ホンダ シビックセダン ▲ホンダの基幹車種として1972年に登場したシビックは、今や世界中で販売される人気車種となっている
 

ホンダ シビックセダンの中古車は今

1972年7月に登場したシビックは、現在まで販売が続く長い歴史をもつモデルである。

当初は、2ドアファストバックのみのボディタイプでリリースされたが、直後には3ドアハッチバックが、そして翌年73年にはセダンが追加された。

今回はそんなシビックの中でも、4ドアセダンモデルに絞って紹介する。

初代モデルの途中から追加された4ドアセダンボディは各世代に設定されてきたが、2021年9月にリリースされたばかりの新型モデルは、5ドアハッチバックのみが国内販売されており、シビックのセダンは中古車でしか入手できない状況だ。

なお、5代目から7代目のシビックに設定されていた4ドアセダンについては、シビックフェリオという車名で販売されていた。

ここではそのシビックフェリオを含め、中古車として流通している4代目以降のモデルの特徴や中古車相場について紹介する。
 

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シビックセダン(4代目・EF型)の特徴と中古車相場

■シビックセダン(4代目・EF型) DATA
生産期間:1987年9月~1991年8月
中古車流通量:約5台
中古車価格帯:―
全長:4230mm × 全幅:1690mm × 全高:1360~1380mm

ホンダ シビックセダン ▲当時の流行だった角ばったボディをもつ4代目シビックセダン。今見ると斬新なデザインだ

■シビックセダン(4代目・EF型)の特徴
EF型と呼ばれるこの世代は、当時の流行だった角ばったデザインが特徴的だ。

この世代からシビックは四輪ダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用し、ライバル車よりもスポーティなイメージが強かった。

しかし、セダンというキャラクターもあってかこちらはそこまで過激なものではなく、マイナーチェンジ時にハッチバックモデルに追加されたVTECエンジン仕様も用意されていない。
 

ホンダ シビックセダン ▲シビックセダン(4代目)のインテリア

■シビックセダン(4代目・EF型)の中古車相場
最も新しいものでも1991年式と30年が経過したモデルということや、ハッチバックよりも実用的なセダンということもあって、執筆時点での掲載台数はわずか5台以下。

流通している物件は、スタンス系といわれるカスタマイズが施されており、価格も200万円に迫るものということで一般的にはオススメしにくいもの。

そもそもすでに旧車と呼べる年式となっているため、車両の状態やカスタマイズの内容で価格が大きく変化し、相場らしい相場はないというのが現状となっている。
 

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シビックフェリオ(初代・EG型)の特徴と中古車相場

■シビックフェリオ(初代・EG型) DATA
生産期間:1991年9月~1995年8月
中古車流通量:約10台
中古車価格帯:40万~470万円
全長:4395mm × 全幅:1695mm × 全高:1375~1395mm
 

ホンダ シビックフェリオ ▲安全面の拡充が図られたシビックフェリオ(初代)

■シビックフェリオ(初代・EG型)の特徴
5代目シビックの4ドアモデルは、新たに「フェリオ」のサブネームが与えられた。

基本コンセプトは従来型と同じく、シビックの4ドアセダン版といった立ち位置だったが、この世代ではハッチバックモデルにはなかった4WDモデルがラインナップされている。

また、先代ではハッチバックのみに設定されていたDOHC VTECエンジンを搭載したスポーツグレードの「SiR」が設定された。フェリオの中ではこのグレードのみがリアシートもバケットシート形状となっていて、乗車定員が4名である(その他のグレードはすべて5名)。

搭載されるエンジンはハッチバックと共通で、1.3L、1.5L、1.6Lの排気量が用意され、グレードによって仕様に差異が与えられていたのも同様である。
 

ホンダ シビックフェリオ ▲シビックフェリオ(初代)のインテリア

■シビックフェリオ(初代・EG型)の中古車相場
すでにデビューから30年が経過しクラシックカーの領域に突入しているだけに、新車価格を上回る200万円超の物件もある。

全日本ツーリングカー選手権に参戦していたモデルということもあり、レーシーなカスタマイズがなされた「SiR」が大半を占める。予算の目安は170万円~というところだ。

数は少ないが、1.5Lエンジンを搭載した量販グレードも流通しており、こちらは総額100万円を切るものも存在している。
 

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シビックフェリオ(2代目・EK型)の特徴と中古車相場

■シビックフェリオ(2代目・EK型) DATA
生産期間:1995年9月~2000年8月
中古車流通量:約20台
中古車価格帯:40万~230万円
全長:4450mm × 全幅:1695mm × 全高:1390~1405mm
 

ホンダ シビックフェリオ ▲ボディサイズの拡大で室内の快適性が向上したシビックフェリオ(2代目)

■シビックフェリオ(2代目)の特徴
1995年9月に登場した2代目シビックフェリオ(シビックとしては6代目)は、5ナンバーサイズをキープしながらも先代よりもボディが大型化された。

