日産ステージア▲たっぷり荷物が詰めるLクラスワゴンのステージア。初代はスポーティさを強調したモデル、2代目はプレミアム感を高めたモデルに

日産 ステージアの中古車は今

ワゴンブームが最高潮となっていた1996年に登場したステージアは、日本車では数少ないLクラスのステーションワゴンだ。

たっぷり荷物を積めるよう、ルーフがボディ後端まで延ばされたシェイプになっているのが特徴で、フロント、リアともにゆったり座れるスペースも確保されている。

初代はFRベースという駆動方式を生かしたスポーティな仕様。R33スカイラインGT-Rと同じエンジン、ドライブトレーン、リアサスペンションを採用した「260RS」も用意された。

2代目はプレステージワゴンらしい高級感あるイメージに変貌。インテリアも上質な雰囲気が高められている。

初代は30台弱流通していて、価格帯は本体価格で40万~670万円。「260RS」がコレクターズアイテムとなっており高値圏を作り出している。

2代目は90台弱流通していて、価格帯は本体価格20万~200万円と手ごろな価格で購入できる物件も多い。


ここからはステージアの特徴や中古車相場について紹介する。
 

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ステージア(初代)の特徴と中古車相場

■ステージア(初代) DATA
生産期間:1996年9月~2001年9月
中古車流通量:約30台
中古車価格帯:40万~670万円
 

日産ステージア ▲スポーティさを全面に打ち出した初代ステージア

■ステージア(初代)の特徴
1990年代、レジャーブームとともに湧き起こったステーションワゴンブーム。1989年に登場した初代レガシィツーリングワゴンが爆発的なヒットモデルとなり、他のメーカーも相次いでライトバンベースではないワゴンモデルを市場に投入した。

1996年9月に登場した日産 ステージアもそのうちのひとつで、レガシィツーリングワゴンよりも一回り大きい、欧州のLクラスワゴンに匹敵するサイズ感となっている。

この時代はデザインを優先してバックドアを傾斜させてクーペのようなルックスにしたモデルもあったが、ステージアはルーフをボディ後端まで伸ばした箱型デザインを採用。荷室スペースの確保を最優先にしたのが見て取れる。
 

日産ステージア ▲直線的なボディラインが特徴的

ステージアはR33型スカイラインと同じプラットフォームを使用して開発され、駆動方式はFRおよびFRベースの4WD“シンクロモード付きアテーサE-TS”になる。

リアには専用のマルチリンクサスペンションを搭載。スポーツカーに匹敵する走りと乗り心地のよさを実現した。

搭載エンジンは2.5L直6ターボと、2.5L直6、2L直6の2種類。
 

日産ステージア ▲重厚感のある内装

2代目にフルモデルチェンジするまで、いくつかの変更やマイナーチェンジが行われた。主なものは下記のとおり。

【1997年8月 一部改良】
・2.5Lと2LのNAエンジンを新世代エンジンに変更

【1997年10月 特別仕様車】
・オーテックジャパンが手がけた特別仕様車「オーテックバージョン260RS」を発売

これはR33型スカイラインGT-Rと同じエンジン、ドライブトレーン、リアサスペンションを採用したスペシャルモデルである。

【1998年8月 マイナーチェンジ】
・グリルやバンパーのデザイン変更
・2.5Lターボを新世代のエンジンに変更。最高出力が280psに
・4WD車に5速MTを設定
・FR車にターボモデルを設定
 

日産ステージア ▲エクステリアの変更が行われた後期型

■ステージア(初代)の中古車相場
初代ステージアは、FRでターボ+5速MTが設定されている特殊性から、ステーションワゴンでありながらスポーツ走行を楽しむ人たちから、今なお高い人気を誇っている。

そのため、4WDを含めて2.5Lターボの5速MT車は本体価格100万~270万円と高めの相場になっている。全体流通量の半分、約15台がMT車である。

オーテックジャパンが手がけた「オーテックバージョン260RS」の流通台数は5代以下と少なく、価格帯は590万~670万円と完全なコレクターズアイテムに。

ただ、このモデルは希少性がかなり高いので、今後は流通がなくなってしまう可能性もある。絶対に欲しいという人はこの価格でも手に入れる決断をするしかない。

ターボならではの走りというよりも、Lクラスワゴンらしい使い勝手が欲しくて探している人はNAモデルに注目しよう。

2.5L NAエンジン搭載車の価格帯は車両本体で40万~100万円。同年代の他のワゴンに比べるとやや高めだが、このサイズ感の車は代わりがないので、欲しい人はぜひ前向きに検討してみてほしい。
 

