アウディ Q5(旧型)▲BMW X3が切り開いたプレミアムコンパクトSUVのカテゴリーに投入されたのが初代アウディ Q5。QシリーズはアウディのSUVモデルを示す名称で、Q7に次いで2モデル目の“Q”だった

日本でも扱いやすいサイズのプレミアムSUVが安くなってきた!

数あるSUVの中から、手頃な価格で街でもアウトドアでも映える、堂々としたスタイルの1台を選ぶなら、初代アウディ Q5はどうだろう。

2代目(現行型)が登場して5年が経ち、それに伴い中古車が増えてきたため、初代の中古車相場が順調に下落。とうとう平均価格が150万円を切るなどお手頃感が増しているのだ。

もちろんオススメする理由はそれだけではない。クオリティの高さに定評のあるアウディのプレミアムSUVだから、今見ても内外装に古くささを感じさせず、日本で乗るには程よいサイズ感というのも魅力。

それでいて当時のライバルのBMW X3やメルセデス・ベンツ GLCよりはボディサイズが大きく、室内やラゲージが広いためキャンプやアウトドアスポーツでも使いやすい。

では初代Q5の中古車にはどんなものがあるのか、そして今狙うならどんな物件がオススメなのか? 順次見ていくことにしよう。

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アウディ Q5(初代)×全国
 

【中古車状況】「2.0 TFSI クワトロ Sラインパッケージ」が半数以上

まずは、初代アウディ Q5の中古車掲載状況を見てみよう。

原稿執筆時点(2022年12月8日)の掲載台数は約80台。中古車価格帯は約80万~280万円と幅広いものの、デビューから10年以上経過していることもあり平均価格は約150万円とかなりお手頃になっている。

一方で、平均走行距離は約6.7万kmとやや多めとなっているので、良コンディションのQ5が欲しいなら、そろそろ狙い時といえそうだ。

最も多いグレードは、デビュー時からラインナップしている2.0 TFSI クワトロの、スポーティな内外装パーツが備わるSラインパッケージで、全体の半数以上を占める。

次いで多いのが、ノーマルの2.0 TFSI クワトロで3割以上を占め、その他のグレード、つまり3.2 FSI クワトロや3.0 TFSI クワトロ、ハイブリッドクワトロはほとんど流通していない。

 

【モデル概要】伝統の“クワトロ”を搭載した本格SUV

アウディ Q5(旧型)▲最低地上高は205mmと、一般的な街乗り派SUVより高く、荒れた路面を走破しやすい。SUVらしく力強いボディ下部に対し、ボディ上部はクーペのように流れるルーフラインでまとめられるなど、同社らしいエレガントなスタイルでまとめられた

それでは初代Q5がどんなモデルだったのか、改めて振り返ってみよう。

2009年5月にデビューした初代Q5。先述のようにライバルより若干大きいが、それでも全長4630mm×全幅1900mm×全高1650mmと、現行型レクサス NXとほぼ同じサイズで、現在の同カテゴリーの各車と比較すれば標準的な大きさと言えるだろう。

搭載されたエンジンは2Lターボと3.2Lの2種類。いずれも7速Sトロニック(デュアルクラッチ式2ペダルMT)と、同社伝統の4WDシステムである「クワトロ」が組み合わされた。

クワトロは、どちらかといえば悪路走破性よりもスポーティな走りをかなえてくれる4WDだが、Qシリーズらしく、悪路走破性を高める機能も標準装備している。

まずヒルディセントコントロールは、雪道やダートなど、滑りやすい急な下り坂で走行速度を一定に保ってくれるので、ドライバーはハンドル操作に集中できる。

またルーフ感知機能付きESPは、ルーフ上の積載物、つまり重心が高いことを感知するとコーナリング時などに最適な車両姿勢になるよう、エンジンやブレーキなどを自動で制御してくれる。さらに悪路走行時には、ESPオフロードモードが悪路での車両コントロール性を高めてくれる。

デビュー時は2Lターボ車の2.0 TFSI クワトロ系と、3.2L車の3.2 FSI クワトロ系の2グレード構成で、車両本体価格は569万~702万円と高級車らしい価格だった。

