シトロエン C3エアクロスSUV▲SUVだけどFF、という割り切りがいかにもフランス車らしいC3エアクロスSUV

フランス製クロスオーバーも中古ならオトクに買える

国産から輸入まで、クロースオーバーSUV百花繚乱の現在。

街でよく見かける車種じゃ物足りない、みんなと違う個性派デザインのクロスオーバーに乗りたい! そんな方はオシャレなフランス製コンパクト、C3エアクロスSUVに目を向けてはいかがだろう。

シトロエンはプジョーと並ぶフランスの自動車メーカー。世界的なSUVブームの中、シトロエンから満を持して発売されたのがC3エアクロスSUVだ。日本では2019年7月から販売されている。

実は2021年10月までのモデルではハッチバック版である3代目C3とデザイン、走行性能ともほぼ共通。駐車場の都合などでよりコンパクトな車が希望の人は、そちらを検討しても良いだろう。

この記事ではC3エアクロスSUVとC3の概要を紹介しつつ、オススメの中古車を考察していく。

“C3エアクロスSUV” ▲アクセントカラーが入ったクオーターガラスなど、どこを見ても個性的なデザイン

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【ボディサイズ・デザイン】日本にもピッタリのボディサイズ

C3 エアクロスSUVのボディサイズは全長:4160 mm × 全幅:1765mm × 全高:1630mm。全長、全幅はトヨタ C-HR、ホンダ ヴェゼルなどの国産コンパクトクロスオーバーよりもやや小さめ、全高はちょっと高め、というサイズ感だ。

このボディサイズなら、狭い道での取り回しに苦労することはまずないだろう。着座位置が高く、グラスエリアも広いため運転席からの見晴らしは良好。奇抜なデザインに見えるが、車両感覚は思いのほかつかみやすい。

グリルの両脇に薄型のデイタイムランニングライトを、下部のバンパー内にヘッドライトを配置したフロントマスクはとても個性的。

オシャレなフランス車らしく、ヘッドライト外縁やドアミラー、ルーフレールなどのアクセントカラーをシルバー、ホワイト、オレンジの3色から選べる設定となっていた。

“C3エアクロスSUV” ▲前期型C3 エアクロスSUVのデザイン
“C3エアクロスSUV” ▲2021年11月以降の後期型C3 エアクロスSUVのデザイン

外観はほとんど変わらないように見えるC3 エアクロスSUVとC3だが、ボティサイズはC3の方が全長−165mm、全幅−25mm、全高-160mmもコンパクト。(全長:3995mm × 全幅:1740mm × 全高:1470mm)。ホイールベースも65mmほどC3の方が短い。

機械式駐車場による全高の制約がある場合、あるいは少しでもコンパクトな方がいいという人はC3を選んだ方がリーズナブルだろう。走行性能についてはC3エアクロスSUVもハッチバックのC3もほとんど変わらない。最低地上高も共通だ。

“C3エアクロスSUV” ▲こちらは前期型C3。ボディサイドにあるエアバンプはC3だけの装備だ

好評だったC3 エアクロスSUV のデザインだが、2021年11月のマイナーチェンジでフロントまわりのイメージを一新。

前期型でバンパー内に配置されていたヘッドライトが現行型では上部に移動され、LED式の薄型に変更されている。

C3については2021年1月にフロントマスクが変更されており、両車のデザインが大きく差別化された。

 

【エンジン・走行性能・グレード展開】走ってみると良い意味で「意外にマジメ」

“C3エアクロスSUV” ▲ダウンサイジングエンジンとして世界的に評価の高い1.2L 直列3気筒ガソリンターボ

C3 エアクロスSUV、C3ともに搭載されているエンジンは1.2L 直列3気筒ガソリンターボという、国産では珍しい形式のパワーユニット。これに6速ATが組み合わされる。

決してパワフルとは言えないが、車両重量が1260~1310kgと軽量なので非力には感じない。加速時などに持てる力を振り絞って元気よく回る様子は、健気さが感じられるとオーナーに好評だ。

なお、C3エアクロスSUVは2021年5月、「キュイール」などの特別仕様車を発売したタイミングで1.2L 直列3気筒ガソリンターボエンジンの最高出力を110psから130psへとアップ。環境性能も向上させた。

