ゴルフトゥーラン ▲過去1年間で中古車の平均価格が30万円近く下がり、ぐっと身近な存在となった現行型フォルクスワーゲン ゴルフトゥーラン。これから中古車を買うとしたら、何年式のどんなグレードを、どうやって選べばいいのでしょうか? もろもろ検討してみましょう!

1年前と比べて約30万円下落し、直近の平均価格は238.4万円に

先代フォルクスワーゲン ゴルフ(ゴルフ7)をベースとする7人乗りのコンパクトミニバン「現行型フォルクスワーゲン ゴルフトゥーラン」の中古車価格が今、けっこう大きく下がっています。

ゴルフトゥーラン

2021年8月の中古車平均価格は265.7万円でしたが、およそ1年後の2022年7月には238.4万円に。約30万円も下がったことで「買いやすい!」と言える状況になったわけです。

今回の平均価格下落は何らかのネガティブな要因にもとづくものではなく、単に「3年落ち以上の物件が8割以上を占めていて、それらの価格がこの1年で順当に下がったから」であると推測されます。

ではそんな「買いやすくなった輸入ミニバン」である現行型フォルクスワーゲン ゴルフトゥーランとはどんな車で、これから中古車を買うとしたら「どんな1台」を選べば良いのでしょうか?

次章以降、検討してみることにしましょう。
 

▼検索条件

フォルクスワーゲン ゴルフトゥーラン(現行型) × 全国
 

モデル概要:「ゴルフ7」のプラットフォームを使う7人乗りコンパクトミニバン

まずは、ゴルフトゥーランという車についての簡単なおさらいから。

フォルクスワーゲン ゴルフトゥーランは、5ドアハッチバックである「ゴルフ」をベースに作られた7人乗りのマルチパーパスビークル。2003年に登場した初代ゴルフトゥーランは、当時の「ゴルフ5」のプラットフォームを流用して作られました。

その後、ゴルフの方は「ゴルフ6」へとフルモデルチェンジされたものの、ゴルフトゥーランは「車台はそのままに、デザインだけゴルフ6風にする」という形で初代のまま販売されました。

しかし、2016年1月に発売された現行型(2代目)ゴルフトゥーランは、プラットフォームをゴルフ7(先代ゴルフ)と同様のMQBという最新のものに刷新。また、パワーユニットや安全装備なども、ゴルフ7と同等の「最新世代」に改められました。

駆動方式はFFで、ボディサイズは全長4535mm×全幅1830mm×全高1660mm。ドアはスライド式ではなくヒンジ式です。シートは2列目に3席、3列目に2席を配置しており、2列目は独立してシートスライドや収納が可能。また、3列目も左右別々に収納が可能です。
 

ゴルフトゥーラン▲従来型と比べて全長は130mm、全幅は35mm拡大され、存在感を増すと同時に居住性も向上した現行型フォルクスワーゲン ゴルフトゥーラン
ゴルフトゥーラン▲全長はハッチバックのゴルフ7より270mm長い程度。そのサイズの中で「3列7人乗り」を実現させている
ゴルフトゥーラン▲中間グレードである「TSI コンフォートライン」のインパネまわり
ゴルフトゥーラン▲2列目、3列目シートを倒せば簡単にフラットになる。3列目を収納した状態での荷室容量は917Lで、2列目を倒せば1857Lまで拡大可能。さらに、写真のように助手席のシートバックも前に倒せば長尺物の収納も可能になる
 

搭載エンジンは、ガソリン車はいずれのグレードも最高出力150psの1.4L直4直噴ターボで、ディーゼル車は最高出力150ps/最大トルク340N・mの2L直4ディーゼルターボエンジンを搭載。トランスミッションはガソリン車が7速DCTで、ディーゼル車は6速DCTです。

フォルクスワーゲン ゴルフトゥーランの初期におけるラインナップは下記のとおりでした。

●TSI トレンドライン|シンプルな装備のベースグレード。市場では希少
●TSI コンフォートライン|装備がやや充実した中間グレード
●TSI ハイライン|アダプティブクルーズコントロールやLEDヘッドライトなどを標準装備する上級グレード
●TSI Rライン|スポーティな内外装を採用したスポーティグレード

