ホンダ シビックタイプR(6代目)をマンガで解説! ストイックなホンダのスーパースポーツモデルはどんな車?【人気車ゼミ】
2024/02/23
自動車テクノロジーライターの松本先生と、漫画家の田代先生が話題のモデルを深く分かりやすく掘り下げていく連載『人気車ゼミ』。今回紹介するのは新型ホンダ シビックタイプR。
講師紹介
自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
マンガ家
田代哲也
マンガ家・イラストレーター。1987年『週刊少年ジャンプ・サマースペシャル』(集英社)でデビュー。少年マンガ誌、青年マンガ誌、スポーツ雑誌などジャンルを問わず執筆。絵本『田んぼの昆虫たんけん隊』『水泳大好き!トラ』(星の環会)。2004年より東放学園高等専修学校、東放学園映画専門学校で講師を務める。スズキの車を5台乗り継ぎ、現在の愛車はエスクード。
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ホンダ シビックタイプR(6代目) × 全国重要ワード(マンガ内※)解説
ホンダのレーシングテクノロジーを注ぎ込んだ特別なモデルの呼称。1992年、NSXのスペシャルモデルとしてNSXタイプRが設定されたのが最初で、インテグラやアコード(ユーロR)にも展開された。シビックには1997年、6代目のマイナーチェンジで初めて設定された(写真)。
ホンダは自然吸気に強いこだわりがあり、歴代タイプRもNAエンジンを搭載していた。しかし、2015年に登場した4代目シビックタイプR(FK2型)でニュルブルクリンクサーキットFF車世界最速を目指すために初めて228kW(310ps)を発揮する2L VTECターボを搭載した。
1961年にイタリアで創業された自動車ブレーキメーカーで、ハイパフォーマンスなディスクブレーキの製造に長ける。フェラーリ、ポルシェの他、日産 GT-R、三菱 ランサーエボリューションなど、世界中のスポーツモデルがブレンボ製のブレーキシステムを採用している。
フロントシートはサーキットでの限界走行はもちろん、ロングドライブでも最適な姿勢を保持できるよう、多面体構造を採用。リアシートはスエード調表皮が身体にしっかり密着し、コーナリングで横Gが強くかかるようなシーンでも体をサポートできるようにした。
排気部分ではサイレンサーの中央配管にアクティブ・エグゾーストバルブ機構を採用。エンジン回転数に応じて最適なバルブ開度にすることで迫力あるエンジンサウンドを実現。加えてドライブモード別に制御を設定した、アクティブサウンドコントロールシステムも搭載。
ドライバーのアクセルワークにリニアに反応するよう、エンジンECUの駆動力制御マップやドライバビリティフィルターの制御を緻密に行い、アクセルの踏み始めから踏み込んでいったときの加速や伸び、アクセルを戻したときのコントロール性まで徹底チューニングされた。
MT車でのスポーツ走行に必要不可欠なテクニックであるヒール&トーを不要にするシステムだが、先代では2速から1速へ落とす際にはこのシステムが働かなかった。新型は全段で対応することで、どんなシーンでもなめらかなシフトワークが可能になった。
先代のマイナーチェンジでシフトノブが丸形から長細いティアドロップ形に変更された。これは、サーキット走行などで体に強い横Gを受けたときの操作性を向上させることが目的。ティアドロップ形はシフトノブの傾きを触感で認識しやすいというメリットがある。
初期の頃のタイプRは大衆車であるシビックに性能を上げるためのチューニングを施していたが、先代からはタイプRを作ることを最初から見据えてプラットフォームを開発。タイプRの性能に見合う剛性、低重心化、ホイールベースとトレッドの拡大などが施されている。
シビックタイプRはルノー メガーヌR.S.とドイツにあるニュルブルクリンク北コースでの「FF最速」の称号を競い合っている。ホンダは2023年4月に現行型タイプRが7分44秒881のラップタイムを記録し、現行型の運動性能が先代のタイプRを超えたことを証明した。