三菱ギャランフォルティス▲セダンとハッチバックという2種類のボディタイプを有する三菱 ギャランフォルティス

三菱 ギャランフォルティス/ギャランフォルティススポーツバックの中古車は今

3ナンバーサイズのスポーティセダンである三菱 ギャランフォルティス。2007年から2015年まで生産された1世代限りのモデルであり、現在では中古車でしか手に入れることができない。

2008年には派生モデルとして、5ドアハッチバックモデルのギャランフォルティススポーツバックが登場した。

ギャランフォルティスは2009年のマイナーチェンジを境に、前期型と後期型に分けることができる。前期型には2Lエンジン、後期型には1.8Lエンジンを搭載している。

ベースグレードの「エクシード」に加え、ラグジュアリーグレードの「スーパーエクシード」とスポティグレードの「スポーツ」を用意。「スポーツ」には5速MTも設定された。

2008年には、三菱のモータースポーツ部門であるラリーアートがチューンしたスペシャルグレードである「ラリーアート」も追加された。「ラリーアート」には2Lターボと、2ペダルMTのツインクラッチSSTが搭載される。

現在の中古車流通量はギャランフォルティスが約90台、ギャランフォルティススポーツバックは30台ほど。

人気のラリーアートは、低価格帯でも今ならまずまずの条件の物件を見つけることができる。


ここからはギャランフォルティスとギャランフォルティススポーツバックの特徴や中古車相場について紹介する。
 

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ギャランフォルティス(初代)の特徴と中古車相場

■ギャランフォルティス(初代) DATA
生産期間:2007年8月~2015年3月
中古車流通量:約90台
中古車価格帯:30万~250万円
全長:4570mm × 全幅:1760mm × 全高:1490mm
 

三菱ギャランフォルティス ▲デビュー時は2Lエンジンを搭載。4WDは三菱のSUVと同じものが採用された

■ギャランフォルティス(初代)の特徴
三菱の代表的なスポーツセダンだったギャラン。その後継モデルとして登場したのがギャランフォルティスだ。

海外ではランサーなどの名前で販売されたグローバルモデルである。
 

三菱ギャランフォルティス ▲大径タイヤで背の高さを感じさせないデザインになっている

ボディサイズは全長を一般的なミドルサイズセダンよりも短めに設定し、最小回転半径を5mに抑えている。また、全幅は広め、全高は高めに設定して居住性を確保した。

一般的に全高が高くなるとずんぐりしたシルエットになってしまうが、スポーツグレードに18インチタイヤ、ラグジュアリーグレードに16インチという大径タイヤを履かせることで見た目の良さを実現している。
 

三菱ギャランフォルティス ▲広がり感のあるインパネで広さを演出。随所にシルバーアクセントを施し高級感も高められた

インテリアは、“走りの機能と心地いい室内空間の両立”をテーマにデザインされた。

インパネはアーチ上のラインで広さを演出。メーターやエアコン、ステアリングホイールなどにシルバー調アクセントが施されたことで、実用性を確保しつつ上質感やスポーティさが表現されている。
 

三菱ギャランフォルティス ▲前後ともサポート性の高いシートが用いられている

前席のシートはサイドサポートを大きくした立体的な造形になっている。一方の後席は、座面と背もたれを大きくして座ったときに包まれ感を感じられるものが採用された。

グレード構成は下記のとおり。

・「エクシード」:標準グレード
・「スーパーエクシード」:ラグジュアリーグレード
・「スポーツ」:専用サスペンションを搭載したスポーティグレード

「スーパーエクシード」と「スポーツ」にはナビパッケージも存在する。

搭載エンジンは2L 直列4気筒 DOHCで、可変バルブタイミング機構を採用。最高出力は113kW(154ps)、最大トルクは198N・m(20.2kg-m)で、燃料はレギュラーガソリンになる。
 

