4リングス▲4つのメーカーがまとまってできたことを示すアウディの「4リングス」。最近ではプレミアムカーのイメージが強いが、名車アウディ クワトロで世界ラリー選手権を連戦連勝したり、ル・マン24時間耐久レースでは18戦中13勝という “敵なし”状態だったように、モータースポーツに積極的で、その知見が市販車に生かされている

ドイツ御三家のアウディを100万円で手に入れよう!

予算100万円で高級感のある中古車を求めるなら、アウディを選択肢に加えてみよう。

ドイツ御三家の一角を占めるアウディは、ハイクオリティな内外装の仕上げや美しいデザインで、近年人気のブランドだ。

一方で、ラリーやル・マン耐久レースでの数々の勝利で得たノウハウが市販車にもフィードバックされているので、走らせても楽しい。

そんなアウディブランドの中から、支払総額100万円で狙えるオススメモデルをピックアップしてみた。いずれも今見ても古さを感じさせない、洗練されたデザイン&仕上げのモデルばかりだ。
 

 

アウディ A4(4代目)
ライバルよりも広い室内と高い質感が魅力のセダン

アウディ A4(4代目)▲ライバルのメルセデス・ベンツ CクラスやBMW 3シリーズがFRを採用したのに対してFFを採用したアウディ A4。さらに全長が約0.2m長い分、ホイールベース(前輪と後輪の距離)も長く、直進安定性に有利
アウディ A4(4代目)▲エンジンやトランスミッション、サスペンションなどの特性を変えられる「アウディドライブセレクト」や、駐車時などに少ないステアリング操作で大きく曲がることができる可変ステアリングギアはオプションで用意されていた

メルセデス・ベンツ CクラスやBMW 3シリーズがライバルに当たるのが、アウディ A4だ。

ライバル2車がFR(フロントエンジン・リアドライブ)なのに対して、A4はFF(フロントエンジン・フロントドライブ)レイアウトを採用。そのため、ライバルより室内空間が広くなっている。しかも2008年3月に登場した4代目A4は、当時のライバルより全長が約20cm長いため、より広々と感じられるハズだ。

また“速く走るため”の4WDである、同社伝統の「クワトロ」も用意されていたのも特徴だ。モータースポーツ由来の高い走行性能を実現している。
 

アウディ A4(4代目)▲カーナビは全車に標準装備。また、カーナビやオーディオなどの操作を一括で行えるMMI(マルチメディアインターフェイス)も標準で備わる。2009年12月からカーナビは新世代型に変更され、Bluetooth機能も追加された

年式によって搭載されるパワートレインは異なるので、選ぶ際には下記を参考にしてほしい。

・1.8 TFSI系:1.8Lターボ×CVTのFF(2008年3月~2011年4月)
・3.2 FSIクワトロ系:3.2L×6速ATの4WD(2008年3月~2009年12月)
・2.0 TFSIクワトロ系:2Lターボ×7速Sトロニック(デュアルクラッチ式2ペダルMT)の4WD(2009年3月~2016年1月)
・2.0 TFSI系:2Lターボ×CVTのFF(2011年4月~2016年1月)

なお、マイナーチェンジは2012年4月。内外装デザインの変更の他、その時期ラインナップしていた2.0 TFSI系と2.0 TFSI クワトロ系に、アイドリングストップ機構などが備えられるなど燃費の向上が図られた。

原稿執筆時点で掲載台数は約120台。価格帯は約40万~230万円で、平均価格は約105万円。平均走行距離は約5.8万kmだ。

支払総額100万円以下だとマイナーチェンジ前のモデルを中心に全体の約3割ほどがヒットし、全パワートレインいずれも台数は少ないが狙える。

中でも多いのは、デビュー時からラインナップしていたエントリーグレードの1.8 TFSI系で、この価格帯では約4割を占める。

なお、マイナーチェンジ後のモデル、つまり後期型は総額130万円くらいからと、予算をもう少し上げる必要がある。
 

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アウディ A4(4代目)×総額100万円以下×全国

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アウディ A4(4代目)×全国
 

アウディ A4アバント(4代目)
スタイリッシュながら使い勝手の良いスポーティワゴン

アウディ A4アバント(4代目)▲セダンより全長と全高が15mm拡大された程度。前後重量配分や足回りはセダン同様で、スポーティな走りが味わえる
アウディ A4アバント(4代目)▲ラゲージルーム容量は490L。荷物の出し入れの利便性を高めた新構造のラゲッジカバーや、リバーシブルラゲッジフロアが採用された

