旧型ボルボ XC60の中古車が1年ちょっとで40万円近く安くなり、かなりお手頃に! 今狙うならどんな物件がオススメ?
2022/06/20
日本で初めて衝突被害軽減ブレーキを搭載したSUV
日本で初めて衝突被害軽減ブレーキ(シティ・セーフティ)を搭載したモデルであり、ボルボ初の背の高いSUVが旧型・初代XC60。
そんなエポックメイキングな車が登場したのは2009年8月で、もう10年以上が経つ。
しかし、人気SUVゆえ、1年ほど前までは中古車平均価格は200万円台でほぼ横ばいに推移していた。
それでも約1年前にようやく200万円を割った平均価格は、2021年に入り値落ちが加速し、直近5月には175.3万円まで下がっている。
このように手の届きやすい価格になってきた初代XC60。狙うならどんな物件が良いのだろうか? 詳しい中古車相場状況やモデル概要を振り返りながらチェックしていこう。
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ボルボ XC60(初代)×全国2022年に入ってようやく値落ちが鮮明に!
中古車の平均価格は2020年には210万円前後でほぼ横ばいに推移。それが2021年に入って値落ちが進み、6月にはとうとう200万円を割り込んだ。
その後いったん値落ちが止まったものの、2022年に入ると再び下落が進み、2022年5月時点で175.3万円まで下がった。
昨年初頭と比べると、実に40万円近くも値を下げたことになる。
一方で、中古車延べ掲載台数は、多少の増減はあるものの常に200台以上をキープしている。つまり台数の増加で値を下げたわけではなさそうだ。
値落ちの要因として考えられるのは、恐らく2代目となる現行型の中古車が増えたことだろう。
現行型のデビューは2017年で、5年ほど経過。中古車台数も増えており選びやすくなっていることから、初代と競合している可能性があり、需要が分散しているのではないだろうか。
いずれにしても、初代XC60の中古車はかなり狙いやすい価格になっていると言える。
掲載されている物件の平均走行距離は約5万7000kmと比較的少なめだが、よく見ると高年式車が比較的多く平均距離を下げているようで、デビュー当初の10万kmを超えるような物件も結構見つかる。
そんなこともあって、支払総額100万円以下の物件もあれば、支払総額300万円超の物件も複数台あるなど、価格帯は幅広い。
初代XC60の中古車を狙うなら、どのグレード・年式を狙うかが重要になるだろう。
そのためにも、モデル変遷を下記でしっかりと確認しておこう。
パワートレインの変更と安全機能の進化が繰り返された
2009年8月に日本デビューした初代XC60。BMW X3やアウディ Q5あたりがライバルとなるモデルだ。
ボルボにはステーションワゴンの最低地上高を高めたXC70があったが、背の高いSUVをラインナップするのはこの初代XC60が初めてとなる。
そのボディはリアゲートの上部が傾斜した、スタイリッシュなデザインでまとめられていた。
デビュー時に搭載されたエンジンは3Lターボ(T6)で、これに6速ATが組み合わされ、走行状況に応じてトルク配分を可変するフルタイム4WDが採用された。
また、世界で初めてとなる衝突被害軽減ブレーキ「シティ・セーフティ」を標準装備したことも大きな話題となった。
以降、パワートレインの変更と先進安全運転支援機能の進化を繰り返していく。ここでは中古車を選ぶ際にポイントになる点を時系列でまとめておく。
■2010年8月:2Lターボ(T5)追加
2Lターボ(T5)を追加。6速ATが組み合わされ、駆動方式は2WD。シティ・セーフティは標準装備。
■2011年2月:「シティ・セーフティ」から「ヒューマン・セーフティ」に進化
30km/h以下の低速走行時に作動するシティ・セーフティに加え、その進化版となる「ヒューマン・セーフティ」が用意された。こちらは35km/h以下で歩行者も検知し、停止または可能な限り衝突を回避。また35km/h以上でも衝突時の速度を最大限に減速する。
■2013年8月:「ヒューマン・セーフティ」が進化、デザインも変更
「ヒューマン・セーフティ」にサイクリスト検知機能が追加された。またシティ・セーフティの作動域が30km/hから50km/hに引き上げられた。さらに、オプションのセーフティ・パッケージに対向車などへの自動防眩機能が備わったハイビームなどが追加された。同時にエクステリアデザインも変更されている。
■2014年2月:2Lターボ(T5)が新世代に切り替わった