2017年1月には、渋滞時追従支援システム「トラフィックアシスト」がTSI ハイラインとTSI Rラインに標準装備され、TSI コンフォートラインでは「セーフティパッケージ」というセットオプション内に追加されました。

そして、2018年9月には下記のディーゼルエンジン搭載グレードを追加します。

●TDI コンフォートライン|最高出力150ps/最大トルク340N・mの2L直4ディーゼルターボエンジンを搭載するグレード
●TDI ハイライン|「トラフィックアシスト」や「サイドアシストプラス」を標準装備する上級グレード

そして、これ以降も主に先進安全装備の内容を強化する仕様変更を行いながら、2代目フォルクスワーゲン ゴルフトゥーランは現在も新車として販売され続けています。
 

ゴルフトゥーラン▲渋滞時追従支援システム「トラフィックアシスト」は2017年1月からTSI ハイラインに標準装備され、TSI コンフォートラインでもセットオプションとして選択可能になった
 
 

狙い方1:お安く狙うなら総額170万円付近のTSI コンフォートラインを!

この1年で平均価格が238.4万円まで下がった現行型フォルクスワーゲン ゴルフトゥーランを「さらにお安く手に入れたい!」と考えるなら、オススメは総額170万円前後のTSI コンフォートラインということになるでしょう。このぐらいの予算を用意すれば、2016~2017年式で走行3万km台から5万km台という1台を見つけることができるはずです。
 

ゴルフトゥーラン▲こちらがTSI コンフォートライン。ルーフレールは標準装備
 

とはいえ総額が同じ170万円前後であっても“中身”は千差万別ですので、購入時は下記のポイントをチェックするようにしてください。

●内外装がきれいで、整備記録簿の内容が普通に充実しているか?
いわゆる「中古車選びの基本」は、もちろん遵守してください。

●乾式7速DSGの状態はどうか?
現行型ゴルフトゥーランTSI コンフォートラインは、「DSG」という7速DCTを採用しています。今や大きな問題はないはずですが、ごく希に変速時などにジャダー(振動)が出る個体もありますので、いちおう確認するようにしてください。

●オプション装備はどうか?
もちろん装備うんぬんよりも「程度」を優先すべきであるのは言うまでもありませんが、総額170万円前後で状態の良いTSI コンフォートラインに、下記のオプション装備が付いていたらラッキーです。
・セーフティパッケージ:アダプティブクルーズコントロールやレーンキープアシストシステム等々がセットになったもの。
・アップグレードパッケージ:LEDヘッドライトや3ゾーンフルオートエアコン等がセットになったもの。
・Discover Proパッケージ:純正インフォテイメントシステム“Discover Pro”ろリアビューカメラ等がセットになったもの。

▼検索条件

フォルクスワーゲン ゴルフトゥーラン TSI コンフォートライン(現行型) × 全国
 

狙い方2:ディーゼルモデル狙いなら200万円台前半のTDI コンフォートラインかTDI ハイラインを

流通量はけっこう少なめですが、総額200万円台後半の予算を見込めるのであれば、きわめてトルクフルなディーゼルターボエンジンを搭載する2018~2019年式の「TDI コンフォートライン」または「TDI ハイライン」を選ぶことができます。
 

ゴルフトゥーラン▲ディーゼルターボエンジンを搭載するTDI。写真のグレードはTDI ハイライン
 

長距離を走る機会が多い人にとって、ゴルフトゥーランのTDIは「力強いので運転がラク」「燃費が良い」「軽油を使うので燃料費が安い」と、良いとこだらけの選択肢ですので、ぜひご注目ください。

ちなみにTDIの各種装備内容もガソリンのTSIとほぼ同じで、「TDI ハイライン」にはアダプティブクルーズコントロール(ACC)等が標準装備され、「TDI コンフォートライン」では、ACCはセーフティパッケージに含まれるオプション装備となります。

▼検索条件

フォルクスワーゲン ゴルフトゥーラン TDI コンフォートライン/TDI ハイライン(現行型) × 全国

現行型ゴルフトゥーラン TDIの中古車流通量はちょっと少なめなのですが、装備内容と中古車としてのコンディションを上手に天秤にかけながら、ぜひともステキな1台を探し当ててほしいと思います。
 

▼検索条件

フォルクスワーゲン ゴルフトゥーラン(現行型) × 全国
文/伊達軍曹 写真/フォルクスワーゲン
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。