C-HR▲ハイブリッドは味付けによって、燃費重視にもスポーティにもなる優れたシステムだ

ハイブリッドは日本が世界に誇れる技術

軽自動車からSUVまで、今やハイブリッド車がラインナップされているのがスタンダードになっている。エンジンとモーターを組み合わせることで燃費や静粛性など、車の性能をグンと引き上げてくれる。

この記事ではハイブリッド車のメリットやガソリン車との違いなどを解説しつつ、カテゴリーごとに燃費性能のいいハイブリッド車TOP5のランキングを紹介する。

セレナ ▲同じハイブリッドでも数多くの種類があり、特性や燃費性能には大きな差がある
 

ハイブリッド車(ハイブリッドカー)とは? 意味や仕組みを解説

ハイブリッド車とは、エンジンとモーターの両方を搭載する車のことだ。内燃機関であるエンジン、電気で動くモーターはそれぞれに長所と短所があり、組み合わせることで互いを補い合うことができる。

例えば、多くのエネルギーを使う発進加速ではモーターを、高速巡航ではエンジンを、といった具合だ。その目的は燃費性能や静粛性の向上、動力性能アップなど様々だ。

ハイブリッド車の中には、駆動はモーターがすべて担い、そのモーターを動かすのに必要な電力を発電するためにエンジンを使うものもある。エネルギー密度の高いガソリンや軽油を燃料とすることで、航続距離を稼ぐのが目的だ。

ハイブリッドシャーシ ▲エンジンとモーターに加え、駆動用バッテリーと燃料タンクなど多数の部品を搭載するハイブリッド車。シャシーもそれを前提とした設計となる
 

ハイブリッド車(ハイブリッドカー)とガソリン車の違い

構造的な違いはエンジンの他にモーターを積むか否かだが、機能的には燃費の差に尽きるだろう。同じモデルでもハイブリッド車とガソリン車では燃費が異なる。一例として、トヨタ ヤリスのガソリン車とハイブリッド車で燃費を比べてみよう。

・【ガソリン車】1.5X(1.5Lガソリンエンジンを搭載):19.6km/L
・【ハイブリッド車】1.5 ハイブリッドX(1.5Lのエンジン+モーターを搭載):36.0km/L
※いずれもWLTCモード・2WD。

上記のとおり実に10km/Lもの差が生じる。仮に年間1万km走行する場合、ガソリン車の燃料代が年間8万6735円なのに対して、ハイブリッド車の燃料代は年間4万7222円。年間4万円以上の差がつく計算だ。(レギュラーガソリン価格170円/Lで算出)

ちなみに、両車の新車価格差は約39万円。長い距離を乗る人、長い年数にわたって1台を所有する人にとってはハイブリッド車の方がお得だろう。さらに、ハイブリッド車は新車取得時の重量税が免除される、初度登録から13年以上経過しても重課されないなど税金面でのメリットもある。

 給油シーン ▲燃料代がオトクになるのは明らか。どれだけ乗るかによってもコスパは変わる
 

ハイブリッド車(ハイブリッドカー)と電気自動車(EV)の違い

エンジンとモーターを併用するハイブリッド車に対し、電気自動車(EV)はモーターのみで走行をする。

EVのエネルギーコストは自宅で充電するか、外部の充電器を利用するかなどの条件によって大きく変わるため、ガソリン車やハイブリッド車と単純比較することはできない。多くの場合は電気自動車がコスト面で有利となるが、一方で「航続距離に制限がある」「充電場所が限られる」などのデメリットもある。

ハイブリッド車はガソリン車同様の利便性と、静かな走りや燃費の良さなどモーター駆動のメリットを両立した、いわばイイトコ取りの車と言える。

 

ハイブリッド車(ハイブリッドカー)のメリット

ハイブリッド車にはいくつものメリットがある。代表的なものは以下のとおりだ。

・燃費性能が優れている
エンジンとモーター、それぞれが得意とする領域を使い分けられるので効率が良く、燃費がいい。ハイブリッドを採用する理由のほとんどが燃費向上のためだ。

・パワー&トルクがある
2つ以上の動力源があるため、両方合わせることでガソリン車以上の動力性能を得られる。これは後述のパラレル式、シリーズパラレル式に見られるメリットだ。発進時や加速時などトルクがいる場面では、エンジンに加えてモーターが駆動をアシストしてくれる。

・静粛性が高い
エンジンの稼働時間、回転数を抑えることができるため、通常のガソリン車やディーゼル車よりも静かなこともハイブリッド車のメリット。シリーズ式ハイブリッドでこの特徴が顕著になる。最近では高級車でもハイブリッドを採用する車種が多い。

・環境にやさしい
燃費性能が良いということは、消費する燃料が少なく、排出ガスも少ないということ。エコカー減税やグリーン化特例といった税制上のメリットを受けられる車種も多い。

ヴェゼル ▲静粛性が向上する利点があり、ハイブリッドは高級車との相性も良い
 

ハイブリッド車(ハイブリッドカー)のデメリット

一見、万能に思えるハイブリッド車だが、デメリットも存在する。

・車両価格が高い
一般的にハイブリッド車はガソリン車よりも新車時の車両価格が高く、中古車でも高めになっている。燃費や税金面の優位性で車両購入費用の差額を取り戻すことができるか否かは、走行距離や1台の保有期間による。コスト以外のメリットも合わせて考え、総合的な魅力で判断しよう。

・車が重くなる
エンジンとモーターの両方を搭載する都合上、車両重量が重くなる。それがハンドリングや乗り心地に悪影響を及ぼすケースも。できれば通常のガソリン車と乗り比べたうえで購入を決めたい。また同じ車種でも、ハイブリッド車はバッテリー積載スペースの関係でガソリン車よりも荷室容量が狭くなっていたり、シートアレンジが制限されていたりするモデルもあるので、その点も要チェック。

 

ハイブリッド車(ハイブリッドカー)の種類

ハイブリッド車にはいくつかのタイプがある。種類によって特性が大きく異なるため、希望するモデルがどのタイプなのかをチェックしておこう。

・パラレル式
エンジンとモーターの両方を駆動力として使うもの。一般的にはエンジンを主とし、モーターはアシスト的な役割を担うものが多いが、ホンダ「e:HEV」のように日常走行領域のほとんどをモーターのみで駆動するタイプもある。

・シリーズ式
モーターだけを駆動力とし、エンジンは発電用に使うもの。動力源はモーターなので、電気自動車の一種とも言える。日産の「e-POWER」などがこれにあたる。

・シリーズパラレル式(スプリット式)
複雑な動力分割機構を設け、必要に応じて「パラレル式」になったり「シリーズ式」になったりする凝ったハイブリッド方式。動力を分けるので「スプリット式」ともいわれる。トヨタの「THS-Ⅱ」がスプリット式の代表格。

 THS-Ⅱ ▲こちらはプリウスに採用されているTHS-Ⅱのカットモデル。遊星ギアを用いることでエンジンとモーターの動力を使い分ける

・マイルドハイブリッド
軽自動車や輸入車に用いられることの多い方式。エンジンの力を使って発電する役割を担うオルタネーターに、駆動力をアシストする機能も兼ねさせるのが特徴だ。専用のモーターや動力分割機構が必要ないため、省スペースかつ低コストというメリットがある。

ISGモーター ▲オルタネーターに流す電気を逆転させれば、駆動力をアシストできる……という発想で作られたのがマイルドハイブリッド用のISGモーターだ

・プラグインハイブリッド(PHEV)
バッテリーに供給する電力をエンジンによる発電だけでなく、専用充電器からも行えるようにしたもの。モーター(電力)だけで走れる場面を増やした、より電気自動車に近いハイブリッドと言える。

 

ハイブリッド車(ハイブリッドカー)を購入する際の注意点

ハイブリッド車では走行距離が多くなった場合(一般的には10万km前後)や新品から年数が経過した場合は、駆動用バッテリーの交換が必要になる。実はこれがかなりの金額。例えばプリウスの場合、駆動用バッテリー本体の部品代と交換費用は、およそ20万円弱といわれている。

中古車のハイブリッド車を購入する際は、バッテリーの交換費用を前提としたうえで予算を決める、バッテリー交換済みの物件を選ぶなどの対策を講じよう。ただし、一般的な寿命よりも早く駆動用バッテリーが寿命を迎えてしまった場合、メーカーによる新車保証が適用されるケースもあるので、購入時に確認するようにしよう。

駆動用バッテリー ▲駆動用バッテリーの新車保証は、「新車から5年間または走行距離10万kmまでに寿命を迎えた場合」とされるのが一般的
 

燃費の良いハイブリッド車ランキング|軽自動車編 TOP5

軽自動車のカテゴリーでも、マイルドハイブリッドが主流となりつつある。シリーズ式やパラレル式、プラグインハイブリッドこそ存在しないが、もともと軽量で燃費の良い軽自動車では、マイルドハイブリッドでも十分な燃費向上効果がある。

WLTCモード燃費のTOP5ランキング、そのうち上位3モデルの概要と中古車相場を紹介する。

順位 メーカー 車種 世代 WLTCモード燃費
1位 スズキ アルト 9代目 25.7~27.7km/L
マツダ キャロル 8代目
2位 スズキ ワゴンR 6代目 20.9~25.2km/L
マツダ フレア 2代目
3位 スズキ ワゴンRスマイル 初代 23.6~25.1km/L
4位 スズキ スペーシア 3代目 19.8~25.1km/L
5位 スズキ ハスラー 2代目 20.8~25.0km/L
マツダ フレアクロスオーバー 2代目
順位 メーカー 車種 世代 WLTCモード燃費
1位 スズキ アルト 7代目 25.7~27.7km/L
マツダ キャロル 7代目
2位 スズキ ワゴンR 6代目 20.9~25.2km/L
マツダ フレア 2代目
3位 スズキ ワゴンRスマイル 初代 23.6~25.1km/L
4位 スズキ スペーシア 3代目 19.8~25.1km/L
5位 スズキ ハスラー 2代目 20.8~25.0km/L
マツダ フレアクロスオーバー 2代目
 

ハイブリッド車 軽自動車 1位|スズキ アルト(9代目)/マツダ キャロル(8代目)

●WLTCモード燃費:25.7~27.7km/L

スズキ アルト(9代目) ▲従来型から大きくイメージチェンジ。箱型フォルムとなった

軽自動車トップの燃費性能を誇るのが、2021年12月に9代目となったスズキ アルトと、その兄弟車であるマツダ キャロルのハイブリッド車だ。2WD仕様で27.7 km/L、4WD仕様でも25.7 km/Lという驚異的な燃費を記録する。

ISG(モーター機能付き発電機)を搭載するマイルドハイブリッドを採用したことで、従来型から燃費性能が大きく向上した。

 スズキ アルト(7代目) ▲従来型から車内高を45mm、車内幅を25mmも拡大した

中古車市場に流通する7代目アルトの物件数はおよそ620台。その3割強がハイブリッド車となっている。

中古車平均価格は100万円前後となっており、走行距離1万km前後の物件でも総額100万円以下から狙える。

▼検索条件

スズキ アルト(9代目) & マツダ キャロル(8代目) × ハイブリッド車
 

ハイブリッド車 軽自動車 2位|スズキ ワゴンR(6代目)/マツダ フレア(2代目)

●WLTCモード燃費:20.9~25.2km/L

スズキ ワゴンR(6代目) ▲「ハイブリッド FZ」に代わって2022年に登場した「カスタムZ」

軽トールワゴンのワゴンR&フレアが、軽自動車2位にランクイン。システムとしては「S-エネチャージ」を発展させたマイルドハイブリッドとなっている。短時間(最長10秒間)ならモーターのみでクリープ走行することも可能だ。

ワゴンRはベーシック仕様の他にちょいアメリカンテイストな「スティングレー」、迫力あるルックスの「カスタムZ」という3タイプの外観を揃えているが、そのすべてにハイブリッド車が用意されている。

スズキ ワゴンR(6代目) ▲インパネシフトの採用で足元も広々

中古車市場には約3000台のワゴンRが流通。ハイブリッド車の人気が高く、全体の8割近くを占めている。

価格の一例を挙げると、2017年式・走行距離3.1万kmの「ハイブリッド FX」で総額55万円。リーズナブルに燃費の良い軽自動車を手に入れたい人にちょうど良い選択肢だろう。

▼検索条件

スズキ ワゴンR(6代目) & マツダ フレア(2代目) × ハイブリッド車
 

ハイブリッド車 軽自動車 3位|スズキ ワゴンRスマイル(初代)