2Lターボ(T5)が新生代エンジンに切り替わり、最高出力5ps/最大トルク30N・mアップしつつ、燃費は23%改善されている。また、トランスミッションも6速ATから8速ATへと切り替えられた。駆動方式は従来どおり2WDのみ。
■2014年10月:安全機能パッケージ「インテリセーフ・テン」を標準装備
従来の機能にリアビューカメラを加えた10種類の先進安全運転機能を「インテリセーフ・テン」として整理され、全車に標準装備となった。
■2015年7月:2Lディーゼルターボ(D4)追加、T6とT5は一本化
2Lディーゼルターボ(D4)が追加された。トランスミッションは8速ATが組み合わされ、駆動方式は2WDのみ。また従来の3Lターボ(T6)と2Lターボ(T5)が、2.5Lターボ(T5)に一本化された。こちらのトランスミッションは6速ATで、4WDのみとなる。
■2016年1月:新しいT6が追加された
最高出力/最大トルクで2.5Lターボ(T5)の254ps/360N・mを上回る、306ps/400N・mを発揮する2Lターボ+スーパーチャージャー(T6)が追加された。トランスミッションは8速AT、駆動方式は4WDのみ。
以上を踏まえて、オススメのXC60を見ていこう。
総額150万円以下のお手頃価格で狙うなら「初期型のT5」系グレードを
平均価格よりもだいぶ安い、支払総額150万円でも十分に狙うことのできる初代XC60。この価格帯では、2009年8月~2013年7月生産の初期型・T5がオススメだ。
走行距離10万km前後なら支払総額100万円以下から、台数は少ないが走行距離5万km未満でも、支払総額約120万円くらいから見つけることができる。
低速域で作動する衝突被害軽減ブレーキ(シティ・セーフティ)は標準装備しているが、歩行者も検知するなど進化型のヒューマン・セーフティはパッケージオプションで用意されていた。
この価格帯でも装着している中古車が見つかるので、購入時には装着の有無も確認しておこう。
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ボルボ XC60(初代)×総額150万円以下×2009年8月~2013年7月生産×「T5」系グレード×全国コンディション重視なら「D4」系がオススメ
コンディションを重視するなら、2Lディーゼルターボ×8速ATのD4系グレードがオススメだ。
2015年5月に追加されたということもあり、比較的高年式の物件が中心となる。
そのため走行距離5万km未満が他グレードと比べて多く、良コンディションが期待できるモデルだ。
また、先進安全運転支援機能の「インテリセーフ・テン」は標準装備しているから安全性も高い。
それにJC08モード燃費18.6km/Lと低燃費だし、燃料費もガソリン代と比べて安いからランニングコストも抑えやすい。
原稿執筆時点で走行距離5万km超なら支払総額200万円以下から、走行距離5万km未満なら支払総額約240万円から狙える。
中には10万kmを超えるような物件もあるが、仮にそれが長距離走行が中心の物件であれば、むしろ街乗り中心の低走行距離車より調子が良いものが見つかることも。
距離だけで判断せず、しっかと販売店で実車確認することオススメしたい。
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ボルボ XC60(初代)×D4×全国装備充実なら「クラシック」を
コンディションだけでなく、装備も充実したXC60が欲しいなら、モデル末期の2016年8月に追加されたD4クラシックやT5 AWDクラシックをオススメする。
「クラシック」の名は、同社がいつもモデル末期に設定する特別仕様車で、いわば全部載せモデル。その割に価格が抑えられたお買い得なグレードだ。
プレミアムSUVを標榜しているゆえ、ベーシックグレードでも運転席パワーシートやHDDナビなど装備は充実しているが、クラシックはさらにチルトアップ機構付き電動パノラマ・ガラスルーフや本革シート、12セグ地上デジタルTV、フロントシートヒーター、モダンウッドパネルが備わる。
なお、ベースとなるT5 AWDは2.5Lターボ×6速ATなのだが、このクラシックは2Lターボ×8速ATを搭載している点もポイントだ。
原稿執筆時点でD4クラシックは支払総額約220万円から、T5 AWDクラシックは約270万円から見つけられる。
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ボルボ XC60(初代)×「クラシック」×全国▼検索条件
ボルボ XC60(初代)×全国ライター
ぴえいる
『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。