BMW 7シリーズ▲1977年に発表された7シリーズは、今回のモデルチェンジで7代目に切り替わった。最高峰のラグジュアリー・セダンとしてプレミアム感や高い走行性能、コネクティビティに代表される先進性を身につけている

8K対応の31インチ画面で異次元の世界を体感

ビー・エム・ダブリュー株式会社は新型BMW 7シリーズを7月1日に全国の正規ディーラーで発売した。納車は今年度の第4四半期から始まる。

設定グレードと税込み価格は下記のとおりである。全車、右ハンドルのみ。

【ガソリンMHEV】
・740i エクセレンス 1490万円
・740i Mスポーツ 1490万円

【クリーンディーゼルMHEV】
・740d xDrive エクセレンス 1460万円
・740d xDrive Mスポーツ 1460万円

【電気自動車】
・i7 xDrive60 エクセレンス 1670万円
・i7 xDrive60 Mスポーツ 1670万円

フロントマスクには、存在感を放つ伝統のキドニー・グリル、環状のシグネチャーが2つ並ぶ「ツイン・サーキュラー」を進化させたスワロフスキー製クリスタル・ヘッドランプが起用されている。夜間にはキドニー・グリルの縁が点灯し、BMWのラグジュアリー・セダンであることを主張する。
 

BMW 7シリーズ▲キドニー・グリルの縁がともって遠くからもBMWであることが一目でわかるフロントマスク。ヘッドランプにはスワロフスキーのクリスタルが用いられている

全車ロング・ホイールベース仕様のため、サイドビューは優雅で伸びやかなデザインに仕上がっている。ドアハンドルは外板パネルに内蔵され、空気抵抗の低減とスッキリしたデザインを実現。

BMW量産車で初採用となるツートーン塗装はボディ上下で色を塗り分けることで伸びやかさが強調され、ラグジュアリー感の向上にも効果を発する。
 

BMW 7シリーズ▲ボディサイズは全長5391mm、全幅1950mm、全高1544mm。3215mmの長いホイールベースによって伸びやかなサイドビューが作り出されている

内装には、ドライバーに向かって湾曲した12.3インチのメーターパネルと14.9インチのインフォテイメント画面が配されている。スイッチ類が減らされ、クリスタルを多用することで高級感を演出。

先代モデルよりガラス面積が約40%増えたパノラマ・ガラスサンルーフは標準装備で、オプションのスカイルーフを選択すれば後席まで届く開放感と内蔵LEDによるエレガントな雰囲気が堪能できる。
 

BMW 7シリーズ▲12.3インチのメーターパネルと14.9インチのインフォテイメント画面が備わるコックピット。スイッチ類が減らされ、シンプルでスッキリとした印象に仕上がっている
BMW 7シリーズ▲左右リアドアにはスマホ感覚で様々な設定が行えるタッチパネルが備わっている。BMWシアター・スクリーンの操作も行える

新型7シリーズでは、すべてのドアを車外と車内のどちらからも自動で開け閉めできる。センサーが内蔵されているため、狭い場所でも適切な開度を保てる。

オプションの「エグゼクティブ・ラウンド・シート」を選択すると、後席の快適性を高められる。下肢部クッションと座面が一体で、最大42度のリクライニングおよびBMWシアター・スクリーンと相まって究極のラグジュアリー空間を体感できる。

コネクティビティでは「OK、BMW」と話しかければ車両操作や目的地設定が行える。Apple CarPlayやSpotifyへの対応、BMWコネクテッド・ドライブが標準化されていて事前に検索した目的地を車両に送信できる。また、対応のスマホやスマートウォッチを身につけていれば車両に近づくだけでロック解錠とエンジン始動が行えるデジタル・キープラスも標準装備。

Amazon Fire TV搭載のBMWシアター・スクリーンは、8K対応の31インチ・タッチスクリーン、Bowers&Wilkinsサラウンド・サウンド・システム、シート内のサブウーファー(オプション)、シアター・スクリーンに連動して自動的に閉まる後席シェードで構成されている。

そのBMWシアター・スクリーンでは、人気アプリのコンテンツを4K/UHDの解像度で視聴できる(別途、契約が必要)。ストリーミング動画の再生、ゲームや音楽鑑賞、ダウンロードした番組も視聴可能だ。
 

