トヨタ パッソ ▲3代目のパッソはベーシックな「X」系(右)と上質な雰囲気の「モーダ」系(左)が用意される

軽自動車より広くて使い勝手の良いコンパクトカー、パッソ!

車は購入金額も、維持費も抑えたい! でも、5人家族だし……、荷物を載せたいし……、高速道路を走るから、排気量が大きい方が良いし……そんなユーザーに人気なのが、燃費良好、実用性も抜群の国産コンパクトカー。中でも安定した人気を誇るのがトヨタ パッソです。

現行型は3代目にあたり、現在も新車で販売されています。

トヨタ パッソ ▲使い勝手の良い5ドアハッチバックボディと、5ナンバーサイズならではの運転のしやすさも魅力のひとつ

現行型パッソの新車価格は、115万~190万円。お高めのグレードは「モーダ」というシリーズで、プレーンなグレードよりデザイン性が高く、装備が充実しています。

軽自動車の新車が、それなりのオプションを付けて乗り出し200万円が当たり前の現代。5人乗れる普通車の上級グレードで200万円を切る、というのは、新車でも十分お財布に優しいモデルということですよね。

しかし! 実は、中古車ならさらにお買い得なんです。下のグラフを根拠に説明します。
 

トヨタ パッソ
トヨタ パッソ

こちらは、カーセンサーnetに掲載されているパッソの全中古車物件から導き出した「流通台数」と「中古車平均価格」の推移を追ったものです。このグラフにキャッチをつけるならズバリ、『流通量爆増! 中古車平均価格は安定!』ですね。

流通量は2021年に2000台の大台を突破し、現在も2500台前後と、とても豊富になっています。中古車平均価格も2021年は波打っているように見えますが、90万円から93万円の間をウロウロしているだけ。つまり安定しています。そして90万円といえば、冒頭に紹介した190万円の「モーダ」の半額。元がお手頃価格のパッソといえど、半額は「お買い得」と言ってしまってもいい状況でしょう。

平均価格の話だけだと不安に思う方もいらっしゃると思うので、具体的な例も挙げて話すと、新車時190万円の「モーダGパッケージ」の物件に絞っても最安値は総額70万円台から。上級グレードもちゃんとお安くなっているんです。

一方で、モーダ系の最安値帯が品質などを含めて『コストパフォーマンスが高い』か、というと、そうとも言えませんので、ここでは「価格も品質も納得感のある」物件が狙えるオススメの選び方を筆者から提案します。

とりあえず安価な移動のアシが欲しい!
支払い総額100万円以下×衝突被害軽減ブレーキ付き

トヨタ パッソ ▲シンプルなX系ではあるが、ボディカラーも豊富で選ぶ楽しみも大きい

移動手段として車を探しているけれど、できるだけ予算を抑えたいという人は、支払い総額100万円以下に絞って物件を探してみてはいかがでしょうか。

とはいえ、いくら安く手に入れたとしても、せっかくの現行モデル。先進安全装備が備わっているものを狙いたいもの。パッソは一部グレードで先進安全装備非装備の仕様が存在していたため、今回は衝突被害軽減ブレーキ付きも条件にプラスしています。

この条件の中では、低走行のものでは1万km未満の物件も複数存在しています。走行距離によって価格に大きな差が出ますので、さらなる見極めは必要かもしれません。
 

▼検索条件

トヨタ パッソ(現行型)×支払い総額100万円以下 ×衝突被害軽減ブレーキ ×全国

コンパクトカーとはいえ上質な雰囲気が欲しい!
モーダ系×支払い総額120万円以下×走行距離3万km以下

トヨタ パッソ ▲マイナーチェンジ前のモーダ系はグリルが上下2分割となるデザインで、これはこれでアリだろう

パッソはその低価格という特徴から、一般ユーザーだけでなくビジネスユーザーが社用車として購入するケースも多く、意外と街中でもビジネスユースの車体を見かけることがあります。

そのため、せっかく購入するのであれば、より上質な雰囲気と特徴的なエクステリアをもつ「モーダ」系を狙ってみるというのもオススメ。

新車時は140万円台~180万円台と上級グレードらしい価格帯となっているモーダ系。ですが、中古車では走行距離3万km以下という、比較的新車に近い条件でも流通量が豊富です。

支払い総額120万円以下で上級グレードが手に入るとなれば、かなりお買い得感は強いのではないでしょうか。

▼検索条件

トヨタ パッソ(現行型)×モーダ系 ×支払い総額120万円以下 ×走行距離3万km以下 ×全国

やっぱり安全第一!
スマアシIII(2019年式以降)×修復歴なし×支払い総額140万円以下

トヨタ パッソ ▲マイナーチェンジ後のモーダ系は大きなグリルをもつ顔つきとなり、どことなくユーモラス系に

技術の進歩は日進月歩であり、先進安全装備においてはより高性能なものを選びたい。パッソでも2018年10月に実施されたマイナーチェンジで、スマアシIIからスマアシIIIへと進化しています。

それまで対車両のみだった衝突被害軽減ブレーキが、対歩行者でも動作するなどレベルアップしています。

そこで、予算に余裕のある方は、マイナーチェンジ後の2019年式以降のスマアシIII付き車両に絞り、修復歴なし、支払い総額140万円以下という条件がオススメです。

エントリーグレードの「X」以外にも、上級グレードのモーダ系も見つかるため、上質な空間と、安全を両立させたい人はじっくり探してみるのもいいでしょう。

中には登録済未使用車も存在しており、現在の世界的な新車の出荷遅れが課題となっていることを考えると、すぐ手元に届くこういった物件を選ぶのも大いにアリかもしれませんね。
 

▼検索条件

トヨタ パッソ(現行型)×支払い総額140万円以下 ×修復歴なし ×2019年以降 ×全国

▼検索条件

トヨタ パッソ(現行型)×全国

※記事内の情報は2022年2月4日時点のものです。
 

文/小鮒康一、写真/トヨタ
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。