メルセデス・ベンツ GLC(現行型)▲SUVを買えば、遠出してアウトドアなどを楽しみたくなるもの。となればやはり燃費は気になるだろう。輸入SUVでも国産SUVと同等の低燃費モデルなら、見た目も燃費も妥協せずにカーライフを楽しむことができるのではないだろうか。写真はJC08モード燃費16.2km/Lのモデルが選べるメルセデス・ベンツ GLC(現行型)

数ある輸入車SUVの中から国産SUV並みに燃費の良いモデルを紹介!

スタイリッシュな見た目や高い走行性能から、高い人気を誇っている輸入SUV。

しかし、なんとなく「燃費では国産SUVにかなわないだろうな……」と思っている人も多いと思う。

だが、輸入SUVにはディーゼル車があったり、低燃費技術が搭載されたモデルがあり、実は国産SUVのガソリン車と同じくらいかそれ以上の燃費性能を誇るモデルもある。

そこで今回は、国産SUVのガソリン車(全長4.5mクラス)と同等となる「JC08モード燃費15.0km/L以上」を誇る輸入SUVの中から、今オススメの10モデルを紹介しよう。

 

1Lターボ、1.4Lターボ、1.5Lターボすべて15.0km/L以上
アウディ Q2(現行型)

Q2(現行型)▲ルーフラインは低いが、それでもラゲージ容量は通常時で405L、後席を倒せば1050L確保できる。グレード名に「スポーツ」が付くモデルには、アクセルレスポンスなど車両特性を任意のモードに変更できる「アウディドライブセレクト」が標準装備された
Q2(現行型)▲狭い道での取り回し時などは、少ないステアリング操作量で済む「プログレッシブステアリング」を全車に標準装備。純正カーナビはボイスコントロール機能が備わっていて、例えば「どこでガソリンを入れられる?」と尋ねれば対応してくれる

全長約4.2mとアウディの中で最も小さなSUV、Q2。

SUVといっても2WD(FF)のみで、クーペのように低いルーフからも想像できるように、主に街乗りをメインとしたプレミアムコンパクトSUVだ。

日本では2017年6月から販売がスタート。搭載されたエンジンが1Lターボ(1.0 TFSI系)と、1.4Lターボ(1.4 TFSI系)。いずれも7速AT(デュアルクラッチ式2ペダルMT)が組み合わされ、1LターボはJC08モード燃費19.8km/Lを発揮。1.4Lターボでも17.9km/Lと低燃費だ。

グレード名に「スポーツ」が付くモデルには、衝突被害軽減ブレーキやアダプティブクルーズコントロール等が標準装備。また、オプションでフル液晶ディスプレイのメーターパネル(アウディバーチャルコックピット)や、スマホ連動の純正カーナビが用意されていた。

新車時の車両本体価格は1.0 TFSI系が299万~364万円、1.4 TFSI系が405万円。

2018年9月には1.0 TFSI系が「30 TFSI」系に、1.4 TFSI系が「35 TFSI」系に名称が変更された。同時に衝突被害軽減ブレーキが全車標準装備となっている。

2020年11月に、2Lディーゼルターボ車(35 TDI系)が追加された。JC08モード燃費より厳格なWLTC燃費で16.0km/Lと、こちらも低燃費なモデルだ。

2021年2月にマイナーチェンジが行われ、新しいエンジンの1.5Lターボ搭載車に一本化された(35 TFSI)。WLTC燃費は15.8km/L。2022年5月には、再び2Lディーゼルターボ車(35 TDI)が追加された。こちらもWLTC燃費は17.8km/Lと低燃費。

このように、どのエンジンを選んでも低燃費なQ2。原稿執筆時点で約300台あり、そのうちの9割近くの約260台を1Lターボ車(1.0 TFSI系と30 TFSI系)だ。残りのほとんどが1.4Lまたは1.5Lターボ車で、ディーゼルはほとんどない。

