スズキ ジムニーシエラ ▲軽自動車のジムニーをベースにオーバーフェンダーを備えて普通車としたジムニーシエラ。実は海外で「ジムニー」といえばこちらのモデルを指すのだ

まだまだ納期がかかる新車、それなら中古はどうだ?

2018年に現行型が登場してから、「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー」でも例年、上位に入る人気となっているジムニーシエラ。

昨年の2020年では8位、今年2021年は、6位と、2年連続でベスト10にランクイン。見た目のかわいさからくる人気は健在です。
 

ジムニーシエラとは、軽自動車のジムニーをベースに排気量の大きなエンジンとオーバーフェンダーなどを装着することで普通車サイズとなったモデルです。これは、過去のジムニーにも設定されていたモデル。

ただ、以前のジムニーシエラは普通車登録であることの魅力が薄く、軽自動車のジムニーの方が圧倒的な人気となっていました。

しかし、新型となったジムニーシエラはバランスの良い1.5Lエンジンやどっしりとした安定感を感じさせるデザインが人気となり、軽自動車のジムニーに負けず劣らずの人気車種となったのです。
 

スズキ ジムニーシエラ ▲オーバーフェンダーを備えてトレッドが拡大したことで、どっしりとした安定感を感じさせるジムニーシエラ。前後バンパーも大型のものが備わる

そんな現行ジムニーシエラのラインナップはシンプルで、全車1.5LのNAエンジンとパートタイム4WDで、トランスミッションは5速MTが4速ATから選択可能。

グレードも上級グレードの「JC」と、ベーシックグレードの「JL」の2種類で、JLには先進安全装備の「スズキセーフティサポート」の有無が選択可能となっています(JCは標準装備)。
 

スズキ ジムニーシエラ ▲室内空間はジムニーと同一で、乗車定員も4名となる

このように、非常にシンプルな構成のジムニーシエラなのですが、大きな悩みがひとつ。それが“納期が非常にかかる”という点です。

グレードやトランスミッションなどの仕様によって状況は異なるものの、登場から3年が経過した現在でも注文から納車まで1年前後かかるといわれています。今後も半導体不足や新型コロナの影響でどうなるか不透明な状況です。

それだけに、実車がすでに存在している中古車は、最短10日ほどで納車されることも不可能ではないため、検討している人も多いのでは?
 

スズキ ジムニーシエラ

そして気になるお値段ですが、ジムニーシエラの中古車平均価格は、2019年1月から上昇の一途をたどっています。

2021年に入り、一度値下がりしていた時期もありますが、夏頃から再び上昇し始め、2021年11月の時点で、約280万円。新車時価格よりもかなり高額に。

納車待ちせずに手に入れることができるというメリットがあるとはいえ、どれだけ人気なのかが改めてよく分かります。

ということで、現時点での現行ジムニーシエラの中古車のオススメな選び方を、早速チェックしてみましょう!
 

▼検索条件

スズキ ジムニーシエラ(現行型) × 全国

待ちたくはないけどプレミア価格もイヤ!
車両本体価格250万円以下×走行距離3万km以下

納期が1年前後となっているジムニーシエラをすぐに乗りたい、と考える人は当然ながら多いようで、フルノーマルのほぼ新車のような物件は軒並み新車価格を上回る価格となってます。
 

スズキ ジムニーシエラ ▲圧倒的な走破性を誇るジムニーシエラですが、新型となりオンロード性能も向上したことで一般ユーザーの心もつかんだ

これは、遊園地のファストパスのようなもので、ある意味仕方ない部分なのかもしれませんが、できれば少しでも安く買いたいと考える人もいることでしょう。

また、いくら安く買いたいからといって、あまりにも多走行な物件では心もとないというのが本音です。

そこで、車両本体価格250万円以下、なおかつ走行距離3万km以下で狙いを定めることに。

すると、多くはJLがメインですが、中にはセーフティサポートが付いている物件なんかも見つかります。新車同様とは言い切ることができませんが、人気車種であることも考慮すると、これはかなりお買い得ではないでしょうか。

こまめにチェックする必要はありますが、思わぬ掘り出し物に巡り合えるかもしれません。
 

▼検索条件

スズキ ジムニーシエラ(現行型) ×車両本体価格250万円以下 ×走行距離3万km以下 × 全国

どうせ買うなら新車同等を!
走行距離5000km以下×リフトアップ

逆に、どうせ買うなら少々高くても新車にほど近い物件を狙いたい! という人には走行距離5000km未満で絞ってみるのはいかがでしょうか? こちらの条件では、7割がAT車、3割がMT車となっています。

オプション装備も備わらない素の状態の物件でも、新車価格に+50万円ほどの価格がプラスされているという、プレミア状態の物件もしばしば見受けられます。

しかし、購入後にカスタムをしようかと検討している方も多いハズ。であれば、思い切って、逆にリフトアップといった、定番のカスタマイズが施されている車両を探してみるのも悪くないのではないでしょうか。

車両本体価格が250万円前後という物件もあり、購入後に一から施すことを検討しているのであれば、こういったカスタマイズ済の物件は割高感が薄く、個人的にはオススメです。
 

スズキ ジムニーシエラ ▲角ばったボディデザインを生かして、メルセデス・ベンツ Gクラスなど輸入オフローダー風にするボディキットも人気

▼検索条件

スズキ ジムニーシエラ(現行型)× 走行距離5000km以下 × リフトアップ × 全国

新車登場から3年が経過してもなお、プレミア価格で取引されているジムニーシエラ。エクストラコストを払って即納車両を狙うかどうかは個人の判断に委ねられるところではありますが、カスタマイズ済物件は意外と割高感も少ないという気づきもありました。

そして、購入しようかどうか迷っているという人にとっては、ジムニーというキャラクターから考えても、今後価格が大暴落することも考えにくいので、思い切って購入してしまうというのもアリなのではないでしょうか。
 

▼検索条件

スズキ ジムニーシエラ(現行型) × 全国

※記事内の情報は2021年12月21日時点のものです。
 

文/小鮒康一、写真/スズキ
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。