ハイブリッドと侮ることなかれ! ホンダ CR-Zは比較的安価で走りの楽しめるスポーツカー!
2022/01/03
CR-Zはエコなハイブリッド車? いえいえちゃんとスポーティです!
ここのところ高値安定が続いている国産スポーツモデル。特に値上がりが顕著なのは、自然給気の市販エンジンでありながら、リッター100馬力超の高出力を誇るホンダのVTEC&i-VTECエンジンを搭載したスポーツモデルでしょう。
シビックやインテグラのタイプRなどは、状態の良いものでは新車価格を超えるどころか、新車価格の2倍近い価格が付けられたものもあるほどです。
さすがにここまで高騰してしまうと、なかなか気軽に手を出すことができないというのが正直なところ。しかし、まだ高騰が始まっていないホンダのFFスポーツモデルが存在していました。それこそが「CR-Z」です。
「CR-Zって見た目はスポーティだけど、しょせんエコなハイブリッド車でしょ?」と思ったアナタ。確かにCR-Zはハイブリッド専用車としてリリースされてはいますが、随所にホンダスピリットが宿ったモデルなのです。
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ホンダ CR-Z(初代)×全国CR-Zは普通のハイブリッドと違いモーターはいわば過給機的な存在
例えば搭載されているエンジンですが、同時期に存在していたインサイト(2代目)は1.3Lエンジンを搭載していました。しかしCR-Zには、よりスポーツ性を高めるために1.5LのSOHC i-VTECエンジンを新開発して搭載していました。
そこにモーターをプラスしたことで、2Lガソリンエンジン並みの加速力を実現。CR-Zのハイブリッドシステムは、プリウスのようにモーターだけで走行することはせず、常にエンジンの力で走行しつつ、発進加速時などにモーターがアシストするもの。つまり、モーターが過給機のように後押ししてくれるというワケなのです。
ちなみに2012年9月に実施されたマイナーチェンジでは、エンジンの高回転化によって出力が向上されたとともに、ハイブリッドバッテリーをニッケル水素電池からホンダのハイブリッド車としては初となるリチウムイオン電池に変更。これにより、バッテリー電圧を高めてモーター出力も向上し、よりハイパフォーマンス化がなされました。
そして、忘れてはいけないのがトランスミッションです。イージードライブを実現するCVTだけでなく、ハイブリッド車としては世界初となる6速MTをCR-Zは搭載。
専用設計されたこのMTは、シフトストロークは同時期のシビックタイプRと同等、セレクトストロークに至ってはシビックタイプRよりもショートな設定となっています。
また、シンクロナイザーには2速にダブルコーン、3速に摩擦係数の高いカーボンのシングルコーンを採用し、シンクロ容量を増加。これにより、操作荷重を低減して軽くスムーズなフィールを実現するなど、やっていることはまさにピュアスポーツカーのそれなのでした。
総額100万円でも十分に狙える! モアパワーを求めるならチューニングという選択肢も!
ハイブリッドカーでありながらホンダらしいスポーツスピリットを秘めたモデルであるCR-Zですが、まだその魅力が再認識されていないのか、比較的安価な物件が揃っています。
執筆時点ではおよそ500台弱の掲載台数があり、MTに絞ってみても160台ほどがヒット。その中でも安い物件は総額30万円台から見つけることができるのです。
さすがに安価な物件は多走行のものが中心となりますが、10万km未満に絞ってみても総額60万円台からと、高値が続くホンダスポーツからすると圧倒的に安価。
パワーアップしたマイナーチェンジ後のものとなると、10万km未満の物件は総額100万円~とやや高くなりますが、走行2万~3万km台のものでも総額150万円前後と十分手が出る価格となっています。
なお、CR-Zには無限が手がけたスーパーチャージャーで武装した「MUGEN RZ」という限定300台のモデルも存在していますが、新車価格がおよそ450万円と高額で希に中古車市場に出てきても高値安定となっています。
ただ、執筆時点ではアフターパーツメーカーがリリースするCR-Zのスーパーチャージャーキットがまだ流通しているので、モアパワーを求めるのであれば、安価な前期型をベースにスーパーチャージャー仕様とするのも面白い選択です。
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ホンダ CR-Z(初代)×全国自動車ライター
小鮒康一(フナタン)
スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。