走行距離5万km未満が全体の9割以上と、走行距離が少なめなのもQ2の中古車の魅力のひとつ。

台数が多くて選びやすく、価格も手頃な1Lターボ車なら、走行距離6万km超が支払い総額約180万円から、5万km未満でも約200万円から狙える。

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アウディ Q2(現行型)×全国
 

全車19.3km/Lの1Lターボを搭載
フォルクスワーゲン T-Cross(現行型)

T-Cross(現行型)▲後席は140mmのスライドが可能な60:40分割可倒式。ラゲージ容量は通常時で385L~455L、後席を倒すと最大1281L。「TSI 1stプラス」はドアミラーやシートなどに「ブラック/オレンジ/グリーン」の3色から選ぶことができる。ボディカラーとの組み合わせは21通りだ
T-Cross(現行型)▲デビュー時のTSI 1stとTSI 1stプラスは、8インチのタッチパネル式ディスプレイを備えたカーナビ機能付きの純正インフォテインメントシステム「ディスカバリー・プロ」を標準装備。その他、4つのUSBポートや、ワイヤレス充電機能も装備していた

2019年11月に登場したT-Cross。全長約4.1mのフォルクスワーゲン最小のSUVで、搭載されたエンジンは1Lターボだ。これに7速AT(デュアルクラッチ式2ペダルMT)が組み合わされ、JC08モード燃費は19.3km/L(WLTC燃費は16.9km/L)。

デビュー時から約1年間は「TSI 1st」と、装備の充実した「TSI 1stプラス」という、どちらも特別仕様車のみが販売されていた。

ベーシックなTSI 1stでも衝突被害軽減ブレーキや先行車に自動追従するアクティブクルーズコントロールといった先進安全運転支援機能、さらに純正カーナビが標準で備わるなど、先進機能や装備が充実しているのもT-Crossの大きな魅力だ。

デビュー時の車両本体価格はTSI 1stが299万9000円、TSI 1stプラスが335万9000円。

2021年3月から、ようやくカタログモデルとして「TSI アクティブ」と、装備の充実した「TSI スタイル」の2グレードが設定された。「TSI アクティブ」は「TSI 1st」に比べて若干装備は絞られているが衝突被害軽減ブレーキやLEDヘッドライトなどは装備されている。

2021年5月にはスポーティなグレード「TSI Rライン」が追加され、同年9月には自動運転レベル2相当の「トラベルアシスト」機能が全車にオプションで用意された。

原稿執筆時点で約200台あり、約7割がデビュー時から販売されていたTSI 1stとTSI 1stプラス。TSI 1stが約70台、TSI 1st プラスが約80台といったところだ。

また、ほぼ全車が走行距離5万km未満。TSI 1stなら支払総額約230万円から、TSI 1stプラスは約250万円から狙うことができる。

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フォルクスワーゲン T-Cross(現行型)×全国
 

1.2Lターボ×5速ETG のみで、燃費は18.5km/L
プジョー 2008(初代)

2008(初代)▲ルーフレールが標準装備されるなどSUVらしいデザイン。全高は1550mmに抑えられ、日本の一般的な立体駐車場に収まる。「シエロ」にはパノラミックガラスルーフが標準装備されていた。ラゲージ容量は通常時で306L、後席を畳むと1172L。写真は後期型
2008(初代)▲一般的なハンドルより小さく、飛行機のレバーを模したというパーキングブレーキが備わる。シート地は「プレミアム」がクロスと人工皮革のコンビ、上級グレードの「シエロ」はアルカンタラと人工皮革のコンビとなる。写真は後期型

全長約4.2mのプジョー最小SUV、2008。2WD(FF)のみで、街乗り中心の使い方に向いているSUVだ。

2014年2月にデビューした際に搭載されたエンジンは1.2Lエンジン1機種のみ。これに2ペダルMT「5速ETG」が組み合わされ、JC08モード燃費は18.5km/Lを実現した。

