レクサス LS ▲2006年に登場したレクサスのフラッグシップモデルのLS。翌年にはハイブリッドモデルのLSハイブリッドが追加された

日本が世界に誇るフラッグシップモデルは色褪せない

トヨタのプレミアムブランド「レクサス」のフラッグシップセダンであるLSは、その高いクオリティと信頼性から多くのVIPに愛されている1台です。

もともと日本では「セルシオ」の名前でトヨタブランドから販売されていましたが、2005年から日本でもレクサスブランドが展開されたタイミングでLSへと移行されています。

そのため、日本における初代LSはグローバルで見ると4代目という若干ややこしい話になりますが、ここでは2006年に登場したモデルを初代とします。

そして、初代LSは当初4.6LのV8エンジンを搭載したガソリンモデルのLS460のみのラインナップでしたが、2007年にはハイブリッド仕様のLSハイブリッドが加わります。

こちらはなんと5L V8エンジンにモーターを組み合わせ、6Lクラスの出力を実現していただけでなく、より安定した走行を実現するために全車でAWDの駆動方式が採用され、まさにフラッグシップの名に恥じぬ性能を誇っていました。

このLSハイブリッドの中古車が今、だいぶお安くなっているのです。以下、詳細を見ていきましょう。

レクサス LS ▲V8 5Lエンジンにモーターをプラスしたことで6L級のパワーを発生するため、車名は「LS600h」となっている

▼検索条件

レクサス LSハイブリッド(初代) ×全国
 

中古車相場状況
新車時1000万円越えのモデルも、今や200万円台まで安くなった

新車時価格は、最もベーシックなグレードである「LS600h」であっても970万円、最上級グレードの「LS600hL 後席セパレートシートパッケージ」では1510万円と、トヨタのショーファードリブンであるセンチュリーをも上回る価格でした。

ゆえに、とても気軽には購入することはできないレクサス LSハイブリッドではありましたが、登場から10年以上が経過し、時の流れとともに価格を下げてきており、2020年1月の時点ですでに中古車平均価格は280万円を切るところまで下がっていました。

その後も緩やかに平均価格は下がってきており、ついに200万円前半、具体的には直近4月には220.3万円まで下がってきているのです。

これは、2020年初頭に比べると50万円以上安くなっており、驚異の値下がり率と言って良いでしょう。

レクサス LS ▲2021年にはやや値落ちが鈍化したが、2022年に入り再び加速。直近4月には220.3万円まで安くなっている

また、前述のとおり各界のVIPを中心に愛用されることが多かったモデルゆえ、超高級車だったにも関わらず中古車流通台数は安定しているのも特徴です。

2020年からの延べ掲載台数の推移を見ると、一時500台程度に減ったことはあっても、600台程度をキープし続けている状況。

原稿執筆時(2022年5月26日)の掲載台数を見ても423台と、かなり豊富な流通台数であることがわかります。

レクサス LS ▲おおむね600台前後で安定した延べ掲載台数を確保している

ちなみに、ガソリンモデルの初代LSについてはここへきて150万円台中盤で落ち着きを見せており、ハイブリッドモデルとの価格差はわずか50万円程度。

新車時は同等グレードで100万円以上の差があったことや、ガソリンの4.6Lとハイブリッドの5Lでは自動車税の区分はどちらも同一であること、現時点ではハイブリッド車は登録から13年超となっても重課の対象にならないこと、そして燃費がハイブリッドモデルの方が優れていることなどを考慮すると、圧倒的にLSハイブリッドの方がコスパに優れていると言えるでしょう。

とはいえ、最初期のモデルではすでに15年が経過している初代LSハイブリッド。同年代の輸入フラッグシップセダンと比較すれば信頼性も高く、補修部品も輸入車に比べれば安価で入手できますが、手頃な物件を狙う場合はある程度の覚悟や妥協も必要となるでしょう。

そのようなことを踏まえ、今初代LSハイブリッドの中古車を狙うならどんな物件が狙い目なのかを紹介します。

 

総額150万円以下で狙うなら「修復歴なし×保証付き」がオススメ!

購入価格は抑えたいけれど乗り出してすぐにトラブルが発生して修理代がかかるのは避けたい……そんな人にオススメしたいのが、平均価格を大きく下回る総額150万円以下、かつ修復歴なしの物件で保証が付いているというもの。

保証が付いていれば乗り出してすぐのトラブルは保証で対応してもらえるため、不測の出費を抑えることができますし、販売店側も品質に自信を持っていることと捉えることができ、走行距離が比較的多い車両でも状態が良いものが多いのです。

レクサス LS ▲手頃な価格となっている物件でも信頼度が高いのはさすがレクサスといったところ
レクサス LS ▲フロントマスクなどが一新された中期型も買いやすい価格となってきている

ただ、販売店保証については保証の期間や範囲などがまちまちの場合があるため、どういった保証が付くのかの精査は必要となるので注意が必要です。

この条件では、すべて2007年5月~2012年9月年生産の前・中期型になりますが、今も見劣りせぬ高級感があります。

中には当時の最上級グレードで、車両価格1500万円を超える「後席セパレートシートパッケージ」が見つかることも! 「4人乗りでも構わない」という方は、ぜひ積極的に探してみてください。

レクサス LS ▲奇をてらわないインテリアはシンプルながら高級感を感じる上質なもの(写真は前期型)
レクサス LS ▲「LS600hL 後席セパレートシートパッケージ」では圧倒的なくつろぎの後部座席スペースを実現

▼検索条件

レクサス LSハイブリッド(初代) ×総額150万円以下×修復歴なし×保証付き×全国
 

スピンドルグリル採用の後期型狙いなら「総額350万円以内×ワンオーナー車」がオススメ!

2007年から2017年まで、およそ10年にわたって販売されていたLSハイブリッドですが、2012年10月に大幅なマイナーチェンジを実施しています。

せっかくなら、この見た目も性能も大きく進化した「後期型」が欲しいと考えている人もいるのでは?

レクサス LS ▲スピンドルグリルを採用した後期型は、見た目だけでなく中身も大きく変更を受けている

車両型式こそ変更されませんでしたが、主要構成部品の約半数を変更するなど実質的にはフルモデルチェンジに匹敵する改良がなされています。

エクステリアもレクサスの新たなデザインアイコンである「スピンドルグリル」を採用するなど、大きく手が加えられているのです。

レクサス LS ▲後期型ではインパネの形状も大きく変わり、ナビ画面が上部にくるなど使い勝手も大きく向上した

そのため、まだまだ人気が高く前・中期型と比較すると高価ですが、総額350万円以内でも十分ヒットしてきます。

また、「ワンオーナー車」であれば法人ユーザーがしっかりとメンテナンスをし、丁寧に扱われてきた物件も多く、状態のよいものを見つけやすいためオススメです。

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レクサス LSハイブリッド(初代) ×2012年10月以降生産モデル×ワンオーナー車×全国

新車時ほぼ1000万円超のプライスタグを掲げていたLSハイブリッドですが、うまく中古車選びをすれば手頃な価格かつ状態の良い物件を見つけることも夢ではありません。

もちろん当時のフラッグシップらしい乗り味や質感はまだまだ存分に味わうこともできますから、LSハイブリッドに憧れを持っていた人は、このお手頃になってきたタイミングで行動に移してみてはいかがでしょうか。

▼検索条件

レクサス LSハイブリッド(初代) ×全国
文/小鮒康一 写真/レクサス
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車はホンダ インサイト、初代パルサー、NAロードスター、S660など