マツダ CX-30 ▲絶妙なサイズ感と充実装備、そして様々なパワートレインのラインナップを持つCX-30

原材料の高騰などでおよそ3%値上がりしたCX-30

コロナ禍における部品の入荷遅れによる納期遅延だけでなく、流通コストの増加や原材料の高騰によって新車価格もアップしてしまっている昨今。

この傾向は国産車においても例外ではなく、先日もマツダの一部車種の新車価格をおよそ3%の値上げを発表したばかり。

その車種の中には、今回紹介するクロスオーバーSUVのCX-30も含まれており、納期が延びているうえに値段も上がってしまうなんて……とお嘆きの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そんな方にこそチェックしてもらいたいのが中古車なのです!

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マツダ CX-30(現行型) ×全国
 

CX-30の中古車の状況は?

マツダ CX-30の値上げ後の新車価格は、245万8500~319万5980円となり、実に6万6000円もの値上げとなります。

一方、中古車を見てみると執筆時点での価格帯は172.8万円~346.9万円。平均価格は256.4万円とお買い得感ある価格となっています。

また、登場から3年ほどしか経過していない現行型モデルということもあり、走行距離0.5万km以下という新車に近いコンディションの物件も見つかり、中には0.1万km以下の「登録済未使用車」がヒットすることも。

新しいモデルにも関わらず、人気モデルということもあって掲載台数が500台以上あり、選択肢が豊富というのもうれしいポイントでしょう。

もちろんグレードなどによって価格帯や台数は大きく変わってきますが、上記理由から新車でCX-30の購入をご検討中の方にも、ぜひ一度中古車をチェックしてみてほしいというわけなのです。

 

使い勝手のよい、ちょうどいいサイズのSUV

マツダ CX-30 ▲クロスオーバーSUVでありながら立体駐車場にも対応する全高というのも魅力のひとつ

それでは、マツダ CX-30がどんな車なのか、改めて簡単に振り返ってみましょう。

現在、マツダのクロスオーバーSUVのラインナップは非常に幅の広いものとなっており、最もコンパクトなCX-3から3列シートも備えた大型のCX-8まで6車種が存在しています。

この中でCX-3に次ぐサイズをもったクロスオーバーSUVがCX-30となり、CX-3では小さいけれどCX-5では大きすぎると感じるユーザーに向けて誕生したジャストサイズな1台と言えるでしょう。

そんなCX-30はMAZDA3とプラットフォームを共有していますが、ルーフ後端を下げてスポーティなフォルムをもつMAZDA3ファストバックに対し、CX-30はほぼ水平に近いルーフラインをもっている点も特徴のひとつ。

マツダ CX-30 ▲MAZDA3に比べてルーフ高が高められ快適性の増しているリアシートまわり
マツダ CX-30 ▲「Lパッケージ」ではピュアホワイトレザーの内装色も設定されており、日本車らしからぬ雰囲気を味わえるのも特徴

そのため室内空間はMAZDA3よりも広く、後部座席も狭く感じることは少ないでしょう。そのため、後席を頻繁に利用するユーザーにもオススメの1台です。

そして、全高は多くの立体駐車場に対応可能な1540mmに抑えられていることから、クロスオーバーSUVとしてだけでなく、使い勝手のよいハッチバック車としても人気の高いモデルとなっているのです。

搭載されるパワートレインは2Lの直噴ガソリンエンジンの「SKYACTIV-G」、1.8Lの直噴ディーゼルターボエンジンの「SKYACTIV-D」、そしてガソリンとディーゼルの良さを併せ持つ新開発の2L直噴ガソリンエンジンである「SKYACTIV-X」の3種類を設定。

トランスミッションは6速ATの他、ディーゼルエンジン以外に3ペダルの6速MTが用意されるのもマツダらしいポイントと言えるでしょう。

マツダ CX-30 ▲マツダ渾身の新開発ガソリンエンジンである「SKYACTIV-X 2.0」

ちなみに、SKYACTIV-D搭載車は2020年12月の改良で最高出力が+14ps向上した他、より広いエンジン回転域で力強いトルクを発揮する制御に変更されドライバビリティの向上がなされていますが、それ以前のSKYACTIV-D搭載モデルを対象に同様のアップグレードを行う「MAZDA SPIRIT UPGRADE D1.1」というサービスが46,200円+工賃で用意されている点は特筆すべきでしょう。

なお、2022年8月には前述した車両価格の値上げとともに2Lガソリンモデルの「SKYACTIV-G」を、マイルドハイブリッドシステムを搭載した「e-SKYACTIV G」に置き換えていますが、さすがに登場間もないこともあって執筆時点での中古車は1台も掲載されていませんでした。