●WLTCモード燃費:23.6~25.1km/L

スズキ ワゴンRスマイル(初代) ▲コロッとしたフォルムや楕円形ヘッドライトなど、愛らしいデザインを採用

本家ワゴンRがどちらかというとイカつい系のルックスなのに対して、ワゴンRスマイルのデザインはカワイイ系。ワゴンRの新たな派生車種として、2021年8月に追加された。

後部ドアにスライドドアを採用しているのも、ワゴンRとの違いだ。ハイブリッドとしてはワゴンR同様で、660cc自然吸気エンジンにISG(モーター機能付き発電機)を組み合わせたマイルドハイブリッドとなっている。

スズキ ワゴンRスマイル(初代) ▲インテリアはカッパーゴールドのアクセントを加えて居心地のよさを追求

デビューしてまだ2年強だが、中古車市場にはすでに1000台以上が流通。そのほとんどがハイブリッド車だ。

走行距離の少ない物件でも、総額100万円前後から狙える。

▼検索条件

スズキ ワゴンRスマイル(初代)× ハイブリッド車
 

燃費の良いハイブリッド車ランキング|ハッチバック TOP5

最近は高度なハイブリッドシステムを搭載するハッチバックが増えてきた。燃費とスポーツ性能を両立できる点も魅力だ。

ここでもWLTCモード燃費のTOP5ランキング、そのうち上位3モデルの概要と中古車相場を紹介する。

順位 メーカー 車種 世代 WLTCモード燃費
1位 トヨタ ヤリス 初代 30.2~36.0km/L
2位 トヨタ アクア 2代目 29.3~35.8km/L
3位 トヨタ プリウス 5代目 26.0~32.6km/L
4位 トヨタ カローラスポーツ 初代 27.2~30.2km/L
5位 ホンダ フィット 4代目 23.5~27.2km/L
順位 メーカー 車種 世代 WLTCモード燃費
1位 トヨタ ヤリス 初代 30.2~36.0km/L
2位 トヨタ アクア 2代目 29.3~35.8km/L
3位 トヨタ プリウス 5代目 26.0~32.6km/L
4位 トヨタ カローラスポーツ 初代 27.2~30.2km/L
5位 ホンダ フィット 4代目 23.5~27.2km/L
 

ハイブリッド車 ハッチバック 1位|トヨタ ヤリス(初代)

●WLTCモード燃費:30.2~36.0km/L

トヨタ ヤリス(初代) ▲ヤリスは走りにもこだわったコンパクトハッチ

ハイブリッド車の他に1.0Lガソリン車、1.5Lガソリン車を用意するヤリスだが、燃費性能ではやはりハイブリッド車が圧倒的に有利。1.5L 直3ダイナミックフォースエンジンとモーターを組み合わせたトヨタ独自のハイブリッドシステム「THS-Ⅱ」が採用される。

「1.5 ハイブリッド X(2WD)」の36.0 km/LというWLTCモード燃費は、軽自動車を含む国産車トップとなる数値だ(2023年11月時点)。ハイブリッド車にはFFの他に後輪をモーターのみで駆動する「E-Four」も設定され、こちらも30.2 km/Lという上出来な燃費性能となっている。

トヨタ ヤリス(初代) ▲十分な広さの前席に対して、後席居住空間は割り切ったつくり

中古車市場には約1200台が流通、その半数弱がハイブリッド車となっており、選択肢は豊富だ。

価格の一例を挙げると、2020年式・走行距離4.2万kmの「1.5 ハイブリッド X(2WD)」で総額137.3万円。新車価格より60万円以上オトクとなっている。

▼検索条件

トヨタ ヤリス(初代)× ハイブリッド車
 

ハイブリッド車 ハッチバック 2位|トヨタ アクア(2代目)

●WLTCモード燃費:29.3~35.8km/L

トヨタ アクア(2代目) ▲初代よりもホイールベースを伸ばし、車内空間を拡張させた

ハイブリッド専用モデルのアクアは2021年7月にフルモデルチェンジし、現行型となる2代目になった。搭載しているハイブリッドシステムはヤリス同様、1.5Lガソリンエンジンとモーターを組み合わせた「THS-Ⅱ」だが、駆動用バッテリーには高出力な「バイポーラ型ニッケル水素電池」が採用されている。