2008は208シリーズのワゴン的役割も担うため、ラゲージの使い勝手に工夫が凝らされている。リアシートはワンタッチで畳むことができ、かつラゲージと段差や傾きのないフラットな空間を作ることができる。

デビュー時は、ベーシックな「プレミアム」と、上級仕様の「シエロ」の2グレードだった。デビュー時の車両本体価格はプレミアムが246万円、シエロが270万円。

2016年9月のマイナーチェンジで、5速ETG よりスムーズに加速できる6速ATが全車に搭載されたが、JC08モード燃費は17.3km/Lと、数値としては初期型より若干劣る。

同時にグレード構成が一新され「アリュール」と「GTライン」の2グレード体制となった。GTラインには、2WDでも雪道など滑りやすい道を安心して走れる機能「グリップコントロール」と4シーズンタイヤが標準装備されている。

原稿執筆時点で掲載台数は約140台。そのうち7割以上が走行距離5万km未満だ。

グレード別の台数の割合は、前期型のシエロが若干少ないが、他3グレードはいずれも30台前後見つかった。また、それと同じくらい、特別仕様車のクロスシティもある。

最も手頃なのは前期型のプレミアムやシエロで、支払総額約80万円から、といったところ。次いでクロスシティが約100万円から、後期型のアリュールやGTラインも支払総額約125万円からとなる。

走行距離5万km未満は約80万円から狙うことができる。

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プジョー 2008(初代)×全国
 

低燃費モデルはディーゼルとプラグインハイブリッド
ミニ ミニクロスオーバー(現行型)

ミニクロスオーバー(現行型)▲「クーパーD」と「クーパーD オール4」は最高出力150ps/最大トルク330N・mの、「クーパーSD オール4」は同190ps/400N・mの2Lディーゼルターボを搭載。また、プラグインハイブリッドの「クーパーS E オール4」はモーターのみで最大約42.4kmの走行が可能だ
ミニクロスオーバー(現行型)▲純正カーナビや左右独立式フルオートエアコンは標準装備。4WDの「オール4」にはシートヒーターも標準で備わる

ミニらしいルックスに、SUVテイストが与えられた全長約4.3mのミニクロスオーバー。 その2代目(現行型)は2017年2月のデビュー時に、2種類の2Lディーゼルターボと、1.5Lターボ+モーターのプラグインハイブリッドというパワートレインが用意されていた。今回の狙い目はこのディーゼルとプラグインハイブリッドモデルだ。

組み合わされるトランスミッションは、2Lディーゼルターボが8速AT、プラグインハイブリッドは6速ATとなる。

JC08モード燃費は2Lディーゼルターボの2WD(クーパーD)が21.2km/L、4WDのクーパーD オール4でも20.8km/L、高出力のクーパーSD オール4も21.3km/L 。また、プラグインハイブリッド(クーパーS E オール4)は17.3km/Lだ。

ちなみに、2017年10月にエントリーモデルとして1.5Lターボ×6速ATの「ワン」が追加されたが、JC08モード燃費は14.2km/L。燃費重視で狙うなら2Lディーゼルターボかプラグインハイブリッドがオススメだ。

装備面では衝突被害軽減ブレーキやアダプティブクルーズコントロールが標準装備されるなど、先進安全運転支援機能が充実している。

デビュー時の車両本体価格は、クーパーDが386万円、クーパーD オール4が414万円、クーパーSD オール4が483万円、S E オール4が479万円。

2020年5月のマイナーチェンジで、エンジンなどの改良により、2Lディーゼルターボ搭載車は2WDがJC08モード燃費20.5km/L、4WDが19km/L(クーパーSD オール4は非公開)、プラグインハイブリッドは17.6km/Lとなっている。

原稿執筆時点でのミニクロスオーバーの中古車台数は約520台。中でも2WDのクーパーDは約210台と約4割を占めていて、選びやすい。次いでクーパーSD オール4が約90台、クーパーS Eオール4が約70台、クーパーD オール4が約60台で続く。

