ジープ ラングラー

カーセンサーを見ている人に人気の輸入SUVは?

カーセンサーだけがもっている膨大なデータを基にしたモデルランキング。

この記事では、2022年上半期(1月~6月)に閲覧数の多かったモデルの中から、輸入SUVの上位5モデルをピックアップ。各車種について簡単に紹介する。
 

 

第1位|ジープ ラングラー(3代目)

(2007年3月~2018年10月)
 

ジープ ラングラー▲従来からの3ドア4人乗り仕様に加え、5ドア5人乗りのアンリミテッドが新たに仲間入りした

本格クロスカントリーモデルの代名詞ともいえるラングラーの先代モデル「JK」。初めてラングラーの名を冠したラングラー「YJ」を初代として数えると3代目となる。

3ドアソフトトップモデル「スポーツ」、“フリーダムトップ”と名づけられた新開発の3分割ハードトップを採用した3ドアハードトップモデル「サハラ」に加え、「ロックトラックトランスファー」「トゥルロックディファレンシャル」「電子制御式 フロントスウェイバーディスコネクトシステム」など専用装備を搭載した究極のオフロード性能を可能とした6MTモデル「ルビコン」が設定された。

また、3ドアボディからホイールベースを520mm延長し、3名乗車のリアシートとラゲージスペースが設けられ、フリーダムトップを備えた5ドア5人乗りの「アンリミテッド」が登場した。「アンリミテッド」も「スポーツ」と「サハラ」の2グレードが用意される。

全車V6 3.8Lエンジンが搭載され、「ルビコン」を除き4ATが組み合わせられる。
 

ジープ ラングラー▲デザイン性の高いインパネ、センターコンソール、ドアトリムパネルを採用

2008年には、5ドアの「ルビコン」、「アンリミテッド ルビコン」が追加された。

2011年には、インテリアのデザインを一新し、オーディオコントロールやクルーズコントロールを備えた、ジープブランド統一のステアリングホイールが採用された。また、格納式ヒーテッドパワードアミラーやヒルディセントコントロール機能が追加された。

2012年には、新たに最高出力は従来比40%アップの284ps、トルクは同10%アップの35.4kg-mを実現した3.6LのV6エンジンと新型5ATが採用されている。

中古車掲載台数は約470台、平均価格は約380万円。ほとんどが新たに設定された5ドア5人乗りの「アンリミテッド」が占める。
 

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第2位|ポルシェ マカン(現行型)

(2014年4月~生産中)
 

ポルシェ マカン▲ポルシェが手掛けるスポーティなコンパクトSUV。ポルシェ 917を想起させるフロントセクションや、ひと目でポルシェ車とわかるサイドビューが特徴だ

「ポルシェのDNAが息づくコンパクトSUVセグメント初のスポーツカー」としてポルシェがリリースした、「カイエン」よりひとまわり小さなコンパクトSUV。ラゲージルームの容量は500Lを用意する。

日本導入時は、340psを発生する3L V6ツインターボを搭載する「マカンS」と、400psを発生する3.6L V6ツインターボの「マカンターボ」、237psを発生する2L直4ターボエンジンのエントリーグレード「マカン」がラインナップされた。

いずれも7速のツインクラッチ式ATであるPDKが組み合わされ、駆動方式は電子制御式の4WDシステム「ポルシェ・トラクション・マネージメント(PTM)」。ポルシェで初めてMTが設定されなかったことでも話題となった。

2018年「マカンS」のエンジンをベースに、最高出力は340psから360psに、最大トルクは460N・mから500N・mに引き上げられたエンジンを搭載し、「RSスパイダーデザイン」の20インチホイールを履き、「スポーツデザインパッケージ」を標準とするなど装備を充実させたモデル「マカンGTS」が追加された。
 

ポルシェ マカン▲連メーターの中央に配されたタコメーターなど、ポルシェの伝統はしっかりと守られている

2019年には、インテリアを一新し、フェイスリフトを受けたマイナーチェンジモデルが、「マカン」を皮切りに順次日本に導入された。10.9インチに拡大したフルHDタッチスクリーンを採用し、歩行者検知機能を含むブレーキアシスト機能やアダプティブクルーズコントロール、レーンチェンジアシスト、サラウンドビュー付きパークアシストといった先進的な運転支援システムを標準装備。また、音声認識機能付きコネクティビティーシステム「ポルシェ・コミュニケーション・マネージメント(PCM)」が搭載された。

また、「マカンS」には最高出力354psを発生する新型3LV6ターボエンジンが、「マカンGTS」には380psを発生する 2.9LV6ツインターボエンジンが、「マカンターボ」には最高出力440psを発生する2.9LV6ツインターボエンジンが搭載された。

