英国GT選手権ドニントンパーク戦の様子
英国GT選手権ドニントンパーク戦の様子


2014年9月14日 ドニントンパーク(英国)
2016年にル・マン24時間への参戦を目指すという夢を今年の4月に発表した英国屈指のオリンピック自転車競技選手、クリス・ホイが、懸命な努力を続け、英国GT選手権でニッサンと共にプロフェッショナルのレーシングドライバーになるために学んできました。

この日、ドニントンパークで行われた最終戦では、おそらくホイにとってこれまでで最高のレース展開を披露し、グリッド21番手から、1時間のうちに11位への浮上を果たしました。

土曜日の予選は計画通りに進めることができず、チームメイトでGTアカデミーの勝者であるウォルフガング・ライプが走行中に、マイナートラブルが発生。NISSAN GT-R NISMO GT3らしい走りが見られませんでした。失うものは何もない状態で2時間レースに臨んだホイは、スタートから全開アタックのモードで挑みました。

「スタートは混乱するので、確実にトラブルは避けようと努めました」とホイは述べました。「ラインを外したマクラーレンから接触を受けましたが私には問題なく、できる限り早くレースを落ち着かせることに専念しました。必死でラップタイムを安定させようとがんばっていると、少しずつ上位との差が詰まってきました。本当にいいバトルができました。スパを除けば、今年ここまでで一番お気に入りのレースになりました。自分のスティントでは、ずっと笑顔のままになっていたと思います」

その後、交代したライプが、10位まであと一歩の11位でレースをフィニッシュしました。

ホイは、今季の英国GT選手権でライプの他にアレックス・バンコム、ヤン・マーデンボローとも組みましたが、すべてのレースを走り切り、100%の完走率を記録しました。今季の目標は、できる限り多くレースのことを学ぶことにありましたが、とても飲み込みが早く、そしてもちろん速いドライバーであることはホイのパフォーマンスが証明しています。

「今シーズンは素晴らしい内容になりました。自分の予想を遥かに超えています」とホイは述べました。「ファンの情熱、各メーカーの意欲、ドライビングのレベル、すべてが素晴らしい。レベルがこれだけ高いと争いは厳しくなりますが、刺激になります。たくさんのファンが応援してくれましたし、いつもレースの週末が楽しみでした。レースだけでなく、チームの一員としてみんなと会えることもうれしかったのです」

2014年の英国GT選手権は、ホイにとってル・マンへの第一歩に過ぎません。この後も、まだまだ覚えることが山のように残っていますが、その第一歩は見事に務め上げました。

「次に何が続くのかは、まだ分かりません」とホイは締めくくりました。「GTレーシングを続けるかもしれないし、LMP2に挑むかもしれません。何をするにしても、共に戦うのはニッサンです」

ニッサンGTアカデミー・チームRJNのチーム代表、ボブ・ネビルは、2016年ル・マン参戦を目指すホイのトレーニング責任者です。GTアカデミーの勝者を指導すると共に、今季は英国GT選手権でホイを導いてきました。

「クリスは期待のルーキーとして選手権への挑戦を始めましたが、シーズンを通して強さのあるレーシングドライバーへと成長していきました」とネビルは述べました。「今日の爽快なスティントで見られるように、シーズンの最後で、今季最高の走りを見せてくれました。彼のアプローチ、情熱、配慮にはとても感心させられてきました。どんなチームにとっても、完走率100%のドライバーはありがたいものです! 彼はすべてのことを的確にこなし、プロフェッショナルレーシングの技を習得しました」

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「日産モータースポーツ」サイト