最も安いのは10万km超のクーパーDで、支払総額約190万円から狙える。ディーゼル車の8割以上が走行距離5万km未満で、クーパーDなら支払総額約230万円から見つけることができる。

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ミニ ミニクロスオーバー(現行型)×ディーゼル×全国

プラグインハイブリッドのクーパーS E オール4はほとんど走行距離5万km未満で、支払総額約280万円から探せる。

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ミニ ミニクロスオーバー(現行型)×プラグインハイブリッド×全国
 

デビュー時からある1.6Lターボの180系は16.0km/L
メルセデス・ベンツ GLAクラス(初代)

GLA(旧型)▲前期型にはオフロードコンフォートサスペンションを装着したモデルが用意されていた。グレード名に「オフロード」と付き、他が最低地上高150mmのところ、185mmとなる。その分、他が全高1505mmのところ1535mmになる。写真はGLA250 スポーツ
GLA(旧型)▲全席にヘッドレスト一体型のスポーツシートが備わる。180系は純正カーナビがオプションだが、7インチディスプレイやUSB端子、Bluetooth機能は標準装備。リアビューカメラが全車に備わる他、グレード名に「オフロード」が付くモデル(前期型のみ)にはサイドビューカメラが装備された。写真はGLA250 オフロード

2014年5月にメルセデス・ベンツ初のプレミアムコンパクトSUV(全長約4.4m)としてデビューしたGLAクラス。

デビュー時に搭載されたエンジンは、1.6Lターボ(180系)と2Lターボ(250系)の2種類だ。いずれも7速AT(デュアルクラッチ式2ペダルMT)が組み合わされ、駆動方式は180系が2WD、250系が4WDとなる。

このうちの1.6Lターボの2WDである180系は、JC08モード燃費が16.0km/Lと低燃費なのが魅力。ちなみに、4WDの250系でも14.0km/Lとまずまずの低燃費だ。

デビュー時から衝突被害軽減ブレーキが標準装備され、アダプティブクルーズコントロールを含む「レーダーセーフティパッケージ」がオプションで用意されていた。

デビュー時の180系の車両本体価格は344万~399万円。

2017年4月にマイナーチェンジでグレード構成が見直されて、180系はノーマルグレードのみ存続となった。同時にJC08モード燃費が16.4km/Lに改められた。

原稿執筆時点でGLAクラスの中古車は約240台あり、そのうちの5割に当たる約120台が180系だ。

デビューから8年が経つが、180系の7割以上が走行距離5万km未満と、良コンディションを期待できる中古車が多い。走行距離6万km超なら支払総額約160万円から、5万km未満なら約170万円から狙うことができる。

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メルセデス・ベンツ GLAクラス(初代)×180系グレード×全国
 

2Lディーゼルターボの「GT ブルーHDi」は18.7km/L
プジョー 3008(現行型)

3008(現行型)▲GT ブルーHDiはLEDヘッドライトや、急な下り坂で車を一定の低速度に保つ「ヒルディセントコントロール」機能を標準装備。後席だけでなく、助手席も背もたれが倒せるので長尺物を搭載しやすい
3008(現行型)▲純正カーナビはオプションだが、USBやBluetoothを使ってスマホの音楽などが聴ける8インチタッチスクリーンは全車標準装備。GT ブルーHDi は室内のパフューム(香り)や間接照明調度、メーター内のカラーなどをドライバーの好みに設定でき、それを3つまで記憶してくれる

プジョーを代表するハッチバック308のSUVにあたる3008。

2017年3月にデビューした2代目(現行型)は当初1.6Lターボ×6速ATのみだったが、同年6月に2Lディーゼルターボ×6速ATの「GT ブルーHDi」が追加された。JC08モード燃費が18.7km/Lという低燃費のこのGT ブルーHDiが今回の狙い目グレードだ。

