ホンダ N-BOX+(初代)の中古車平均価格が2年間で15万円ダウン。過去最大の流通量となった今、オススメの選び方は?
2021/10/31
あの大人気N-BOXシリーズの隠れた良作!?
デビューするなり4年連続、そしてまたフルモデルチェンジ後も国内販売台数4年連続でトップを走る人気のホンダN-BOXシリーズ。その中で、中古車平均価格がここ2年で15万円もダウンしている注目のモデルがN-BOX+だ。
ここで「ん?N-BOX+なんてあったっけ?」と思われてもさもありなん。
N-BOX+は、初代N-BOXをベースに荷台の床を斜めにしているのが特徴の派生モデルだが、2012年から2017年まで生産されたこの1代限りで終了してしまっている。
じつは「プラス」の名前こそなくなったものの、現行の2代目 N-BOXには福祉車両「スロープ仕様」として吸収された形でひっそり、でもちゃんとその後継モデルが存在しているのだけれど。
ここでお気づきのとおり、福祉車両として介護にも使え、遊びにもばっちり使える、つまり誰もがどんなときでも快適に使えるユニバーサルデザインであるところがN-BOX+のすごいところだ。
最大の特徴である、リアハッチに向かって低くなるように傾斜した荷台の床は、開口部では地上から33cmとぐっと低くなり、チャイルドシート付き電動自転車のような重たいものでも積み込みやすい。
また、オプションのアルミ製のスロープを付ければゆるやかな地続きにすることも可能で、車いすでも、小型オートバイでも、耕運機でもウエルカムだ。
しかも、今なら平均中古車価格は75.3万円とお手頃! 下のグラフを見ていただきたい。
大人気シリーズゆえに、中古車でもなかなか価格が下がらないのがN-BOXシリーズ。だが、ことN-BOX+に関しては、少し違う。
2019年1月から順調に下落して、今年の初めには80万円切り。人気シリーズの中でも、なるべく低予算で手に入りやすいと言えるだろう。
だからといってモノが悪いわけではない。そこはやはりN-BOX、と言っていい。では一体、N-BOX+とはどんな車なのか? ここから説明していこう。
▼検索条件
ホンダ N-BOX+(初代) × 全国N-BOX+って、どんな車?
軽なのにミニバン並みの居住空間を実現したN-BOXに対し、荷室の広さと使い勝手に重きを置いたのがN-BOX+。ラゲージスペースの奥行きは630mmと、N-BOXの約1.5倍を誇る。
その分、後部座席は約20cm前に出ているが、大人が十分楽に座れるニースペースは確保されているし、もちろん室内高は140cmとN-BOX同等で子供が立って着替えることもできる。
N-BOX+の荷室には、3枚のボードが用意され、これらをパタパタと組み替えることで荷室を自在にアレンジすることを可能としている。
中でも特筆すべきは車内泊モードで、リアシートをダイブダウンし、「寝心地を追求した」という前席を後ろに倒してつくり出すフラット空間は、200×100cmの一般的なマットレスが敷けるサイズ。
身長190cmの人でも足を伸ばして横になることができる広さだ。
しかも、斜めにした荷台のおかげで、その下にもなお荷物を置けるスペースも確保される。また、荷室の壁面にもアクセサリーソケットが標準装備される点も、実際の車中泊でうれしいポイントだ。
それでは、ここからは具体的な用途を想定しながら、オススメの選び方をご紹介する。
ちょっとおしゃれに日常使いしたい!
Lパッケージ2トーンカラースタイル×車両本体価格80万円以下
普段の買い物や、ママ友とのランチ、子供の送迎、週末のお出かけなどなど、何かと車が必要なおしゃれなママ世代に朗報だ。
荷物を積みたいけど、大きな車は乗りたくない。でも他のママたちと車がかぶるのも嫌だ! なんてワガママに応えてくれるのが、Lパッケージ2トーンカラースタイル。
かわいい見た目なだけではなく、パワースライドドアなどを装備し、実用性もばっちりの優れもの。
毎日忙しいママたちの相棒として大活躍間違いなし。車両本体価格80万円以下でも狙えるため、お財布にも優しいかも?
▼検索条件
ホンダ N-BOX+(初代) × 車両本体価格80万円以下 ×Lパッケージ2トーンカラースタイル × 全国釣り師やソロキャンパー必見!
Gパッケージ ×車両本体価格100万円以下
やはり、ユニバーサルデザインの発想で世に送り出されただけあって、様々な用途での使用が可能。
前述したとおり、広い荷室とスペースの広さを誇るN-BOX+は、釣り師やソロキャンパーなど、大量の荷物を持ち運びつつ、車中泊もしたい人にはもってこいだ。
Gパッケージは、比較的バリエーションと流通量が豊富であり、低価格帯で狙えるのがポイント。安く手に入れて、そのあとは自分好みに車内をDIYしたいアウトドア好きの人にはうってつけではないだろうか。
そして何より、新車ですべて揃えるのは面倒だし出費がかかる……という人でも、中古車であれば、専用ベッドマットやカーテン付きなど、快適な車中泊が可能な物件も見つかるかも。
予算は車両本体価格100万円を見ておけば十分。ぜひチェックしてみてほしい。
▼検索条件
ホンダ N-BOX+(初代) × 車両本体価格100万円以下 ×Gパッケージ × 全国福祉車両は高いという常識を覆す!
車いす仕様×車両本体価格80万円以下
車いす用には、アルミスロープの他にリモコン付き電動ウインチや車いす固定ベルトなどがセットされた「車いす仕様車キット」も用意された。
新車購入時のオプション装着だけではなく、後から取り付けることも可能であることがウリだったが、現在「車いす仕様車キット」は在庫限りとなっており、装着車のタイプによってはパーツの欠品もあるとのこと。
コストを考えても、車いす仕様になったものを中古で探す方が現実的だろう。中古市場にN-BOX+の車いす仕様車は189台流通し、車両本体価格は100万円を切っているものがほとんど。
車両本体価格80万円以下で絞っても十分に狙えるので、気になる物件をチェックしてみてほしい。「福祉車両は高い!」という常識を覆すうれしい選択肢だ。
▼検索条件
ホンダ N-BOX+(初代) × 車いす仕様車 ×車両本体価格80万円以下 × 全国▼検索条件
ホンダ N-BOX+(初代) × 全国※記事内の情報は2021年10月28日時点のものです。
ライター
竹井あきら
自動車専門誌『NAVI』編集記者を経て独立。雑誌や広告などの編集・執筆・企画を手がける。プジョー 306カブリオレを手放してから次期愛車を物色しつつ、近年は1馬力(乗馬)に夢中。