メルセデス・ベンツ Eクラスワゴン(5代目)の中古価格が1年で約90万円ダウン! 人気輸入ワゴン、今オススメの買い方、選び方は?
2025/08/02

5代目Eクラスワゴンの魅力は約10年たっても色あせない!
2016年11月に登場した5代目メルセデス・ベンツ Eクラスワゴン。まもなくデビューから9年たつモデルだが、同メーカーの屋台骨だけあって、今でも魅力いっぱいの1台と言える。
そんな5代目Eクラスワゴンの中古車価格が順調に下落している。まずは下記グラフをを見てほしい。

2024年の中古車平均支払総額は、ときおり上昇局面を見せるなど、なかなか430万円の壁を乗り越えられなかった。しかし今年に入り値落ちが進み、5月には初めて400万円を切り、6月には385.7万円に。
前年の6月が474.2万円だったので、1年ほどで実に88.5万円も値落ちしたことになる。
では、今5代目Eクラスワゴンの中古車を狙うならどんなものがオススメなのか? モデル概要を振り返るとともに、検討してみることにしよう。
モデル概要:先進的な安全機能や快適機能が充実

前期型(2016年11月~2020年8月生産モデル)
2016年7月に登場したセダンに続き、同年11月から販売が開始されたメルセデス・ベンツEクラスワゴン。セダン同様「インテリジェンス・ドライブ」をはじめとした先進機能がたっぷりと備えられたことが、まず大きな特徴だろう。
インテリジェンス・ドライブとは、同社が提唱する先進運転支援機能の総称だ。
例えば、高速道路で車線中央をキープしながら先行車に自動追従し、渋滞で止まり、再発進するといった、半自動運転技術(ディスタンスパイロット・ディストロニックアンドステアリングパイロット)がある。
また、ドライバーがウインカーを出すと、あとは車が安全を確認してから車線を変更してくれる機能(アクティブレーンチェンジングアシスト)もある。さらに、万が一ドライバーが気を失ったら、車線を維持しながら緩やかに減速・停止する「アクティブエマージェンシーストップアシスト」も含まれる。
これらをはじめとした先進運転支援機能が「レーダーセーフティパッケージ」として全車に標準装備された。
もちろん、Eクラスセダンとは異なる、ステーションワゴンとしての使い勝手も十分高い。リアサスペンションの取り付け位置をセダンと変えるなどして、フラットなラゲージスペースを確保。後席背もたれは40:20:40の3分割で可倒できるし、それをラゲージのスイッチで行うこともできる。



テールゲートは運転席やキーのスイッチでも開閉できる他、一部グレードでは両手がふさがっていても、リアバンパーの下で足を振れば開閉できる。
また、全車のリアに電子制御式エアサスペンションが備わり、乗員数や積載量を問わず、走行中も常に一定の車高を維持してくれる。だから安心して運転できる。
パワートレインの変遷は少々複雑だ。グレード構成の項でなるべく分かりやすく解説するが、ここではまず前期型の変遷について述べておく。
デビュー時のパワーユニットは、最高出力が184psと同211psの2種類の2Lターボエンジンと、2Lディーゼルターボエンジン、3.5Lのツインターボエンジンの4種類。いずれも9速ATが組み合わされた。
また、2018年8月には3.5Lツインターボに代わって3Lツインターボが加えられた。
さらに2019年2月には、最高出力184psの2Lターボエンジンが1.5Lターボエンジン+小型モーターのマイルドハイブリッドシステムに、また同211psの2Lターボエンジンが最高出力258psの新型2Lターボエンジに切り替えられた。
後期型(2020年9月~2024年1月生産モデル)


2020年9月のマイナーチェンジで、見た目が大きく変わっただけでなく、中身も大きく進化している。
まず、同社独自の対話型音声認識機能「MBUX」が全車に標準装備された。車と会話するようにして目的地入力や音楽をかけたり、空調の温度を調整でき、使えば使うほど賢くなってくれる機能だ。

さらに、AR(拡張現実)カーナビゲーションも全車に標準装備されたのも、魅力のひとつだ。
従来のカーナビでは、目的地を設定すると、地図上には進むべき道路がハイライトされるが、このカーナビゲーションでは、右左折時などにリアルタイムのカメラ映像を用いることで、現実の景色がナビゲーション画面の一部に映し出され、その進むべき道路に矢印が表示される。