上記A4のワゴンモデルがA4アバントだ。スタイリッシュなフォルムが魅力だが、ラゲージルームにはゴルフバックが横に2つ入るなど、使い勝手は意外と良い。

SUV全盛の昨今、ルーフレールを活用して上にキャンプ道具を収めたり、自転車を載せたりするスタイルは周囲から一目置かれるハズだ。

4代目A4アバントのデビューは2008年8月。パワートレインは同時期のセダン、つまり上記A4セダンと同じ。同社伝統の4WDシステム「クワトロ」は、速く走るための4WDだが、当然滑りやすい路面でも車両を安定させなければ速く走れない。つまり、路面が雨や雪で滑る際に車両を安定させてくれるので、アウトドアに出かける人にとっては安心だ。
 

アウディ A4(4代目)▲基本的にはインテリアはセダンのA4と同様。ナビやオーディオなどの各種情報を制御するMMIも採用されている

セダン同様、パワートレインの変遷を下記にまとめたので選ぶ際の参考にしてほしい。

・1.8 TFSI系:1.8Lターボ×CVTのFF(2008年8月~2011年4月)
・3.2 FSIクワトロ系:3.2L×6速ATの4WD(2008年8月~2009年12月)
・2.0 TFSIクワトロ系:2Lターボ×7速Sトロニック(デュアルクラッチ式2ペダルMT)の4WD(2009年3月~2016年3月)
・2.0 TFSI系:2Lターボ×CVTのFF(2011年4月~2016年3月)

原稿執筆時点で掲載台数は約200台とセダンよりも台数は多めだ。価格帯は約30万~410万円で、平均価格は約100万円。平均走行距離は約6.5万kmとなる。

支払総額100万円以内で全体の4割ほどがヒットし、中でも1.8 TFSI系と2.0 TFSI系のFF(2WD)モデルが多い。

なお、クワトロ(4WD)はやや高めとなるため、予算をもう少し上げて探してみよう。

1.8 TFSI系と2.0 TFSI系はパワートレインが異なるが、どちらもエントリーグレードで、トランスミッションはCVTとなる。

デビューの遅い2.0 TFSI系の方が若干高年式になるが、装備面ではあまり変わらないので、コンディションやボディカラーなどで選ぶといいだろう。
 

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アウディ A4アバント(4代目)×総額100万円以下×全国

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アウディ A4アバント(4代目)×全国
 

アウディ TT(2代目)
希少な存在になりつつあるプレミアムコンパクトクーペ

アウディ TT(2代目)▲乗車定員は4名だが、後席は狭い。2名乗り+非常用と考えた方がいいだろう。走行モードをノーマルとスポーツという2モードから選べる「アウディマグネティックライド」は全車にオプションで用意された
アウディ TT(2代目)▲リアエンドにスポイラーが装着されていて、120km/h以上になると立ち上がる。ラゲージ容量は通常290Lで、後席を倒すと700Lとなり、ゴルフバッグを2つ積める

アウディなら予算100万円でプレミアムコンパクトクーペも選べる。

それが2006年10月に登場したアウディTT(2代目)だ。ただでさえ最近はコンパクトなクーペが少ないうえ、TTは3代目が2020年で生産が終了し、後継車もないという希少性もある。

扱いやすいサイズでスポーティな性格が与えられているため、走らせると楽しいのは当然だが、高いデザイン性と品質も備えているので、駐車場に止まっている姿が目に入るだけでもうれしくなるような1台だ。

スポーティモデルゆえ、4WD車には同社自慢の“速く走るため”の4WD「クワトロ」を搭載モデルが用意されていた。またトランスミッションは、素早い変速が可能な6速または7速AT(デュアルクラッチ式2ペダルMT)だ。
 

アウディ TT(2代目)▲ボトム部がフラットになっているスポーティなステアリングが備わる。HDDナビなどは標準装備。3.2 クワトロはレザー/アルカンターラシートが標準で備わる