3008は全車2WD(FF)ながら、GT ブルーHDiは滑りやすい路面での走行をサポートしてくれる「アドバンスドグリップコントロール」を標準装備。さらに、アダプティブクルーズコントロールやハンズフリーの電動テールゲートを装備するなど、3008のフラッグシップに当たるグレードだ。

また、3008全車に衝突被害軽減ブレーキやレーンキープアシストなどの先進安全運転支援機能や、左右独立式フルオートエアコンが標準で備わる。

デビュー時のGT ブルーHDiの車両本体価格は426万円。

2018年7月には6速ATが8速ATとなったが、JC08モード燃費は17.8km/Lに若干ダウンしている。

2021年1月にマイナーチェンジが行われ、JC08モード燃費は21.2km/Lに向上。同時に先進安全運転支援機能がさらに進化し、シートの快適性&質感も高められた。

併せて、2Lディーゼルターボの手頃な価格の新グレード「アリュールブルーHDI」が追加。

また、同時にプジョー初のプラグインハイブリッド(1.6Lターボ+モーター)の4WDモデル「GTハイブリッド4」も追加された。JC08モード燃費は16.9km/Lと、こちらも低燃費だ。

原稿執筆時点で3008の中古車は約185台見つかり、そのうちの約5割がディーゼル車。また、ディーゼル車の約9割が走行距離5万km未満だ。

走行距離が10万kmに近い中古車なら支払総額約240万円から、5万km未満なら約300万円から見つけることができる。

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プジョー 3008(現行型)×ディーゼル×全国

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プジョー 3008(現行型)×プラグインハイブリッド×全国
 

狙い目は19.6km/Lの1.6Lターボを搭載したxDrive18d
BMW X1(現行型)

X1(現行型)▲LEDヘッドライトは全車に標準装備。ラゲージルームに備わるボタンを押すだけで、後席背もたれを40:20:40の3分割に倒すことができる。また、ラゲージ床下にも100Lの収納スペースが用意されている
X1(現行型)▲8.8インチディスプレイや純正カーナビ、USBやBluetooth対応のオーディオは標準装備。それらをコントロールするiDriveコントローラーは指による入力や、地図の拡大/縮小も可能だ。後席はスライド機能付き

全長約4.5mのBMW最小SUVがX1。

本国ではすでに新型が発表されているので、日本でもやがて販売が終了するであろう現行型の、1.6Lディーゼルターボモデルが今回のターゲットだ。

同エンジンに8速ATが組み合わされた「xDrive18d」が追加されたのは、X1デビューの約半年後となる2016年9月。4WDながらJC08モード燃費は19.6km/Lを実現した。

衝突被害軽減ブレーキを含む「ドライビング・アシスト」や、コーナリング時の走行安定性とハンドリング性能を向上させる「パフォーマンスコントロール」、リアビューカメラは全車に標準装備するなど、装備は充実している。

デビュー時のxDrive18d系の車両本体価格は440万~486万円。

2019年10月にマイナーチェンジが行われ、エクステリアデザインが変更された他、JC08モード燃費が18.4km/Lに変更された。

さらに2021年4月に、「ドライビング・アシスト」にアダプティブクルーズコントロールなどが備わる「ドライビング・アシストプラス」が標準装備となった。

原稿執筆時点でX1の中古車は約500台。そのうちの5割以上にあたる約280台が今回のターゲット、xDrive18dだ。その8割以上が走行距離5万km以下と良コンディションも期待できる。

走行距離約10万kmなら支払総額約200万円から、走行距離5万km以下なら約240万円から狙える。

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X1(現行型)×xDrive 18d系グレード×全国
 

15km/L以上は2Lディーゼルターボとプラグインハイブリッド
ボルボ XC60(現行型)