マツダ CX-30 ▲マイルドハイブリッド仕様となった「e-SKYACTIV G 2.0」搭載の中古車物件はこれから登場するだろう

以上を踏まえ、今CX-30の中古車を狙うならどんなものがオススメか、以下ニーズ別に紹介します。

 

安さ重視なら初期型の「20S/20S プロアクティブ」

現在、中古車として掲載されているCX-30の中で、価格重視で選ぶということであれば、中心は2019~2020年式の初期型のSKYACTIV-Gモデル。

その中でも、最もベーシックなグレード「20S」か次点の「20S プロアクティブ」がメインとなります。

初期型モデルを中心に総額200万円程度から狙えるため、お得感は高いといえます。

デビューが2019年4月とまだまだ新しいモデルのため、初期型でも古さのようなものは全く感じられず、走行距離も3万km台以下が中心となるため、そこまでネガティブな要素はないと言えるでしょう。

マツダ CX-30 ▲登場して間もないため、初期型でも見た目の違いがほとんどない点も中古車を狙いやすい要因と言えそうだ

価格帯は支払総額で220万~230万円台が下限の中心となり、わずかに210万円台で狙うことができる物件も存在するといった状態。

この条件では掲載台数はやや少なくなりますが、値上がり後の20Sが車両本体価格で250万円に迫るものになったことを考えると買い得感は高そうです。

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マツダ CX-30(現行型) ×2019~2020年式×「20S/20S プロアクティブ」×全国
 

低走行物件狙いなら「SKYACTIV-X」系がお得

新車も並行して検討していて、なるべく新車に近い程度の良いものを狙いたいという方もいるはず。

そこで「走行距離5000km以下×修復歴なし」に絞ると、全体の1/3程度となる150台ほどがヒットします。

SKYACTIV-Gモデルが総額250万円台から、SKYACTIV-DおよびSKYACTIV-Xはともに総額270万円台からというのがひとつの目安となっています。

特に「SKYACTIV-X」系のグレードは、最も安いグレードでも新車価格が300万円近いことから、特にお得感は高いと言えます。

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マツダ CX-30(現行型) ×走行距離5000km以内×修復歴なし×「SKYACTIV-X」系グレード×全国

なお、ディーゼルエンジン搭載の「SKYACTIV-D」を同条件で検索すると、台数は10台以下とかなり少なくなりますが、こちらも新車時価格を考えるとかなりお得感があります。

細目にチェックする必要はありますが、ディーゼル狙いの方はぜひチェックしてみてください。

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マツダ CX-30(初代) ×走行距離5000km以内×修復歴なし×「SKYACTIV-D」系グレード×全国
 

レアな「MT車」の中古車状況は?

クロスオーバーSUVでありながら3ペダルMTを設定するマツダらしさ全開のCX-30(ちなみにCX-3やCX-5にもMTが設定されている)ですが、中古車市場ではさすがにMT率は圧倒的に低く、執筆時点で約530台ある中古車物件のうちわずか29台のみとなっています。

マツダ CX-30 ▲クロスオーバーSUVでありながらMTを設定するCX-30だが、中古車市場ではレアな仕様となっている

そのため、新車時の価格は一部の特別仕様車を除いてAT車とほとんど差のなかったMT車ですが、中古車の価格はAT車に比べておよそ10万円前後高めの価格、もしくは同価格帯でも走行距離が多めとなっている印象で、AT車よりも買い得感が薄れてしまう状況です。

そのため、現段階では積極的にオススメできる状況と言い難いですが、当然新車よりも安く手に入れることができるため、MT狙いの人はこまめに中古車をチェックしてみてください。思わぬ掘り出し物に出会えるかもしれません。

ちなみに、MT車については過去のオーナーの乗り方によっては車両にクセがついてしまっている可能性もあるので、購入を検討する場合はできれば試乗をして、違和感がないかどうかはチェックしておきましょう。

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マツダ CX-30(現行型) ×MT車×全国

今回は、マツダのCX-30の中古車状況をチェックしましたが、新車価格が上昇&納期が延びていることを考えると、低走行の中古車を狙うというのも大いにアリと言えそうな状態となっていることが分かりました。

特に上級グレードにおいて買い得感が強くなっている一方、希少なMT車はやや高値安定となっており、どんな仕様のCX-30を狙っているかによって新車にするのか中古車にするのかを並行して検討するのがベストな探し方と言えそうです。

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マツダ CX-30(現行型) ×全国
文/小鮒康一 写真/マツダ
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車のリーフを買ってしまう暴挙に出る。現在はリーフを手放し3代目インサイトをメインに、NA、NB2台のロードスターや初代パルサー、S660に17系クラウンなど雑多な車種を所有中。