アクセル操作に対する応答性が初代よりも良くなったことで、アクセルペダルだけで加減速を調整できる「快感ペダル」が実現された。ハイブリッド車であることを実感できる装備だ。

 トヨタ アクア(2代目) ▲現在の乗用車では珍しい、足踏み式パーキングブレーキを採用している

デビューから2年強経過しているが、中古車市場での流通台数は400台前後とやや少なめ。中古車平均価格も210万円前後とやや高めの水準だが、中には走行距離5万km未満で総額160万円程度から狙える物件もある。

予算190万円までアップすれば、中間グレードの「X」で走行距離2万km以下の物件を見つけることが可能だ。

▼検索条件

トヨタ アクア(2代目)
 

ハイブリッド車 ハッチバック 3位|トヨタ プリウス(5代目)

●WLTCモード燃費:26.0~32.6km/L

トヨタ プリウス(5代目) ▲ハンマーヘッドと呼ばれる特徴的なフロントマスク

ハイブリッド普及の立役者であるプリウスが3位にランクイン。5代目はまるでスポーツハッチのような勇ましいルックスとなった。

パワートレインには従来型から引き継いだ1.8L ガソリンエンジン+モーターに加え、2.0L版が追加された。もちろん、動力性能においてはエンジンもモーターも2.0L版が圧倒的だが、燃費性能において優れているのは前者。3ナンバー車でありながら、32.6 km/Lという好燃費を達成している。

プリウス(5代目) ▲インテリアのデザインもまるで高級スポーツカーのよう

デビューから1年弱、当初は中古車流通台数が少なかったが、現在は460台程度にまで増えた。ただし、中古車平均価格は430万円前後と高めの水準で、新車価格以上の中古車価格となっている物件も珍しくない状況だ。

4WDモデルは350万円~となっている。

▼検索条件

トヨタ プリウス(5代目)
 

燃費の良いハイブリッド車ランキング|ミニバン TOP5

車重が重くなりがちなミニバンは、ハイブリッドの利点が存分に生かされるカテゴリー。その中でも特に燃費性能に優れたトップ5車種を紹介。

ここでもWLTCモード燃費のTOP5ランキング、そのうち上位3モデルの概要と中古車相場を紹介する。

順位 メーカー 車種 世代 WLTCモード燃費
1位 トヨタ シエンタ 3代目 24.3~28.5km/L
2位 トヨタ ノア 4代目 22.0~23.6km/L
トヨタ ヴォクシー 4代目
3位 ホンダ フリード 2代目 19.8~20.9km/L
4位 日産 セレナ 6代目 18.4~20.6km/L
5位 ホンダ オデッセイ 5代目 19.8~20.2km/L
順位 メーカー 車種 世代 WLTCモード燃費
1位 トヨタ シエンタ 3代目 24.3~28.5km/L
2位 トヨタ ノア 4代目 22.0~23.6km/L
トヨタ ヴォクシー 4代目
3位 ホンダ フリード 2代目 19.8~20.9km/L
4位 日産 セレナ 6代目 18.4~20.6km/L
5位 ホンダ オデッセイ 5代目 19.8~20.2km/L
 

ハイブリッド車 ミニバン 1位|トヨタ シエンタ(3代目)

●WLTCモード燃費:24.3~28.5km/L

トヨタ シエンタ(3代目) ▲角を丸めた「シカクマル」なシルエットがかわいい。初代よりもグラスエリアが広がった

3列シートをもつミニバンの中でも、最もコンパクトかつ軽量なのがシエンタだ。その軽量さと優れたハイブリッドシステムが功を奏してミニバンでの第1位となった。

搭載されるハイブリッドシステムはアクア同様の1.5Lガソリンエンジンとモーターを組み合わせた「THS-Ⅱ」。駆動用バッテリーにニッケル水素電池を採用する、先進的なシリーズパラレル式ハイブリッドだ。ミニバンで28.5km/L(7人乗り・2WD)という燃費は驚異的だ。