三菱ギャランフォルティス ▲スポーティグレードの「スポーツ」は5速MTとパドルシフト付きのCVTが選べる

トランスミッションはINVECS-III 6速スポーツモード付きCVTで、スポーツにはパドルシフトを装備。また、スポーツには5速MTも用意された。

駆動方式はFFと4WD。4WDはアウトランダーやデリカD:5に搭載されるのと同じ電子制御4WDで2WD、4WDオート、4WDロックの3つの走行モードを選べるようになっている。

安全面では雨量に応じてワイパーの作動速度を自動調整する雨滴感応式オートワイパー、オートライトコントロールを全グレードオプション設定。

ライト点灯時にステアリング操作に連動して曲がる方向の補助灯を点灯するアダプアティブフロントライティングシステムを「スポーツ」に標準装備(その他のグレードはオプション)した。

ギャランフォルティスは、年次改良を行いながら性能を向上させていったモデルだ。主な変更は以下のとおりとなっている。

【2008年7月 グレード追加】
 

三菱ギャランフォルティス ▲ラリーアートは三菱のモータースポーツ部門。その中を冠したスポーツグレードは、ランエボとは違う形で走る楽しさを味わえる

“プレミアムスポーティ4WD”をコンセプトとした「ラリーアート」を追加。

専用のフロントバンパーで空気抵抗を低減し、グリルの開口部を大きくして冷却性能を向上させている。ボンネットフードは専用のアルミ製になり、ターボチャージャー冷却用の導風口とエンジンルーム放熱用の排出口が本気感を醸し出す。

インテリアは上質で、深みのあるブラックが基調となっている。インパネにはジオメトリックチェックと、シルバーの細いモールを組み合わせたオーナメントパネルが採用された。

搭載される2Lターボは最高出力177kW(240ps)、最大トルク 343N・m(35.0kg-m)を発生。トランスミッションは、ランサーエボリューションXにも搭載されるツインクラッチ SSTを専用にチューニングしたものになる。

これに、フロントヘリカル LSD+アクティブセンターディファレンシャル+リア機械式LSD で構成されるフルタイム 4WD システムが組み合わせられた。

【2009年12月 マイナーチェンジ】
 

三菱ギャランフォルティス ▲マイナーチェンジで採用されたハイコントラストメーター&マルチインフォメーションディスプレイ

・「ラリーアート」以外のグレードのエンジンを、1.8Lに変更
・視認性に優れるハイコントラストメーター&マルチインフォメーションディスプレイを採用
・本革シートやサイド&カーテン SRS エアバッグなどをセットにしたレザーパッケージを「スポーツ」と「スーパーエクシード」にオプション設定
・レカロ製フロントシートを「ラリーアート」にオプション設定

【2010年8月 一部改良】
・滑りやすい路面走行時や急なハンドル操作時に車両の不安定な動きや車輪のスリップを防ぐ、アクティブスタビリティコントロールを全グレードに標準装備
・「ラリーアート」に搭載するツインクラッチ SSTの制御を大幅に変更

【2011年10月 一部改良】
・シンプルな構造の連続可変バルブタイミング機構を搭載した新型の1.8Lエンジンを採用
・アイドリングストップ機構を搭載
 

■ギャランフォルティス(初代)の中古車相場
2Lエンジンを搭載する前期型は約60台流通していて、「ラリーアート」を除いた価格帯は総額40万~80万円。

一方、1.8Lエンジンになった2009年12月以降の後期型は35台ほど流通していて、「ラリーアート」を除いた価格帯は総額60万~100万円となっている。

「ラリーアート」以外の標準モデルで探しやすいのは、前期型だとラグジュアリーな「スーパーエクシード」とCVT仕様の「スポーツ」、後期型は「スーパーエクシード」だ。

そこまで高い走行性能を求めないのであれば、手ごろな価格このあたりが本命となるだろう。

2008年7月に「ラリーアート」が追加されたことで、走り嗜好の人は「スポーツ」ではなく「ラリーアート」を購入したのだろう。後期型では「スポーツ」はほとんど流通しておらず、前期型もデビューイヤーの中古車が中心になる。

