5代目プリウス▲最新型プリウスは2022年12月に登場。従来の低燃費を維持しながらスポーツドライビングも楽しめる車に進化しており、2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した

結論から言うと最新型プリウスは中古車で狙いやすくなっている

発売から1年たった最新型プリウスだが、公式サイトによると新車ではいまだ工場出荷時期が「販売店にお問い合わせください」状態(KINTO専用のUグレード除く)。つまり、納車待ちの発生が推測でき、「半年以上の納車待ちだった!」という声も少なくない。

そんな中、中古車では徐々に物件数が増加。カーセンサー掲載台数も550台を超えた(2024年2月10日現在)。中古車相場は新車価格とほぼ同等となっているが、それは逆に言えば低走行車がほとんどである裏返しでもある。納車待ちの列に並ばず早く乗りたい人にとっては、ありがたい状況なのだ。

そこで、最新型プリウスの中古車事情を分析。中古車での流通状況と特徴をチェックしていく。
 

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モデル概要:5代目プリウスはエコでスポーティな先進ハイブリッド

最新型となる5代目プリウスは「ハイブリッド・リボーン」というコンセプトで開発された車だ。“新時代のハイブリッド車像”として燃費性能だけでなく、デザイン性と走りの良さも追求された。

エクステリアでは独自のモノフォルムシルエットを引き継ぎながら、全高を50mmほどダウン。抑揚のあるボディとインチアップしたタイヤで、スポーツカーのようなスタイルに仕上げられている。

そのルックスどおり、走行性能も優れている。第2世代TNGAプラットフォームと高剛性ボディによって走行安定性も向上。ステアリングフィールも良好だ。サスペンションはしなやかで、スポーティだが快適な乗り心地となっている。
 

5代目プリウスの外装▲ボディサイズは全長4600mm×全幅1780mm×全高1420~1430mm。低重心かつ流麗なボディによって優れた空力性能を実現し、デザイン性と走行性能の向上を両立している
5代目プリウスの内装▲室内は長さ1840mm×幅1500mm×高さ1130~1135mmと、必要十分な広さを確保。ステリアングとメーターを直線上に並べ、運転に集中できるレイアウトとしている

パワートレインは3種類。1.8Lハイブリッドと2Lハイブリッド、2Lプラグインハイブリッドだ。最新の第5世代ハイブリッドシステムを採用しており、プラグインハイブリッドでは駆動用に高出力モーターと大容量バッテリーを組み合わせている。

駆動方式はハイブリッド車では2WDと4WD、PHV(プラグインハイブリッド車)は2WDのみの設定。4WDには高出力モーターを搭載した最新のE-Fourを採用し、雪道などでの登坂性能や旋回時の安定性が向上している。
 

5代目プリウスの走行▲刷新されたハイブリッドシステムは高出力で、2Lハイブリッドでは0-100km/h加速7.5秒、PHVでは6.7秒を達成。まるでスポーツカーのように加速する

燃費性能も健在で、WLTCモードで26~32.6km/Lを達成。パワートレイン別の内訳は下記のとおりだ。

1.8Lハイブリッド車:2WD 30.7 km/L /4WD 32.6km/L
2Lハイブリッド車:2WD 26.7 km/L /4WD 28.6km/L
2L PHV:26km/L
 

5代目プリウスPHVの走行▲PHVでは1回の充電における走行距離(充電電力使用時走行距離)は87~105kmまで延長。燃費性能と使い勝手に磨きがかかっている

当然、安全性能も良好だ。最新の予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を標準装備。検知対象が拡大され、後方車両の接近時に警察・ヘルプネットへの接続を提案する「周辺車両接近時サポート(録画機能・通報提案機能)」などの機能も追加されている。
 

5代目プリウスの安全装備▲駐車時にステアリングやアクセルなどの操作を支援する「トヨタチームメイト アドバンストパーク」も、上級グレードには標準装備されている
 

グレード構成:中古車では全4グレードの購入が可能

5代目プリウスのグレード構成は「X」「U」「G」「Z」の4種類だが、一般販売はGとZのみなっている。ただ、中古車なら全グレードを狙えるので、各グレードの違いを紹介しておこう。基本的には走行性能に優れ、快適・安全装備が充実したGおよびZがメインの選択肢となるが、燃費性能を優先したいならUとXも候補となるだろう。