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ステージア(2代目)の特徴と中古車相場

■ステージア(2代目) DATA
生産期間:2001年10月~2007年6月
中古車流通量:約90台
中古車価格帯:20万~200万円
 

日産ステージア ▲スポーティな雰囲気だった初代から一転、プレミアム感あふれるデザインに変わった2代目ステージア

■ステージア(2代目)の特徴
2代目ステージアは、V35型スカイラインセダンのプラットフォームを用いて開発された。

V35は海外ではプレミアムモデルという位置付けで販売されていたこともあり、2代目ステージアも高級感あふれる雰囲気になっている。

足回りは四輪ともマルチリンク式サスペンションを採用。フロントがR35スカイラインセダンと同じものを採用し、リアはワゴン専用に開発したものを使っている。
 

日産ステージア ▲V35型スカイラインセダンにも採用されたFMパッケージは、走行中に車体が浮き上がらないゼロリフトを達成。ホイールベースも長めに設定されたため、安定感のある走りを実現

4WDシステムは、滑りやすい路面でも発進しやすいスノーシンクロモード付きアテーサE-TSを搭載した。

搭載エンジンは2.5Lと3LのV6、そして最高出力280psを発生する2.5Lターボも用意された。2.5Lターボ搭載車は4WDのみの設定になる。

また、ターボ車には四輪操舵システムであるHICASを搭載したグレードも設定された。
 

日産ステージア ▲モダンなイメージにデザインされたインテリア。スイッチ類は機能的に配置されている。300RXにはBOSEサウンドシステムが標準装備された

グレード構成は下記のとおり。

【2.5L NA】
「250RS」、「250RS V」、「250RX」

【3L NA】
「300RX」

【2.5Lターボ】
「250t RS FOUR V」、「250t RS FOUR V HICAS」、「250t RX FOUR」、「AR-X FOUR」

「AR-X FOUR」は、オーバーフェンダーを装着したうえで車高を40mm高くしたワゴンベースのSUVでなる。

2007年6月の生産終了までに、変更やマイナーチェンジが何度か行われている。主なものは下記のとおり。

【2002年1月 グレード追加】
・オーテックジャパンが手がけた「アクシス」を発売

エクステリアではメッシュグリルなどで標準モデルと差別化。インテリアも大人っぽい雰囲気にまとめたモデル。

搭載エンジンは2.5Lと3LのNAの2種類。

【2003年6月 グレード追加】
・オーテックジャパンが手がけた「アクシス350S」を発売

最高出力280psを発生する3.5L V6エンジンに、6速MTを組み合わせたモデル。

【2004年8月 マイナーチェンジ】
 

日産ステージア ▲マイナーチェンジでレギュラーモデルにも搭載された3.5L V6エンジン

・エクステリアをスポーティな雰囲気に変更
・アテーサE-TSの制御変更
・3L NAと2.5Lターボを廃止し、3.5L V6エンジンを採用

【2005年11月 一部改良】
・プラズマクラスターフルオートエアコンを標準装備
・運転席パワーシートを標準装備
・ヘッドライトのオートレベライザーを標準装備
 

■ステージア(2代目)の中古車相場
2代目ステージアは、初代に比べると流通量が多く価格も高騰していないため買いやすい相場になっている。

2.5Lターボ搭載車は25台ほど流通していて、価格帯は車両本体で30万~110万円。

100万円前後の高価格帯には、まだ走行距離が5万km前後のものが残っている。50万円以下の低価格帯は、走行距離10万km前後のものが多い。

オーテックジャパンが手がけた3.5L V6を搭載する「アクシス」系は5台ほどしか流通していない。価格帯は車両本体で60万~200万円だった。

チューニングモデルの価格は高くなっているが、ノーマル車なら総額100万円で見つけることも可能だ。

レジャーでワゴンを利用するつもりなら、2.5L NAモデルでも十分。2.5L NAモデルは50台ほど流通していて、価格帯は車両本体で20万~80万円。走行距離が5万km前後のものも見つかるので、欲しい人は早めに探してみよう。

初代ほどではないが、2代目ステージアにもスポーツ走行のためにMTに換装したものや、ハードなチューニングが施されたものもある。レジャー目的でステージアを探す場合は、チューニングモデルは避けるのが無難だろう。
 

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※記事内の情報は2021年9月1日時点のものです。
 

文/高橋満 写真/日産

高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL