トヨタ FJクルーザーの平均価格が2年で約60万円アップで待ったなし!? 最新の中古車事情をお届けします!
2022/06/18
アメリカ生まれのトヨタ車FJクルーザーの中古車価格が高騰
FJクルーザーは、もともと北米専用モデルとして2006年にデビュー。その直後から独創的なスタイルや4WD性能などが日本でも話題になり、多くの並行輸入車が日本に導入されるようになりました。
ただ、FJクルーザーの並行輸入車は左ハンドルでスピードメーターもマイル表示(内側に小さくキロ表示もされていました)。何よりトヨタの新車保証の対象外だったので、「トヨタで正規に販売してほしい!」という声が高まっていきました。
その声を聞いたトヨタは日本でもビジネス的に成功すると考え、FJクルーザーを日本で正規販売するようになったのです。
その後、日本では2018年1月まで販売されました。販売が終了してから4年以上経つ2022年6月現在、中古車平均価格の上昇が目立ちます。
2020年5月の平均価格は256.9万円だったのに対し、2022年5月の平均価格は324.7万円。2年間で60万円以上相場が上昇しました。
一方で、2020年5月時点でのカーセンサーへの掲載台数は約600台でした。現在は2年前より掲載台数が減っているものの極端に少なくなっているわけではないので、希少性というよりも一層の人気の高まりが相場上昇の理由だと言えるでしょう。
そんなFJクルーザーについて説明をしていきますが、「細かいことはいいからとにかく中古車を見たい!」という人は、下記のリンクからチェックしてみてください。
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トヨタ FJクルーザー(初代)×全国FJクルーザーってどんな車?
FJクルーザーは基本的には単一グレードです。
その中で装備の違いにより「ベースグレード」に加えて「オフロードパッケージ」「カラーパッケージ」という3つのバリエーションが用意されました。
ボディサイズは全長4635mm×全幅1905mm×全高1840mm。全長は現行型ハリアー(4740mm)やエクストレイル(4690mm)といったミドルクラスのSUVより短いものの、全幅は1900mmオーバーという堂々たる佇まいです。
見た目の大きな特徴はサイドシルエット。パッと見た感じでは3ドアで太いCピラーとフロントドアから後ろが長いスタイルはクラシカルで力強い雰囲気を感じさせます。
一方で、3ドアだと普段使いで不便に感じる部分がありそうですが、FJクルーザーはフロントドアの後ろに観音開きのドアを備えているので、後席へも容易にアクセスできます。
4WDはフルタイム式ではなく、シフトノブの横にあるトランスファーで切り替えを行うパートタイム式を採用。
アプローチアングル、デパーチャーアングル、ランプブレークオーバーアングルは、それぞれ荒地を走るタフなマシンとして十分な角度が取られています。
FJクルーザーといえば、鮮やかなカラーリングも人気のひとつ。デビュー時はホワイト以外はすべてホワイトルーフのツートーンカラーで、イエロー、ブルー、ブリックレッドメタリック(2011年8月で廃止)、グレーメタリック、ブラック、ベージュが用意されました。
そして2011年11月には、カラーリングにこだわった「ブラックカラーパッケージ」と「レッドカラーパッケージ」という2つのグレードが追加されました。
「ブラックカラーパッケージ」は、ブラック塗装のアルミホイール、ブラックグリル、ブラックドアミラーなどを装着しています。
一方の「レッドカラーパッケージ」は、レッドのモノトーン外板色、インパネやステアリングシートに赤い差し色を施したインパクトのあるカラーリングが特徴のグレード。
2012年7月の一部改良では、ツートーンブルーが廃止され、少しくすんだツートーンスモーキーブルーを追加。グレーメタリックの色も若干変わっています。
2013年7月の一部改良ではツートーンオレンジ、ツートーンダークグリーンを追加。ツートーンイエローはこのタイミングで廃止されました。
また、このタイミングでオンロードでの快適性とハンドリングの良さを高める、パフォーマンスダンパーがオプション設定されています
