監視し、必要に応じて自動的に空気の循環を開始する。92%の粒子、98%のカビ、バクテリアを遮断する。
シート表皮はGTがアルカンターラ&合皮、アリュールがファブリック&合皮。GTには前席シートヒーターと運転席パワーシートが備わる。
ガソリン車とディーゼル車に加えてプラグインHEVもラインナップ
ドライバーをサポートする安全デバイスでは、前方カメラが改良され、フロント&左右カメラと後方左右レーダーが追加されて機能をアップ。
GTは、前後左右4つのカメラが捉えた映像で自車の周囲を確認でき、俯瞰だけでなく、前方や後方など個別の映像を見ることも可能だ。
ブラインドスポット警告は、前後バンパー4ヵ所に内蔵されたレーダーにより、最大70m後方からの接近車両を検知してドアミラー鏡面の警告灯でドライバーに注意を促す。また、リアバンパーのレーダーは後退時に横から接近してくる車両や歩行者を検知する機能も有する。
シャシーにEMP2(エフィシェント・モジュラー・プラットフォーム)の進化版が用いられて電動化モデルの展開を実現。パワートレインは、1.2Lガソリン(130ps/250N・m。WLTCモード燃費17.9km/L)、1.5Lクリーンディーゼル(130ps/300N・m。WLTCモード燃費21.6km/L)、1.6LプラグインHEV(180psのエンジンと110psの前輪モーターで構成。システム出力225ps)の3種類から選べる。全車エコカー減税の対象で、プラグインHEVはクリーンエネルギー自動車補助金の交付対象でもある。
そのプラグインHEVは、後輪アクスル下に12.4kWhのリチウムイオン電池を搭載。EV航続距離は64kmで、EV走行時の最高速は135km/hに達する。完全EV状態で走る「エレクトリック」、モーターとエンジンが最適に制御されて効率よく走る「ハイブリッド」、エンジン主体で走る「スポーツ」の3モードに切り替え可能だ。
サスペンション形式は、前輪がストラット式、後輪がトーションビーム式。ブレーキは全グレードとも前輪がベンチレーテッドディスク式、後輪がディスク式。タイヤサイズは、アリュールが225/45R17、GTが225/40R18だ。