BMW 7シリーズ▲31インチのタッチスクリーンでストリーミング動画やゲームなどの映像コンテンツが堪能できる。オーディオにはBowers&Wilkins製が採用されている

パワートレインはガソリン、ディーゼル、電気の3種類

740iには380ps/520N・mの3L直6ガソリンターボと8速AT、さらに48Vのマイルド・ハイブリッド機構が組み合わされてシステム出力380ps/540N・mを実現。

740dには286ps/650N・mの3L直6ディーゼルターボと8速AT、4WDシステムのxDrive、48Vマイルド・ハイブリッド機構が組み合わされてシステム出力300ps/670N・mを達成。

i7は258psの前輪用モーターと313psの後輪用モーターが搭載された4WDモデルだ。トータル出力は544ps/745N・m、0→100km/h発進加速タイムは4.7秒。床下に搭載されたリチウムイオン電池の総電力量は101.7kWhで、一充電での航続距離は約600km(ヨーロッパ仕様)。

この電気自動車は、普通充電と急速充電(CHAdeMO)に対応している。200V普通充電では0%の状態から100%まで約17時間で充電できる。急速充電であれば約10分で最大約80km程度、航続距離を延ばすことができる。BMWの店舗に設置予定の150kWの急速充電器を使えば、約50分で0%から約80%までの充電が完了する。
 

BMW 7シリーズ▲床下にリチウムイオン電池が敷き詰められているi7の透視図

全車にオートマチック・セルフレベリング機能付きアダプティブ2アクスル・エアサスペンションと電子制御ダンパー付きアダプティブ・サスペンションが標準装備されている。車輪ごとにサスペンションのエアが供給されるため、不均衡な積載状態を補正することができ、あらゆる速度域で最適な車高が保たれて快適かつ安全なハンドリングを実現。

インテグレーテッド・アクティブ・ステアリング、スタビライザーを最適化して俊敏性とハンドリング精度を向上させるエグゼクティブ・ドライブ・プロ、アクティブ・ロール・スタビライザーに加え、路面の起伏によるロールを軽減しながら車高を適合させるアクティブ・ロール・コンフォート機能も初採用される。

この他、下記の機能も用意されている。

【ハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能】
高速道路の渋滞時にドライバーが常に前方に注意しつつ、必要に応じてすぐにステアリングが操作できる状態であれば、手を離すことができるハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能が搭載されている。

【ドライビング・アシスト・プロフェッショナル】
高性能カメラとレーダー、高性能プロセッサーで構成された運転支援システムのドライビング・アシスト・プロフェッショナルが標準装備されている。このシステムにはストップ&ゴー機能付きアクティブ・クルーズコントロール、車線変更警告&車線逸脱警告、衝突回避&被害軽減ブレーキ、クロストラフィック警告、ペダル踏み間違い急発進抑制機能などが含まれている。

35km/h以下で前進してきたルートを最大50m記憶し、同じルートを正確に後退できるリバースアシスト機能も採用されている。狭い道でのすれ違いに困ったとき、安全かつ正確に元のルートを戻ることができる。

さらに、新型7シリーズにはステアリング、アクセル、ブレーキ操作が一切不要なパーキング・サポート・プロフェッショナルも標準装備。登録済みの駐車スペースに近づくと車両が自動的に検知して完全自動駐車を行う。

【BMWコネクテッド・ドライブ】
車載通信モジュールでドライバー、車、情報をネットワークでつなぐ総合テレマティクス・サービス。2021年夏には操作性と利便性を高める狙いで新機能が追加され、スマホ向けアプリ「My BMW」も導入されて生まれ変わった。

【BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタント】
自然な会話に近い言葉で車両操作と情報へのアクセスが可能なインテリジェント・パーソナル・アシスタントは、ドライバーの指示や質問を理解して適切な機能とサービスを起動する他、使用頻度に応じてドライバーの好みを学習していく。また、システムに好きな名前をつけることができるため、起動コマンドには「OK、BMW」に限らず、呼びかける言葉を任意に設定できる。

【BMWサービス・インクルーシブ・プラス】
3年間の主要メンテナンス無償提供、タイヤおよびキーの破損と紛失の際の費用サポートなどが含まれるBMWサービス・インクルーシブ・プラスは全車に付帯されている。
 

文/マガジンX編集部、写真/BMW