先代ミニが総額100万円以下でも十分狙えるみたいだけど、それって買っても大丈夫?
2022/06/07
今や価格的には国産コンパクトカーの中古車と同じぐらい
ポップでかわいらしくて、そしてキビキビ走ることで大人気なミニが気になっている人も多いかと思います。
そして、気になると同時に「でも輸入車だから、やっぱり高いんだろうな……」なんて思っているのかもしれません。
しかし、ミニは決して高い車ではありません。
確かに新車時には320万円以上と、少々お高めのグレードもありました。しかし、2代目ミニの中古車平均価格は今、過去最安値の約80万円まで下がっているのです。
まずは下のグラフをご覧ください。
2011年に発売された2代目ミニの中古車平均価格は、2020年の夏頃からなぜか上昇に転じましたが、その後は一貫して順調な下方トレンドに。
そして2022年4月にはついに80万円を割り込んで、79.9万円となったのです。この金額は、国産コンパクトカーの中古車価格と「だいたい同じぐらい」だといえます。
つまり、ミニは新車で買うとなればそれなりに高額な車ですが、「2代目ミニの中古車にする」と決めれば、国産小型車の中古車を買うのとほぼ同じ予算感でイケてしまう車なのです。
しかし世の中、安いモノには安いなりの“理由”があったりもします。2代目ミニの場合はどうなのでしょうか? 以下、いろいろと調査検討してみることにしましょう。
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ミニ ミニ(2代目)×全国2代目ミニのグレードは大きく分けて3種類
まずは、2代目ミニという車の概略をざっと整理しておきます。
ミニというのはもともとは往年の英国製コンパクトカーでしたが、それが販売終了となった1990年代にドイツのBMWがすべての権利を買い取り、「BMW製の新しいミニ」として2001年に発売しました。これを、ここでは初代ミニと呼びます。
そして初代ミニが世界中で約5年にわたって愛された後、2006年にフルモデルチェンジを受けて誕生したのが2代目ミニです。日本では2007年の2月に発売されました。
初代ミニはエンジンがちょっと荒っぽかったりもしたのですが、2代目ミニはBMW製のスムーズなエンジンに置き換わり、同時にボディなども、初代と比べるとずいぶんしっかりしたものに変わりました。
グレードは大きく分けて3種類。最もベーシックなのが「ワン(One)」で、こちらは最高出力98psの1.4Lエンジンを搭載。外観や装備も、中間グレード以上と比べるとややシンプルです。
中間グレードに相当するのが「クーパー(Cooper)」で、こちらは最高出力122psの1.6Lエンジンです。走りはなかなか活発で、装備もワンより充実しています。
一般的な最上級グレードにあたるのが「クーパーS(Cooper S)」。こちらは最高出力184psの強力な1.6Lターボエンジンを搭載していますので、力強くかっ飛びたい人にオススメのグレードとなります。
この他に「ジョン・クーパー・ワークス」というさらに強力なグレードもあるのですが、やや特殊なため今回は割愛します。
で、2代目ミニは2014年3月まで大人気を博しながら販売され、同年4月にフルモデルチェンジを受けて誕生した3代目(現行型)ミニにバトンを渡した――というのが、2代目ミニの大まかなヒストリーです。
これだけ安いと不安に思うかもしれないが……
しかし2代目ミニの中古車価格はなぜ、こんなにも下がっているのでしょうか? 言い方を変えると、「安いモノには“理由”がある」といったような意味で、クオリティ等々がイマイチであり、実は買うとヤバい中古車だから、その相場が下がっているのでしょうか?