TTもまた、年式によってパワートレインの変更が複雑なため、下記にまとめておく。選ぶ際の参考にしてほしい。

・2.0 TFSI系:2Lターボ×6速Sトロニック(デュアルクラッチ式2ペダルMT)のFF(2006年10月~2012年1月)
・3.2 クワトロ系:3.2L×6速Sトロニック(デュアルクラッチ式2ペダルMT)の4WD(2006年10月~2013年7月)
・2.0 TFSI クワトロ系:2Lターボ×6速Sトロニック(デュアルクラッチ式2ペダルMT)の4WD(2008年9月~2015年7月)
・1.8 TFSI系:1.8Lターボ×7速Sトロニック(デュアルクラッチ式2ペダルMT)のFF(2012年1月~2015年7月)

マイナーチェンジは行われることなく、一部改良が何度かあった後、2015年8月に3代目へと移行した。

原稿執筆時点で掲載台数は約220台あり、支払総額100万円以下はそのうちの4割近くを占める。価格帯は約30万~280万円と幅広く、平均価格は約110万円。平均走行距離は約7.7万kmだ。

支払総額100万円以下で最も多いのは、デビュー時からラインナップしていたFF(2WD)の2.0 TFSI系で、この価格帯の7割以上を占めているので、選びやすい。好みのボディカラーやコンディションを見て候補車を絞ってみよう。

なお、TTの7速Sトロニック(1.8 TFSI系)はリコールされているので、気に入った中古車がリコール対象かどうか、またリコール対策済みかなど、あらかじめ販売店に確認するようにしよう。
 

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アウディ TT(2代目)×総額100万円以下×全国

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アウディ TT(2代目)×全国
 

アウディ A1(初代)
ハイクオリティで装備も充実していたプレミアムハッチバック

A1(初代)▲ルーフアーチ部分がボディと別色になる「コントラストルーフ」が用意されていた
A1(初代)▲コーナリング時に内側に軽くブレーキをかけることで旋回しやすくする機能が装備されている。トランク容量は270L

この予算で、街乗り中心のコンパクトカーが欲しい人も多いだろう。そこでオススメなのがアウディ A1だ。

同じクラスのコンパクトカーと並ぶと、きっとA1のクオリティの高さに気づくだろう。

しかも、このA1は今や希少な3ドア。5ドアに比べたら後席への乗り込みには不利だが、デザインは3ドアの方がスポーティにまとまっている。1人で乗ることが多いならぜひ検討してみてほしい。

初代A1が登場したのは2011年1月。デビュー時のラインナップは、1.4Lターボ×7速Sトロニック(デュアルクラッチ式の2ペダルMT)を搭載する1.4 TFSI系のみだ。駆動方式はFF(2WD)で、後席は2名仕様だから乗車定員は4名となる。
 

A1(初代)▲オーディオとHDDナビゲーションを統合した「MMI(マルチメディアインターフェース)」は標準装備

2014年6月には、不要な時はエンジンの一部を休ませる機能(気筒休止システム)を搭載した1.4 TFSIシリンダーオンデマンド系が追加された。1.4 TFSIの燃費が17.8km/L(JC08モード燃費)なのに対し、20.5km/Lを達成している。

さらに2015年6月のマイナーチェンジでは、1Lターボを搭載する1.0 TFSI系が追加された。

なお、2012年6月には5ドアモデルのA1スポーツバックが追加された。こちらも予算100万円で狙うこともできるが、3ドアに比べてやや高く、手頃な価格で狙いやすいのはやはり3ドアの方だ。

原稿執筆時点で掲載台数は約100台あるが、その約8割が支払総額100万円で狙える。価格帯は約20万~220万円で、平均価格は約75万円。平均走行距離は約6.6万kmだ。

この価格帯で多いのは1.4 TFSI系(シリンダーオンデマンドではないモデル)で、7割以上を占めている。予算100万円で狙うなら、1.4 TFSI系から探してみよう。

なお、2015年6月からラインナップした1Lターボモデルの1.0 TFSI系は、全体でも約10台と数が少なく、この価格帯ではまだ見つからない。1.0 TFSI系を狙うなら、予算を少し上げ根気強く探してみよう。

なお、1.4Lターボ車の7速Sトロニックはリコールされているので、気に入った中古車がリコール対象かどうか、またリコール対策済みかなど、あらかじめ販売店に確認するようにしよう。
 

▼検索条件

アウディ A1(初代)×総額100万円以下×全国

▼検索条件

アウディ A1(初代)×全国
文/ぴえいる、写真/篠原晃一、アウディ
ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。