XC60(現行型)▲プラグインハイブリッドのT8ツインエンジンはモーターだけで最大45.4km走ることができるだけでなく、システムトータルで最高出力318ps/最大トルク400N・mとパワフルなのも魅力だ。ハンズフリー機能付き電動テールゲートが備わる
XC60(現行型)▲縦長のタッチディスプレイがインパネ中央に備わる。カーナビ機能やオーディオ、エアコンなどをここで操作可能。また、T8ツインエンジンにはスウェーデンの高級ガラスメーカー・オレフィス社のクリスタルを使用したシフトノブが採用されるなど、北欧家具を思わせる上質なインテリアにまとめられた

全長約4.7mと、メルセデス・ベンツ GLCやBMW X3などがライバルとなるボルボのプレミアムミドルSUVがXC60。

2017年10月に登場した現行型は、電動化を見据えた新世代プラットフォームを採用し、2Lターボ(T5)をはじめ4種類のパワートレインが搭載された。いずれも駆動方式は4WDで、8速ATが組み合わされている。

この中で今回狙いたい低燃費モデルは、JC08モード燃費16.1km/Lの2Lディーゼルターボ(D4)と、15.7km/Lの2L+スーパーチャージャー+ターボ+モーターのプラグインハイブリッド(T8 ツインエンジン)の2モデルだ。

もちろん安全性能がウリのボルボだけに、先進安全運転支援機能は充実。全車に標準装備された同社の「インテリセーフ」にはブレーキだけでは衝突を回避できない状況で、ドライバーが回避行動を取った際、ステアリング操作をサポートしたり、場合によっては内輪にブレーキをかけて回避行動を支援する機能など、16種類以上もの機能が備えられている。

デビュー時のD4系の車両本体価格は599万~679万円、T8ツインエンジンは884万円。

2020年8月に、パワートレインの入れ替えが行われ、D4はラインナップから外れてしまった。一方、T8 ツインエンジンは「リチャージプラグインハイブリッドT8」に名称が変更されている。

装備充実な高年式車が欲しい人には狙い目のモデルと言えるだろう。

原稿執筆時点でXC60の中古車台数は約420台。そのうちディーゼルのD4系は約100台、プラグインハイブリッドのT8 ツインエンジン系は約60台見つかった。いずれもほとんどが走行距離5万km未満だ。

価格の目安は、D4なら走行距離約7万kmで支払総額約380万円、走行距離5万km未満で約420万円からといったところ。T8 ツインエンジンはすべて5万km以下で、支払総額約560万円から探すことができる。

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ボルボ XC60(現行型)×ディーゼル×全国

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ボルボ XC60(現行型)×プラグインハイブリッド系グレード×全国
 

狙い目は16.2km/Lを発揮する 2.2Lディーゼルターボ4WDの220 d系
メルセデス・ベンツ GLC(現行型)

GLC(現行型)▲他車を眩惑せずにハイビームのまま走行できるアダプティブハイビーム・アシストや、5つの走行モードから走行状況に応じて選べるダイナミックセレクトは標準装備。4WDシステムは前輪33:後輪67の比率でトルクを配分する4マチック
GLC(現行型)▲純正カーナビ&オーディオなどの操作ができる同社の「コマンドシステム」は全車標準装備。加えて、「220 d 4マチック スポーツ」にはヘッドアップディスプレイや前後席シートヒーターが、さらに「220 d 4マチック スポーツ(本革仕様)」には本革シートやパフュームアトマイザー機能などが備わる。写真は250 スポーツ

メルセデス・ベンツの全長約4.7mのプレミアムコンパクトSUV がGLCだ。

初代となる現行型は2016年2月に登場したが、今回狙いたい低燃費モデルは、2017年2月に追加されたJC08モード燃費16.2km/Lの2.2Lディーゼルターボの「220 d系」だ。

組み合わされたトランスミッションは9速ATで、駆動方式は4WDのみ。全車に衝突被害軽減ブレーキを含む先進安全運転支援機能「レーダーセーフティパッケージ」や360度カメラシステム、駐車時のステアリングやアクセル/ブレーキ操作を支援するアクティブパーキングアシストが標準装備されている。

