日産 ノート▲e-POWERが初めて搭載された日産 ノート。当時はまだあまり知られていなかった、電気自動車のようなワンペダルの走りと、充電ではなくガソリン車同様に給油すれば走れるという手軽さが魅力だ

新型登場の影響か? 一気に値落ちが始まっている

エンジンで発電してモーターで走る「e-POWER」という斬新な発想で、ヒットを記録した日産のコンパクトカーの2代目ノート。

2020年12月に3代目・現行型へとフルモデルチェンジしたが、それを受けてか2代目の中古車価格がここに来て一気に平均価格を下げている。

フルモデルチェンジ直後の今年前半はゆるやかな下落だったのだが、今年5月をピークに下落が急加速しているのだ。

2代目ノートを狙っていた人にとって、チャンスが訪れたと言って良いだろう。

以下、値下がりの要因を考察しつつ詳細を見てみよう。

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ついに平均価格が100万円を切り、お手頃感が増してきた

3代目へとフルモデルチェンジした直後の2021年1月時点で、2代目ノートの中古車平均価格は107.7万円。その後上げ下げはあるものの、5月は107.6万円と1月とほぼ同じ値となった。

なかなか値崩れしないというのは、それだけ2代目ノートが人気だという証しといえるだろう。

ところが6月に入ると状況は一転、一気に100.7万円まで下げ、翌8月には100万円を切り97.9万円にまで落ちている。

日産 ノートのグラフ▲なかなか下がらなかった2代目ノートの平均価格だが、ここ数ヵ月で値落ちが進み、とうとう100万円を切ってきた

考えられる要因としては、低年式車や多走行車が増えたことがまずひとつ。

初期型は2012年の登場から9年ほど経ち、走行距離が10万kmを超える物件も増え、本体価格50万円以下の物件もかなり増えている。

そしてもうひとつ大きな要因が、昨年12月に登場した3代目ノートおよび今年6月に登場したノートの派生車ノート オーラが登場したことだろう。

特に現行型ノートは、原稿執筆時点で200台以上の中古車が出回るようになり、2代目ノートの中古車に値下げ圧力が生じてきたと考えられそうだ。

ユーザーからすればe-POWERで走る車の選択肢に現行型の新車と中古車、さらにノートオーラが加わったことになる。

こうした新たな選択肢に対して、年式の古い2代目ノートの値落ちが進むのは当たり前というべきか。

ともあれ、平均価格が100万円を切ってきた2代目ノートは、今こそ狙い目だ!

e-POWER搭載で一気にコンパクトカーのナンバー1に

それでは改めて2代目ノートについて振り返ってみよう。

当時のトヨタ ヴィッツやトヨタ アクア、ホンダ フィットなどをライバルとして、2012年9月に登場した2代目ノート。当初は1.2LのガソリンエンジンにCVTの組み合わせで登場した。

ガソリン車としては当時クラストップとなるJC08モード燃費25.2km/Lだったが、ハイブリッド専用のアクアやハイブリッドモデルのあるフィットはその数値を上回る。

ちなみに、登場翌年度に当たる2013年度の新車販売台数ランキングではアクアが1位、フィットが3位、ノートが4位となった。

衝突被害軽減ブレーキは一部グレードにオプションで用意されていたが、2015年7月に全車に標準装備されている。

日産 ノート▲ガソリン車の1.2Lエンジンは、自然吸気エンジンと直噴+スーパーチャージャーを備えたエンジンの2種類がある。ガソリン車としてはクラストップとうたわれたJC08モード燃費25.2km/Lは後者のエンジン搭載車
日産 ノート▲ラゲージ容量は330Lで、ライバルのフィット(363L)には及ばないものの、トップクラス。2014年10月のマイナーチェンジで全車にターンランプ付きドアミラーが標準装備された

転機が訪れたのは、やはりe-POWER搭載モデルが追加された2016年11月。ガソリンエンジンは発電に徹し、モーターのみで走るe-POWERは「新しい乗りもの感」があった。

この魅力によって、翌2017年1月~12月の暦年国内販売台数でライバルたちを抜き、コンパクトセグメントのナンバー1を獲得。以降、毎年のようにナンバー1に輝いた。

e-POWERはガソリン車の1.2Lエンジンを発電用としてそのまま使い、最高出力109ps/最大トルク254N・mのモーターで走る。加速感を左右するトルク数値は2Lターボ並みだ。

JC08モード燃費は34.0km/L~37.2km/Lで、当時のアクア(37.0km/L)やフィット(36.4km/L)と同等と、財布にも優しい。

日産 ノート▲e-POWER車にはエンジンが発電中か待機しているかがわかる専用メーターが備わる。また、e-POWER登場時に自車を俯瞰で見られるアラウンドビューモニターが用意され、全車フラットボトムタイムのステアリングとなった
日産 ノート▲もともと上級セダンのティーダのユーザー層も取り込むため、上質感のあるインテリアが備えられたノートゆえ、質感は高い。最上級グレードの「メダリスト」には合皮シートが用意されていた

2017年には先行車の速度に応じて加減速するアダプティブクルーズコントロール(インテリジェントクルーズコントロール)や、車線を逸脱するとステアリングを操作して車線内に戻す機能(インテリジェントLI)が用意された。

2018年7月には後輪にもモーターを備えたe-POWERの4WD車が追加された。2020年12月に現行型にフルモデルチェンジした。

日産 ノート▲2016年12月には専用サスペンションや専用チューニングコンピューターが搭載されたスポーツモデルのe-POWERニスモが、2018年9月にはさらに高性能モデルのe-POWERニスモSも追加された

e-POWER未体験ならe-POWER Xが手頃で選びやすい

クラスナンバー1の売上台数を誇ったコンパクトカーだけあり、中古車台数は原稿執筆時点で6000台以上もあって十分すぎるほど選択肢は広い。

やはりオススメは、2代目ノートの象徴ともいえるe-POWER搭載モデルだろう。その中でもe-POWER Xは1800台以上あり、比較検討しやすくてオススメだ。

このグレードには、オートエアコンや衝突被害軽減ブレーキ、スマートエントリーキーなど、普段使いをするうえで必要十分な装備が備わる。

2016、2017年式を中心に、走行距離5万km前後のものでも支払総額100万円以下で十分見つかり、比較的手頃にe-POWERの乗り味を手にすることができるのも魅力だ。

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文/ぴえいる、写真/日産

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。