ボルボ XC60(現行型・前期型)▲どの角度から見ても美しいプロポーション。ボルボ XC60は実用性にも優れたSUVだ

現行・前期型の中古車がオトクになっている!

モノフォルムに近い初代から大胆にイメージチェンジして登場した、2代目となる現行型ボルボ XC60。

ステーションワゴンとSUVの良いところを詰め合わせた、端正なスタイリングだ。

インテリアでもスカンジナビアテイストがたっぷり味わえる、このXC60。新車の車両本体価格599万~949万円の高級車だが、2017年の登場から5年近く経過して中古車市場での価格がリーズナブルになってきた。

前期型「T5 & D4 AWDモメンタム」などの人気グレードを総額400万円で手に入れることもできる状況だ。

この記事では、現行・前期型のXC60がどんな車なのか改めて確認しつつ、中古車市場での狙い目物件を紹介していく。
 

XC60 ▲L字型のテールランプはボルボらしいたくましい骨格を強調する

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【ボディサイズ・見た目・車内空間】キャパシティはたっぷり

XC60 ▲インテリアはすっきりとした面構成だが、個性や高級感もある巧みなデザイン

現行型のXC60はスマートな見た目からコンパクトに見えるが、実際のボディサイズは余裕たっぷり。全長:4690mm × 全幅:1900mm × 全高:1660mmという寸法で、全長や全高は日産 エクストレイルなどの国産ミドルクラスSUVに近いが、全幅についてはトヨタ ランドクルーザープラドより15mmも幅広となっている。

国産車ではあまり見かけないディメンションだ。最小回転半径5.7mと取り回しは良好、ボンネットの見切りも良いので、慣れてしまえば問題ないだろう。

デザインにはトールハンマー(北欧神話の神が持つ鎚)を模したヘッドライトやシャープなラインで構成されたフロントセクション、テールゲートまで回り込む縦長のリアコンビランプなど、近年のボルボらしい個性的な意匠が数多く採用されている。
 

XC60 ▲一部グレードにはガラス製のシフトノブも。スイッチのデザインひとつとっても非常に凝っている

インテリアについても数多くの素材を組み合わせた有機的なデザインとなっており、日本車でもドイツ車でもない、独特の雰囲気が漂う。スイッチひとつに至るまで非常に凝ったデザインとなっていて、北欧テイスト好きにはたまらないところだろう。

車内空間も広々。フロントシートはより大型のSUVであるXC90と同サイズで、ボディ幅の余裕が生かされている。3人掛けのリアシートもソファのように大柄で座り心地が抜群に良い。ボルボに一度乗ると他の車に乗り替えたくなくなる、といわれる由縁だ。

なお、2021年9月のマイナーチェンジでフロントグリルや前後バンパー、アルミホイールなどのデザインが一新され、後期型となった。
 

 

【エンジンタイプ】ガソリン・ディーゼル・ハイブリッドとバリエーション豊富

XC60 ▲「B5」に搭載されるのは回生ブレーキで発電した電力を48Vリチウムイオンバッテリーに蓄電、エンジン始動や動力補助を行うハイブリッドシステム

2021年8月までに生産されたXC60前期型に用意されていたパワーユニットは、下記のとおりとなっている。(「」はグレード名の一部)

・2L 直列4気筒ガソリンターボ:「T5 AWD」
・2L 直列4気筒ガソリンターボ&スーパーチャージャー:「T6 AWD」
・2L 直列4気筒ディーゼルターボ:「D4 AWD」
・2L 直列4気筒ガソリンターボ&スーパーチャージャー+モーター:「T8 ツインエンジン AWD」「リチャージ プラグインハイブリッド T8 AWD」
・2L 直列4気筒ガソリンターボ+モーター:「B5 AWD」
・2L 直列4気筒ガソリンターボ&スーパーチャージャー+モーター:「B6 AWD」

ガソリンエンジンがターボ版とターボ+スーパーチャージャー版の2種類、ディーゼルターボ、ハイブリッドも3種類と、実にバリエーション豊かだ。

XC60前期型のパワーユニットは、どれを選んでもハズレなし。というのも、それぞれのキャラクターがハッキリしているうえ、性能が際立っているからだ。

ベーシックな2Lガソリンターボは刺激こそないものの、スムーズで瞬発力があるエンジン。8速ATと走行モードの切り替えを駆使すれば、スポーティにも走れる万能タイプのエンジンだ。

ターボでの過給に加えてさらにスーパーチャージャーまで追加した「T6」のエンジンは、ホットモデルといった仕様。最高出力235kW(320ps)という強烈なパワーを誇る。

2Lディーゼルターボはガソリンライクな静粛性、低振動性でありながら、大きなトルクと経済性を両立する優れたエンジン。車両重量が1800kgオーバーと決して軽くはないXC60との相性が良い。

4種類あったパワーユニットの中でも、プラグインハイブリッドは最も優れた動力特性と経済性を両立するものだ。システム最高出力は軽く294kW(400ps)を超え、燃費も15.7km/Lとまずまず。しかも電力のみで走行することもできる。

2020年4月にはいったん、既存のパワーユニットがすべて改められ、2L 直列4気筒ガソリンターボ+モーターの48Vハイブリッドシステムを搭載する「B5 AWD」一本に。その4ヵ月後、同ハイブリッドのハイパワー版である「B6 AWD」を追加。プラグインハイブリッドも復活した。

新車ではハイブリッドもしくはプラグインハイブリッドしか設定されてない。バリエーション豊かなパワーユニットから好みに応じて選べるのは、XC60前期型の特権だ。
 

 

【機能・安全性能】上位グレードはプレステージな装備内容

XC60 ▲本革シートやドアトリムの仕立ては高級感たっぷり。リアシートの快適さは特筆ものだ

「T5」と「D4」、「B5」には、ベーシックな装備内容である「モメンタム」とその上位グレードである「インスクリプション」、スポーティな専用外装とした「Rデザイン」の3グレードを設定。

「モメンタム」と「インスクリプション」の装備内容における違いは、ヘッドアップ・ディスプレイ、マッサージ&ベンチレーションや電動調整機能をもつナッパレザーシートやリアシートヒーターなどだ。

ホットモデルの「T6」「B6」は「Rデザイン」専用、プラグインハイブリッドの「T8」は「インスクリプション」専用グレードとなる。

「T5」「D4」「B5」「B6」「リチャージ プラグインハイブリッド T8」の各グレードには、「エアサスペンション装着車」も用意された。

安全装備についてはさすがボルボというところで、16種類以上の先進安全・運転支援機能「インテリセーフ」と車線維持支援機能である「パイロットアシスト」を含む3つのステアリング・サポート機能が全車に標準装備されている。
 

 

【オススメの中古車】ガソリンモデルのオトクさが際立つ

XC60 ▲2020年のグレード追加で登場した「B5」は特に人気の高いグレードとなった

総額400万円台前半の予算で、「T5」「D4」が狙える状況。中古車市場におけるXC60前期型全体の流通台数はおよそ300台だ。

新車価格では「モメンタム」よりも80万円高かった「インスクリプション」だが、中古車市場においては両グレードの相場が大きく変わらないため、せっかくなら後者を狙いたい。中でもオススメはこの価格帯での流通台数が多い「T5 AWD インスクリプション」だ。
 

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ボルボ XC60(現行・前期型) × 「T5 AWD インスクリプション」

ナッパレザーシートなど輸入車でも一部の上位車種でしか設定されない超高級装備が付いて、走行距離5万km以下の物件が総額400万円前半から狙える。「T5 AWD インスクリプション」の新車価格(デビュー時)は679万円。この状況は明らかにオトクだ。

ちなみに、「D4 AWD インスクリプション」も新車価格は「T5 AWD インスクリプション」と同価格だったが、中古車市場ではガソリンよりもディーゼルの方がやや高めの価格帯となっている。

総額500万円台前半まで予算をアップすれば、48Vハイブリッドの「B5 AWD モメンタム」が射程圏内に入ってくる。
 

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ボルボ XC60(現行・前期型) × 「B5 AWD モメンタム」

実は中古車市場に流通している前期型XC60全体の約半分は「B5」。

中には2020年式で走行距離2万km以下、総額500万円以下、という好条件の物件も。

新車に近いコンディションのXC60前期型をリーズナブルに手に入れたい人は、流通台数が多い「B5」に的を絞るのも手だろう。

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※記事内の情報は2022年9月8日時点のものです。
 

文/田端邦彦 写真/ボルボ
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。