トヨタ シエンタ(3代目) ▲ハイブリッド車は軽い操作で変速できるエレクトロシフトマチックを採用

中古車市場に流通しているのは400台ほどだが、ハイブリッド車は約190台。昨年8月に登場したばかりなので、走行距離500km未満の物件が大半となっている。

装備充実の上級グレード「Z」は総額300万円~の価格帯で流通している。

▼検索条件

トヨタ シエンタ(3代目)× 7人乗り × ハイブリッド車
 

ハイブリッド車 ミニバン 2位|トヨタ ノア/ヴォクシー(4代目)

●WLTCモード燃費:22.0~23.6km/L

トヨタ ヴォクシー(4代目) ▲4代目ではノア、ヴォクシーとも3ナンバーサイズとなった

5ナンバーミニバンを抑えて第2位に入ったのは、トヨタのミドルサイズミニバン、ノア/ヴォクシー。 3ナンバーサイズながら、ハイブリッド車全グレードで20km/L台の好燃費を達成している。

トヨタ自慢の「THS-Ⅱ」に搭載されるエンジンは3代目から引き継いだものだが、モーターやバッテリーを高出力化。この4代目ではハイブリッド車の4WD仕様も設定された。

また、ハイブリッド車独自の装備として、スマートフォンを操作することで外部から車両を駐車・出庫するリモート機能も盛り込まれている。

トヨタ ヴォクシー(4代目) ▲ロングアシストグリップや電動ステップの採用で利便性も向上

中古車市場に流通している物件数は、ノアが約640台、ヴォクシーが約890台で、どちらもおよそ4割がハイブリッド車。

中古車平均価格ではノアの方が10万円ほど安く、370万円前後となっている。登場したのは約2年前だが、中古車市場に流通している物件の多くが走行距離500km未満だ。

▼検索条件

トヨタ ノア(4代目)× ハイブリッド車

▼検索条件

トヨタ ヴォクシー(4代目)× ハイブリッド車
 

ハイブリッド車 ミニバン 3位|ホンダ フリード(2代目)

●WLTCモード燃費:19.8~20.9km/L

ホンダ フリード(2代目) ▲2019年10月のマイナーチェンジでボンネットやグリル、バンパーのデザインが変更された

ホンダ フリードは5ナンバーサイズのボディに、3列シートを備えたミニバン。シエンタとコンパクトミニバンのカテゴリーで人気を二分するモデルだ。

ハイブリッド車のシステムは圧縮比より膨張比を大きくしたアトキンソンサイクルのエンジンを、パワーユニット内に内蔵された1モーターでアシストする方式。7速デュアルクラッチトランスミッションが採用され、意外なほどスポーティな走りを披露してくれる。

ホンダ フリード(2代目) ▲ウォールナット風木目調パネルなど、質感の良いインテリアも魅力

デビューから7年経過していることで、中古車はオトクな価格帯に。中古車平均価格は200万円弱、流通量も約3000台と豊富だ。

ハイブリッド車の割合は全体の6割弱。デビュー年に近い年式のハイブリッド車なら、総額130万円台から狙える。

▼検索条件

ホンダ フリード(2代目)× 7人乗り × ハイブリッド車
 

燃費の良いハイブリッド車ランキング|SUV TOP5

かつてはガソリン車やディーゼル車が多かったSUVカテゴリーだが、ここ数年で一気にハイブリッド化が加速。クロスオーバーSUVの燃費性能はハッチバックに迫るほどだ。

ここでもWLTCモード燃費のTOP5ランキング、そのうち上位3モデルの概要と中古車相場を紹介する。

順位 メーカー 車種 世代 WLTCモード燃費
1位 トヨタ ヤリスクロス 初代 25.0~30.8km/L
2位 ダイハツ ロッキー 2代目 28.0km/L
トヨタ ライズ 初代
3位 トヨタ C-HR 初代 25.0~25.8km/L
4位 ホンダ ヴェゼル 2代目 22.0~25.0km/L
5位 レクサス UX 初代 21.6~22.8km/L
順位 メーカー 車種 世代 WLTCモード燃費
1位 トヨタ ヤリスクロス 初代 25.0~30.8km/L
2位 ダイハツ ロッキー 2代目 28.0km/L
トヨタ ライズ 初代
3位 トヨタ C-HR 初代 25.0~25.8km/L
4位 ホンダ ヴェゼル 2代目 22.0~25.0km/L
5位 レクサス UX 初代 21.6~22.8km/L
 