また、2022年7月には最大トルク300N・mを発生する1.5L 直4ディーゼルターボエンジンが追加されている。

C3エアクロスSUVのグレード展開は下記の3通りとなっている。

・「フィール」:シンプル装備(2021年11月に廃止)
・「シャイン」:バイカラールーフ、ブラインドスポットモニター&バックカメラなど機能装備充実
・「シャイン パッケージ」:サンルーフや「グリップコントロール」、M+S仕様のタイヤなどが装備

「グリップコントロール」とは路面状況に応じて駆動輪のトラクションを最適化する機構のこと。実はこのC3エアクロスSUV、“SUV”と車名に付いているにもかかわらず全車FFのみの設定。

アクティブなユーザーでも日常で出くわす範囲の道なら、FF+グリップコントロールで十分、というシトロエンらしい流儀だ。

「グリップコントロール」はC3には設定されない、C3エアクロスSUVだけの装備。キャンプやマリンスポーツ、ウインタースポーツなどで未舗装路を走る機会が多い人は「シャイン パッケージ」を選ぶのが良いだろう。

 

【機能・安全装備】基本的な装備は全グレード共通

“C3エアクロスSUV” ▲ダッシュボードにシート表皮と同じ素材をあしらう、アクセントカラーが入るなどインテリアもオシャレ

2017年にグローバルデビューしたC3エアクロスSUVだけあり、安全装備は充実している。衝突被害を軽減する「アクティブセーフティブレーキ」、車線逸脱警報、車間距離アラートなどの先進安全装備、ヒルスタートアシスタンス、パークアシストなどのドライバーサポート機能はC3、C3エアクロスSUVとも全車標準だ。

機能装備では7インチタッチモニターやフルオートエアコンなどが標準。電動テールゲートなどの便利機能はないものの、十分すぎる装備内容と言える。

なにより、この内容でC3は216万円~、C3エアクロスSUVは259万円~(ともにデビュー時)という新車価格を実現したことが驚きだ。

 

【オススメの中古車】C3、C3エアクロスSUV とも「シャイン」が狙い目

“C3エアクロスSUV” ▲ボディと塗り分けられたルーフなどが「シャイン」グレードの特徴

デビューから約3年半経過したC3エアクロスSUV。現在の中古車市場に流通しているのは70台前後、中古車平均価格は250万円前後だ。

現行モデルで、この価格帯で購入できる輸入SUVは希。フランス車デビューとしてもピッタリの1台だろう。

C3エアクロスSUVをとにかく安く手に入れたいという人には、「シャイン」がオススメ。

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シトロエン C3エアクロスSUV(現行型) × 「シャイン」

新車価格では当時「フィール」の方が安かったが、中古車市場では「シャイン」の方が流通数は多く、価格帯もほとんど変わらない。

2020年式、走行距離3万km前後の物件でも総額180万円台から狙える。これはかなりリーズナブルだ。

走行性能で選ぶなら、ガソリンエンジンが30psもパワーアップした2021年5月以降のモデルから選んでみよう。前述したようにC3エアクロスSUVは2021年11月のマイナーチェンジでフロントマスクの大変更が行われており、「前期型の顔」で改良後のエンジンが搭載されていた時期がある。

「キュイール」や「サーフエディション バイ リップカール」といった特別仕様車を狙ってみるのも良策だろう。

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シトロエン C3エアクロスSUV(現行型) × ガソリンモデル × 130ps

2021年11月以降の後期型も人気で、C3エアクロスSUVの中古車市場全体における割合は3割ほど。こちらの予算は総額300万円前後~となる。

一方、C3の流通台数はC3エアクロスSUVよりもずっと多く、180台前後。走行距離多めの物件でもOKなら総額100万円前後から狙うことができる。

こちらも「シャイン」の流通量が圧倒的に多く、価格もリーズナブル。

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シトロエン C3(現行型) × 「シャイン」

前期型で走行距離4万円km程度の物件なら総額140万円台~、フロントマスクなどの意匠が変わった2021年1月以降のモデルでも総額220万円台~というオトクさとなっている。

なお、C3についてはデビュー直後のモデルでも現行型でもエンジンなどのスペックは共通。豊富な選択肢の中から好みのボディカラーを探す、という選び方もアリだろう。

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シトロエン C3エアクロスSUV(現行型) × 全国

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シトロエン C3(現行型) × 全国

※記事内の情報は2023年1月10日時点のものです。
 

文/田端邦彦 写真/シトロエン
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。