チェイサー ▲今回は100系のマークⅡ3兄弟にフォーカスします! 中古車流通量は減り、絶滅寸前の存在なのです!

最後の3兄弟モデルとなった100系も気づけば20年以上が経過した

1980年に3兄弟体制となったマークII、チェイサー、クレスタは、長らくミドルクラスの車種としてトヨタのラインナップの一角を担ってきましたが、2001年にチェイサーとクレスタが姿を消し、20年以上にもわたる3兄弟体制が終焉を迎えました。

そんな3兄弟体制最後のモデルとなるのが、いわゆる“100系”と呼ばれるモデルで、マークIIは8代目、チェイサーは6代目、クレスタは5代目となります。

ではまず100系3兄弟の車両概要から振り返りつつ、3兄弟それぞれの中古車事情について見ていきましょう。
 

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【モデル概要】販売チャンネル毎に用意された100系マークII 3兄弟

この3兄弟は、当時存在していた販売チャンネルに合わせて存在しており、マークIIがトヨペット店、チェイサーがネッツ店(ネッツ店立ち上げ前はトヨタオート店)、クレスタがビスタ店の専売車種となっていました。
 

マークⅡ ▲こちらがマークⅡ
チェイサー ▲こちらがチェイサー
クレスタ ▲こちらがクレスタとなります

当時のコンセプトはマークIIが「洗練されたアドバンストセダン」、チェイサーが「ダイナミックなスポーツセダン」、クレスタが「気品あるプレステージセダン」となっており、エクステリアのデザインもそれに準じた差別化がなされていたのが特徴です。

基本的なプラットフォームは共通でしたが、販売チャンネルのキャラクターに合わせて、マークIIとチェイサーは4ドアハードトップ、クレスタはセダンとボディタイプが異なっていた他、チェイサーにのみ直列4気筒1.8Lエンジンを搭載した仕様が1997年8月に追加されていたり、クレスタには2.5Lターボモデルに5速MT仕様が用意されなかったりと、細かな違いが存在しています。
 

マークⅡ ▲マークⅡ/チェイサーのツアラーV、クレスタのルラーンGグレードに搭載されていた1JZ-GTEエンジンは、自主規制いっぱいの280psを発生させます

それ以外の基本はほぼ同一で、5人乗りの4ドアモデルで、フロントエンジンリアドライブ(FR)、もしくはそれをベースとした4WDの駆動方式をもち、チェイサーに用意された1.8Lモデルとディーゼルモデルを除き、全車6気筒エンジンを搭載。

6気筒エンジンのラインナップは、2L、2.5L、2.5Lターボ、3Lとなっており、2.5Lターボが最もスポーティなモデルで、3Lが最もラグジュアリーなモデルとなっていました。
 

マークⅡ ▲マークⅡ ツアラーVのインテリア。黒が基調でスポーティな雰囲気

グレード体系は通常モデルがグランデ系(マークII)、アバンテ系(チェイサー)、スーパールーセント系(クレスタ)となり、上級モデルはグランデG系(マークII)、アバンテG系(チェイサー)、エクシード系(クレスタ)、そしてスポーティモデルがツアラー系(マークII、チェイサー)、ルラーン系(クレスタ)となっています。
 

 

【マークⅡの中古車状況】およそ半数はMT! ノーマルで400万円オーバーの個体も

新車時は3兄弟の中で最も多い販売台数となっていたマークIIですが、中古車の掲載台数は執筆時点で82台とかなり少なくなっています。

価格帯は35万~469.8万円、平均価格は194.2万円となっており、安価な物件は2Lのグランデが中心。一方の高額車両はターボエンジンを搭載するツアラーVが占めており、チューニング済の物件だけでなく、フルノーマル低走行の物件も400万円オーバーの価格となっています。
 

マークⅡ ▲こちらはマークⅡ ツアラーVグレードです

やはりドリフトユーザーの支持が高い車種だけあって、MT車はおよそ半数の38台となっており、ターボのAT車をベースにMTを換装した車両や、他グレードにターボエンジンと5速MTを換装したものもチラホラ存在します。

また低走行のMT車となると、2Lモデルでも100万円を超えるものも珍しくなく、貴重なMTに注目が集まっていることがうかがえました。
 

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【チェイサーの中古車状況】100台超えと最多! 貴重なターボ×MTが人気

3兄弟の中では最もスポーティな性格を与えられていたチェイサーは、中古車となってからはそのルックスからも人気の高いモデルとなっており、中古車も3兄弟の中では最も多い114台の物件が掲載されていました。

価格帯は34万~600万円、平均価格は268.4万円と、その高い人気を反映したものとなっており、最安値の物件は1.8Lモデルで、それ以外の物件はほぼすべてが総額100万円に近い価格がスタートとなっています。
 

チェイサー ▲チェイサーにはTRDの外装パーツなどが装着された特別仕様車が存在しました

やはりドリフトユーザーの支持が高い車種だけあって、MT車はおよそ半数の38台となっており、ターボのAT車をベースにMTを換装した車両や、他グレードにターボエンジンと5速MTを換装したものもチラホラ存在します。

また低走行のMT車となると、2Lモデルでも100万円を超えるものも珍しくなく、貴重なMTに注目が集まっていることがうかがえました。
 

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【クレスタの中古車状況】20台未満と最も絶滅危惧な存在! 非ターボのATは比較的安価

3兄弟の中では一番おとなしいキャラクターで、ハードトップではなくセダンボディということもあり、中古車ではやや不遇の扱いとなっているクレスタ。それは中古車の掲載台数にも表れており、なんとわずか17台のみとなっていました。

価格帯は25万~440万円、平均価格は169.5万円と3兄弟の中では最もリーズナブルなものとなっており、非ターボモデルのAT車であれば比較的安価に狙うことも夢ではありません。

一方の高額車両はMT仕様が存在しないターボモデルの「ルラーンG」をベースにMTを換装したものが中心で、もともとおとなしく乗られることが多かったクレスタだけに比較的走行距離の少なめのものが多い印象でした。
 

クレスタ ▲こちらがルラーンGグレードです

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今回は、100系3兄弟の中古車の現状をチェックしてきましたが、近年手頃なサイズのFRレイアウトをもつターボモデルが少なくなっていることも影響してか、掲載車両の多くがターボモデルのMT車となっていたのが印象的でした。

ターボエンジンやMTを換装した車両も珍しくなく、ベースとなった車両の走行距離も少なめだった場合は、過走行のターボMTモデルよりも状態が良く、購入してから自分で換装作業を依頼するよりはリーズナブルとメリットが多いように感じます。

ただ、中には多走行のエンジンやミッションをオーバーホールもなしにそのまま載せたものや、ターボ用でないMTなどを使って作られたものなど、粗悪な載せ替え車両もないとは言えませんので、公認車検取得済の有無はもちろんのこと、信頼できる場所で作業されたものなのか、どんな仕様になっているのかをしっかりチェックして購入したいところです。
 

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※記事内の情報は2023年4月13日時点のものです

文/小鮒康一 写真/トヨタ
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車のリーフを買ってしまう暴挙に出る。現在はリーフを手放し3代目インサイトをメインに、NA、NB2台のロードスターや初代パルサー、S660に17系クラウンなど雑多な車種を所有中。