ハイブリッド車 SUV 1位|トヨタ ヤリスクロス(初代)

●WLTCモード燃費:25.0~30.8km/L

トヨタ ヤリスクロス(初代) ▲ヤリスを車高アップ&ワイド化しただけでなく、ほとんどの外板部品を独自設計

SUVカテゴリーでの燃費第1位に輝いたのは大人気のヤリスクロスだ。

ハイブリッドシステムはヤリス同様、1.5Lガソリンエンジンにモーターを組み合わせたシリーズパラレル式の「THS-Ⅱ」。駆動用バッテリーはアクアなどと異なり、リチウムイオン電池が使われている。

通常グレード(2WD)の30.8km/Lという数値はもちろん、スポーツモデルの「GRスポーツ」でさえ25.0 km/Lという燃費を記録している事実には驚くほかない。

トヨタ ヤリスクロス(初代) ▲車内空間はコンパクトだが、後席や荷室空間はヤリスよりも広い

中古車市場の流通量は約1900台と豊富、その半数がハイブリッド車だ。価格の目安は2021年式・走行距離1.2万kmの「1.5 ハイブリッド X(2WD)」で総額200万円から。

上級グレードの「Z」をベースに、よりアグレッシブなスタイルを追求した「Z アドベンチャー」は240万円から見つけることができる。

▼検索条件

トヨタ ヤリスクロス(初代)× ハイブリッド車
 

ハイブリッド車 SUV 2位|ダイハツ ロッキー(2代目)/トヨタ ライズ(初代)

●WLTCモード燃費:28.0km/L

ダイハツ ロッキー(2代目) ▲ロッキーとライズは設計を共有する兄弟車。5ナンバーサイズのコンパクトボディだ

2021年11月、ロッキーとライズに新しく追加された「e-SMARTハイブリッド」システム搭載車が第2位にランクイン。発電専用の1.2Lエンジンを搭載し、100%モーターで駆動するシリーズ方式のハイブリッドシステムだ。

ダイハツはトヨタグループの知見を生かしながら、この「e-SMARTハイブリッド」システムを新開発。コンパクトな車に適したハイブリッドを実現した。停車時、低速域ではエンジンを稼動させないため静かで、燃費性能にも優れているのが特徴だ。アクセルペダルのみで車速を調整できる「スマートペダル」も搭載された。

なお、4WD仕様が設定されているのは1.0Lガソリン車のみで、ハイブリッド車はFF仕様のみとなっている。

 ダイハツ ロッキー(2代目) ▲ハイブリッド車には電動パーキングブレーキを標準装備

中古車市場にはロッキーが320台、ライズが1900台ほど流通しているが、どちらもハイブリッド車の割合はまだわずかで、合わせて70台ほどしかない。

価格も新車価格とほぼ同じ総額210万円からのスタートとなっているが、人気のベージュを含めてカラーバリエーションは豊富。

▼検索条件

ダイハツ ロッキー(2代目) & トヨタ ライズ(初代) × ハイブリッド車
 

ハイブリッド車 SUV第3位|トヨタ C-HR(初代)

●WLTCモード燃費:25.0~25.8km/L

C-HR(初代) ▲彫刻的な面造形が外観の特徴。2019年10月に手直しが加えられた

SUVとスポーツカー、エコカー、それぞれの長所を集めて凝縮した車がC-HRだ。プラットフォームおよびハイブリッドシステムは4代目プリウスと共通……と聞けば、燃費性能の良さもうなずける。

搭載されるのは1.8L 直4ガソリンエンジン+モーター。ガソリン車には4WD仕様の設定もあるが、ハイブリッド車は2WDのみとなっている。

C-HR(初代) ▲外観同様、インテリアもクセが強い

登場から7年経過したことで、中古車市場での流通量は豊富。ハイブリッド車だけで2000台以上もの流通量がある。

走行距離5万km以下のハイブリッド車に絞っても、通常グレードなら総額150万円から狙える。スポーティな「GR スポーツ」の中古車価格目安は総額220万円~。

▼検索条件

トヨタ C-HR(初代)× ハイブリッド車
文/田端邦彦 写真/尾形和美、スズキ、ダイハツ、トヨタ、ホンダ、日産、AdobeStock
※記事内の情報は2023年11月15日時点のものです。
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。

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