なお、GLCには2016年9月に2Lエンジン+モーターのプラグインハイブリッドシステムを搭載した「350 e 4マチックスポーツ」が追加されたが、JC08モード燃費は13.9km/L。また、2020年12月にモーター&バッテリーが改良されたが、WLTC燃費で12.3km/L(JC08モード燃費の表示なし)。これに対し同時期の220 d系は15.1km/Lだから、やはり燃費重視なら220 d系一択でいいだろう。

デビュー時の220 d系の車両本体価格は628万~745万円。

2019年10月のマイナーチェンジで、2.2Lディーゼルから2Lディーゼルターボに切り替わった(名称は220 d系のまま)。これにより先述のとおりJC08モード燃費より実走行に近いWLTC燃費でも15.1km/Lを実現している。 同時に全車に「ハイ、メルセデス」で各種操作が音声で行えるボイスコントロール機能や、進化した先進安全運転支援機能が備わるなど、機能の改良も行われている。

原稿執筆時点でGLCの中古車台数は約220台。そのうち220 d系は約110台と半数を占めている。また、220 d系の8割以上が走行距離5万km未満だ。

価格の目安は、走行距離10万km近くが約330万円から、5万km以下なら約400万円から。後期型の2Lディーゼルターボの220 d系は約620万円からとなる。

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メルセデス・ベンツ GLC(現行型)×220 d系グレード×全国
 

2Lディーゼルターボの4WD、xDrive20d は18.6km/L
BMW X3(2代目)

X3(旧型)▲動力性能に有利な約50:50の前後重量配分とし、瞬時に前後に適切なトルクを配分する4WDシステム(xDrive)を全車に搭載。ラゲージ容量はクラス最大級の通常時で550L、後席を倒すと1600L。写真は2014年6月のマイナーチェンジ後
X3(旧型)▲標準装備のカーナビはTVチューナー機能付き。デビュー時からAUX端子が備わるのでスマートフォンなどの音楽も聴くことができる。xDrive20dは前席電動シートや、車両特性を任意のモードに変更できる「ドライビングパフォーマンスコントロール」も標準装備されていた。写真は2014年6月のマイナーチェンジ後

2011年3月にデビューしたBMWの全長約4.7mのプレミアムコンパクトSUV、X3の2代目(旧型)。 デビュー時の3L×8速ATのxDrive28iや、3Lターボ×8速ATのxDrive35iをはじめ、パワートレインのバリエーションが豊富なX3だが、今回の狙い目グレードは2012年9月に追加された2Lディーゼルターボ×8速ATのxDrive20dで、JC08モード燃費は18.6km/Lを誇る。

装備の充実が売りのひとつであるX3だけに、HDDカーナビ+8.8インチディスプレイ+ETC車載器、自車を俯瞰で見て周囲を確認できるトップビュー機能付きリアビューカメラや、左右独立式フルオートエアコンなどは標準装備されている。

デビュー時のxDrive20dの車両本体価格は564万円。

2014年6月のマイナーチェンジで、衝突被害軽減ブレーキを含む安全運転支援機能「ドライビングアシスト」や、USBオーディオインタフェースなどが全車に標準装備された。

さらに2016年6月には、先行車に自動追従するアクティブクルーズコントロールやレザーシート、前席シートヒーターが全車に標準装備されるなど、装備はさらに充実していった。

原稿執筆時点のX3の中古車台数は約170台。そのうちxDrive20dは約110台と6割以上を占めている。また、xDrive20dの約5割が走行距離5万km以下だ。

価格の目安は走行距離8万km超で支払総額約150万円から、5万km以下なら約170万円からとなる。後期型の衝突被害軽減ブレーキ装備車は10万km以下で約190万円から狙うことができる。

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BMW X3(2代目)×xDrive20d系グレード×全国
文/ぴえいる、写真/アウディ、フォルクスワーゲン、プジョー、ミニ、メルセデス・ベンツ、BMW、ボルボ

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。