アストンマーティン ヴァンテージ ▲ドイツ製プレミアムスポーツカー以上にプレミアム性が高く、なおかつ希少性も非常に高いのが、英国の「アストンマーティン」。とはいえ現行モデルは価格も鬼のように高いわけですが、「ヴァンテージ」というモデルだけは、現行型世代であってもまあまあ現実的な価格水準です。そんなアストンマーティン ヴァンテージの魅力と相場について、もろもろ考えてみましょう!

現行型では唯一の「買えそうな気がするアストンマーティン」

「アストンマーティン」というブランドの内容について詳しくない人は世の中にたくさんいらっしゃるでしょうが、「アストンマーティン? 何それ? 初めて聞く名前なんだけど?」という人はほとんどいないでしょう。

アストンマーティンとはご存じのとおり、英国の超高級スポーツカーブランド。その歴史は1913年(大正2年!)までさかのぼることができ、モータースポーツでも数多くの実績を残しています。そして1960年代以降は、映画007シリーズの中で主人公が乗る「ボンドカー」としてもたびたび登場しています。直近では、2021年公開の『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』 に4台のアストンマーティンが出てましたね。

と、そのように素敵な立ち位置にあるアストンマーティンですから「欲しい!」とは思うわけですが、当然ながら、すべてのアストンマーティンはウルトラ高額です。

具体的には、DBXというプレミアムSUVは一番安い部類でも総額2500万円ほどで、DB11というクーペも平均価格は2000万円以上。DBSスーパーレッジェーラという高性能スポーツモデルに至っては「4000万円以上はザラ」という状況なのです。

そうなるともう「買える気がしない……」ということになってしまうわけですが、そんな中でも「ヴァンテージ」という現行モデルだけは、意外と現実的なプライスで中古車を探すことが可能です。

Aクラスセダン▲こちらがその現行型アストンマーティン ヴァンテージ!

「まぁ意外と現実的」といっても平均価格は約1820万円で、これはレクサス LXの最上級グレードの新車価格とおおむね同じなわけですが、それでも「4000万円以上はザラ!」というDBSスーパーレッジェーラと比べるならば「現実的!」と言うことは(いちおう)できるでしょう。

では、そんな現実的な(?)現行アストンマーティンである「アストンマーティン ヴァンテージ」とはどんなモデルで、その中古車はどのように選んだら良いのでしょうか?

次章以降、もろもろ考えてみることにしましょう。

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アストンマーティン ヴァンテージ(現行型) × 全国

ポルシェ 911と少し似たサイズの英国製軽量スーパースポーツ

現行型アストンマーティン ヴァンテージの前身にあたるV8ヴァンテージ(2005~2018年)は、ドイツのポルシェ 911を仮想敵とする(アストンマーティンとしては)比較的コンパクトなピュアスポーツとして大人気を博しました。

その後を受けて2017年11月に発表されたのが、現行型の「アストンマーティン ヴァンテージ」です。

ボディサイズは全長4465mm×全幅1942mm×全高1273mmで、現行型のポルシェ 911 カレラと比べると「全長は5cmほど長く、車幅は9cmぐらい広い」といったニュアンスのサイズ感。

車幅はけっこうありますが、全長は「日本の道でも扱いやすい長さ」だと言えるでしょう。車両重量もベースグレードの場合で1530kgと、近年のスーパースポーツとしては軽量です。

ヴァンテージ▲こちらがクローズドボディの現行型アストンマーティン ヴァンテージ。この他、オープンモデルの「ヴァンテージ ロードスター」もラインナップされている
ヴァンテージ▲ボディサイズは全長4465mm×全幅1942mm×全高1273mm。従来型よりひと回り大きくなってはいるが、それでもアストンマーティンのラインナップの中では小ぶりなスポーツカーだと言える
ヴァンテージ▲コックピットはおおむねこのような世界観。8速ATの操作はスイッチ式で、センターコンソールにはその他にも様々なボタンが並べられ、一種異様な迫力を醸している

そんな車台およびボディの中に搭載されるパワーユニットは、メルセデスAMG由来の4L V8ツインターボ。その510psの最高出力と685N・mの最大トルクは、現行型ポルシェ 911 カレラよりもおよそ1.3倍から1.5倍強力です。

組み合わされるトランスミッションは8速ATで、0~62mph(約100km/h)加速にかかる時間はわずか3.7秒。試す場所などありませんが、最高速度は314km/hであるとのこと。