一部改良で廃止されたツートーンイエローですが、鮮やかなカラーリングはFJクルーザーを象徴するもので、根強い人気があったのでしょう。ツートーンイエローは2014年7月に復活します。
2018年1月での販売終了が決まったFJクルーザーは、2017年9月に特別仕様車となるファイナルエディションを発売。
これはベージュのモノトーンカラーが特徴で、シートやセンタークラスターガーニッシュにもベージュが使われています。グリルもブラックになり、他のグレードとの差別化が図られました。
流通量が多いのはカラーパッケージ。アウトドア派にはオフロードパッケージがオススメ
後々のメンテナンスのことも考えると、FJクルーザーの中古車を選ぶなら並行輸入車ではなく日本仕様を選びたいところ。今流通している中古車のうち並行輸入車は3台しかなかったので、このあたりの心配はなさそうです。
「アメリカ生まれの車なのだから絶対に左ハンドルに乗りたい!」という人は並行輸入車を選ぶことになりますが、トヨタディーラーには整備を依頼できないので、購入した店舗や整備工場で整備してもらうことになります。その部分はあらかじめ納得したうえで探しましょう。
現在流通している中古車のグレード別の台数を見ると
ベースグレード 約120台(総額190万~500万円)
オフロードパッケージ 約45台(総額180万~520万円)
カラーパッケージ 約145台(総額190万~520万円)
ブラックカラーパッケージ 約60台(総額250万~460万円)
レッドカラーパッケージ 約5台(総額270万~400万円)
ファイナルエディション 約20台(総額450万~510万円)
となっています。
高価格帯にはショップがカスタムしたものが多くなっています。注目はファイナルエディション。新車時価格が約350万円だったので、それより100万円以上高いプレミア相場になっています。人気のボディカラー、最終モデルという希少性に惹かれてファイナルエディションが欲しいと考えている人は、価格に納得したうえで選ぶようにしてください。
FJクルーザーの中古車を選ぶうえでまず考えたいのは、購入後の使い方。アウトドアで遊ぶことを想定している人にオススメしたいのは凹凸の激しい場所での操縦安定性を考えたビルシュタイン製ショックアブソーバーやリアデフロックが標準装備されているオフロードパッケージです。タフな仕様なので、ギアにこだわる人にもオススメ!
オフロードパッケージは総額320万円前後から走行6万km程度の中古車が見つかるようになります。走行5万km未満の中古車が欲しい人は最低でも総額400万円程度の予算を考えておきましょう。
オフロードパッケージは荒地での走行性能が高められていますが、標準モデルのオフロード性能が劣っているわけではありません。豊富な中古車から条件に合うものを探したい人、ボディカラーにこだわりたい人、ロングツーリングでの快適性も重視したい人には、流通台数が多いカラーパッケージがオススメ。
カラーパッケージはデビュー時からクルーズコントロールが標準装備になります(オフロードパッケージは2012年7月以降に標準装備)。前の車との車間を保ちながら走れるアダプティブクルーズコントロールではありませんが、クルーズコントロールがあるだけでも長距離ドライブは楽になります。
低価格帯は走行10万kmを大きく超えるものが中心。走行10万km未満のものは総額240万円前後から、走行5万km未満の中古車は総額330万円前後から見つかります。
カラーパッケージのボディカラーを見てみると
ホワイト 約20台
ブラック 約35台
ベージュ 約30台
イエロー 約10台
オレンジ 約15台
ダークグリーン 約5台
グレーメタリック 約5台
ブルー系(ブルー、グレイッシュブルー、スモーキーブルー) 約30台
となっています。FJクルーザーの特徴のひとつであるビビッドなカラーは流通量が少なめなので、欲しい人は条件に合うものをじっくり探してください。
▼検索条件
トヨタ FJクルーザー(初代)×全国※記事内の情報は2022年6月11日時点のものです。
自動車ライター
高橋満(BRIDGE MAN)
求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL