【トヨタ アリストの中古車を買うなら?】オススメの選び方や相場、グレードなどまとめ
カテゴリー: 特選車
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2021/11/21
トヨタ アリストの中古車は今
1991年10月に誕生したアリストは、高級セダンでありながら高いパフォーマンスを持ち合わせたスポーティセダンだ。
初代から一貫して3L以上の大排気量エンジンのみをラインナップしており、ターボモデルでは当時の自主規制値いっぱいの280psを発生。国産最速スポーツセダンの名をほしいままにしていた。
エクステリアも同時期のトヨタのセダンの中では、群を抜いてスポーティな印象のものとなっている。
室内は高級セダンらしいしっかりとしたつくりで、リアシートの居住性も文句なし。新車当時は欧州の高級セダンとともに、ゴルフエクスプレスとして躍動する姿を見かけることも多かった1台だ。
日本国外では1993年よりレクサス GSとして販売されており、日本でも2005年よりレクサスブランドがスタートしたことで、アリストの名前は2代で終了している。
初代の流通量はわずか10台あまり。200万円を超える物件もある。
2代目は100台以上の流通量があり、比較的選びやすい状況。予算100万円以下でも選択肢を確保することができる。
ここからはアリストの特徴や中古車相場について、世代ごとに紹介する。
▼検索条件
トヨタ アリスト × 全国アリスト(初代)の特徴と中古車相場
■アリスト(初代) DATA
生産期間:1991年10月~1997年7月
中古車流通量:約10台
中古車価格帯:60万~290万円
全長:4865mm × 全幅:1795mm × 全高:1405~1420mm
■アリスト(初代)の特徴
1991年10月に登場した初代アリストは、クラウンマジェスタ(初代)と実質的な兄弟車という関係にあった。
とはいえ、ピラード4ドアハードトップのクラウンマジェスタに対し、アリストはプレスドアをもつ4ドアセダンであり、見た目から別のキャラクターを与えられていた。
デザインはイタリアのイタルデザインが担当している。
ハイパフォーマンスセダンとして生まれたアリストには、直列6気筒 3Lの2JZ-GE型エンジン(230ps)と、そのターボ版である2JZ-GTE型エンジン(280ps)がラインナップされていた。
この2JZ-GTE型エンジンは名機と名高いが、アリストとスープラにしか搭載されることがなかったエンジンである。
なお、組み合わされるミッションにはMTはなく、全車で4速ATが採用された。
ただし、ハイパフォーマンスモデルゆえに、MTに載せ替えがなされた物件も存在している。
足回りには、前後ダブルウィッシュボーン式サスペンションを装備する。
エアサスペンションのクラウンマジェスタに対し、アリストはコイルサスになるという点も、スポーティな走りを標榜したモデルらしい差異と言えるだろう。
当初は後輪駆動のみのラインナップであったが、1992年10月にはフルタイム4WDモデルを追加。
この4WDモデルには、同時期のセルシオにも搭載されていたV8 4Lの1UZ-FE型エンジン(260ps)が採用されている。
グレード体系はNAエンジンを搭載した「3.0 Q」系とターボエンジンと搭載した「3.0 V」系、そして4WDモデルの「4.0 Z i-Four」の3種類。
NAモデルには豪華装備版のLパッケージが、ターボモデルには装備を簡素化したSパッケージがある。
■アリスト(初代)の中古車相場
デビューから30年が経過し、今では旧車の領域に足を踏み入れている初代アリスト。そのため、掲載台数は10台ほどとかなり少なくなっている状況。
人気の中心はやはりターボモデルとなっており、低走行の物件では車両本体価格200万円台中盤から後半というプライスが付けられている。総額100万円を切る物件はほとんど見かけられない。
一方のNAモデルは比較的安価で、予算100万円以下で狙える物件も存在している。ただし、年式を考えるとこれ以上相場が下がる可能性は低いので、購入を考えているなら早めの行動が吉だろう。
▼検索条件
トヨタ アリスト(初代) × 全国アリスト(2代目)の特徴と中古車相場
■アリスト(2代目) DATA
生産期間:1997年8月~2004年11月
中古車流通量:約110台
中古車価格帯:20万~480万円
全長:4805mm × 全幅:1800mm × 全高:1435mm
■アリスト(2代目)の特徴
2代目のアリストは、1997年8月に登場。クラウンマジェスタの兄弟車であった先代とは異なり、新規プラットフォームが採用された。
ホイールベースを先代よりも延長しながらも、オーバーハングを削った短い全長(先代比-60mm)とすることで、よりスポーツセダンらしいルックスを実現している。
搭載されるエンジンは先代に引き続き2JZ型のターボのNAとなっているが、新たに連続可変バルブタイミング機構のVVT-iが採用され、最高出力は不変ながらトルクアップや燃費性能の向上が図られた。
先代に存在していたV8エンジン搭載の4WDモデルは廃止され、後輪駆動のみのラインナップとなっている。
組み合わされるミッションは先代と同じく4速ATのみだったが、2000年7月のマイナーチェンジでNAモデルのみ5速ATに換装された。
ちなみに、2代目にも先代と同じくMTを換装した物件が存在している。
グレード展開はNAモデルの「S300」系とターボモデルの「V300」系が基本。
バフ研磨仕上げのホイールや黒基調の内装をもった「ベルテックスエディション」や、本木目や本革の内装となるラグジュアリーな「ウォールナットパッケージ(「S300」のみ)」なども用意された。
また、「V300」をベースにTOM’Sが手がけた「TOM’Sバージョン」というコンプリートモデルも存在する。エンジンは専用チューンがなされて330psを発生。足回りやボディ補強もなされたマニア垂ぜんの1台で、中古車でもめったに流通することはない。
ちなみに、2JZ系のエンジンはアリストとスープラのみに搭載されていたが、2代目スープラが排出ガス規制の影響で2002年をもって終売したのに対し、アリストは対策を施して2004年11月まで生産が続けられた。
■アリスト(2代目)の中古車相場
初代モデルとは異なり、100台以上の物件が流通している2代目アリスト。
ターボとNAの比率は6:4といった状況で、わずかにNAモデルが多くなっているが、どちらもまだまだ選びやすい。
安価なものでは、車両価格10万円台~20万円台という物件も見つかるが、手ごろな価格のものはほとんどがNAモデル。ターボモデルを狙うのであれば、最低でも100万円ほどの予算は見ておきたい。
一方、車両価格200万円以上の高価格帯では、フルノーマルの低走行ターボモデルの他、MT換装済の物件も複数存在している。
MT載せ替えの作業は購入後に行うと高額となるため、換装済の物件はお買い得にも見えるが、しっかりとした作業が行われていないと後々のトラブルのもとにもなるので見極めが難しいところ。
車両の性格上、何らかのカスタマイズがなされた物件が多い2代目アリストではあるが、長く乗りたいと考えるのであれば、ノーマルに近い状態の物件をチョイスする方が後々の安心度は高いかもしれない。
また、名機と呼ばれる2JZ-GTE型エンジンは盗難のリスクも高いため、購入後はセキュリティ面を整えておくことをオススメする。
▼検索条件
トヨタ アリスト(2代目) × 全国※記事内の情報は2021年11月15日時点のものです。
自動車ライター
小鮒康一(フナタン)
スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。