ミニクロスオーバー(初代)▲黒く縁取られたホイールアーチなどSUVテイストが盛り込まれたデザイン。写真はマイナーチェンジ後

乗りやすいサイズの初代ミニクロスオーバーの中古車平均価格が過去最安に

2011年1月のデビューからもう10年以上。

個性的なフォルムで人気の初代ミニ ミニクロスオーバーも、じわじわと値を下げ、ここ1年では10万円ほど中古車平均価格が安くなった。さらに、現在は130万円を切り始めて過去最安値となり、お買い得感が増してきた。

弟分のミニが現行型で大きくなったため、恐らく次期型は今より大きなモデルになりそう……。それだけに、ちょうど良いサイズの初代狙いの人にとっては、中古車が手頃になっている今がチャンスと言えそうだ。

では、そんな今、初代ミニクロスオーバーを狙うならどんな物件がオススメなのか? 相場状況とモデル概要を確認しつつ紹介しよう。
 

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ミニ ミニクロスオーバー(初代)×全国
 

中古車相場状況
今も人気のモデルだが、値落ち傾向であることは確か

先述のとおり、デビューから10年以上となる初代ミニクロスオーバー。

人気ゆえ比較的中古車価格が安定しているモデルのひとつだが、さすがにじわじわと値を下げてきた結果、中古車平均価格はついに過去最安値を付けている。

相場を見ると、例えば2021年1月に158.0万円だった平均価格は右肩下がりで同年4月には147.1万円と3ヵ月で約10万円も下がった。

しかし、人気車ゆえに「それなら買いたい」とばかりに需要が増え、以降2021年12月まで140万円台をキープ。いわゆる踊り場に入った。

ところが、2021年末から再び値落ちが加速し、直近4月のデータでは137.2万円と過去最安値を記録した。 さらに、原稿執筆時点の平均価格は128.8万円と130万円を割り込んでおり、やはり下げ圧力は着実にかかり続けているのだ。
 

ミニクロスオーバーの中古車平均価格推移▲2021年に一度下げ止まりとなったものの再び値落ちが進み、この1年で10万円ほど安くなった

一方で、中古車の延べ掲載台数は2021年1月から現在まで800~900台をキープ。この間大きな増減はない。

ここからも、2021年の1月から5月に向けての中古車価格の下落や2022年3月以降の下落は、台数が増えたことで発生したのではなく、経年によるものだとわかる。
 

ミニクロスオーバーの延べ掲載台数推移▲一方で、延べ掲載台数自体は800台前後で推移し、大きな変動はない

価格は下がっているけど台数は1年以上ほぼ同じ。つまり安く選びやすい状況なのは確かだが、同時に経年によって中古車の平均走行距離は約5万8000kmと5万kmを超えてきている。

良コンディションの初代ミニクロスオーバーを狙うなら、走行距離がさらに延びない今のうちに狙うのが正解だろう。
 

 

モデル概要をおさらい!
弟のミニよりちょっと大きな、ミニ史上初の4ドアモデル

ミニクロスオーバー(初代)▲全長4105mm×全幅1790mm×1550mmと十分コンパクトだが、2代目ミニよりは大きい。欧州仕様だと全高は1561mmだが、日本仕様は一般的な立体駐車場に収まるようアンテナ形状を日本オリジナル品とし、11mm下げられた

では、初代ミニクロスオーバーのどのモデルを狙うべきか。そのためにモデル変遷をおさらいしておこう。

2011年1月に初めて日本に上陸したミニクロスオーバー。海外では「ミニカントリーマン」と呼ばれていたモデルだが、日本では「ミニクロスオーバー」の名前が採用された。ミニを冠するモデルとしては初めての4枚ドアが採用されたモデルでもある。

北米市場を強く意識したモデルのため、当時の2代目ミニよりは約400mm長いなどそこそこ大きいが、デビュー時は独立した4つのシートを備えて、ミニ同様に乗車定員は4名とした。「大人4人が快適に乗車できる」“ミニ”だったのだ。ただし、デビュー時から後席に3人座れるベンチシートがオプションで用意され、次第に5人乗りが中心になっていった。

デビュー時に搭載されたエンジンは1.6L(ワン/クーパー)と1.6Lターボ(クーパーS/クーパーSオール4)の2種類。トランスミッションはいずれも6速MTか6速ATを選べた。ミニ初となる4WDのクーパーSオール4は、走行状況に応じて駆動配分を前100:後0~前0:後100の間で変えてくれる。
 

ミニクロスオーバー(初代)▲ラゲージ容量は後席使用時で350Lと、フォルクスワーゲン ゴルフ級のラゲージ容量。後席を倒すと1170Lまで拡大できる
ミニクロスオーバー(初代)▲インパネデザインはミニに準じている。左右席の間にセンターレールが備わるため、サイドブレーキ形状はL字型
ミニクロスオーバー(初代)▲標準である4人乗り仕様の後席。レールには小物入れやカップホルダー、携帯電話などが置かれることが想定されていた