以上が、5代目Eクラスワゴンの概要となるが、2016年の発売開始以降7年以上にわたって販売されたモデルゆえ、パワートレインやグレードの変遷がかなり複雑。
そこで、今一度グレードを整理して記載するので、ぜひ参考にしていただきたい。
グレード一覧
■2016年11月~2018年7月
・E200系:最高出力184psの2Lターボエンジン搭載車
・E220d系:2Lディーゼルターボエンジン搭載車
・E250系:最高出力211psの2Lターボエンジン搭載車
・E400系:3.5Lツインターボ搭載車
■2018年8月~2019年2月
・E200系:最高出力184psの2Lターボエンジン搭載車
・E220d系:2Lディーゼルターボエンジン搭載車
・E250系:最高出力211psの2Lターボエンジン搭載車
・E450系:3Lツインターボ搭載車
■2019年3月~2020年8月
・E200系:1.5Lターボ+小型モーターのマイルドハイブリッド搭載車
・E220d系:2Lディーゼルターボエンジン搭載車
・E300系:最高出力258psの2Lターボエンジン搭載車
・E450系:3Lツインターボ搭載車
■2020年9月(マイナーチェンジ)~2024年1月
・E200系:1.5Lターボ+小型モーターのマイルドハイブリッド搭載車
・E220d系:2Lディーゼルターボエンジン搭載車
・E300系:最高出力258psの2Lターボエンジン搭載車
・E450系:3Lターボ+小型モーターのマイルドハイブリッド搭載車
※2WD(後輪駆動)が基本で、グレード名の後ろに「4MATIC」と付くものは4WD車
なるべく安く狙うなら:「E200 アバンギャルドスポーツ」がオススメ

ではここから、ニーズ別にオススメの狙い方を紹介していこう。
とにかく安く5代目Eクラスワゴンを手に入れたいなら、前期型に設定されていた「E200 アバンギャルドスポーツ」を中心に探すのがオススメだ。
走行距離5万km以下で支払総額約230万円から手に入れることができる。デビュー時点の車両本体価格は764万円だったから、530万円以上値落ちしている計算になる。
実質的なエントリーグレードとなり、搭載されるのは最高出力184psの2Lターボエンジンだが、動力的な不満はないだろう。また、5代目Eクラスワゴンの場合、たいていの先進機能がほぼ全車に標準装備されるため、使い勝手も十分すぎるほど高い。
さらに、「アバンギャルドスポーツ」は最も大径な19インチアルミホイールを履き、AMGスタイリングパッケージ(フロントスポイラー、サイドアンドリアスカート)を装着しているので、見た目も良い。だから手頃な価格とはいえ、満足度は高いはずだ。
▼検索条件
メルセデス・ベンツ Eクラスワゴン(5代目)×E200 アバンギャルドスポーツコスパ重視なら:「E400 4MATICエクスクルーシブ」がオススメ

装備が充実しているのに新車時からの値落ち額が大きい、そんな「コスパ」を重視するなら、前期型の最上級グレード「E400 4MATICエクスクルーシブ」はどうだろう。
走行距離5万km以下の物件が支払総額約300万円から狙えるのだが、デビュー時点の車両本体価格は1050万円だから、750万円以上値落ちしている計算になる。
5代目Eクラスワゴンの中でも、特に極上の乗り心地を提供してくれるエアボディコントロールサスペンションを唯一備えるグレードで、滑りやすい路面でも安心な4WD(4MATIC)のみとなる。
また、AMGスタイリングパッケージ(フロントスポイラー、サイドアンドリアスカート)を備え、19インチアルミホイールを履くなど、見た目もいい。
加えて、ナッパレザーのシート地に、前後シートともヒーターを備え、高級オーディオシステムが備わるなど、インテリアは高級な仕立てだ。
快適な乗り心地とともに、ドライブ中はいつも気持ちよく過ごすことができそうだ。
▼検索条件
メルセデス・ベンツEクラスワゴン(5代目)×E400 4MATICエクスクルーシブ後期型狙いなら:「E200 スポーツ」がオススメ

大幅改良が施された後期型を狙うなら「E200 スポーツ」がオススメだ。2020年9月のマイナーチェンジを機に新設されたグレードで、新車時はラインナップの中で最も手頃な価格(車両本体価格810万円)だった。
そもそも後期型は全体の2割程度しか掲載されていない。それでもE200 スポーツは後期型の中で最も多く、他グレードに比べて選びやすいというメリットがある。
では装備面はどうかといえば、実は十分充実している。
後期型ではラインナップが厳選されて、スポーティな装いの「アバンギャルド」や「アバンギャルドスポーツ」「アバンギャルドAMGライン」といったサブ名の付くグレードがなくなった。
そのため、E200の4WDである「E200 4MATICスポーツ」と「E220d」と同じく、AMGスタイリングパッケージ(フロントスポイラー、サイドアンドリアスカート)や、19インチアルミホイールなど、前期型の人気アイテムが最初から備わっている。
もちろん、MBUXをはじめとした先進機能は全車標準装備だ。
ナッパレザーのシートが欲しいとか、AMGスポーツステアリングがいいとなれば最上級グレードの「E450 4MATIC エクスクルーシブ」や、「E300 スポーツ」を選ぶほかないが、そうでないなら、E200 スポーツで十分5代目Eクラスワゴンの後期型の魅力を満喫できるはずだ。
▼検索条件
メルセデス・ベンツEクラスワゴン(5代目)×E200 スポーツ系グレード▼検索条件
メルセデス・ベンツEクラスワゴン(5代目)
ライター
ぴえいる
『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。先日、中古車のホンダeも加わった。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。