アウディ Q5(旧型)▲ラゲージ容量は540L。ちなみに当時ライバルだった初代X3は480L、GLKが450Lだ。ステアリングやエンジン特性、サスペンションのモードに変更できる「アウディドライブセレクト」は全車にオプションで用意された
アウディ Q5(旧型)▲純正カーナビゲーション機能を含むMMI(マルチメディアインターフェイス)は標準装備。地上デジタルTVチューナーやBluetooth、6連奏CDチェンジャー、DVDプレーヤーなど多彩な機能を備えている
アウディ Q5(旧型)▲リアシートはラゲージルームから倒すことができる。シートスライド量は100mmあり、リクライニング機能も装備。3.2 FSIは本革シートが標準で備わる

また、中古車を選ぶ際は以下の一部改良などもチェックしておこう。

・2010年7月:仕様変更
2.0 TFSI クワトロ系にクルーズコントロールが、3.2 FSI クワトロ系にはオートマチックテールゲートが標準装備された。

・2012年11月:マイナーチェンジ
パワートレインが一新された。それに伴いグレード構成は、新開発の2Lターボエンジンを搭載する2.0 TFSI クワトロ系と、3Lスーパーチャージャーエンジンを搭載する3.0 TFSI クワトロ系となり、どちらも8速ATが組み合わされた。

・2013年1月:ハイブリッドモデル追加
2Lターボにモーターを組み合わせたハイブリッドクワトロが追加された。JC08モード燃費は12.7km/L。

・2014年8月:グレード整理
3.0 TFSI クワトロとハイブリッドクワトロがラインアップから外れ、2.0 TFSI クワトロ系のみとなった。

アウディ Q5(旧型)▲マイナーチェンジでは、LEDポジショニングランプがヘッドライトのほぼ全周にわたって配置されるデザインに。また、フロントグリルは左右上部の角が落とされ4角形から6角形になった。インテリアも、ステアリングの中央部が丸い新デザインになるなど変更されている

以上を踏まえ、今の狙い目となる物件を考えてみよう。

 

お手頃な価格で狙いたいなら「前期型の2.0 TFSI クワトロ」を

先述のとおり圧倒的に台数が多く、選びやすいのが2.0 TFSI クワトロ系。原稿執筆時点で全体の9割以上占めている。

台数的にはベーシックな2.0TFSIクワトロより、スポーティな装備を備えた2.0TFSIクワトロSラインパッケージが若干多いが、新車時価格に比例してお手頃なのはやはりベーシックなモデルだ。

その中でも2009年6月~2012年10月生産の前期型を中心に、走行距離5万km以下の物件が総額150万円以下から見つかり、走行距離10万km以下まで条件を緩めると総額100万円以下でも狙うことができる。

ただし、初代Q5に限った話ではないが、10年以上経過している物件が多いため、これまでのメンテナンス状況はしっかりチェックするようにしよう。

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アウディ Q5(初代)×2009年6月~2012年10月生産×2.0 TFSI クワトロ×全国
 

よりスタイリッシュな後期型狙いなら「2.0 TFSI クワトロ Sラインパッケージ」を

内外装のデザインが変更され、さらにスタイリッシュになった後期型狙いなら、オススメは2.0 TFSI クワトロ Sラインパッケージ。

走行距離5万km以下なら総額約220万円から、10万km以下に緩めれば約140万円から見つけることができる。

後期型は新開発された2Lターボエンジンと、信頼性の高い8速ATが組み合わされているため、性能面も向上しているといってよい。

また、後期型の中ではベーシックな2.0 TFSI クワトロよりもSラインパッケージの方が多くて、選びやすい。

専用デザインのエアロパーツやアルミホイール、スポーツサスペンション、スポーツシートなどスポーティな演出が施されているのも魅力的で、コスパの高い選択肢と言えそうだ。

▼検索条件

アウディ Q5(初代)×2012年11月~2017年9月生産モデル×2.0 TFSI クワトロ Sラインパッケージ×全国

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アウディ Q5(初代)×全国
文/ぴえいる、写真/アウディ

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。