現行型アストンマーティン ヴァンテージのパフォーマンスは「まさにスーパースポーツ的!」と評していいでしょう。

そして実際に走らせた際の現行型アストンマーティン ヴァンテージのニュアンスは、「ポルシェ 911 GT3」という硬派スポーツカーに少し似ています。

つまり鬼のように速く、コーナーでは超絶安定していますが、乗り心地もかなりスポーティ(=硬め)である――ということです。ちなみに言い忘れましたがアストンマーティン ヴァンテージは「2人乗り」の車で、新車価格は1980万円~でした。

ヴァンテージ▲シートは標準仕様の「スポーツ」と、オプションの「スポーツプラス」の2種類が用意された

ごく一部の車両を除いて本体価格は約1700万~約2200万円

2022年12月上旬現在、現行型アストンマーティン ヴァンテージの中古車流通量は18台。価格は、「支払総額」を表示していない物件も多いため遺憾ながら車両本体価格で記しますが、おおむね1400万~2200万円。平均価格は、前述のとおり約1820万円です。

年式別の流通量と大まかな車両価格は下記のとおりとなっています。

●2018年式:4台|約1400万~約1900万円
●2019年式:6台|約1700万~約1800万円
●2020年式:5台|約1800万~約2100万円
●2021年式:2台|約2000万~約2100万円
●2022年式:1台|約2200万円

もちろん、「年式が新しいと高い」「走行距離が短いと高い」という基本的な傾向はあります。

しかし、「最初のほう(2018~2019年式)」と「最近のやつ(2020~2022年式)」という2グループにざっくりと分けて考えてみると、それぞれのグループ内では、年式や走行距離よりも「オプション装備の内容とボディカラー」によって中古車価格の高低が決まってくるようです。

まぁいずれにしましても、超高級スポーツクーペである現行型ヴァンテージを「少しでも安く買いたい!」と考える場合には、おおむね以下のようなスペックの1台を探すことになるでしょう。

【SAMPLE】
2018年式アストンマーティン ヴァンテージ
支払総額1900万円
走行1.1万km/メッシュグリル/クォンタムシルバー/右H/8速AT/オプション多数
■問い合わせ:カーセンサーモーターズ tel.00-0000-0000

上記はあくまでサンプルというかイメージですが、だいたいこんな感じです。

ヴァンテージ▲上記の数字はあくまでも「イメージ」で、実際の数字とは異なります。が、おおむねこんなニュアンスであると思っていただいてOKです

高級スポーツカーからの“乗り替え”なら無理なくイケるかも?

さて、前章にて「現行型アストンマーティン ヴァンテージの狙い目は総額1900万円ぐらいの物件」ということがわかった(?)わけですが、これはもう筆者のような庶民にとっては狙い目も何もなく、「どう考えても買えない1台」だと言えます。

今、無理を承知でローンの試算をしてみましたが、頭金を200万円入れたうえで金利3%の120回均等払いにすると、月々の支払額は16万4153円と出ました。はっきり言って破産します。

まぁ筆者の場合は間違いなく破産するわけですが、「今、現行型のポルシェ 911 カレラとかを持っている人」であるならば、現行型アストンマーティン ヴァンテージへの乗り替えは比較的容易なのかもしれません。

試しに計算してみましょう。

●現在の所有車両:2020年式ポルシェ 911 カレラ PDK
●その売却価格:1200万円
●アストンマーティン ヴァンテージのローン内訳:
・車両価格:1900万円(支払総額)
・頭金:1400万円(911の売却額+自己資金200万円)
・ローン対象額:500万円(1900万円−1400万円)
・金利:2%(付き合いのある銀行などの低金利ローンを利用)
・支払回数:60回(元利均等返済)
・月々支払額:8万7639円

……8万7639円でも筆者には正直キツいですが、ある種の属性の人であれば、まあまあ楽勝な支払額でしょう。
 

ヴァンテージ▲この美しいフォルムと、最大級に近い存在感は、万難を排して手に入れたいものではあるが……

ということで、多くの人にはあまり関係のない話で恐縮ですが、もしも今、現行型ポルシェ 911あるいはそれに類するような車にお乗りで、なおかつ「現行型のアストンマーティンに乗り替えたい!」と強く思っているのであれば、上記の試算をご参考にしていただけましたら幸いです。

また筆者個人の場合は、宝くじあるいはそれに類する何かに当選することを、神仏や先祖等に祈りたいと思っています。

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文/伊達軍曹 写真/アストンマーティン
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。