ジープ コマンダーが400万円台前半で狙えるけど買っても平気なの? グランドチェロキーより安い7人乗りSUVの中古車状況、オススメの狙い方を解説
2025/11/25
▲2代目ジープ コマンダーの中古車が総額400万円台前半で狙える状況に。でも400万円台前半で買っても大丈夫なのか? 検討してみることにしましょう!7人乗りのカッコいい輸入SUVだけど、価格はお手頃。……買っても大丈夫?
2022年10月に発売されたジープ コマンダーは、ジープブランドならではのSUV性能とプレミアム性を、日本の道でも持て余さないボディサイズの中に網羅した3列シート7人乗りのミドルサイズSUV。程よい存在感を放つエクステリアデザインや、高級感たっぷりなインテリアも魅力となる1台で、中心グレードの新車価格は約600万円といったところです。
そんな2代目ジープ コマンダーの中古車が今、支払総額400万円台前半でも狙える状況になっています。
ジープブランドのフラッグシップSUVである「グランドチェロキー」よりもお手頃で、なおかつ7人乗りゆえファミリーユースにも対応できる、ナイスデザインなSUVであるコマンダーですが、総額400万台前半の物件はさすがにちょっと安すぎで不安なのか? それとも普通に「買い」なのか? モデル概要の振り返りを含め、検討してみることにしましょう。
▼検索条件
ジープ コマンダー(2代目)モデル概要:全長4.8m弱の3列シート7人乗りSUV
2代目ジープ コマンダーは、コンパクトSUVである「コンパス」と、ジープブランドのフラッグシップSUVにあたる「グランドチェロキー」の間に位置するモデルとして2022年10月に上陸した中型SUV。
日本の道でも使いやすい全長4770mm×全幅1860mm×全高1730mmというサイズ感と、3列シートの採用、そして高効率なディーゼルターボエンジンと電子制御式4WDシステムが組み合わされたパワートレインなどが、そのセリングポイントとなります(※一部にFFグレードもあり)。
▲こちらが2022年10月に登場した2代目ジープ コマンダー
▲ボディサイズは日本の道でもまあまあ扱いやすい全長4770mm×全幅1860mm×全高1730mmシートは前方から2座+3座+2座の3列7人乗りレイアウトで、それぞれのシートにリクライニング機能を採用。最大80度まで開く大開口リアドアにより、3列目シートへの乗降性にも配慮がされています。そして2列目シートにはワンタッチで格納できる機能も組み込まれているため、簡単な操作で様々なシートアレンジを行うことが可能です。
▲10.25インチディスプレイやレザーシート、フロントパワーシートなどは全車標準装備
▲3列目の空間は決して広くはないが、それでも7人で乗車できるコマンダーの室内空間パワーユニットは全車、最高出力170ps/最大トルク350N・mの2L直4ディーゼルターボエンジンで、トランスミッションは9速AT。ジープならではの四輪駆動システムは、電子制御式の「ジープアクティブドライブ」。あらゆる路面状況で高い走行安定性を実現する「セレクテレインシステム」が採用されており、「SAND/MUD(砂・泥)」「SNOW(雪)」「AUTO(オート)」の3つのドライブモードが選択できる他、急な下り坂を一定の低速で安全に走行できる「ヒルディセントコントロール(HDC)」も標準装備されています。
グレード構成は、4WDの「リミテッド」が中心となりますが、2023年と2024年にはFFの「ロンジチュード」を数量限定で発売。またそのほか、4WDの「オーバーランド」「リミテッド テクノグリーン」「フリーダムエディション」「トレイルエディション」も、数量限定にて発売されています。パワーユニットはいずれのグレードも、前述した2L直4ディーゼルターボです。
▲4WDが基本となるコマンダーだが、FFの「ロンジチュード」(写真上)も2023年に200台、2024年に100台が限定発売されたよく似たデザインの「ジープ グランドチェロキー」との違いは?
遠目には似たようなSUVにも見えるジープ コマンダーとグランドチェロキーの違いは、主には「ボディサイズ」「乗車定員(シートレイアウト)」「パワーユニット」の3点です。
ボディサイズに関しては、コマンダーが前述したとおり全長4770mm×全幅1860mm×全高1730mmであるのに対し、グランドチェロキーは全長4900mm×全幅1980mm×全高1810mmと、ひと回りからふた回りほど大柄です。「存在感」に関してはグランドチェロキーの方が明らかに上でしょうが、「日本の道路におけるジャストサイズ感」についてはコマンダーに分があるといえます。
▲こちらがフラッグシップSUVである2代目ジープ グランドチェロキー。全長は4.9m
▲こちらはミドルサイズSUVに分類されるジープ コマンダー。その全長は4.8m弱そして乗車定員(シートレイアウト)は、コマンダーは最大7人が乗れる3列シートを採用していますが、グランドチェロキーは一般的な2列シートの最大5人乗り。そして「パワーユニット」は、両者とも2L直4のターボ付きエンジンではありますが、コマンダーがディーゼルターボであるのに対し、グランドチェロキーはガソリンターボです。
▲2列シート5人乗りとなるグランドチェロキーの後席
▲こちらは前方から2座+3座+2座の3列7人乗りとなるコマンダーこれらの違いについて「どちら良いか?」というのは、人それぞれの価値観や車としての使用目的次第で変わってくる話でしょう。
しかし確実にいえることは、ジープ コマンダーは、ブランド内のヒエラルキー的にはグランドチェロキーの下位に位置するモデルではありますが、グランドチェロキーよりも多人数が乗車でき、ビジュアル的なカッコよさもパフォーマンスも決して大きくは劣らない「なかなかお買い得なモデルである」ということです。
中古車状況:平均支払総額は1年間で60万円以上ダウン
2代目ジープ コマンダーの中古車平均支払総額は、2024年後半までは550万円前後で推移していましたが、そこから小気味よいペースでダウンし始め、直近では総額500万円のラインを突破。結果としてこの1年間で66万円以上ダウンし、現時点の平均支払総額は486.6万円になっています。
▲2024年11月~2025年10月までの平均総額推移延べ掲載台数は2025年9月に200台を突破。絶対的な台数がさほど多い車種ではありませんが、2023年から続いている順調な増加トレンドから考えると、今現在、そして今後も「中古車を選びやすい状況」は継続するものと考えられます。
▲2024年11月~2025年10月までの延べ掲載台数推移そして支払総額の「平均」は前述のとおりですが、カーセンサーnet上では総額400万円台前半で狙える物件も流通しています。おおむね600万円超だった新車時の支払総額から考えると、この価格はかなりお買い得なのではないかと思われるわけですが、実際はどうなのでしょうか? 次章以降、具体的に考えてみたいと思います。
中古車のオススメ①:総額400万円台前半の「リミテッド」で何ら問題なし!
通常、その車種の中古車の「底値圏」に位置する物件の購入には、若干の注意が必要だったりする場合も多いものです。しかし2代目ジープ コマンダーの場合、現時点における底値圏である「総額400万円台前半」の物件は、ごく普通の感覚で購入しても何ら問題ない場合がほとんどだと考えられます。
▲もちろん購入前に細部をチェックするべきではあるが、総額400万円台前半の物件であっても、ジープ コマンダーの場合はコンディション上の問題は特にない場合が多い通常、底値圏の中古車は「多走行」「修復歴あり」「内外装の状態に難あり」だったりすることも多いのですが、現在約25台が流通している総額400万円台前半のジープ コマンダーは、そのほとんどが走行1万km台で、距離が長めのモノでもせいぜい2万km台です。
中古車のコンディションというのは必ずしも走行距離の多寡だけで決まるものではありませんが、2023~2024年式ぐらいの車が、たかが1万kmや2万km走ったぐらいで調子を激しく崩してしまうことは、ほとんどありません。
もちろんこれは「ほとんどない」であって、「絶対ない」ではないため、購入時は内外装や足回りの状態などをしっかり確認する必要はあります。しかしそれでも、確認してみた物件の大半は「ぜんぜん問題ない」という結果になるかと推測されます。
総額500万円以上の予算を用意すれば当年式(2025年式)が狙えるため、より安心できるとは思います。しかしコマンダーはデビューから現在に至るまでマイナーチェンジなどは行っていないため、2023~2024年式の物件であってもビジュアルや内容は2025年式と変わりませんし、コンディション的にも、前述したとおりしっかり確認したものであれば、特に大きな問題はないはず。
したがって、総額400万円台前半のジープ コマンダーは「何ら問題ない」と結論づけることができるのです。
▲ちなみに荷室容量は、7名フル乗車の場合は170Lと小さめだが、5名乗車時なら481L。そして2列目シートも格納すれば、長尺物も余裕で収容できるグレード的には、総額400万円台前半で流通しているコマンダーの8割近くが4WDの「リミテッド」です。基本的にはそのままリミテッドを選ぶのが良いかと思いますが、「自分は若干軽量で若干燃費の良いFFの方が好き」ということであれば、少数ながら総額430万円前後で流通している「ロンジチュード」をお選びください。
▼検索条件
ジープ コマンダー(2代目) × 総額450万円以下中古車のオススメ②:予算をちょい足して狙う総額400万円台後半の低走行物件
前章で提案した「総額400万円台前半の物件」でも普通に満足できるはずの2代目ジープ コマンダーですが、もしもさらなる満足を求めるのであれば「総額400万円台後半」まで予算感を上げ、走行数千kmレベルのリミテッドまたはロンジチュードを探してみるのがオススメとなります。
▲同じ総額400万円台でも「後半」で想定すると、走行0.5万km以下の物件が狙いやすくなる総額400万円台前半のゾーンでも走行数千kmレベルの中古車は流通しているのですが、その数は希少です。しかし「総額400万円台後半」では、おそらくは正規ディーラーで試乗車や展示車としての役割を務めていたはずの2024~2025年式が豊富に流通しています。
この価格帯/走行距離の物件であれば車両全体としてのコンディションはかなり上々である場合がほとんどであり、メーカーオプションだった「コマンドビュー デュアルペインパノラミックサンルーフ」が付いている物件を見つけることができたら、満足度は特にアップするはず。
▲中古車に付いていたらラッキーな「コマンドビュー デュアルペインパノラミックサンルーフ」繰り返しになりますが、総額400万円台前半で走行1万~2万km台の物件であっても普通に満足できるはずではありますが、「より使用感の少ないコマンダー」「より満足感の高いコマンダー」を求めたい場合は、総額400万円台後半を予算の目安としながら、ご自身の好みに合いそうな1台を探してみてください。
▼検索条件
ジープ コマンダー(2代目) × 総額450万~総額500万円未満
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。
【関連リンク】
- 【アメ車オススメ5選】 「もっとアメリカ車を買え!」とトランプ大統領に言われたので、輸入中古車評論家がモデルを真剣に考えてみた
- SUVとは?どんな意味?人気ランキングやオススメ車種を紹介!価格や選び方も解説
- “SUV疲れ”した人に贈る「代わりに、実用性も備えるスタイリッシュフォルムが新鮮なコレ、どうですか?」5選
- ディーゼル車とは? ガソリン車との違いやメリット・デメリット、人気中古車ランキング一覧TOP10を紹介!
- 【2024年】SUV人気ランキングTOP30|オススメは? 中古車の選び方や国産&海外車の価格を紹介!
- 輸入車(海外車)人気ランキング一覧37選|専門家オススメ中古車は? 多彩なメーカー・種類を解説【2024年】