結論から申し上げると、そのような「特にネガティブな理由」は、2代目ミニにはありません。
2代目ミニの最初期モデルが発売されたのが2007年2月で、今からもう約15年前のことです。そして機械製品の中古品相場というのは、新品として発売された時点から15年もたてば、ごく一部の例外を除いて必ず下がるものです。
2代目ミニの平均価格下落は、そういった「物事の当然の流れ」として起きているにすぎません。
また中古品というのは、レア物である場合はなかなか相場が下がらなかったり、逆に上がったりもします。
しかし2代目ミニというのはレア物ではなく、むしろかなり数が売れた車種ですので、市場での“希少価値”は特にはありません。だからこそ、その平均価格は歳月に応じてフツーに下がっていくのです。
信頼性の面ではぜひ「後期型」を選びたい
とはいえ、2代目ミニの中古車にまったく問題がないわけでもありません。
先ほど申し上げたとおり、最初期モデルはもう15年前の古い機械ですし、2010年頃の個体でも、すでに10年落ち以上です。
そういった年式の車というのは、2代目ミニに限らずあちこちの部品が要交換タイミングを迎えていたり、または「交換タイミングを過ぎているのに、そのままにされている」なんて場合もあったりします。
そういった個体を買うと、物事の道理として「買った直後に壊れる(=消耗部品が寿命を迎える)」ということも大いに予想されます。
そのため、これから2代目ミニの中古車を買うのであればメンテナンスの履歴(=どんな消耗部品が、いつ頃交換されているか)をしっかり確認しながら選ぶことが必須となります。
2代目ミニの場合は特に「燃料ポンプ」という部品と「イグニッションコイル」という部品が交換されているかどうかを確認してください。ちなみにイグニッションコイルがダメになったミニは、かかったエンジンがブルブル震えている感じがあります。
また、2代目ミニには「前期型」と「後期型」というのがあるのですが、これから中古車を買うのであれば絶対に「後期型」がオススメです。
BMWの車というのは伝統的に(?)水回りが弱いというか、ウオーターポンプという冷却系の部品が早めに消耗してしまう傾向があります。
BMW製である2代目ミニもその例外ではなく、前期型ではウオーターポンプが割と早めにダメになってしまったケースが多かったようです。
しかし2010年3月にエンジンが改良された際に、そのウオーターポンプが壊れにくい対策品になりましたので、オススメは後期型である――ということになるのです。
ちょっとややこしいのですが、エンジンが変わったのが2010年3月生産分からで、しかしこのときは内外装のデザインは前期型のままでしたので、この世代は「中期型」と呼ばれています。そして7ヵ月後の2010年10月に、内外装のデザインも変更された世代が「後期型」と呼ばれています。
しかし、そのように細かく分類してしまうと少しややこしいので、わかりにくいと感じた方はざっくり「2011年式以降を選ぶ!」という考え方で十分かと思います。
では、以上の注意点をベースに「ならば具体的にはどの2代目ミニを選べばいいのか?」ということを、ケース別に考えてまいりましょう。
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ミニ ミニ(2代目)×2011年式以降×全国総額100万円以下で買いたいなら、オススメは5万km台までの「2011~2013年式クーパー」
2代目ミニ全体でいうと、それこそ総額30万円ぐらいから探すことができます。しかし、そのあたりの価格帯の物件は超絶多走行の前期型だったりしますので、正直オススメはできかねます。
ご予算総額100万円以下で、なおかつ“いい感じ”の2代目ミニが欲しいと思う場合には、総額80万~99万円あたりのゾーンで2011~2013年式クーパーを探してみるのがベストでしょう。
この予算帯であれば、走行5万km台までの後期型クーパーを探すことができます。
クーパーではなく、よりベーシックなワンもこの価格帯で探せますが、2代目ミニのワンはエンジンが若干非力なため、特に飛ばさないという人でも、日常使いにおいて少々の不満を覚える可能性があります。
ここは122psの1.6Lエンジンを積むクーパーに絞るのが得策でしょう。
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ミニ ミニ(2代目)×総額100万円以内×走行距離6万km未満×2011~2013年式×クーパー×全国総額150万円まで出せるなら、「2011~2014年式クーパーSまたはクーパー」の低走行車を
総額100万円以下でも「いい感じの2代目ミニ」は十分狙えますが、130万~150万円ほどの総額を見込める場合は「さらにいい感じのやつ」を探すことができます。
具体的には2011~2014年式の、走行4万km以内ぐらいの後期型クーパーSまたはクーパーです。
中古車の走行距離というのは「短ければそれですべてOK」という単純なものではないのですが、やはり内装の使用感などに関しては、低走行物件の方が「いい感じ」であるケースが多いものです。
そしてこの「総額130万から150万円ぐらい」という、高年式の中古軽自動車を買うのと同じぐらいの予算帯であれば、総額100万円以内の場合よりも1万~2万kmほど走行距離が短い、しかも強力なターボ付きエンジンを搭載する「クーパーS」も見つけることができるでしょう。
まぁ誰もが必ずターボのクーパーSを欲しがるとは限りませんので、その場合は1.6Lノンターボのクーパーをこの予算帯で探せば、クーパーSよりも状態の良い個体が見つかる可能性が高まります。パフォーマンス的にはクーパーでも十分だと、個人的には思っています。
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ミニ ミニ(2代目)×総額150万円以内×2011~2014年式×走行距離4万km以下×クーパーS/クーパー×全国以上のとおり、若干の注意すべきポイントはあるものの、2代目ミニは総額100万円以下または100万円台前半の予算で、なかなか素敵な1台が見つかるはずのモデルです。
内外装ともにポップでかわいくて、しかもビュンビュン走れる車を手頃な予算で探している人は、ぜひとも注目してみてください。
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ミニ ミニ(2代目)×2011年式以降×全国自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。