2013年1月には、ミニでお馴染みのハイパフォーマンスモデル「ジョン・クーパー・ワークス」がミニクロスオーバーにも追加された。

クーパーSと同じ1.6Lターボを搭載し、クーパーSの最高出力184ps/最大トルク240N・mに対し、ジョンクーパーワークスは218ps/280N・mに高められており、これを6速MTまたは6速ATで駆ることになる。

5人乗り仕様のみで、駆動方式はジョン・クーパー・ワークスとしては初めての4WDが採用された。

2013年9月には、従来のクーパーSに加えて自然吸気エンジンのクーパーにも4WDモデルの「オール4」が追加設定されている。
 

ミニクロスオーバー(初代)▲1.6L自然吸気のクーパーに加えられたオール4。上記1.6LターボのクーパーSに対し、グリル形状が異なる

2014年9月のマイナーチェンジでは、グリルのデザインが変更された他、2種類の2Lディーゼルターボが用意された。

最高出力112ps/最大トルク270N・m仕様が「クーパーD」と「クーパーDオール4」に、143ps/最大トルク305N・m仕様が「クーパーSD」に搭載されている。いずれもトランスミッションは6速ATのみとなる。
 

ミニクロスオーバー(初代)▲マイナーチェンジでは従来のクーパーSはラインナップから外れ、ジョン・クーパー・ワークスを除けば2LディーゼルターボのクーパーSDが最上級モデルに。また4WDモデルはクーパーDオール4のみとなった
ミニクロスオーバー(初代)▲デビュー時はオプション扱いだった後席のベンチシート(乗車定員5人仕様)の方が4人乗りより売れ行きが良かったのだろう、マイナーチェンジ時はワンとクーパーを除き、5人乗りのみとなった
 

【100万円以下で狙う】初期型の「クーパー」がオススメ!

とにかく安く、具体的には総額100万円以内でミニクロスオーバーを手に入れたいなら、初期型(2011~2012年式)のクーパーがオススメだ。

支払総額約70万円から狙えて、支払総額100万円未満で約7割を占める台数があり、選びやすい。ただし、走行距が10万kmを超得るものもあるため、コンディションを考慮し10万km以下に絞るのが良さそうだ。

この条件で検索しても30台ほどの物件がヒットし、中には総額80万円台で5万km台の物件もヒットする。

初期型のため、本来なら4人乗りが標準だが、原稿執筆時点で見ると8割以上が5人乗りとなる。また、ベースグレードの「ワン」がスチールホイールのところ、「クーパー」はアルミホイールとなり、フロントフォグランプも標準で備わるのもポイントだ。
 

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ミニ ミニクロスオーバー(初代)×総額100万円以内×2011~2012年式×走行距離10万km以下×クーパー×全国
 

【200万円以下で狙う】「クーパーD」狙いで!

支払総額で200万円まで予算を出せるのなら、オススメは2014年9月から追加されたディーゼルエンジン搭載モデルのクーパーDだ。

この予算であれば、クーパーの走行距離5万km未満も狙えるが、それとほぼ同数の5万km未満のクーパーDが狙える。

また、1.6LターボのクーパーSも狙えるが、5万km未満の台数は、デビュー時期が遅いクーパーDの方がやはり多い。つまり、5万km未満の台数が多くて探しやすいのだ。

例えば、2014年式の走行距離5万km未満の物件が支払総額約150万円から見つけることができる。

最高出力143ps/最大トルク305N・mのクーパーSDに対して、112ps/270N・mと数値的にはやや見劣りするが、それでもディーゼルゆえ最大トルクは270N・mと2.5Lガソリンエンジンなみ。

加速力で不満はないだろうし、ディーゼルならハイオク仕様の他のガソリンエンジンのミニクロスオーバーより日々の維持費の負担は軽くなるはずだ。
 

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ミニ ミニクロスオーバー(初代)×総額200万円以内×走行距離5万km以下×クーパーD×全国
 

【機能重視で狙う】希少な「ジョン・クーパー・ワークス」を!

ここまで初代ミニクロスオーバーの価格が安くなっているのだから、せっかくならミニのハイパフォーマンスモデル、ジョン・クーパー・ワークスを狙ってみてはどうだろう。

ミニより大きくなったミニクロスオーバーだが、最高出力218ps/最大トルク280N・mに高められた1.6Lターボは、気持ち良く車を加速させてくれる。

ハイパフォーマンスながら乗り心地はガチガチではなく、しなやかな現代的なスポーツカー。エクステリアやインテリアに専用キットが備えられ、気持ちも高まるハズだ。

レアといっても中古車価格はそれほど高くはない。6速MTが447万円、6速ATが460万円だった新車時車両本体価格に対し、原稿執筆時点で支払総額150万円から狙える。6速ATのジョン・クーパー・ワークスとしては最も手頃に買えるモデルだ。

なお走行距離は5万km超が多く、5万km未満に絞ると支払総額250万円以上。良コンディションにこだわるなら、予算に余裕をもった方がいいだろう。
 

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ミニ ミニクロスオーバー(初代)×ジョン・クーパー・ワークス×全国

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ミニ ミニクロスオーバー(初代)×全国
文/ぴえいる、写真/ミニ

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。