「ラリーアート」の中古車は30台ほどの流通にとどまっている。価格帯は総額110万~260万円。

100万円台前半の低価格帯は走行距離が7万~10万km程度の中古車が多くなる。派手にカスタムされたものはほとんどないので、購入時に車両状態をそこまで心配する必要はないだろう。

車両本体価格180万円以上の高価格帯には、走行距離5万km以内の中古車が多数流通している。

モデル末期の高年式物件や走行距離3万km以下の低走行車を狙うには、予算200万円ほどが必要となるが、まだ選択肢がある今が狙い目かもしれない。
 

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ギャランフォルティススポーツバック(初代)の特徴と中古車相場

■ギャランフォルティススポーツバック(初代) DATA
生産期間:2008年12月~2015年3月
中古車流通量:約30台
中古車価格帯:30万~220万円
全長4585mm x 全幅1760mm x 全高1515mm  

三菱ギャランフォルティススポーツバック ▲スポーティな5ドアハッチバックとして登場したギャランフォルティススポーツバック

■ギャランフォルティススポーツバック(初代)の特徴
2008年12月に追加されたギャランフォルティススポーツバックは、ギャランフォルティスの5ドアハッチバックモデルになる。

ギャランフォルティスに設定された「ラリーアート」のフロントデザインを全グレードに採用していて、ボディラインはAピラーからルーフ、そしてリアエンドまで流れるようなラインで構成されたスポーティなハッチバックだ。
 

三菱ギャランフォルティススポーツバック ▲リアのルーフスポイラーは全グレードオプション設定。写真のパッションオレンジパールはスポーツバック専用色になる

インテリアはブラック基調で、高級感とスポーティさを両立。リアシートは荷室側からレバーを引くだけで格納可能になっており利便性が高い。

グレード展開はベーシックな「ツーリング」、スポーツグレードの「スポーツ」、そしてギャランフォルティスにも設定された「ラリーアート」が用意された。

搭載エンジンとトランスミッションは「ツーリング」と「スポーツ」が2L 直列4気筒に6速スポーツモード付きのCVTを、「ラリーアート」は2L ターボにツインクラッチSSTが組み合わされた。

ギャランフォルティス同様、「ラリーアート」は4WDのみの設定だ。
 

三菱ギャランフォルティススポーツバック ▲ギャランフォルティス同様にボンネットフードにはターボチャージャー冷却用の導風口とエンジンルーム放熱用の排出口が備わる

2009年12月にはギャランフォルティスとともにマイナーチェンジを実施し、エンジンが2Lから1.8Lに変更された。

その後、ギャランフォルティスと同じタイミングで同様の年次改良が施されている。
 

■ギャランフォルティススポーツバック(初代)の中古車相場
流通している中古車の台数は、ギャランフォルティスよりかなり少ない30台程度となっている。

しかも、2Lエンジン搭載車は1年のみの販売だったこともあり、ラリーアート以外の中古車はほとんどが1.8Lエンジン搭載車になる。2L車を狙うなら、こまめな相場チェックをオススメしたい。

1.8L車のうち、スポーティグレードの「1.8 スポーツ」は15台ほど流通していて価格帯は総額50万~110万円。「1.8 ツーリング」の中古車はほとんど流通していない。

「ラリーアート」は10台流通していて価格帯は80万~160万円。予算150万円以内でも走行距離が6万km台のものが見つかるなど、お買い得度は高い。選択肢が少ないため、条件が合うものがあれば早めのアクションがオススメだ。

予算を150万円より少し増やせば、走行距離5万km以下の中古車も見つかるようになる。ただし、流通台数が少ないため高年式・低走行車などが出てくると現状の価格帯を外れるものも出てくるだろう。
 

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※記事内の情報は2021年8月20日時点のものです。
 

文/高橋満 写真/三菱

高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL