新型が登場したスバル レガシィアウトバックだが、旧型・旧々型の中古車相場に変化はあった? それぞれの今のオススメ物件を紹介
2022/03/06
新型登場は歴代モデルの中古車価格に影響を与えているのか?
ステーションワゴンにSUVの機能性を加えた新モデルとして、北米でデビューした初代スバル アウトバック。
ベースとなったのは、同社の主力車種であるレガシィツーリングワゴンだ。
日本では当初レガシィグランドワゴン、次いでレガシィランカスターとして販売されたが、レガシィが4代目へとフルモデルチェンジした際に、全世界統一の名称「アウトバック」となった。
2021年10月に4代目となる現行型が登場。フルモデルチェンジが行われると、過去のモデルの中古車相場に影響が出ることがあるが、レガシィアウトバックはどうだろうか?
今回は、まだまだ中古車掲載台数も多く選択肢が豊富な旧型・3代目および旧々型・2代目に絞り、中古車相場状況を見ていくとともに、それぞれのオススメ物件を考えてみよう。
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スバル レガシィアウトバック(3代目)×全国▼検索条件
スバル レガシィアウトバック(2代目)×全国【3代目・中古車相場状況】
新型への乗り替えで、高年式・少走行距離車が相場を上げている
旧型である3代目は、新型登場の影響が多少うかがえる。
中古車台数は2021年10月に底をうち、現在はじわりと増加中。そのため本来中古車価格は下がる方向に向かうはずだが、平均価格はむしろ2021年7月の210.1万円からジリジリと上昇を続けていた。
その理由は、高年式で少走行距離車といった良コンディションの中古車が数多く流通してきたためと考えられる。恐らく新型への乗り替えで発生したと思われる。
実際、原稿執筆時点の平均価格は214.9万円だが、それよりおよそ100万円以上高い車両本体価格310万円以上の中古車が全体の約1割を占め、その多くが走行距離3万km未満の2018年式以降。
つまり、「高年式で少走行距離」の物件が平均価格を引き上げているというわけだ。
一方、台数が最も多いのはデビュー翌年の2015年式で、全体の約3割を占めている。全体の平均総距離は約5万kmで、2015年式だけを見れば走行距離5万~7万kmが最も多い。
2代目同様、やはりアウトドア志向の車だけに走行距離は比較的多めだ。やはり良コンディションで狙うなら早めの行動が必要だろう。
【3代目・モデル概要】
高機能に加え、フラッグシップらしい高い質感が与えられた
2014年10月に登場した3代目レガシィアウトバック。この世代からツーリングワゴンが消滅し、ワゴンスタイルとしてはアウトバックがスバルのフラッグシップとなる(現行型ではセダンのB4も消滅したため、アウトバックが名実とも同社のトップになった)。
そのため内外装の隅々まで、フラッグシップにふさわしい高い質感が与えられている。
搭載されたエンジンは2.5Lの水平対向4気筒のみ。これにリニアトロニック(CVT)が組み合わされた。
そして、ver.2に対し操舵支援機能や誤後進抑制機能が加えられ、その他の機能の制御も向上しているアイサイトver.3は、全車に標準装備される。
また、「X-MODE」を搭載し悪路走破性も進化している。タイヤが空転してもエンジンやトランスミッション、VDCを制御して前進できる他、一定の低速度で急な坂を下れるヒルディセントコントロール機能も備わる。
2019年11月には、雪道や砂利道などで安心して走れる「SNOW・DIRT」モードと、深雪やぬかるみを走行しやすい「DEEP SNOW・MUD」モードが加えられた。
デビュー時の車両本体価格は313万2000~340万2000円。
アイサイトは2代目同様、年々性能の向上が図られた。
まず、2015年10月にはアイサイトの機能に加え、後側方警戒支援機能やハイ/ロービーム自動切り替え機能を含む「アドバンスドセイフティパッケージ」が全車に標準で備えられた。
さらに、2016年10月には車線中央維持機能が加えられている。
そして、2017年10月には後退時ブレーキシステムが追加されるとともに、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の速度上限が約100km/hから約120km/hまで拡大された。
2018年10月以降生産モデルは、衝突被害軽減ブレーキの制御が改良されている。
【3代目・オススメの中古車の探し方】
上級グレードのリミテッドで、予算に応じてなるべく高年式を狙う
全車に進化したアイサイトver.3が標準装備され、エンジンは2.5Lのみの3代目。そうなると、あとは年式や走行距離、装備、色などで好みの1台を探すことになる。
まず年式だが、2代目同様、アイサイトの機能が年々向上しているので、予算が許すならなるべく高年式車ということになる。また、2017年10月のマイナーチェンジで内外装のデザインが変わっているので、好みで判断が分かれるところだ。
次に走行距離だが、3代目の平均走行距離は約5万km。原稿執筆時点ではほとんどが10万km未満だ。といっても、この世代の車なら10万kmを超えても問題はないだろうから、走行距離よりもキズや汚れなどで判断した方がいいだろう。
一方、装備の違いで肝心なのはグレード選びだが、そもそもベースグレードと上級グレードのリミテッドは機能面ではほぼ同じ。
違いは、リミテッドなら本革シートが標準装備に、タイヤサイズが17インチから18インチに、前後バンパーガードが備わるといったところ。
しかし、実は掲載されている物件で最も台数の多いのはリミテッドで、全体の7割以上を占める。
原稿執筆時点でリミテッドの走行距離5万km未満は約200万円からと、平均価格より低い価格から狙える。
対してベースグレードの走行距離5万km未満は約180万円からと、その差はあまり大きくない。
そのことを考えると、やはりリミテッドの中から予算に応じて年式や走行距離で絞っていくのがオススメだ。
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スバル レガシィアウトバック(3代目)×リミテッド×全国▼検索条件
スバル レガシィアウトバック(3代目)×全国【2代目・中古車相場状況】
新型登場の影響は今のところなく、相場は安定している
旧々型となった2代目の中古車台数を見ると、ここ2年間はほぼ一定している。台数が増えていないことから見ても、今のところ新型の登場が2代目の中古車価格に影響を及ぼしてはなさそうだ。
この2年間の中古車平均価格を見ると、おおむね80万円台をキープ。2020年11月~2021年4月頃には一時期90万円台になることもあったが、中古車台数の増減は見られないので、高年式車の流入やキャンプ人気を背景にした需要など、別の要因が考えられる。
現在は再び80万円台に落ち着いていて、原稿執筆時点での平均価格は89.1万円。一方で、アウトドアに出かけることの多い車だけに、平均走行距離は約7万8000kmと10万kmに届きそうな勢いだ。
今後3代目の相場が崩れるなどの要因で、この2代目の価格が下がることはあり得るが、良コンディションの中古車を狙いたいなら、急いだ方が良さそうだ。
【2代目・モデル概要】
北米市場に向け、一気にボディサイズが拡大。アイサイトはver.2
2009年5月に登場した2代目レガシィアウトバック。レガシィシリーズはこの世代から北米をメインターゲットとしたため、一気にボディが大きくなった。
さらに、アウトバックは力強くてタフなイメージを出すため、ツーリングワゴンよりも全幅が40mm、全高も70mm拡充されている。
搭載されたエンジンは2.5Lの水平対向4気筒と、3.6Lの水平対向6気筒。3.6Lエンジンはレガシィシリーズ中アウトバックのみに搭載された。
2.5Lはリニアトロニック(CVT)が、3.6Lは5速ATが組み合わされており、もちろん全車4WDだ。
デビュー時の車両本体価格は267万7500~370万1250円。
初代モデルの後期型にはアイサイト(ver.1)設定モデルが用意されていたが、この2代目のデビュー時には設定されず、全車速追従アダプティブ・クルーズ・コントロールを備えたSI-クルーズが3.6L車に用意されたのみ。
アイサイトver.1は、法規上完全停止できないことで採用が見送られたのだろうが、完全停止できるver.2が承認されると、翌2010年5月に採用グレードが設定された。
以降アイサイトはver.2のままだが、システムの制御やカメラの画像処理機能など度々改良されているため、同じver.2でも高年式モデルの方がより安全性が高いと言える。
【2代目・オススメの中古車の探し方】
「ぶつからないクルマ?」の2.5Lアイサイト搭載車狙いで
「ぶつからないクルマ?」というCMで、当時大きな話題となったアイサイトのver.2。この2代目での狙い目は、やはりアイサイト搭載車だろう。
最新のアイサイトと比べれば当然ver.2は機能が少ないものの、衝突被害軽減ブレーキの他に、全車速追従ACCが備わる。渋滞でのペダル操作がほとんど不要になるから、遠出も苦痛でなくなるだろう。
2代目の中古車台数は原稿執筆時点で約120台と決して多くはないが、その7割近くがアイサイト搭載車。だからわけなく探すことができる。
中でも自動車税の安い2.5L車がアイサイト搭載車の9割以上を占めており選びやすいため、狙いは2.5Lアイサイト搭載車だろう。
走行距離7万km以下で絞っても、支払総額約80万円程度で見つけることができる。
上記でも触れたが、アイサイトver.2は度々制御技術が向上している。そのため、予算範囲で高年式順にチェックしていくのがオススメだ。
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スバル レガシィアウトバック(2代目)×2.5i アイサイト系グレード×全国 ※年式降順▼検索条件
スバル レガシィアウトバック(2代目)×全国ライター
ぴえいる
『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。