2021年には、「マカン」と「マカンS」、「マカンGTS」の3グレードのエンジン出力が向上され、「マカンGTS」は440psに、「マカンS」は380psに、「マカン」は新開発の2L直4ターボが搭載され、265psとなった。

2022年には、「マカン」と「マカンS」の間に位置し、ダイナミクス性能を強化された新グレード「マカンT」が追加設定されている。

中古車掲載台数は約300台、平均価格は約680万円。300万円強から1500万円オーバーまでと価格帯は幅広い。
 

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第3位|メルセデス・ベンツ Gクラス(初代)

(1990年1月~2018年5月)
 

メルセデス・ベンツ Gクラス▲1990年の登場以来、長い期間にわたって生産された先代Gクラス。メルセデスらしくプレミアム感あふれるモデルだ

いまだに「ゲレンデ」という愛称で呼ばれることもあるGクラスだが、ダイムラー・ベンツとシュタイア・ダイムラー・プフによって開発され、1979年にデビューしNATOの軍用車両として制式採用された「ゲレンデヴァーゲン(ドイツ語でオフローダーの意)」にルーツをもつことに由来する。

3位にランクインしたのは、初代W460に次ぐ2代目ゲレンデヴァーゲンおよび初代Gクラスを含むW463。1979年以来度重なる改良を加えられながら、オフィシャルには現行モデルにいたるまでフルモデルチェンジを受けていないという成り立ちゆえに、ジープ・ラングラー以上に何代目と数えるのが難しい歴史ある高級クロスカントリーだ。

W463最大のトピックは、四輪駆動システムがパートタイム4WDからフルタイム4WDとなったこと。また、オーバーフェンダーとサイドステップが備わり、ぐっと乗用車らしくモダンなインテリアとなった。

1991~1994年まで生産されたゲレンデヴァーゲンには、3L直6エンジンの「300GE」、名機W124にも搭載された5L V8を搭載する「500GE」があり、いずれも4ATが組み合わせられ、3ドアのショートと5ドアのロングが用意される。その後Gクラスを名乗ったのちは、3.2L直6エンジンと4ATの「G320」をはじめとするG320系があるが、これらの流通量は非常に限られている。
 

メルセデス・ベンツ Gクラス▲重厚感あるインテリア。他のSUVに比べ車高が高く、視線が高いのも特徴

1998年にはGクラスを代表するモデルともいえる「G500」シリーズが追加された。

それ以降の注目すべきマイナーチェンジは、トランスミッションが7ATに変更された2006年、インテリアデザインが大きく変更され「コマンドシステム」が採用された2010年、G550のエンジンが新開発のツインターボに置換され、フロントバンパーの意匠変更がされた2015年、8インチディスプレイを備えた改良型「コマンドシステム」が全車に標準装備となった2016年。

これ以外にも、モデルイヤーを重ねるごとに出力向上や内装の高級化が図られているので、個体ごとの仕様はまめに確認してほしい。

中古車掲載台数は約300台、平均価格は約840万円とプレミア価格を付けている。希少なオープンモデル「カブリオ」も見つかる。
 

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第4位|メルセデス・ベンツ Gクラス(現行型)

(2018年6月~生産中)
 

メルセデス・ベンツ Gクラス▲Gクラスの伝統をメルセデスの最新技術でアップデートすることで、オンロードおよびオフロードにおいて最適なパフォーマンスを発揮する、究極のオフローダーとしての進化が目指されている

1979年のデビューから約40年ぶりとなるフルモデルチェンジを受けた、最高級ヘヴィーデューティークロスカントリーの現行型。

ただし、メルセデス・ベンツはフルモデルチェンジという表現を用いず「Gクラスの歴史の中で最も大幅な改良」とし、型式名も旧型と同じW463を踏襲している。

角張ったスタイリングにフロントフードのターンシグナルなど、従来からのアイコンともいえるデザインが健在のキープコンセプトながら、ボディサイズは全長4817mm、全幅1931mmと、従来比でそれぞれ53mm、64mm拡大している。

それでいて、高張力/超高張力鋼板を用いたボディにアルミパーツを多用するなどして約170kgの軽量化を実現した。

一方インテリアでは、12.3インチのワイドスクリーンを2枚並べたダッシュボードを採用するなど、最高級を名乗るにふさわしいモダンかつラグジュアリーな仕上がりだ。
 

メルセデス・ベンツ Gクラス▲12.3インチワイドディスプレイ×2枚が1枚に見えるワイドスクリーンコックピットなど、先代を踏襲したエクステリアとは異なりインテリアは一新されている

骨格には新設計のラダーフレームを採用。サスペンションは、フロントを独立懸架のダブルウイッシュボーン、リアは新設計のリジッドアクスルへと一新している。前述の軽量高剛性ボディと合わせ、ねじれ剛性は55%向上された。

「アクティブブレーキアシスト」、渋滞追従機能付き「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック」、「ブラインドスポットアシスト」などからなる「レーダーセーフティーパッケージ」を全車に標準装備し、先進の運転支援システムも充実している。

日本導入時は、最高出力422ps、最大トルク610N・m を発生するM176型4L V8直噴ツインターボを搭載する「G550」と、最高出力585ps、最大トルク850N・mを発生するM177型4L V8直噴ツインターボを搭載するハイパフォーマンスモデル「メルセデスAMG G63」をラインナップ。

2019年には、最高出力286ps、最大トルク600N・mを発生する3L直6ディーゼルターボエンジンを搭載する「G350d」が、2021年には最高出力を330ps、最大トルクを700N・mに強化した「G400d」が追加設定された。

なお、すべてのグレードで9ATが組み合わせられている。

中古車掲載台数は約180台、平均価格は約1930万円。価格帯はおよそ1100万~2650万円とプレミア価格を付けている。ほとんどがディーゼルモデルで、ガソリンモデルは非常に希少だ。
 

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第5位|ジープ ラングラー(現行型)

(2018年11月~生産中)
 

ジープ ラングラー▲ジープブランドの象徴的なモデルである、本格オフローダーのラングラー。現行型では伝統のスタイリングや独自の世界観を変えることなく、走破性能、現代のSUVに求められる快適性や安全性、燃費性能が大幅に向上された

本格クロスカントリーモデルの代名詞ともいえるラングラーの現行モデル「JL」。

初めてラングラーの名を冠した、1987年登場のラングラー「YJ」を初代として数えると4代目となるが、直系のご先祖様にあたる軍用クロカン車両「ウィリスMB」から数えるか、あるいは初の民間用モデル「CJ」から数えるか悩ましいところでもある。

デザインには1955年誕生の「CJ-5」のモチーフが取り入れられ、縦型の“セブンスロットグリル”と丸目のライトからなるフロントマスク、水平基調のダッシュボードが特徴的だ。

その一方、7インチフルカラーインフォメーションディスプレイを搭載し、インフォテインメントシステムには最新世代の「Uconnect」を採用。Apple CarPlayやAndroid Autoにも対応している。

日本導入時には、3.6 LV6 DOHCエンジンを搭載した3ドアの受注生産モデル「スポーツ」、新設計の2L直4直噴ターボエンジンを積んだ5ドアモデル「アンリミテッドスポーツ」、レザーシートやLEDライト、プレミアムスピーカー、ブラインドスポットモニターなどを採用した導入記念限定車「アンリミテッドサハラローンチエディション」がラインナップされた。

全車8段ATが組み合わせられ、4WDシステムには手動切り替え式のパートタイム4WDに加え、日本仕様ではラングラー史上初となる「フルタイムオンデマンド4×4システム」を全車に搭載する。
 

ジープ ラングラー▲先代に比べてホイールベースが拡大され居住スペースも広がり、快適性も向上している

2019年4月には、前後ディファレンシャルギアのロック機構を備えた「ロックトラック・フルタイム4×4」、スタビライザーを切り離す「スウェイバー・ディスコネクト・システム」を搭載した最強グレード「アンリミテッド ルビコン」が投入された。

オープンドライブも楽しめる着脱式ハードトップ「フリーダムトップ」を従来モデルから継承しているが、2019年6月には電動開閉式ルーフ「スカイワンタッチパワートップ」を装備した特別仕様車「アンリミテッド ルビコン スカイワンタッチパワートップ」が導入。2022年8月には、手動開閉式のソフトトップ「フリップトップ」を装備した特別仕様車「リミテッドエディション ウィズ サンライダー フリップ トップ フォー ハードトップ」が設定された。

2020年12月には、「セレクスピードコントロール(ヒルディセントコントロール/ヒルアセントコントロール)」が全車に採用されている。

中古車掲載台数は約340台、平均価格は710万円強。高価格帯にはルビコンやサハラのパワートップ付き限定車や未使用車が含まれる。
 

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文/竹井あきら 写真/尾形和美、ステランティス、メルセデス・ベンツ
竹井あきら

ライター

竹井あきら

自動車専門誌『NAVI』編集記者を経て独立。雑誌や広告などの編集・執筆・企画を手がける。プジョー 306カブリオレを手放してからしばらく車を所有していなかったが、2021年春にプジョー 208 スタイルのMTを購入。近年は1馬力(乗馬)にも夢中。