ソアラ ▲今回は30型のソアラにフォーカスします! 中古車流通量は減り、絶滅寸前の存在なのです!

レクサスブランドでも販売された高級クーペ「30ソアラ」

トヨタの最先端技術を盛り込んだフラッグシップクーペとして1981年に初代モデルが登場したソアラ。当時のクラウンを超える価格の高級車でありながら、ハイソカーブームに乗って一躍人気車種となりました。

1986年に登場した2代目はキープコンセプトでしたが、1991年に登場した3代目モデルは海外ではレクサスブランドから販売されることになり、より一層ラグジュアリーなクーペに進化。

今回はそんな日本が世界に誇るラグジュアリークーペの元祖である、3代目ソアラの中古車をチェックしてみたいと思います。
 

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トヨタ ソアラ(3代目)×全国
 

【モデル概要】高級クーペであるとともに、スポーティクーペとしても人気の3代目ソアラ

1991年5月に登場した3代目ソアラは、前述したように海外ではレクサスブランドから「レクサス SC」として販売されることになり、デザインも丸みを帯びた海外受けしそうなものに変貌しました。
 

ソアラ ▲リアも丸みのあるデザインとなる3代目ソアラ

このデザインはトヨタがアメリカに持つデザインセンターが手がけたもので、ボディサイズも先代よりも一回り大型化。それに合わせてエンジンも大排気量のものがラインナップされました。

そのエンジンラインナップは、最もラグジュアリーな仕様として同時期のセルシオにも搭載されていたV型8気筒4Lの1UZ-FE型と、先代のターボモデルの後を継ぐ直列6気筒2.5Lツインターボエンジンの1JZ-GTE型エンジンの2種類でスタート。

1994年1月に実施されたマイナーチェンジでは、新たに4Lと2.5Lツインターボモデルの間を埋める、直列6気筒3Lの2JZ-GE型を搭載するグレードが追加されました。
 

ソアラ ▲1JZ搭載グレード(写真は後期型)

ラグジュアリークーペであるため、トランスミッションのメインは4速ATでしたが、2.5Lツインターボモデルには5速MT仕様も設定され、今では貴重なFRレイアウトのターボエンジン搭載モデルとして人気を集めています。

足回りは高級車の定番である四輪ダブルウィッシュボーン式で、4Lモデルにはベースグレードを除き電子制御エアサスペンションを採用し、さらにエアサス車の中には「ソアラ・アクティブコントロールサスペンション」と名付けられたハイドロニューマチックタイプのサスペンションも設定。

この足回りは路面の凹凸や走行状態をコンピュータで制御することで、車体の振動やロールを積極的に押さえ、フラットライドを実現するという非常に凝ったもので、装着車は非装着車よりも約200万円高というスペシャルな装備となっていました。

1996年8月には2回目のマイナーチェンジを実施し、内外装のデザインだけでなくメカニズムにも変更が加えられます。
 

ソアラ ▲こちらが後期型のエクステリア
ソアラ ▲後期型のMTグレードのインテリア

エクステリアではフロントに細いグリルが備わり、テールランプのデザインを一新。メカニズム面ではABSとフロント両側エアバッグを全グレードで標準装備とし、2.5Lターボエンジンは可変バルブタイミング・リフト機構のVVT-iを採用し、ツインターボからシングルターボへと変更。4Lモデルでは前述したソアラ・アクティブコントロールサスペンションが廃止となりました。

その後は1997年8月の一部改良で4Lモデルが消滅し、99年8月には15インチ仕様が残っていた3Lモデルも全車16インチ化がなされブレーキが大径化されるといった小変更を実施し、2001年4月に登場した4代目にバトンタッチをしてその役目を終えたのでした。
 

 

【中古車状況】流通の多くは人気の2.5Lターボグレード

新車時にすでに高級クーペ市場が縮小していたこともあり、約10年という長いモデルライフながら2代目の半分以下のおよそ6万台という販売台数にとどまってしまった3代目ソアラ。さらに最終型でもすでに20年以上が経過したモデルということもあってか、執筆時点での中古車掲載台数は36台と気づけば絶滅寸前となっています。
 

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価格帯は68万~448.9万円、平均価格は196.7万円となっており、すでに安価で買える時代は過ぎ去っていると考えて間違いないでしょう。

現在掲載されている3代目ソアラの中で、4Lモデルの掲載はゼロ。そもそも4Lモデルは新車時もその価格からそこまで台数が出た仕様ではないため、4Lモデル狙いならじっくり探すほかありません。

また、エアサスペンションはトラブルが発生した際に多額の出費がかかるのはもちろんのこと、年式を考える年々と修理が難しくなっていくことが予想されるため、できればコイルサスモデルを狙いたいところですが、4Lのコイルサス仕様は前期型にしか設定がないという点も悩ましい点となりそうです。

その他のグレードとしては、3Lモデルが11台、残りはすべて2.5Lターボモデルとなっており、やはりスポーティな走りが楽しめ、チューニングのノウハウも多く揃っている1JZ-GTE型エンジンを搭載するモデルが人気となっています。

裏を返せば3Lモデルはまだ比較的買いやすい価格帯の物件も存在しており、走行距離が9万~10万km前後のものであれば、総額100万円ほどで購入することもできる状況となっていました。

ソアラ ▲こちらは前期型の3代目ソアラ

一方、高額車両はやはり2.5Lターボの5速MT車が中心で、300万円台~400万円台の物件は、いわゆる“即ドリ仕様”ともいえるチューニング済みのものがほとんど。

そもそも5速MT車のほぼすべてが何らかのチューニングやカスタマイズがなされた車両となっており、車両本体価格も200万円を切るものはほぼないと言っていい状況です。もしフルノーマル低走行の5速MT車が登場したら、どのくらいのプライスがつけられるのか見当もつかない状況となっています。

このように貴重なFRレイアウトのターボモデルである2.5Lターボ仕様は、高値安定となっている3代目ソアラではありますが、そこまでの動力性能を求めないのであれば、3Lモデルでも十分ラグジュアリークーペとしての雰囲気を楽しむことができます。

そのため、ソアラのスタイルや雰囲気が気に入ったという人であれば、比較的買いやすい価格帯を維持している3Lモデルを中心に探すのがオススメと言えるのではないでしょうか。
 

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※記事内の情報は2023年4月24日時点のものです

文/小鮒康一 写真/トヨタ
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車のリーフを買ってしまう暴挙に出る。現在はリーフを手放し3代目インサイトをメインに、NA、NB2台のロードスターや初代パルサー、S660に17系クラウンなど雑多な車種を所有中。