メカニズム的には先代モデルと同じくパワートレインなどはハッチバックモデルと共通で、フェリオにのみ4WDモデルが用意されるのも先代同様。

ただ、DOHC VTECエンジンを搭載するスポーツグレードの「Si」および「Si II」も、他のグレードと同じく5名乗車に改められた。

98年9月のマイナーチェンジのタイミングで、1.5L SOHC VTECエンジンを搭載した「Vi」に「Si」同等のエクステリアと足回りを移植した、「Vi-RS」という新たなスポーツグレードが追加されている。
 

ホンダ シビックフェリオ ▲シビックフェリオ(2代目)のインテリア

■シビックフェリオ(2代目・EK型)の中古車相場
実用セダンとして多くの台数が販売された2代目シビックフェリオだが、現在は20台ほどしか流通していない。

中でもスポーツグレードの「Si」系は、5台前後とかなり選択肢は限られる。

元々の販売台数が少ないこともあり、走行距離10万km以上の物件でも200万円前後の価格となっている。

一方、比較的安価なのは、実用車として使われてきた1.5Lモデル。こちらは50万円以下のものも存在している。

ただ、アメリカでも人気だったということで、USカスタムを施されたものも多く、そちらは1.5Lモデルでも総額100万円以上の価格となっているようだ。
 

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シビックフェリオ(3代目・ES型)の特徴と中古車相場

■シビックフェリオ(3代目・ES型) DATA
生産期間:2000年9月~2005年8月
中古車流通量:約10台
中古車価格帯:30万~100万円
全長:4435mm × 全幅:1695mm × 全高:1440~1460mm
 

ホンダ シビックフェリオ ▲プラットフォームはハッチバックと共通だが、セダン然としたスタイリングとなったシビックフェリオ(3代目)

■シビックフェリオ(3代目・ES型)の特徴
3代目となるシビックフェリオは、2000年9月ハッチバックモデルとともに登場。

先代までは、ハッチバックのリアセクションをセダンにしたという感じのルックスだったが、この世代では正統派セダンの形状となっており、明らかに異なる見た目となっている。

後に追加される3ドアボディの「タイプR」を除き、先代のようなホットモデルは存在していない。

2003年9月までの前期型には、「RS」というスポーティグレードがあったが、搭載されるエンジンは130psを発生する1.7LのSOHC VTECであり、先代の「Si」系と比べると物足りないものだった。

また、ベーシックなグレードに設定されていた1.3L仕様も廃止され、ラインナップは1.5Lと1.7Lのみとなっている。
 

ホンダ シビックフェリオ ▲シビックフェリオ(3代目)のインテリア

■シビックフェリオ(3代目・ES型)の中古車相場
先代のようなホットモデルも存在しないこともあり、掲載台数は10台程度とかなり少ない。

ただ、それだけにほとんどの物件が、総額100万円以内で購入することができる。

前期型のみに設定されていた「RS」の5速MT仕様は5台弱で、1.5Lモデルについてもほとんどが5速MTとなっている。
 

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シビックハイブリッド(初代・ES型)の特徴と中古車相場

■シビックハイブリッド(初代・ES型) DATA
生産期間:2001年12月~2005年8月
中古車流通量:0台
中古車価格帯:―
全長:4455~4470mm × 全幅:1695mm × 全高:1430mm
 

ホンダ シビックハイブリッド ▲当時、5人乗り量産ガソリン車としては世界最高の燃費をマークした初代シビックハイブリッド

■シビックハイブリッド(初代・ES型)の特徴
3台目のシビックフェリオをベースとした派生車種として、2001年12月に登場したシビックハイブリッド。

当時のインサイト(初代)に搭載されていた「Honda IMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)システム」をベースに、より高効率化した「新Honda IMAシステム」を搭載。

エンジンもインサイトよりも大きな直列4気筒1.3Lエンジンを組み合わせたパワートレインで、当時、29.5km/L(カタログ値)の5人乗り量産ガソリン車世界最高燃費を実現した。

基本的なルックスはシビックフェリオ(3代目)と共通だが、各部に空力性能向上のための専用エアロパーツを採用し、空気抵抗を抑えるために車高を10mmダウン。

専用デザインのアルミホイールを装着するなど、細かな意匠変更がなされている。
 

ホンダ シビックフェリオ ▲シビックハイブリッド(初代)のインテリア

■シビックハイブリッド(初代・ES型)の中古車相場

残念ながら、執筆時点では中古車の流通がない。

ガソリン車の量販グレードよりも50万円以上高い価格も影響し、そもそもの販売台数が少なかったことと、デビューからすでに20年が経過していることも相まって“超レア車”となっている模様。

初代シビックハイブリッドを狙うのであれば、根気強く探し続けることはもちろん、購入後にはハイブリッドの駆動用バッテリーのメンテナンスなども考慮しなければならない時期と言えそうだ。
 

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シビックセダン(8代目・FD型)の特徴と中古車相場

■シビックセダン(8代目・FD型)DATA
生産期間:2005年9月~2010年8月
中古車流通量:約30台
中古車価格帯:20万円~140万円
全長:4540mm × 全幅:1750~1755mm × 全高:1440mm
 