■法人グレード「X」
パワートレインは1.8Lハイブリッド。タイヤは17インチで、樹脂フルキャップのアルミホイールを採用している。外装ではブラックでのグリル、内装ではファブリックのシート表皮を標準装備。安全面ではトヨタセーフティセンスが標準化されている。

■KINTO専用グレード「U」
パワートレインは1.8Lハイブリッド。外装ではブラックでメタリック塗装のグリル、内装では8インチのディスプレイオーディオやファブリックのシート表皮が標準装備されている。安全面ではバックガイドモニターが標準化されている。

■スタンダードグレード「G」
パワートレインは2Lハイブリッド。タイヤは19インチで、切削光輝仕立て+センターオーナメント付きのアルミホイールを採用している。内装では上級ファブリックシートが標準装備。安全装備ではドライブレコーダーやブラインドスポットモニターなどが標準化されている。

■上級グレード「Z」
パワートレインは2Lハイブリッドと2Lプラグインハイブリッド。外装では艶ありブラックのグリルやLEDアクセサリーランプ、内装では合成皮革シートや12.3インチのディスプレイオーディオなどを装備。安全装備では、出合い頭の事故防止に役立つ「フロントクロストラフィックアラート」なども標準化されている。
 

 

中古車事情:平均価格が1年で約50万円下落

では、5代目プリウスの中古車相場を見てみよう。カーセンサーに掲載される中古車台数は約550台。中古車相場は、デビュー時には約470万円とプレミアム価格が付いていたが、2023年12月に約415万円まで下降している。

現在の車両平均価格は約420万円と少し上昇したが、これは2024年式の低走行車が増えたのが要因。マイナーチェンジも実施されていないため、中古車相場としては安定傾向にある。
 

5代目プリウスの中古車相場

さらに詳しく見るため総額の価格帯を見てみると、総額292.1万円~648万円で、300万円台で狙える物件が3割弱を占めている。平均走行距離が約3000kmという低走行車中心である点や、5代目プリウスの供給状況を加味すれば、お得感こそ控えめだが買い時と言えるだろう。

その内訳を見ると、最多は2LハイブリッドのZで、次にUが続く。1.8LハイブリッドのUとX、2L のPHVは希少となっている。駆動方式では燃費に優る2WDが約470台と、4WDは少なめだ。
 

5代目プリウスのカラーラインナップ▲ボディカラーは6色を設定。ただ、カーセンサーではプラチナホワイトパールマイカが約6割、アティチュードブラックマイカが3割強と、白と黒の中古車がほとんどだ

最後に各グレードと4WD車の中古車状況を解説していく。ぜひ中古車選びの参考にしてほしい。

■Xの中古車状況
カーセンサー掲載台数は約30台で、総額300万~397.6万円。同グレードではオプションとなる8インチディスプレイオーディオやバックカメラを装備する物件や、モデリスタなどのカスタムカーも見つけることができる。
 

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■Uの中古車状況
カーセンサー掲載台数は約10台で、総額292.1万~370万円。同グレードではオプションのパノラミックビューモニターを装備する物件も含みオトク感が強い。
 

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■Gの中古車状況
カーセンサー掲載台数は約60台で、総額350万~436.9万円。総額380万円を超えるとカスタムカーや4WD車が多くなるが、物件の半数が同価格以下で低走行車や登録済未使用車も少なからず存在する。
 

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■Zの中古車状況
カーセンサー掲載台数は約450台。内訳としてはハイブリッド車が約420台、PHVが約30台となっている。総額345.6万~648万円で、総額480万円を超えるのはPHVとカスタムカーが中心だ。物件の半数がオプションのパノラマルーフを備えるなど、装備が充実した物件が散見している。
 

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■4WD車の中古車状況
カーセンサー掲載台数は約80台で、総額343.9万~549万円。グレードの掲載比率を反映し、8割ほどがZグレードだ。4WD車は価格が高くなるので「せっかくだから」という気持ちが働くためか、豪華装備の物件やモデリスタなどの割合が比較的高くなっている。  

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文/綱島剛(DOCUMENT) 写真/尾形和美、トヨタ

※記事内の情報は2024年2月11日時点のものです。