BMW 3シリーズ ▲スポーツセダンとして評価の高いE46型3シリーズがジワジワと価格上昇中!

底値の時代は過ぎて再評価されつつあるE46型3シリーズ

インポートセダンの入門編として、今も昔も人気が高いBMW 3シリーズセダン。ただの凡庸なセダンとは異なり、BMWのコーポレートスローガンでもある「駆けぬける歓び」を体現したスポーツセダンとして、世代を問わず高い評価を集めている1台です。

そんな3シリーズセダンの中でも、比較的中古車価格がこなれてきてた印象があるのが、1998年に登場した4代目モデルのE46型でしょう。

しかし、そんなE46型の中古車平均価格が、ここへきてジワジワ上昇中しているのです。

BMW 3シリーズ ▲端正なルックスはまさにスポーツセダンといった佇まいで今見ても古さを感じさせない

中古車の状況を見てみる前に、改めてE46型3シリーズとはどんなモデルだったのか振り返ってみましょう。

先代のE36型よりもボディサイズが拡大されていますが、特に窮屈さが指摘されていた後部座席の居住スペースが拡大しており、セダンとしての本質を追求。

もちろん、フロントエンジンリアドライブのレイアウトは踏襲され、前後重量配分は50:50という理想的な数値となっていて、ボディ剛性も先代の70%増しにもかかわらずアルミ製の部品を奢ることで重量増は最低限に。先代で好評だったスポーツセダンらしい走り味は、全く失われていませんでした。

デビュー当初は直4 1.9Lの318iと、伝統の直6 2Lエンジンを搭載した320i、2.5Lエンジンの323i、そして 2.8Lエンジンの328iというラインナップでスタートしました。1999年には、スポーツサスペンションやスポーティな内外装を備えた「Mスポーツ」も設定され、その精悍なルックスから人気を集めました。

BMW 3シリーズ ▲Mスポーツはハイパフォーマンスモデルの「M3」を想起させるスポーティなルックスとなっていた

また、2000年8月には2.8Lエンジンを搭載していた328iに代わって3Lエンジンを搭載する330iが登場。2.8Lモデル比+38psの大幅なパワーアップとなっています。さらに、同年11月には320iと325iに搭載されていた6気筒エンジンも新世代のものへと換装されました。

BMW 3シリーズ ▲BMWといえばシルキーシックスと呼ばれた直列6気筒エンジンを思い浮かべる人も多いハズ(写真はM52エンジン)

そして、2002年にはマイナーチェンジを実施。フロントマスクを中心にエクステリアの変更を受けて後期型となり、2005年4月に5代目が登場するまで生産販売が続けられたのです。

BMW 3シリーズ ▲こちらがマイナーチェンジ後の後期型。ヘッドライトがたれ目風からつり目風になっている

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E46型3シリーズの平均価格と掲載台数の推移は?

すでにデビューからは20年以上、最終型でも15年以上が経過しているE46ですが、一時の底値の状態からジワジワと価格が上昇し始めており、2年前は40万円を切る勢いだった平均価格も2021年には一時60万円を超えるまでになっています。

BMW 3シリーズ ▲年式的に底値で推移してもおかしくないE46だが、ここにきてじわじわと平均価格が上昇してきている

一方、掲載台数は年々減少し続け、直近ではついに100台を割り込むという事態となっています。

これは年数が経過したことによって廃車となる車両が増えてきており、市場に流通する台数が減少し続けていること、そしてこのタイミングで市場に並ぶ物件は比較的状態が良いものが中心となったことが要因でしょう。

BMW 3シリーズ ▲延べ掲載台数は急激には落ちていないものの、ゆっくりだが確実に減少している

コンパクトなボディにFRレイアウトを採用し、直6エンジン搭載モデルやMTもラインナップするE46は、今となっては希少な存在となっています。

それゆえ今でも多くのファンが存在し、もはやE46型3シリーズは“安いから買う”のではなく、“欲しいから買う”というフェーズに突入していると言えそうです。

比較的買いやすい価格で状態の良い物件を探すのはラストチャンスに近いと言えるのではないでしょうか?

では、今からあえてE46型3シリーズを狙うなら、どんな物件がオススメなのでしょうか?

スポーツセダンなら3ペダル!
320iか330iのMT車

スポーツセダンであるならば、自らの意思でクラッチを踏み込みシフトチェンジをしたいと考える人も多いかもしれません。そんな声に応えるべく、3シリーズには長らくMTの設定が残されていました。

E46型3シリーズでは、最もベーシックな318iと、最もスポーティな330iに3ペダルMTが用意されており、318iが5速MT、330iが2003年4月の改良前が5速、改良後が6速MTとなっています。

BMW 3シリーズ ▲「駆けぬける歓び」をより享受できる3ペダルMTは、速さだけでない楽しみがある

ただ、このクラスでMTを選ぶのはやはり少数派なのか、現時点での物件数は7台とわずか。

うち4台が318i、3台が330iと掲載台数は拮抗していますが、価格は当然ながら330iの方が高額で総額150万~200万円といったところ。

一方の318iは、総額100万円以下で狙えるものもあり、ややお買い得感は高いと言えます。318iはパワー不足という声もありますが、鼻先の軽い4気筒エンジンを搭載していることもあってハンドリング性能は高く、BMWらしいハンドリングを楽しみたいなら330iよりも上という声もあるほどなのです。

ただでさえ希少なMTモデルゆえ、まだ現実的な価格で狙える今のうちにチェックすることをオススメします。

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BMW 3シリーズ(E46型) ×MT車×全国

今から狙うなら後期型&6気筒!
2002年式以降 × 排気量2.1L以上

登場から20年以上経過しているモデルゆえ、今からコンディションを重視して狙うのであれば、できるだけ高年式のものを選びたいもの。

となると、フェイスリフトも実施されてより近代的なルックスとなったマイナーチェンジ後のものをチョイスしたいところ。

また、シルキーシックスとも評される6気筒エンジンも捨てがたいということで、2002年式以降かつ、排気量2.1L以上という条件にすることでこの希望を満たす車両を見つけることができます。

この条件では今回32台がヒットし、100万円を超えるものは前述の条件のMT車が中心で、ほとんどの物件が車両価格100万円以下。320iであれば、5万km未満のものでもほとんどが総額100万円以内で見つけることができ満足度は高いでしょう。

BMW 3シリーズ ▲一気に近代的な雰囲気となった後期型はまだまだ低走行の物件も見つけることが可能

もともとスポーティなモデルということもあるのか、カスタマイズがなされた物件も少なく、ノーマル状態の物件が多いこともこれから長く愛用したいと考える人にとってはプラス要素となりそうです。

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BMW 3シリーズ(E46型) ×2002年式以降 × 排気量2.1L未満×全国

このようにすでに激安で購入できる輸入車というよりは、あの頃憧れたけれど手が届かなかったという世代が状態の良い物件を選んで大切に乗る、というフェーズに突入した感のあるE46型3シリーズ。

古き良きBMWの味が楽しめるモデルとして、気になっている方は早めにアクションすることをオススメします。

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文/小鮒康一 写真/BMW、日刊カーセンサー
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。