ホンダ シビックセダン ▲セダンのみのラインナップとなった8代目シビックはタイプRを前提とした開発が行われ、高剛性ボディを誇る

■シビックセダン(8代目)の特徴
「シビックフェリオ」が3世代存在したことで、実質的には8代目となったFD型シビックセダン。

ボディサイズを拡大し、3ナンバーボディとなったのが特徴だ。これにより搭載されるエンジンも排気量がアップ。

当初は1.8Lと5速ATもしくは5速MTの組み合わせだったが、2006年4月には2Lモデルが追加されている(こちらは5速ATのみ)。
 

ホンダ シビックセダン ▲シビックセダン(8代目)のインテリア

■シビックセダン(8代目・FD型)の中古車相場
セダン不遇の時代に登場したモデルということもあり、掲載台数は25台ほどと少なめ。

車両本体価格20万~30万円台の比較的安価な物件も見つけることができるが、同じボディをもつスポーツモデル、シビックタイプRの価格上昇の影響を受けてか、1.8Lの5速MT車は価格が上がってきているようだ。

低走行のMT車では総額100万円近い価格となっている物件もあり、MT車全般の価格が上昇中であることを考えると今後さらなる上昇の可能性も高い。

そのため、この世代のMT車を狙っている人は、選択肢がある今のうちに行動した方が良さそうだ。
 

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シビックハイブリッド(2代目・FD型)の特徴と中古車相場

■シビックハイブリッド(2代目・FD型) DATA
生産期間:2005年9月~2010年12月
中古車流通量:約40台
中古車価格帯:20万~70万円
全長:4540mm × 全幅:1750~1755mm × 全高:1435mm
 

ホンダ シビックハイブリッド ▲2代目となったシビックハイブリッドはグレードも増え、選択肢が広がった

■シビックハイブリッド(2代目・FD型)の特徴
8代目シビックの登場と同時に発表された2代目シビックハイブリッド。

先代モデルと同じく1.3Lエンジン+モーターという組み合わせだが、エンジンは3ステージi-VTECへと進化。ハイブリッドシステムも、モーターのみでの走行も可能となっている。

さらに大きくなったボディに合わせて、システム出力も約20%アップ。一方で、燃費性能も先代を上回る31.0km/L(カタログ値)を実現している。

モノグレードだった先代に対し、「MXB」と「MX」という2グレードを設定。さらに、2006年9月には最上級グレードとなる「MXST」を設定し、幅広いユーザーのニーズに応えた。
 

ホンダ シビックセダン ▲シビックハイブリッド(2代目)のインテリア

■シビックハイブリッド(2代目・FD型)の中古車相場
新車時には220万~285万円ほどの価格だったが、中古車の平均価格は約30万円と圧倒的な安価となっている。

セダンの人気が高くないという点もあるが、ハイブリッド車はバッテリーが劣化すると大きな出費を覚悟しなければならないという点も影響しているのだろう。

そのため、まずはバッテリー交換が済んでいる物件を狙うのがオススメだ。

バッテリーはこれから先もずっと新品部品が供給されるとは限らないし、プリウスのように圧倒的な販売台数を誇ったモデルでもないため、リビルド品含め部品の供給状態は購入前に確認しておきたい。
 

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シビックセダン(10代目・FC型)の特徴と中古車相場

■シビックセダン(10代目・FC型) DATA
生産期間:2017年9月~2020年8月
中古車流通量:約60台
中古車価格帯:160万~290万円
全長:4650mm × 全幅:1800mm × 全高:1415mm
 

ホンダ シビックセダン ▲日本国内ではしばらくの休止期間を経て復活した10代目シビック

■シビックセダン(10代目・FC型)の特徴
8代目シビックが2010年に終売した後に登場した9代目モデルは日本では販売されなかった。その空白期間を経て、2017年9月から日本国内で販売されたのが10代目・FC型だ。

セダンモデルは1.5LターボエンジンにCVTを組み合わせるモノグレードの展開となっていたが、先進安全装備「Honda SENSING」やノイズリデューシングアルミホイールなど上級グレードに匹敵する装備が標準となっている(Honda SENSINGはレスオプションも設定)。

2020年1月にはマイナーチェンジを実施し、エクステリアのデザインの小変更やコンビシートの採用などのアップデート、そしてHonda SENSINGの機能強化が図られた。

だが、およそ半年後の8月にはセダンの販売が終了し、後期型はわずかの期間のみの販売となった。
 

ホンダ シビックセダン ▲シビックセダン(10代目)のインテリア

■シビックセダン(10代目・FC型)の中古車相場

販売終了から1年程度ということもあり、70台ほどが流通している。歴代シビックセダンの中では最も選択肢を確保しやすいモデルだ。

最安値帯は総額180万~200万円。このゾーンでもおおむね走行距離は5万km以下となっていて、Honda SENSING付きの物件も選ぶことができる。

流通台数の多いボリュームゾーンは総額200万~250万円。執筆時点ではディーラーの試乗車や展示車あがりの物件や、登録済未使用車も存在している。

新車販売が終了して1年以上たっているため、これらの物件が増えることは考えにくい。新車に近い状態の物件を探している人は、今がラストチャンスと言えそうだ。
 

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※記事内の情報は2021年10月25日時点のものです。
 

文/小鮒康一 写真/ホンダ
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。